しばらくモフモフを堪能した後、演技モードに入り直したミィとメイプルと共に街の外に出て、クローネの背中に乗って目的の場所である小さな廃村に向かった。
「よっ・・・と。【炎帝】!」
目的地にたどり着き、ミィはクローネから降りてグッと背伸びをすると、代名詞にもなっているスキルを発動した。
それを合図に、空中に青い人魂が現れた。
この人魂は、見た目通りに炎に対して高い耐性を持っているため、ミィだけでは厳しいところもあるのだが、
「【
「【身捧ぐ慈愛】!」
そこは俺の銃撃とメイプルの守護によってカバーした。
メイプルの強みは、貫通攻撃かよほど強力な攻撃でない限り、俺たちも防御や回避を考える必要がないということだ。そのため、俺たちも攻撃に専念することができる。
事実、人魂を殲滅するまで、俺とミィは一切防御行動も回避行動もとらなかった。
「ふぅ、あらかた終わったか」
モンスターを狩りながら移動し、湖まで進んだところで俺たちは気を抜いた。
「これは・・・勝てないわけだ」
後ろでは、ミィが観念したようにつぶやいた。
味方として一緒にプレイしたことで、改めてメイプルの規格外さを実感したのだろう。それに、俺が含まれているかは知らないが。
「ありがとう、2人とも。ごめんね、かなり付き合わせちゃった・・・」
時計を見れば、もうすぐ日付が変わろうとしている。
夜から始めたとはいえ、終始余裕をもっていたから、ついつい続けてしまったから、仕方ないと言えば仕方ないだろう。
それだけ、メイプルがいる恩恵は大きい。
「ううん、いいよいいよ!」
「俺も構わない。だが・・・そろそろ、切り上げる時間だな」
「そうだね・・・私も、眠くなってきちゃった」
「本当ありがとう、私も終わろうかな。いつもより張り切って攻撃したから疲れたかも」
そろそろ解散しようという流れになったが、ここでメイプルがふと思いついたように提案してきた。
「そうだ!じゃあ、最後にもう一度癒されていく?」
そう言って、メイプルは立ち上がって少し離れたところに移動したかと思ったら、メイプルの全身が羊毛に包まれた。
「中へ入ってきてー?」
「えっ、中と言われても・・・う、う~ん・・・」
ミィは、遠慮がち、というか恐る恐る羊毛に触れて、そのまま中へと潜り込んていった。
「クラル君は~?」
「俺はいい・・・外で待ってる」
さすがに、女子2人の空間に割って入るほど、俺は野暮でもないし、そんな度胸もない。
よっぽどのことがない限りは大丈夫だろうが、念のために外で警戒にあたることにした。
中からは満足気なミィの呟きと満足そうなメイプルの声が聞こえるから、さぞかし平和なのだろう。
そんな状態のまま十数分経過すると、なにやら変化が起こった。
「ん?」
俺は目を閉じたままメイプルの羊毛にもたれかかっていたのだが、なにやら浮遊感、というより上に引っ張られる感覚を覚えたのだ。
目を開いて下を見ると、俺と羊毛が宙を浮かんでおり、湖の中央まで移動させられていた。
メイプルとミィも、毛玉から顔を出してその様子を見た。
「ちょっ、ど、どうなってるの!?」
「わからない!」
「何かしらのイベントの可能性が高い!メイプル、いざってときは頼む!」
メイプルに指示を出している間も俺たちは移動させられ、湖の中央から10mほど上昇したところで、俺たちは水柱に飲み込まれ、すぐ後に光に包まれて転移された。
「・・・敵はいない、か。とりあえず、羊毛はどかすぞ」
俺は周囲にモンスターがいないことを確認してから、【毛刈り】でメイプルとミィを解放した。
「ありがとう。それで・・・ここ、どこ?」
「えっと・・・雲の上?」
ミィの言った通り、俺たちが踏みしめているのは土ではなく、ふんわりと柔らかい雲だった。
2人は地面の様子が気になっているようだったが、俺は空を見上げていた。
「2人とも、空を見上げてみろ」
