弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第4回イベント3日目・1

【集う聖剣】を返り討ちにした後、俺たちは化け物形態のメイプルとフウの背中に乗り、他のギルドを襲撃して回った。

目的は、ポイントでリードを奪うことと大規模ギルドの壊滅をできるだけ早めること。

化け物形態になったメイプルは、人の姿を犠牲にして機動力を得たため、それなりに多くのギルドを襲うことができた。

この形態のメイプルの最大の利点は、黒い体のおかげで夜の奇襲がやりやすいことと、見た目のインパクトがでかすぎて防御貫通スキルを使うという思考に追いつく前に倒せることだ。

とはいえ、当然メイプルだけでオーブを奪えるというわけでもない。

だから、俺たちもメイプルの背中に乗って移動しながらプレイヤーを倒していった。

俺も、【機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)】でミニガンを作り出して援護をした。

試しにと使ってみたが、たまにはこんな感じで弾幕を張るのも悪くなかった。

襲うギルドや撤退のタイミングに関しては、俺が指示を出してメイプルを動かした。

おかげで、奪ったオーブの量ももちろん、多くのギルドを壊滅させていった。

そんな破壊の大行進を終わらせたのは、朝の6時ごろ。奪ったオーブを台座に置いて、ひとまず作戦は終了した。

 

「んじゃ、メイプルはお疲れ様だな。ゆっくり休んでいてくれ」

「うん。ちょっと、奥の方で寝てくるね。何かあったら起こしに来てくれたら・・・」

「あぁ、大丈夫だ」

 

そう言うと、メイプルは人の姿に戻らずに奥に引っ込んだ。

1日に1回しか使えない変身だから、元に戻るのは惜しい。

 

「さて、後はこのオーブを防衛するだけだな」

「でも、大丈夫なの?けっこう大規模ギルドのやつも混じっているけど・・・」

 

俺たちが奪ったオーブは10個。そのうち7個が大規模ギルドのものだ。

普通に考えて、危なくなったら、自軍のオーブだけ持って奥に避難した方が確実ともいえる。さすがに、ここまで来て俺とシオリの姿を見ただけで逃げるようなことはないだろうし。

だが、問題ない。

 

「防衛は、こいつらにも任せればいい。【創造(クリエイト)】」

 

俺は【機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)】を発動して、大量の機械兵を生み出した。

その数、およそ50。そのすべてが銃器を装備している。

あくまで量産型だからHPはそこまで高くないが、銃で牽制できるから問題ない。

 

「これで、大規模ギルドが来てもかなり楽に戦えるだろう」

「いや、なにしれっと一人軍隊しているんだよ」

「メイプルでだいぶ麻痺してきたが、クラルも十分おかしい側の人間だったな・・・」

「まぁ、ありがたいって言えばありがたいけどね・・・」

 

ずいぶんな言われようだが、あながち否定はできない。

まぁ、トッププレイヤーは何かしら理不尽なものを持っているということにしておこう。

このスキルが、その範疇に収まるかどうかは別にして。

 

 

 

結果的に言えば、オーブは問題なく防衛できた。

これは、思った以上に機械兵がいい仕事をしてくれたのが大きい。多少減ったところで、そのころには補充分の機械兵を生み出すMPは回復しているし、イズ特製のMPポーションもあるから、ほとんどMPに困ることはなかった。

仮に機械兵の集団を突破しても、俺たちで十分対処できる数でしかないから、特に危うい場面もなかった。

それに、防衛の手間がかなり省けたことでだいぶ体力を回復できて、オーブが元のギルドに戻るころにはメイプルも奥から出てきた。

 

「もう大丈夫なのか?」

「うん!クラルくんたちが頑張ってくれたおかげで、いっぱい休めたし!」

「そうか。それなら、モミジは偵察を頼む。大規模ギルド同士で争っているようなら・・・」

「うん、私とカナデ、メイプルも連れてね」

「うん、わかってる」

「その時は任せて!」

「あぁ。それじゃあ、モミジ、頼んだぞ」

「はい!」

 

モミジに指示を出すと、モミジも元気よく返事をして、外に走り出した。

さて、モミジからメッセージが来るまで、もう少し休むことにしよう。

 

 

* * * * *

 

 

「それにしても、クラールハイトさんはすごいです・・・」

 

大規模ギルドの集団を探しながら、モミジは先ほどの戦闘を思い出していた。

特に、クラールハイトの活躍には目を見張るものがあった。

クラールハイトが【機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)】で生み出した機械兵は大雑把な動きは制御できるらしく、クラールハイトは敵部隊の弱いところを的確に見つけ出し、機械兵をぶつけて潰していった。

それだけなら軍師のように見えるが、クラールハイトの強みはほぼすべての間合い、状況に対応できること。

近距離はガンブレードや体術で圧倒し、中・長距離は弓矢や銃撃で寄せ付けない。相手が圧倒的に多くてもすべてを返り討ちにし、仲間の防衛には機械兵を生み出すことでサポートする。

まさに、まったく隙がないと言える。

もちろん、HPとVITをまったく強化していないという弱点はあるが、超聴覚を持っているクラールハイトの裏をかくことは至難の技だし、真っ向勝負でも近距離の間合いの引き出しが圧倒的に多いクラールハイトに分がある。

そして、今回のイベントでそれを思い知らされたプレイヤーたちの間で、シオリ共々ある二つ名で呼ばれ始めているのだが、それは本人たちの知るところではない。

そうこうしているうちに、モミジはすでに戦闘が始まっているところを見つけた。

そこでは、炎がプレイヤーを蹂躙し、爆炎による圧倒的な機動力で攻撃を躱すプレイヤーの姿があった。

 

「【炎帝ノ国】・・・うん、ちょうどいいかも」

 

さっそくモミジは、クラールハイトにメッセージを送り、全員でモミジの元に集合することになった。




考えてみると、【楓の木】の面々って、二つ名らしい二つ名を持っているプレイヤーっていませんよね。
形容しようがないメイプルはともかく、カスミやクロムなら何かしらあってもいいような気はしますがね。
機会があれば、こっちで勝手に考えてみちゃいましょうか。
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