弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第6回イベント モミジ・2

「ふむ、廃村か。そういえば、シオリも洞窟の中に集落を見つけたと言っていたな」

「たぶん、ここと同じような場所がいくつかあるのでしょう。掲示板によると、ここで手に入る地図でアイテムが隠されている場所がわかるみたいです」

 

辺りをキョロキョロと見回すカスミに、モミジが目的のアイテムを手に入れる方法を説明した。

 

「なるほど。まずは地図を探す必要があるのか」

「地図を探して、そこからさらにお宝探しですからね。地図も1人1つしか持てないので、手間がかかります」

 

軽く愚痴をこぼしてから、モミジとカスミは手分けして廃屋を物色し始めた。

廃屋の中はまるで戦いの後のように物や家具が散乱していることから、おそらく集落同士の戦争によって滅ぼされたのか、盗賊団に襲われたのか。詳しいことはわからないが、凄惨な末路を辿ったのだろう。

ゲームとはいえ、モミジは思わず黙祷をささげ、その後すぐに割り切って、遠慮なく中を物色し始めた。

地図以外にもポーションを始めとした様々なアイテムが落ちているが、どれも効果が弱いため、ストレージを圧迫する分はその場で捨てながら物色を続けた。

しばらく物色を続けていると、モミジは床下の物置を発見した。

 

「たぶん、この辺り・・・あった」

 

できるだけわかりづらそうなところを重点的に探すと、狙った通りに地図があった。

実際は他にも箱に入った筒状の紙の束があったのだが、少しでもいいものがほしいモミジはレア武器狙いで回りくどい探し方をしたのだ。

だが、

 

「なにこれ・・・血で見えないし・・・」

 

せっかく苦労して見つけた地図は、血で汚れてかなり見にくくなっていた。辛うじて武器の場所はわかるが、他の見えない部分が多すぎて見つけるのに苦労しそうだった。

モミジは簡単に予想できる苦労にため息を吐くが、その分強い武器が手に入るかもしれないと気を取り直して廃屋の外に出た。

カスミはすでに見つけていたようで、待ち合わせ場所にしていた広場に立っていた。

 

「すみません、カスミさん。遅くなってしまいました」

「いや、私も大して待っていないから気にするな。こういう宝探しのようなものは、どうにも苦手でな」

「そうでしたか・・・じゃあ、まずはカスミさんの地図から探しましょう。私のは、けっこうわかりにくいので」

「わかった」

 

ひとまずわかりにくいモミジの分は後回しにして、まだわかりやすそうなカスミのものから探すことにした。

カスミの地図にあった場所は、この廃村から徒歩で数分ほどの場所にあるところだった。

隠し場所も簡単で、木の洞の中に隠れるように箱が置いてあった。

 

「普通なら、他のプレイヤーに丸見えなのだろうがな」

「たぶん、地図を持っていなきゃ見えないんじゃないですかね?」

 

あれこれと推測してはいるが、どうせ今日が最終日なのだからとそこまで考えることもなく箱を開けて中を確認した。

 

【毒戦士の槍】

【STR+50】【毒攻撃Ⅲ】

 

「うわ、槍・・・」

「短剣ではなかったな。それに、情報通り毒の効果も高くない」

 

モミジは自身が使わない武器だったことに落胆し、カスミも淡々と評価を口にした。

 

「すまないな。短剣の地図ではなくて」

「それについては、カスミさんを責めるつもりはありません。そもそも、地図はランダムで入手できるものですから」

 

地図を手に入れたからと言って、目的の武器が手に入るというわけではない。地図の段階では内容はわからず、宝箱を開けて初めて中身が分かるようになっているのだ。

 

「こうなったら、私の地図に賭けるしかありませんか」

「なに、これでダメだったら、また廃村に行って地図をとればいい。それよりも、今度はモミジの地図を確認しよう」

 

落ち込むモミジにカスミが励ますように声をかけ、次の隠し場所に向かうように促した。

それで気を取り直したモミジも頷き、自身の地図を開いた。

変わらず血で潰れて見づらいが、かろうじて場所を確認することはできる。

 

「どこかわかるか?」

「えっと・・・ここから北ですね。歩いて5分くらいでしょうか」

「そうか、思ったより近かったな」

「はい、ただ・・・」

「ただ?」

 

隠し場所が分かったのに歯切れが悪いモミジを怪訝そうに見ると、モミジは言いにくそうにしながらどこにあるか話した。

 

「ここ、例のフィールドボスが出てくる可能性があるんですよね」

「そうなのか・・・」

 

ここのフィールドボスは、できる限り戦いたくない相手だ。ただでさえ回復ができないのに、状態異常を無効化するスキルを貫通して毒や麻痺などをばらまくのだから、厄介のこと極まりない。

だから、行きはフィールドボスが現れるエリアを迂回したのだが、これはフィールドボスと戦う羽目になる可能性もある。

 

「・・・迷っていてもしかたありません。さっさと取りに行きましょう」

「あぁ、そうだな」

 

ここでうじうじしても仕方ないと、覚悟を決めて隠し場所に向かった。

少し歩くと、さらに森の様子が変わった。

草や木々の葉の色が毒々しい紫色になり、咲いている花も禍々しいものが多い。

早く宝箱を確認しようと早歩きになりながら隠し場所に向かうが、ここでアクシデントが起きた。

 

「あれ?」

「どうかしたか?」

「隠し場所はこの辺りなんですが・・・あれ」

 

モミジがそう指さした先には、明らかに掘り返された跡があった。

 

「場所は、この辺りで間違いないのだな?」

「はい。そのはずですけど・・・」

 

まさか、すでに他のプレイヤーに取られてしまったのか。

そう思ったのだが、考える暇はなかった。

 

「ゲエェ~~~・・・」

「っ、カスミさん!これって!」

「あぁっ、悪い予感が当たったようだ!」

 

突如として聞こえた蛙の鳴き声に、モミジとカスミが警戒レベルをマックスに引き上げた。

それもそのはずだ。

ちょうど、2人の目の前に現れた、全身からあらゆる毒液を垂らしている虹色の蛙こそが、このエリアでも最凶のエリアボス、デスフロッグだった。




今回の内容は次につなげるためにあっさりめにしました。
そして、あと2、3話ほどで投降を一時中断するつもりです。

デスフロッグ、安直な名前ですが、ヤドクガエルみたいなもんだと割り切りました。
あれだって、毒矢に使われたからヤドクガエルって命名されたわけですしね。
プレイヤー絶対殺す蛙ならこんなもんでちょうどいいでしょう。
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