「空?・・・わぁ」
メイプルとミィが上空を見上げると、そこには満点の星空が広がっていた。
「すごい星・・・」
「うん、綺麗。星が降る夜って、こういう夜なのかな?」
2人はきれいな星空に目を奪われていたが、ずっとこのままというわけにもいかない。
「2人とも、天体観測はそれくらいにするとして・・・まずは進んでみるか?」
「うん・・・そうだね。もう1度来る方法もよくわからないし・・・」
俺の提案にメイプルもミィも頷き、なんとか登れそうな少し低い雲の壁の向こうへと進んでいった。
そうして進むと、2人ギリギリ通れるような幅の、雲でできた真っすぐな道が現れた。
おそらく、この先に何かがあるのだろう。
俺たちはメイプルを先頭に、雲の道へと足を踏み出した。
次の瞬間、
「っ、メイプル、上だ!」
「上?・・・【身捧ぐ慈愛】!」
メイプルは一度解除した【身捧ぐ慈愛】を再使用し、俺とミィを守った。
上から降り注いできたのは、何かしらの光る物体だ。
俺たちはメイプルに守られながらもバックし、道から出て避難すると、それも止んだ。
「ミィの言う通り、星降る夜だった・・・」
「物理的に降ってくるなんて、思わないって・・・」
「いやぁ、このゲームの運営ならやりかねないだろ」
NWOの運営の遊び心による悪ふざけは、メイプルが取得したスキルが証明している。
そんな運営なら、物理的に星を降らせるくらい、やってもおかしくはない。
「とりあえず、メイプルなら耐えられるみたいだから、このまま先に進んでみるか」
メイプルとミィも俺の言葉に頷いて、再びメイプルを先頭にして先に進んだ。
降り注ぐ星がメイプルに当たっては弾かれるが、俺たちにダメージはない。
「サリーとかなら、全部避けちゃうのかな?」
「いや、流石に・・・」
「たぶん、サリーならいけるんじゃないか?俺もできそうだし」
俺から見たサリーの実力なら、たぶんできるはずだ。サリーの回避術は、第4回イベントを経て、さらに磨きがかかっているし。
そんなことを話しながらも、俺たちはなんなく道を渡り切った。
その先には、雲の壁と横穴があった。
ここにきて帰るという選択肢はもちろんなく、俺たちは中へと入って慎重に進んでいった。
終着点はすぐそこで、そこには雲の器に糸のように垂れる光が注がれていた。
「へぇ・・・」
「おお・・・」
「これ・・・」
三者三様の反応をしながらも、たまった光に触れてみると、あるアイテムを取得した。
「【天の雫】?」
「使い道は・・・ちょっと分からないみたい、でもいいものじゃないかな?素材とかかも」
ミィはそんな予想をするが、俺には心当たりがあった。
「なるほど、これのことか・・・」
「クラル君?」
「クラルには、なにか心当たりが?」
「シオリから聞いた<拾>の鳥居の解放条件の1つに、【天の雫】という言葉があるって聞いた。たぶん、これのことだろう」
まさか、ここにきて<拾>の鳥居の解放アイテムを手に入れるとは思わなかった。
さっそく明日、シオリに教えることにしよう。
その後、他にもらえるアイテムはないことを確認してから、俺たちは元の場所に戻ってログアウトした。
ちなみに、俺は帰り道はメイプルの手を借りずに星を避けて進んだのだが、2人から信じられないようなものを見る眼差しを向けられて、少し傷ついたのはここだけの話だ。
俺からすれば、メイプルの方がよっぽど信じられないのに。いろんな意味で。
家にこもってばっかで暇だな~と思ってたら、安倍総理の例のインスタがニュースで報道されているのを見て、喧嘩売ってんのかって思いました。
自分はインスタとかツイッターみたいなSNSはやってないので、この報道で初めて知りました。
百歩譲って犬を撮影するのはいいんですが、新聞読みながらコーヒーブレイクとか舐めてるんですかね?
自民党内からも呆れられているあたり、そろそろ政権変わりそう。