弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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VS2代目・機械神 1

梯子の頂上にあったマンホールのような蓋を開けて外に出ると、そこはあの巨大な建物の中のようで、左右もそうだが縦にも広かった。

周囲には、様々なパイプや機材なんかが所狭しと並んでいる。

そして、

 

「こいつは、まさか・・・機械を生み出している部分か?」

 

部屋の奥に、中に青白いエネルギーが宿っているガラス球を発見した。

たぶん、2代目【機械神】とやらのエネルギー炉か何かなのだろう。

だとしたら、どこかに【機械神】がいるかもしれない。

とりあえずどこにいるか探して、あわよくばレーザー兵器かなんかをもらおうと思ったが、その必要はなかった。

 

「・・・人間ガ、何ノ用ダ?」

 

突然、空間に声が響いた。

どこから話しているのかと思ったが、よく見ると例のエネルギー炉が形を変えながら明滅している。あれこそが、2代目【機械神】そのものだということか。

 

「えーと、そうだな。とりあえず、何か使えるものが欲しいんだが・・・」

 

通用するかどうかは別にして、俺は【機械神】に話しかけてみる。もしかしたら、会話によって何かしらのイベントが発生するかもしれない。

そう思ったのだが、

 

「我ハ2代目【機械神】ナリ。決シテ、人ガ敵ウ存在デハナイ。不完全ナガラ、人ヲ慈シンダ先代トハ違ウ。コノ前ハ、不完全ナ先代ノ力ヲ継承シタ人間二後レヲトッテシマッタガ、2度目ハソウハイカナイ」

 

何やら、話が変な方向に行き始めた。

この言い方だと、こいつとはまた違う2代目を倒した誰かがいるってことになるな。

まさか、メイプルだったりして・・・いや、そう考えるのは早いか。「訳の分からないイベント=メイプルが攻略した」は、さすがに短絡的すぎる・・・いや、あり得ないとは限らないが。とりあえず、後で聞いておこうか。

 

「ココハ我ノ世界デアル。身ノ程ヲ知ルガイイ」

 

その言葉の後に、俺の前に『クエスト 機械仕掛けの神 を受注しますか?』と書かれた選択画面が現れ、俺は迷うことなく『Yes』を選択した。

すると、2代目の周囲から、どこからともなく機械兵が現れた。

その数、およそ20体。

 

「うへぇ、それはきついな・・・」

 

見てみれば、エネルギー炉にHPバーが現れた。おそらく、あれを倒せということだろう。

 

「とりあえず、先手必勝で、こいつをくらえ」

 

俺はボムアローをつがえて、2代目に放った。

すると、先ほど生み出された機械兵が盾となって2代目を守った。

だが、同じ条件でも道中の敵よりダメージが通った。

おそらく、性能をある程度犠牲にした量産型なのだろう。

 

「なるほど、先にこいつらを倒せってことか、あるいは隙をつけってことか」

 

それなら、俺にも考えがある。

 

「クローネ、【覚醒】!」

 

俺はクローネを【巨大化】させずに呼び出した。

 

「クローネ、【風刃】!」

 

クローネによる風の刃の嵐によって、倒せはしなかったものの十分なダメージを出した。

クローネはこのまま回避と攻撃に集中してもらうことにして、俺は違う方法で攻撃をしてみることにした。

 

「さっそく、こいつの出番だな、っと!」

 

俺はワイヤーのついた矢を頭上の壁の部分に放った。放たれた矢は壁に突き刺さってしっかりと固定される。

【ワイヤーアロー】。道中の敵がドロップした素材を用いて【奔放な錬金術師】で作った特殊な矢だが、その名の通り、金属製のワイヤーによって壁の上なんかに登ることができたり、遠くのものを手繰り寄せたりすることができる。しかも、ワイヤーの巻取りは手作業ではなく自動だ。楽に登ることができる。

俺はさっそくワイヤーを手繰り寄せて、できるだけ上に登る。

矢の突き刺さったところまで登ると、俺は壁に足をつけて、ワイヤーを足に括り付けてぶら下がった。

傍から見れば不格好なことこの上ないが、弓矢を使うにはこうするしかなかったからしょうがないと割り切っている。

 

