弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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剣士

ミィと意外な出会いをしてから2日後。俺は路地裏の探索を進めていた。

ちなみに、通行許可証のレベルを上げるには、おつかいクエストをこなす必要がある、そのため、AGIが0のメイプルとユイ、マイには少々きついものになっている。

逆に、持ち前のAGIであっちこっち回っているシオリとはそれなりのペースで進めており、すでに<陸>の鳥居を開放していた。

この調子なら、1週間ちょっとで<玖>か<拾>の鳥居までたどり着けるかもしれない。

この段階で、シオリにはできるだけ早く先の鳥居まで解放してもらうことにした。

かくいう俺は、今回はゆるーく進めていた。

というのも、この街が予想していたよりもはるかに広いのだ。

1つのエリアをとっても、裏路地を含めれば、到底1日では探索しきれない。

だから、通行許可証のレベル上げは観光の合間にこなすことにした。そもそも、そこまで急ぐ理由もないし。

そんな俺の格好は、街にいる間はだいたい浴衣に下駄のスタイルだ。たまに袴と足袋に変えて、見た目重視で刀を腰に差す。

技術的には使えるとはいえ、長剣系のスキルはまったく取得していない俺が装備しても、ほとんど意味はないが。

むしろ、弓矢のままでも弓道っぽく見えるから、そこまで違和感が出るわけではないが、やっぱり刀の方が映えるんだよな。

それに、どうせこの街にいる間だけの服装だ。深いことは考えなくてもいいだろう。

今回は、袴のセットだ。

ギルドホームで着替えてから外に出ると、不思議と注目されない。

たぶん、あの黒い装備一式がトレードマークになっているからか、あるいは眼帯がないからか。

いずれにしろ、あまり注目されないのは都合がいい。

 

「んじゃ、今日はどの辺りに行こうかなっと・・・」

 

マップを見ながら、俺は今日の行き先を決める。

普通なら大通りに沿って移動するんだろうが、俺はあくまで裏路地に絞る。

少し悩んだが、今回は<伍>の鳥居のエリアで未探索の場所を歩き回ることにした。

大通りから離れると、そこはプレイヤーやNPCの喧騒が聞こえなくなり、聞こえるのは俺の足音と風の音、そして時折聞こえる小鳥の鳴き声だけだ。

だが、しばらく歩いていると、ギルドホームやNPCの店でもないのに、中に入れる民家があった。

そもそも、この路地裏は入れる建物が極端に少ない。あるとすれば、【ふわふわふれあいルーム】のような、マイナーな店くらいだ。

まさか、何かクエストを受けられるのか。

そう思った俺は、迷わず中に入った。

そこは道場のようになっており、入ってすぐにそれなりの広さがある運動場が目に入った。

 

「ほう、このような辺鄙な場所に来客とは珍しい」

 

すると、不意にどこかからか話しかけられた。

声のした方を振り向くと、運動場に面した縁側に腰まで届く長髪をポニーテールのようにまとめた青年が、あぐらをかきながら俺を見ていた。服装は、俺が身に付けているのと似た袴だ。

 

「悪いな。見ての通り、客をもてなす用意はしていないのだが、せっかくだ。上がってお茶でも飲んでいくといい」

 

青年はそう言って、俺の返事を聞かずに道場らしき平屋の中へと入っていた。

 

「・・・いったい、何があるっていうんだ?」

 

これから何が起こるのかはまったくわからないが、このまま帰るのももったいない。お言葉に甘えるとしよう。

俺も、青年の後を追うように平屋へと上がった。

しばらく進むと、客間のような部屋に案内された。中央には囲炉裏もある。

 

「少し、ここで座って待っていてくれ。すぐに用意する」

 

言われたとおりに、俺は囲炉裏の前に置かれていた座布団の上に座った。

少し待つと、俺の前に緑茶と饅頭が置かれた。

 

「つまらないものだが、食べてくれ」

「どうも。いただきます」

 

お礼を言いながら、俺は饅頭を口に入れた。

うん、うまい。少し濃い甘さだが、緑茶を飲むことでちょうどいいくらいになる。

青年が言った通り、特別美味いというわけではないが、慣れ親しんだ味という意味では、なかなか悪くない。

お茶と饅頭を堪能した後で、俺はとりあえず尋ねてみた。

 

「ふぅ。それで、どうして俺を招き入れたんだ?」

「・・・ついて来てくれ」

 

すると、青年は再び立ち上がって、部屋の外に出た。

再び青年の後ろをついて行くと、今度は道場に案内された。

そこで最初に目に飛び込んできたのは、刃の長さが1mはありそうな刀だった。

そこで俺は、この青年の正体を察した。

“物干し竿”と呼ばれる通常よりも長い刀を使用する有名な剣士など、1人しかいない。

俺がその正体に驚いている間にも、青年はその刀を手に取り、鞘から引き抜いて俺に向き直り、名を名乗った。

 

 

 

「私の名は佐々木小次郎。いざ、お相手していただこう」

 

 

その言葉の後、俺の前にクエストのパネルが現れた。

 

クエスト【佐々木小次郎の挑戦】を受けますか?

 

「はっ、やるに決まってんだろ!」

 

俺はためらいなくYESを選択し、自分の刀を抜きはなった。




やっぱ、このお方はいなきゃダメですよね。
要望も多かったので、やはり登場させました。
ただ、ここに来てNWOの武器変更のシステムがまったくわからないというのが問題になってきまして・・・。
最初に選択した武器しか使えないのか、複数の武器を使えるのか。武器の変更に特別な手順が必要なのか、そうでないのか。その辺りの情報が、まったくないんですよね。
今作では「武器変更は自由で特別な手順も必要ない」という設定でいきますが、いずれ原作でそれについての言及がされたら、その設定に合わせるつもりです。
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