弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第4回イベント1日目・4

25個のオーブを防衛した後、俺は早めの休息に入った。

なぜなら、なるべく夜中に襲撃をしていきたいからだ。

人数が少ない関係上、オーブ集めの効率は大規模ギルドには敵わない。

だから、オーブを奪いやすいギルドが残っているうちに、できるだけポイントを稼いでおきたい。

メイプルはあくまで上位入賞が目標だが、俺とシオリはあくまで1位を狙っている。

すでに俺とシオリで20個集めたが、後半はどうなるかわからない。

今日の目標としては、できるだけもう20個集めたいところだ。そうすれば、トップ3はほぼ確実だろう。

そんなことを考えながら、奥のスペースで4時間ほど仮眠をとった。

 

「クラル、時間や」

 

不意に、シオリに揺さぶられて起こされた。

 

「もうそんな時間か」

「回復は十分みたいやな。攻めに行くん?」

「そのつもりだ。俺の装備は、むしろ夜の方が活きるしな」

 

俺の装備もクローネも、主な色は黒だ。うまく夜の闇に紛れることができるだろう。

 

「とはいえ、近くで奪えるオーブも少ないだろうし、防衛のこともある。3時間くらいで戻るつもりだ」

「わかったで。んじゃ、うちもおやすみや」

 

そう言って、シオリはすぐに寝転がって寝息を立て始めた。

相変わらず、寝るの早いな。

どうでもいいことを考えながら、オーブのある広間に出る。

 

「あっ、クラルくん!おはよー」

「おう、起きたぞ。んじゃ、早速だがオーブの奪取に行ってくる。3時間くらいでもどってくるから」

「はーい」

 

それだけ言って、俺は洞窟の外に出てクローネの背に乗って飛び立った。

今回はモミジの情報をもとに製作したマップがあるから、迷わずにオーブの奪取に動ける。

とりあえず、手ごろな中規模ギルドから奪おうか・・・。

そう思ってクローネを飛ばすと、到着したギルドに見覚えのあるプレイヤーが襲撃しているところだった。

 

「なるほど・・・ま、悪いタイミングでもないか」

 

俺は矢を3本つがえ、ある程度地面に接近してから飛び降りた。

 

「なっ、新手だ!」

 

俺に気づいたプレイヤーは声を張り上げるが、他はそれどころではないらしく、警告に返事を返す余裕もないようだった。

 

「大人しくくたばっとけ、【速射】」

 

俺は矢でハチの巣にして仕留めてから、オーブを奪った。

 

「おい!オーブが奪われてっ、ぎゃあ!?」

 

オーブを取られたことに気づいたプレイヤーが振り向くが、それは致命的な隙となって、そのまま光へと消えていった。

そして、今しがたそいつを斬り伏せたプレイヤーが、俺の前に立つ。

 

「・・・まさか、ここで会うことになるとはね。クラールハイト」

「俺も意外だったさ、ペイン」

 

そう、俺の狙っていたギルドを襲っていたのは、ペイン率いる【集う聖剣】のメンバーだった。

他のプレイヤーは俺を倒そうと武器を構えようとしたが、ペインが片腕を上げて制止させた。

 

「これまた意外だな。このオーブを奪わないのか?」

「君に奪われる可能性を考えるなら、ここで手を出さない方がいいと思っただけさ」

「利口だな」

 

俺の挑発に後ろのプレイヤーはわずかに殺気立つが、ペインは気にせずに会話を続ける。

 

「それで、このまま見逃してくれるのか?」

「それもそうだけどね、先に言っておきたいことがあるんだ」

「なんだ、それは。宣戦布告か?」

「そうだ」

 

俺の冗談交じりの言葉に、ペインは真顔で頷いた。

 

「僕たちは、必ず君たち【楓の木】を攻めに行く。その時まで、楽しみにしていてくれ」

「・・・なるほど。そいつはいい。ぜひ、楽しみにさせてもらう」

 

俺はペインの戦線布告を受けて、犬歯をむき出しにして笑う。

わざわざ、向こうから挑戦しにきてくれるというのだ。歓迎しない手はない。

 

「なら、次にお前と会うのはその時になるかもな」

 

そう言って、俺は猛スピードで飛翔するクローネに飛び乗って、その場を後にした。

 

「さて、楽しみができたな・・・まずは、5つをノルマにしようか」

 

高鳴る鼓動を感じながら、俺はオーブ奪取に精を出した。

 

 

* * * * *

 

 

4時間後、結局オーブを7個集めた俺は、そこで拠点に戻った。

 

「戻ったぞー」

「あっ、クラル!おかえり!」

「「おかえりなさい、クラールハイトさん!」」

 

広場にいたのは、メイプルとユイ、マイだけだった。

 

「他のメンバーは?」

「奥でカナデとクロムさんが寝てて、シオリちゃんはついさっき起きてオーブ集めに行っちゃったよ」

「ったく・・・そう言えば、サリーはまだ戻っていないのか?」

 

少なくとも、この広間にはいない。だが、奥で休憩しているわけでもないらしい。

 

「うん、まだ戻ってきてないみたいだけど・・・あっ、サリーからメッセージだ」

 

そう言って、メイプルがサリーから届いたというメッセージを見ると、顔色を変えた。

 

「どうした、メイプル?」

「く、クラルくん、これ!」

 

メイプルが俺に画面を見せると、そこには、

 

『多分死ぬ。ごめん。』

 

とだけ書かれていた。

おそらく、相当の窮地なのだろうことがわかる。

 

「は、早く助けに行かないと!」

「待て」

 

焦るメイプルに俺は制止の声をかけ、僅かに思案する。

サリーの窮地。疲労しているとはいえ、サリーが死を覚悟するほどの相手は多くない。最低でも、実力を伴った大規模ギルドだと考えた方がいいだろう。

そして・・・いいことを思いついた。

横では、メイプルたちが俺の顔を見てビクンッ!とふるえていたが、俺はそれに構わず、すぐに行動に移った。




免許合宿で初めての路上を夜中に走って、心も体も割とボロボロな状態で書きました。
がちがちに緊張して、街灯少なくいのが心臓に悪くて、なぜか左のわき腹よりの肋骨が痛くなってしまって・・・。
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