弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第4回イベント2日目・1

夜が明け、朝日が昇る直前に俺、シオリ、メイプルで外にうって出た。

最初に俺たちだけで飛び出したのは、俺たちが奪った計20個のオーブの防衛と、早朝の奇襲のため。夜が明けて夜襲の心配がなくなったと気が抜けやすい時間帯だ。

そして今回は、モミジをメイプルのサポートとして同行させた。とは言っても、シロップには乗らずに地上を走りながらの同行だが。

理由としては、メイプルの姿を見た途端に自軍のオーブを抱えて逃げないとも限らないからだ。

AGIが0のメイプルにとっては、広範囲攻撃の手段を持っているとはいえ、早い段階でオーブを持ち逃げされたら致命的だ。

だから、AGIがそれなりに高く、諜報と暗殺に特化したモミジを同行させることで、それらの取り逃がしをできるだけ抑えようというのだ。

とはいえ、メイプルの枷もある程度は取り払っているし、まずは中規模を中心に襲わせるつもりだから、今はまだモミジの出番はないだろうが。

また、サリーは一度眠ったきり、朝になっても起きる様子がなかった。あの調子なら、起きるのは昼頃になりそうだ。

基本的に、俺たちは3方向に分かれて進んでいるから、鉢合わせることもないだろう。

 

「んじゃ、いつも通り、まずは10個からいくか。今回は、手ごろな大規模ギルドも狙ってみよう」

 

大規模ギルドと言っても、突出して強いのは【集う聖剣】と【炎帝ノ国】だけだ。他のところなら、俺もシオリもなんとでもなる。メイプルは、封印されている攻撃手段が多いから、そこまではいけないだろうが。

その代わりに、俺は【機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)】の兵器で存分に暴れることにしよう。

これも、布石の内の1つだ。

 

 

* * * * *

 

 

「う~ん、すごいことになっています・・・」

 

メイプルとの同行を命じられたモミジは、少し離れたところからメイプルの戦闘の様子を【遠見】で見ていたが、とんでもないの一言だった。

メイプルに防御貫通スキル以外のダメージが通らないこともそうだが、メイプルの【毒竜(ヒドラ)】は【毒無効】でしか完全に無効化することができず、逃げようと思ってもシロップの【大自然】で捕らわれてしまっては逃走は至難の技だ。

クラールハイトから取り逃がしを倒すように言われたものの、今のところ6つ、すべて全滅させてからオーブを奪っている。

正直言って、今のところモミジはやることがなくて、割と暇を持て余してた。

今のところモミジがやったのは、メイプルに数回、襲うギルドの様子を教えたくらいだ。

役割的には、やることがないのはいいことでもあるのだが、やはり何もしないというのも落ち着かないものだ。

どうしたものかと悩んでいると、モミジの足下を5人の女性プレイヤーが慎重に進んでいた。その視線は、主に空を飛んでいるメイプルに向けられている。

【忍術】スキルによる【聞き耳】で会話を聞くと、どうやら、あわよくばメイプルが襲っているところからオーブを横取りしようとたくらんでいるらしい。

モミジからすれば、果たして本当にできるのだろうかと首を傾げてしまうが、だからと言って放置するのもよくはない。

相手は5人。隠密専門のモミジには少し多いが、対処できないこともない。

モミジは、この5人のプレイヤーの対処を決めた。

 

「【霧の都】、【凪】」

 

まず初めに、自身を中心に濃霧を展開した。範囲は、メイプルが襲っているギルドと被らないくらい。ついで、自らの音をすべて消し去る。

突然現れた濃霧に、5人のプレイヤーは困惑しながらも立ち止まり、背中を預け合って陣形を組む。

それが、運の尽きだった。

 

「えっ?」

 

まず最初に、1人のプレイヤーが膝から崩れ落ちた。モミジが足を【麻痺の短剣】で斬りつけた結果だ。

2人のプレイヤーが麻痺を解除しようとしゃがみこんでポーションを取り出そうとしたところで、声を上げる暇もなく光となって消えた。【猛毒の短剣】による毒のダメージと、【暗殺者】による即死効果がはたらいた結果だ。

敵の姿が見えないことに焦りと恐怖を感じたもう2人のプレイヤーは、麻痺によって動けないプレイヤーを見捨てて霧の外に出ようとしたが、置いていかれたプレイヤーがその姿を確認できなくなったところで、激しい爆発音が聞こえ、巻き込まれた2人のプレイヤーは吹き飛ばされながら光となって消えた。これも、イズ特製の爆弾で、【忍びの心得】によってダメージが上昇したこともあり、2個だけで倒すことができた。

 

「な、なに、なんなのよ、これ・・・」

 

残されたプレイヤーは、まるでB級ホラーのような展開で、それでも決してぬぐい切ることができない恐怖を感じ、何が起こったのかわからないまま、喉に短剣を突き立てられ、光となって消えていった。

そうして、敵にトラウマを植え付けたであろうモミジは、一仕事終えた作業員のように汗を拭うジェスチャーをした。

 

「ふぅ、上手くいってよかったです・・・あれ?新しいスキル?」

 

何かスキルを得るようなことをした覚えはなかったモミジは、いったんそのスキルを確認した。

 

【ジャック・ザ・リッパー】

【ジャック・ザ・リッパー】に属するスキルを使用できるようになる。

取得条件

誰にも正体を悟らせずに、5人の女性プレイヤーを連続で倒す。

 

どうやら、複数のスキルが内包されているタイプのスキルだったらしく、ぱっと見ではこれだけしかわからなかった。

 

「う~ん、ちょっと気になるけど・・・メイプルさんと一緒に戻ってから、皆さんと確認しよ」

 

未知のスキルである以上、ギルド内では情報を共有しておこうと、頭の片隅にこのスキルのことを置いておきながら、引き続きメイプルのフォローに動いた。




本当はもう少し先で出そうかと思っていましたが、結局待ちきれずに追加してしまいました、真“ジャック・ザ・リッパー”スキル。
詳しい説明は、次回にということで。
近いうちに、風魔小太郎のスキルも追加したいな・・・。
マルクス絶対殺すガールになる未来が見えますが。
それと、セイバーとアサシンを履き違えている方々は、たぶん出そうにないですかね・・・。
即死スキルも、すでに持っていますし。
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