モミジからのメッセージを受けて、俺たちは全員でモミジのいる地点に向かった。
そこでは、すでに【炎帝ノ国】が複数の大規模ギルドに襲撃されているところだった。
「お~、すごいことになっとるなぁ。これ、【炎帝ノ国】は全滅するんとちゃう?」
「それで、どっちを攻撃するんですか?」
シオリがずいぶんと楽しそうに戦場を見渡し、モミジが俺に作戦を尋ねてきた。
俺も、どうするかはすでに決めている。
「【炎帝ノ国】に加勢する形で、他の大規模ギルドを殲滅する。【炎帝ノ国】にはまだ頑張ってもらわなきゃいけないし、ここで俺たちでつぶし合うのも良くない。ここで一時、共闘するとしよう。俺とシオリで奥をやる。他のみんなは手前をやってくれ。それじゃあ、行くぞ!」
「「「「了解!」」」」
号令をかけ、俺とシオリはクローネに乗って奥に進み、他のメンバーもメイプルの背中に乗って向かっていった。
俺とシオリは、クローネのおかげで難なく裏に回ることができた。
「そんじゃ、存分に暴れるぞ」
「よっしゃ!任せとき!」
気合十分に、シオリも強く意気込んでクローネから飛び降りた。俺も、クローネを戻してから、シオリの後に続いて飛び降りた。
今回は、最初から切り札を切ることにする。
「【
俺が【
その威容に他の全てのプレイヤーの動きが止まり、機械竜のレーザーや砲撃によって吹き飛ばされ、光となって消えていく。
俺も、【魔弾の射手】で片手剣を2本取り出して両手に持ち、敵陣のど真ん中に突っ込んで斬り伏せていく。
機械竜に意識を向けがちになっているプレイヤーも、シオリが死角から槍を振るって狩っていく。
だが、50人ほど斬り捨てたあたりで、ふと視線を感じた。
気配を感じた方を振り向くと、そこには光る長剣を持ったローブの男が、俺に鋭い視線を向けていた。
ローブで顔を隠しているものの、あの長剣からして、まず間違いなくペインだ。どうやら、この騒ぎに乗じてライバルを減らしに来たらしい。やはり、考えることは同じなようだ。おそらく、他のメンバーも来ているはずだ。
このタイミングで出てきたのは、俺の機械竜とメイプルの【暴虐】でいい具合にプレイヤーが集まってきたからだろう。
であれば、俺も出し惜しみはしない。
「【
イズのMPの回復が超上昇するポーションをあらかじめ使用して、普通のMP回復ポーションによってMPがMAX近くまで回復した俺は、さらにもう一体の機械竜を生み出した。
さらに、ダメ押しでMPポーションを連続で使って、様々な機械兵を計100体を生み出した。さっきまでの防衛のような量産型だけでなく、重機械兵や上級機械兵も混じっており、混乱しきっているプレイヤーは成すすべもなく蹂躙されていく。
「ちょっ、クラル!【炎帝ノ国】のプレイヤーも巻き添えくらっとるけど!?」
「トップ勢以外は誤差だ、誤差!」
「ひどっ!ってゆーか、うちも動きづらいんやけど!」
「だったら、他の空いてるところに行けばいいだろ。ちょうど左右が少ないぞ。メイプルのところは地獄絵図だからな」
今、メイプルたちがいるところはサリーとカナデの【
「あーもう!この鬼!人でなし!言われたとおりにするけど!」
シオリも、文句を言いながらも素直に俺の指示に従ってくれた。プレイヤーを倒しながら、外周に回って両サイドにいるプレイヤーに狙いを変えた。おかげで、プレイヤーの減り方がさらに加速した。
ペインの方も、狙いを俺からシオリの逆サイドに変えたため、メイプルの【
その辺りで、俺は今後の予定に思考を割いた。
おそらく、ここでの戦闘だけでも、それなりの数のオーブを手に入れることができるだろう。
【炎帝ノ国】も、これ以上オーブの奪取と防衛に動くことはできない。おそらく、この後にできるだけ他のギルドを潰すことで、10位以内に入れる確率を少しでも上げるはずだ。
そうなれば、後の問題は【集う聖剣】だけだが、昨夜の襲撃のおかげで、それなりに点差をつけて俺たちが1位になった。
それに、このままのペースでギルドが減っていけば、おそらく生き残ったギルドが10個以下になるのも時間の問題だ。そうなったら、上位10位は報酬が変わらない以上、他のギルドもオーブの奪取には消極的になるだろう。
であれば、俺たちの勝利は、よほどじゃない限り揺らがないはずだ。
もちろん、ペインとかフレデリカあたりがムキにならないとも言い切れないが、それ以外のプレイヤーは俺たちに散々にやられたのだから、積極的に動くことはないはずだ。
となれば、やはりここが最後の戦場になるだろう。
だんだん少なくなっていくプレイヤーを見てペインも撤退を決め込んだようだし、もうひと頑張りといくか。