弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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つながり

4日目と5日目は、メイプルの神輿以外は特に何事もなく過ぎ去り、運営の終了の知らせと共に俺たちは通常のフィールドへと転移された。

転移してから数秒後、俺たちの目の前に結果発表を告げるパネルが開かれた。

そこに表示されていた順位は、

 

「すごい!1位だよ!」

「まぁ、狙っていたからな。とはいえ、これで一安心だな」

「落ち着いとんなぁ。もっとはしゃいでもええんとちゃう?」

 

シオリの言う通りかもしれないが、もともと何かにはしゃぐ性分でもないしな。

それに、10位以内に入れば報酬は変わらないし。

そんなことを話している間に、最高ランクの報酬が表示された。

まず、ギルドメンバー全員に銀色のメダルが5枚と、何かの気の札が1枚。ギルドマスターであるメイプルには、設置すると全ステータスが5%上昇するギルド設置アイテムが贈られた。

気になるのは、この木の札だ。

 

「【通行許可証・伍】・・・なんや、これ」

「次の階層で必要になるアイテムみたいだが・・・まぁ、細かいことは今、考えなくてもいいだろ」

 

ちなみに、木の札には下に小さく自分の名前も彫られており、貸し借りができないようになっている。

 

「何はともあれ、こうして無事に終わったわけだが・・・せっかくだし、打ち上げでもやるか?」

「あっ、いいね!それ!」

「なんや、珍しいな。クラルから、そういう提案すんの」

「ギルメン全員で頑張ったのは、これが初めてだからな。1位にもなったし、記念にいいと思ったんだが・・・」

「いいんじゃない?」

「あぁ、俺も異論はない」

「私もだ」

「「はいっ、いいと思います!」」

「なら、料理を作るのは私ね。【料理】スキルも最大まで上げてるし」

「私も、いい食材を探します!」

「じゃあ、全員で集まれる日を確認して、それぞれで準備しよっか」

 

俺の提案は快く受け入れられ、数日後に打ち上げを行うことになった。

俺もDEXはそれなりに上げてるし、せっかくだから俺も【料理】スキルを取得してみようか。

 

 

* * * * *

 

 

打ち上げ当日。無事、全員で集まることができ、それぞれ準備を進めていたのだが・・・

 

「・・・なぁ、メイプルはまだ戻ってこないのか?」

「・・・まだね。やっぱり、私も一緒について行った方がよかったかな・・・」

 

メイプルが「何か買ってくるよ!」と言って飛び出したきり、なかなか帰ってこないのだ。

メイプルを1人にした場合、たいてい碌なことがおきない。

たとえ、それが打ち上げのための買い物だとしても、微塵も油断できないのだ。

やっぱり、俺かサリーで探しに行こうかと話していると、ギルドの扉が開いてメイプルが帰ってきた。

さぁ、今度は何があったのか・・・

 

「ただいまー!」

「おう、おかえり、メイプル。それで、後ろのみんなについて聞きたいんだが・・・」

 

メイプルの後ろには、【集う聖剣】と【炎帝ノ国】のトップ4人ずつが並んでいた。

いや、まじで何があった?

割と本気で疑問に思っていると、メイプルが明るい調子で答えた。

 

「外で出会って話してたら、流れでフレンドして貰えたから招待したから?あれだって、えっと、強い人同士の繋がりを持つみたいな?私も強い人になってきたんだよ!」

「あぁ、うん、そうか・・・」

 

もうすでに、十分強いんだけどな。

ていうか、メイプルがこの8人とフレンド登録をすると、いろいろな意味で違ってくるんだが・・・。

もうさ、メイプルがラスボスでいいだろ。俺の脳裏に玉座に座るメイプルが浮かんで離れないんだが。

とはいえ、もともと11人だったから、8人増えたところで定員に問題はない。

イズも、突然のゲストに対応して、料理を追加で作り始めた。

そういえば、

 

「考えてみれば、ペインとはけっこう会ってるが、まだフレンド登録はしてなかったな」

「言われてみれば、たしかにそうだな。せっかくだし、ここで登録するかい?」

「親しい間柄とも違うが・・・まぁ、これも何かの縁だろうしな」

 

ペインとは、これからも良きライバルでいたいし、フレンド登録するのも悪くないか。

そう思ってペインとフレンド登録したところで、ようやく料理が出そろった。

 

「んじゃ、メイプル。音頭を頼むぞ」

「えっ!わ、私!?」

「そりゃ、そうだろ。【楓の木】のギルドマスターだし」

「わわっ、え、えっと、第4回イベント、お疲れ様でした!乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

