俺たちが飛ばされたのは、洞窟の中だった。
道が3本に分かれており、俺たちが今いる広間にオーブと台座があった。
俺、サリー、シオリでそれぞれの道を確かめると、1つは水場があって行き止まり、1つは特に何もない行き止まり、最後の1つが外に通じる出入り口だった。
これなら確かに、格段に防衛しやすいだろう。
「それじゃあ、まずは打合せ通りに」
「えぇ、わかったわ」
「おう、予定通り行こう」
「任せとき」
「わ、私も頑張りますっ!」
時間が惜しい中、さっそく攻撃組5人と偵察役のモミジは洞窟から出て行った。
「クローネ、【覚醒】、【巨大化】」
「フウ、【覚醒】、【巨大化】」
俺とシオリはさっそくモンスターを巨大化させ、その背中に乗った。
俺は上空からの偵察で、シオリはフウの【嗅覚強化】で、それぞれギルドを見つけやすい。
それに、俺とシオリは1人だけでも十分ギルド1つくらいなら戦える。だから、あえて攻撃組を俺、シオリ、その他3人の3つに分けたのだ。
とはいえ、俺は上空からという都合上、どうしても中規模以上を相手取るのがメインになるだろう。
あるいは、オーブを集めたギルドからまとめて横取りするか。
なんにしても、できるだけ早くモミジの情報が欲しいところだ。
「さあて、どこかちょうどいいところはないかなっと・・・」
【千里眼】も使って、どこに他のギルドの拠点があるか、何人が防衛をしているかを確認していく。
だが、やはり上空から探せるというのはでかくて、10分くらいでちょうどいい中規模ギルドを見つけた。
「見っけた。よし、近くにメンバーはいないようだし、【速射】、【拡散】!」
俺はマップで巻き添えが出ないか確認してから、さっそく敵陣にボムアローの雨を降らせた。
次々に襲い掛かる4500の爆発する矢の絨毯爆撃に対応できるはずもなく、敵ギルドはあっさり壊滅した。
「さて、もらうぞっと」
俺は地面に降りてから悠々とオーブを回収し、再びクローネの背中に乗って上空に飛び上がる。
今度は、先ほどよりもスピードを落とし、敢えて敵の攻撃が届く位置を維持する。
「おっ、来た来た」
すると、オーブを取り戻そうと20人弱のプレイヤーが俺を追いかけてくる。
それを俺は引き離さない程度のスピードで逃げる。
そうすれば、
「お、始まった始まった」
俺の眼下では、別のギルドのプレイヤーと遭遇して戦闘を始めていた。
こうしてひきつけていけば、ギルド同士のつぶし合いを誘発できる。
さらにラッキーなことに、そのギルドの拠点も近くにあった。
せっかくだし、あれももらうとしよう。
【拡散】は使ってしまったから【速射】だけで対応するが、それでも十分敵を倒せる。
とはいえ、矢だけでは時間がかかる。
だから、さっそくだがあのスキルを試してみることにする。
「【
俺が呟いたのは、【
【
それはともかく、俺は余計な思考を振り払って適当な高さから敵オーブの真ん前に飛び降りる。
「来たぞ!一斉にかかれ!」
俺が着地するタイミングを見計らって、20人ほどのプレイヤーが俺に襲い掛かってくる。
だが、
「出直してこい!」
「「「「ぎゃあーーーー!!」」」」
レーザーガンによる射撃で一気に4人片付ける。さらに、遠くから魔法や弓矢で攻撃をしてくるプレイヤーに精密射撃を、剣や槍なんかで襲い掛かってくるプレイヤーには銃による殴打と蹴りをお見舞いして倒していく。
あっという間に、防衛に回っていたプレイヤー20人を全滅させた。
「オーブをもらって、っと。クローネ、降りて来てくれ!」
上空に退避させていたクローネを呼び戻して背中に乗り、また上空へと飛びあがる。
しばらくは、この繰り返しになるだろうな。とりあえず、5つくらい集めてから戻ることにしようか。
「はぁ、結局は作業ゲーになりそうだな・・・まぁ、俺たちが勝つにはこうするしかないわけだが」
動員できる人数が少ない俺たちの勝ち筋は、速攻からの逃げ切りしかない。だから、できるだけオーブを集めておきたいところだ。これは、作戦会議の時にも話したことだ。
ただ、そうなると少し心配な人物が出てくるのだが・・・できるだけ、フォローを入れるようにしよう。