「【拡散】!」

 

俺はボムアローを3本つがえて、【拡散】も使用して放った。450本に増えた爆弾の矢の雨は、容赦なく機械兵を砕いていくが、2代目はバリアのようなものを張ることでダメージを軽減した。HPも3分の1も削れていない。

それでも俺は高所からの狙撃を続けようとしたが、追加された機械兵の中にスナイパーライフルのようなものを持っている個体を見つけて、すぐにワイヤーを切って地面に降りた。

できるだけ上をとったと言っても、あくまで室内。俺までの距離は100mもない。スナイパーライフルなら、十分射程内だ。

さらに言えば、この距離ならクローネもただの的だ。

 

「クローネ、【休眠】!」

 

俺は手早くクローネを指輪に戻し、2代目に向き直る。

生み出された機械兵は、およそ40。そのうち、銃のようなものを装備しているのは20。

 

「ははっ、随分と殺意高いなぁ・・・だが、足りないな」

 

俺は犬歯をむき出しにして笑い、機械兵の集団に突っ込んだ。

当然、機械兵は射撃して応戦してくるが、俺は音を頼りに位置を瞬時に割り出し、【千里眼】による動体視力強化で銃弾を視認し、安置を見つけ出す。

銃弾を避けたら、今度は近接で襲い掛かってくる機械兵を、武器を短剣に持ち替えて応戦する。時には弱点らしき部位を一閃し、時には蹴飛ばして銃弾から身を守る盾にし、時には【サンダーボール】で大ダメージを与えつつ動きを止める。

そうして、10分ほどその攻防を続けたところで、追加分はすべて倒した。

 

「こいつをくらえ!」

 

俺はボムアローを3本つがえて、2代目に放つ。すると、2代目のHPをさらに3分の1削ったところでまたバリアが張られて、これ以上ダメージをあたえられなくなる。

なるほど。段階的にHPを削っていくタイプのボスなのか。

となると、これが最後になるのか。

そして、最後に出てきたのは、高さが3m以上はある、重厚な装甲に包まれた機械兵が10体。

 

「あ、これ、マジでやばい奴だ」

 

平凡な俺のステータスでダメージを与えられない場合、問答無用で詰んでしまう。

さらに、動きは見た目通り遅いものの、両腕にはガトリングが、両肩には砲台が取り付けられており、火力面もかなりやばいことになっている。

ぶっちゃけ、すでに逃げ帰りたくなってきたが、ここで諦めるわけにはいかない。

 

「すぅー、はぁー・・・すぅーーー」

 

俺は装備を弓矢に変えてから1度深呼吸をして、さらに息を深く吸い込み、勢いよく駆け出した。

機械兵も俺に狙いを定めてガトリングを乱射するが、俺の速度に銃口が追い付いていない。

俺だって、壁走りができるシオリほどではないが、それなりに速い方だ。ガトリングを避けるくらいなら、なんとかなる。

俺はそのまま機械兵の頭上に飛び上がり、素早く矢を3本つがえて放つ。そして、ダメージの確認もせずにさらに3本つがえて、同じ機械兵に放つ。

矢を3本つがえて放つのに、約1秒。それを、飛び上がった10秒間連続で繰り返した。

結果的に、弱点だった関節部にも何本か当たって、HPは半分ほどになっていた。

途中で何かスキルを取得していたが、確認する余裕はない。

 

「さぁ、かかってこいよ・・・!」

 

俺は意地でも目的の物を手に入れるために、戦意を丸出しにした笑みを浮かべて改めて機械兵に相対した。




キリがよかったので、途中でぶった切りました。

ちょっとした独自解釈ですが、メイプルが戦ったのは初代に残留していた意志のようなもので、機械を生み出し続けているものとはまた違う存在だと認識して、こんな感じにしました。
アニメだと、本物とドンパチやってた感じですが、自分はあくまで原作と書籍に沿って書いているので、こんな感じでも大丈夫だと思いました。
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