翌日、ひとまずは地図を買って、気になる場所をしらみつぶしにマークした。
廃墟のある場所とか、戦場っぽい平野とか。
この階層は、ホラーと一括りに言っても和風も洋風もある。4層の関係か街には和風は少ないが、フィールドには両方が入り混じっている状態だ。
その中でも、特に和風っぽいところを探してみる。
「さて、と。最初は・・・この辺りに行ってみるか」
まずは、比較的近い丘に行ってみることにした。
説明文には、武士が戦をした跡だと書いてあるが・・・。
洋風建築があるのに武士が出てくるとか、さすがに無理があるんじゃないか?
* * *
とりあえず、割とどうでもいい疑念は頭の片隅に追いやりつつ、目的の平野にたどり着いた。
ちなみに、今の装備は黒竜一式だ。ゴースト系は物理が効きにくいから、【
まぁ、今のところは結局スケルトンとかゾンビ系が多いけど。
しかも、設定に忠実なのか、丁寧に甲冑まで着てるし。
「はぁ、結局こっちか。【クイックチェンジ】」
さっさと武装を変えて、まとめて斬り伏せる方向にチェンジした。
なんか100体辺りから数えるのをやめたけど、それくらいには大量に湧いた雑魚モンスターを倒し続けた。
ていうかさ、明らかに数が異常じゃね?絶対、1人に襲わせる量じゃないって。
まぁ、俺としては物足りないけど。
「さすがだな、クラールハイト」
モンスターもわかなくなって一息ついたところで、後ろから声をかけられた。
振り向いてみれば、ペインが拍手をしながら俺に近づいて来ていた。
「なんだ、のぞき見してたのか」
「偶然見かけただけさ。それにしても、いったい何体倒したんだい?俺が見始めた時からカウントしても、100体以上は斬っていたと思うが」
「さぁな。俺も100体から数えるのやめたし。でも、気づけば30分経ってたからな~・・・下手すれば300超えるかも。あ、レベルも上がってる」
「なるほどな・・・そういえば、こんな話を知らないか?」
なんだ?俺が掲示板を見た限りは、そんな話はなかったと思うが。
「俺のギルメンからの情報なんだけどな、フィールドのいたるところに、異様にモンスターの数が多いエリアがいくつかあるらしいんだ。ここも、その1つだ」
「へぇ・・・となると、ペインがここに来たのはそれを確認するためか」
「そういうことだ。そして、それは当たりだったようだな」
「俺なら、木偶がいくら出て来てもどうとでもなるが・・・最低でも100以上のモンスターが一か所に出てくるってのは不自然だな。なにかイベントがあると見てもいいか。言い値を払うから、今の段階で判明してる場所を教えてもらっても?」
「そうだな・・・10万Gでどうだ?」
「・・・そこで遠慮なくぶんどるあたり、ペインもちゃっかりしてるな。払うけど」
幸い、俺一人で金を大量に使うことは少ないから、10万くらいなら簡単に払えるくらいの蓄えはある。
その場で10万G、即金で支払って、情報をもらった。
その情報によると、ここの他にあるのは、ここから近い順に川辺、平野、山の中で、偶然にもそこは戦いがあったというテキストがある場所だ。
「ふむ・・・とりあえず、片っ端から行ってみるか。俺の方でも、何かあったらメッセージを送ろう」
「助かる」
「情報、ありがとな」
ペインに情報の礼を言ってから、俺は近くの川辺に向かった。
* * *
その後、俺はペインの情報通りの場所に向かった。
川辺では小舟の集団と出くわして、舟に乗ったモンスターの矢の雨を回避しつつ【
平野では、馬(ゾンビのように体が腐っていた)に乗った騎兵をこれもミサイルランチャーで爆撃した。
うん、文明の利器のありがたみがよくわかる。
どれだけ数を揃えても、相手に遠距離の攻撃手段がなかったら、こっちは兵器で遠距離から一方的に攻撃できるからな。弓矢程度なら当たる方が難しいくらいだし。
そして、最後は山を登りながら、僧兵のような格好と武器のモンスターを片っ端から斬り捨てた。
やっぱりと言うかなんというか、モンスター程度じゃ数を出されてもちょっと物足りないなぁ。
ペインの方が、よっぽどやりごたえがある。
もちろん、白鬼は別で。
ただ、なぎ倒しながらもなんか既視感を覚える。
戦場の場所と言い、襲ってくるモンスターの格好といい、まさに日本の戦国時代そのものだ。
もっと言えば、こんなシチュエーションで戦をした武将がいた気がする。
それが誰だったか、あと少しで思い出せそうなんだが・・・。
それを考えているうちに、山の頂上にたどり着いた。
「うわ・・・なんだ、これ」
そこでは、立派な木造建築が燃え盛っており、中から燃えている人間が出てきている。
このゲーム、全年齢対象だったよな?
俺でも軽く吐き気がこみあげてくるんだが。
だが、これではっきりした。
僧兵に、山の中の建物の焼き討ち。さらには、今までの戦場の状況。
こんなことをしたのは、俺の知る限り1人しかいない。
次の瞬間、通知音と共にメッセージが届いた。
【EXダンジョン・安土城への挑戦権を獲得しました】
そんなメッセージと共に、マップにダンジョンの場所が表示された。
えぇ、ここまで来れば、もう誰かおわかりですよね。
明らかにやばいことになりそう。
くっそどうでもいいことなんですけど、頭の中でペインをイメージしようとするとにじさんじの某英雄が思い浮かんでしまうのは自分だけなんでしょうか。
金髪騎士ってだけで問答無用で脳内変換しちゃいそう。