 

こうして、総勢19人の打ち上げが始まった。

しばらく食事を楽しんでいると、運営からメッセージが届いた。

内容を確認すると、どうやら第4回イベントのハイライトのようだ。

 

「せっかくだし、ギルドのモニターで見るか?」

「そうだね。みんな、同じ動画みたいだし」

 

メイプルが立ち上がってギルドのモニターをいじり、動画を再生した。

とはいえ、動画に映るのは、ほとんどここにいるメンバーだ。

ペインが映ったかと思えば、今度はサリーと俺、フレデリカのシーンになった。

 

「あー・・・これ、あの夜の・・・」

「どうせなら、あそこでフレデリカも仕留めたかったんだがなぁ」

「さらっと怖いこと言うねぇー!?」

 

動画を見返すと、どうやら確定耐えスキルで難を免れたらしい。くそ、あそこは2連射にすべきだったか。

あの時の反省をしていると、今度はサリーが挑発気味にフレデリカに話しかけた。

 

「まぁ、私ももうちょっと元気だったら、フレデリカもいけたんだけどなぁ」

「そんな簡単にはいかないけどねー」

「じゃあ後で一回どう?」

「いいよー!?今度は当てる!絶対当てる!」

 

まんまとサリーの挑発に乗ったフレデリカは、決闘の約束をした。

あぁ、これあれだ。後で戦闘パターンを分析されるやつだ。

そんなことを考えていると、今度はメイプルが映った。

 

「まだ人型なんだな」

「7匹になるんだろ、知ってるぜ」

「思い出すだけでつらい・・・」

 

これに、ドレッドとドラグが遠い目になり、マルクスが突っ伏した。

まぁ、この3人は特に化け物メイプルにしてやられたからな。マルクスに至っては、トラウマを植え付けられているみたいだし。

すると今度は、俺とペインの一騎打ちの場面が流れ始めた。

 

「改めて見るとわかるが・・・どっちも動きが人間をやめてるな」

「ペインの斬り返しもそうだが、クラールハイトもどういう体幹と平衡感覚を持ってるんだよ。ていうか2人とも、あれだけ回転していると目が回らないか?」

「別に?」

「慣れればどうにでもなるさ」

 

ペインの言う通り、この辺りは感覚よりも慣れでどうにかなる部分だ。

だが、そうなると、

 

「ここで聞くのもなんだが、もしかして、ペインは剣道かなんかを習ってたりしたのか?」

「まぁね。そういうクラールハイトも、武術の経験が?」

「俺の場合、実家が道場だからな。体術とか、かなり身近だったし」

 

どうやらお互い、武術の経験者だったようだ。

道理で、スキルを使わなくても動きに無駄がないわけだ。

俺たちのカミングアウトに、周りもなぜか納得の表情をしていた。

 

「なるほどな。道理で・・・弓使いなのに、素手であんなに強いわけだ」

「ていうか、弓使いのやることじゃないだろ。銃を使っていたことといい、機械の兵隊を生み出してたことといい、弓使えよ」

 

ドラグの言うこともその通りではあるけど、ずいぶんな言い方だな?

弓使いが素手で殴り倒して何が悪いんだ?

そんなことも話し、最後の方でクロムが【カバームーブ】による変態機動と超回復力によってマイ、ユイ、イズ、カナデの4人を守り切った映像が流れた際は、「比較的まともだったのに・・・」みたいな視線がクロムに注がれた。

やったな、クロム。お前も俺たちの世界に足を踏み込んだぞ。

ハイライトがだいたい終わったあたりで、ペインが今後のことを意気込んだ。

 

「なに、次は勝つさ。負けたままでいるのは嫌いなんだ。それに、スキルも確認できた」

「いや、俺はともかく、メイプルは無理なんじゃないか?ちょっと目を離すと毛玉になったり悪魔になったりするんだぞ?」

 

少なくとも、俺はメイプルの初見殺しで動揺したことはない。

 

「少なくとも、メイプルの行動予測については、俺はもう諦めた」

「・・・まぁ、メイプルについては、予想外になれる必要はあるね。でも、まずは君だ、クラールハイト」

 

ペインの宣言に、俺も牙を剥くようにして笑う。

 

「あぁ、いつでも受けて立ってやるよ」

 

シオリに誘われる形で始めたゲームだが、存外、長い間楽しめそうだ。




fateシリーズでもアーチャーの弓は飾り。
これ基本。
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