弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

4 / 134
スキル探し・クラル編

ログイン2日目。

今日はシオリは一緒におらず、1人で探索している。

なぜかと言うと、事の発端はシオリの提案だった。

ログインして、一通り装備を揃えた俺たちだったが、その後にシオリが、

 

「せっかくやし、3日は完全別行動にして、お互いどんなスキルを取得できるかやってみーひん?そんで、どっちがすごいスキルをゲットできるか勝負しようや!」

 

と言い出したのだ。

俺としても、その提案自体は悪くないと思ったのだが、後衛が1人だけで探索するというのも不安要素が多かったから、もう少し装備を整えてから、と言おうとした。

だが、言う前にシオリが「んじゃ、先に行っとるからなー!」と外に行ってしまって、結果的に1人で探索することになったのだ。

フレンドのメッセージ機能で伝えようかとも思ったが、こうなったシオリは何があっても止まらないと途中であきらめ、仕方なく俺もスキル探しの旅に出ることにした。

行き先は森ではなく、“風の峡谷”と呼ばれるダンジョンだ。

ここでは飛行型のモンスターが多くあらわれるということで、狙撃の練習も兼ねて潜ることにした。

 

「はぁ、相変わらず、シオリには振り回されっぱなしだなぁ・・・」

 

思い返してみても、最初から最後までシオリを制御で来た試しがない。

シオリの愚痴をこぼしながらも、ダンジョンに向かう足は止めない。

過ぎてしまったことを悔やんでも仕方ない。ここは仕方なく、スキル探しをするとしよう。

数分歩いて、ダンジョンにたどり着いた。

見た目としては緑はほとんどなく、どちらかと言えば荒野に近い。

周囲には、他のプレイヤーはあまり見当たらない。

 

「んじゃ、始めるとするか」

 

覚悟を決めて、俺はダンジョンに足を踏み入れた。

するとさっそく、空から中型の鳥モンスターが3体、急襲を仕掛けてきたが、矢を3本つがえ、3本とも頭に命中させて光に変えた。

特にスキルは使っていないが、これくらいならまだ何とかなるレベルだ。

その後も、奥に進みながらモンスターを迎え撃っていると、レベルアップと同時にスキル取得の音声が流れた。

 

『スキル【百発百中】を取得しました』

「ふむ?どれどれ・・・」

 

周囲にモンスターがいないことを確認してから、スキルの効果を確認した。

 

スキル【百発百中】

有効射程による威力低下をなくし、矢が直線上に飛ぶようになる。

取得条件

レベル15になるまで、弓矢による攻撃を1発も外さないこと。

 

「うおっ、何気にうれしいスキルだな」

 

遠距離攻撃、特に弓矢において、曲射起動を計算しなくてもいいというのは、これだけでも大きなアドバンテージになる。ついでに言えば、有効射程の威力低下がなくなるのも、長距離狙撃が格段にしやすくなってありがたい。

条件はけっこう厳しめだが、それに見合う効果だ。

試しに、たまたま目に着いた有効射程より外にいる大型の鳥モンスターに目を付け、弓を構えた。

目算では、だいたい100mちょっとか。今の状態で目視できる限界だ。

モンスターの動きを読み、着弾までの時間を計算して狙いを定め・・・矢を放った。

放たれた矢は吸い込まれるように大型の鳥モンスターに向かって飛翔し、再び頭部を貫いてHPを0にした。

余談だが、この距離でもアイテムが手に入るのはゲームならではだよな。

そんなことを考えると、再びスキル取得の音声が流れた。

 

『スキル【鷹の目】を習得しました』

「またか・・・今度は、どんなやつなのか」

 

スキル【鷹の目】

目視で視認できる距離が大幅に上昇し、視界内にいる対象の距離を表示する。

取得条件

100m以上の距離からモンスターを弓矢で倒す。

 

「ふむ・・・これもパッシブスキルなのか。どれどれ・・・」

 

大幅というのがどれだけの度合いなのか、試しに峡谷の奥を見つめてみる。

意識を集中させると、途端に視界がグンッ!とズームアップした。

 

「うおっ」

 

突然のことに思わず驚くが、すぐに気を取り直して集中しなおすと、ちょうど視界の中に中型の鳥モンスターが降りてきた。すると、モンスターの上部に“128”という数字がでてきた。この数字が対象との距離なのだろう。

偏差射撃をするときにかなり便利そうだ。

ついでに視界に入ったモンスターを射殺しつつ、新たなスキルや装備を求めてさらに奥へと進んだ。

 

 

この2つのスキルを手に入れてからは、モンスターの感知距離より外から攻撃できるため、レベルも20目前にまで上昇した。

だが、奥に進むにつれて現れるモンスターの数が多くなってきて、弓矢だけでは捌くのが難しくなってきた。

そして、レベルが20になったあたりで、とうとうモンスターが3匹、俺に接近してきた。

それでも俺は取り乱さず、()()()()()()()()()()()()()()()短剣で流れるように首を切り裂き、1撃で仕留めた。

装備としては弓矢を選んだ俺だが、本来なら俺に武器の得意不得意はなく、使ったことのない武器以外ならだいたいは使いこなせる。弓矢を選んだのも、シオリの援護のためというだけで、使おうと思えば槍でも片手剣でも刀でも何でも使えるのだ。

そして、敵に接近された場合も考慮して、あらかじめ短剣を作って装備しておいたのだが、やはり正解だったようだ。

だが、慣れないスキルを多用していたからか、そろそろ集中が途切れてきた。

時間もいいところまできたし、今日のところはこれで切り上げて街に戻ろう。

今日得たアイテムも、売るなり装備の生成や強化に使うことにしよう。




後になって「そういえば弓矢って、右利きだと、弓を左手で持って右手で矢を持つんだったっけ」と気づき、1話の装備欄を訂正しておきました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。