12月の第1週に、第5回イベントが開催された。
内容は、第3回イベントと似たようなフィールド探索型で、特定のモンスターを倒してポイントを競うものだ。
ただ、今回はクリスマスを意識しているのか、フィールドには雪が降っており、地面も白く染まっている。
この状態は、12月いっぱいは続くということだった。
このイベントでは、例によってシオリが大暴れしているようで、このペースなら個人成績は1位は確実だろう。
俺の方は、ポイント稼ぎはほどほどに、今回のイベントで現れるモンスターの中で最も出現率が低いのを狙うことにした。
というのも、そのモンスターは低確率でレアドロップを落とすということで、それを狙うことにしてみたのだ。
もしそれを手に入れたら、内容を確認してから続けるか切り上げるかを決めるつもりでいる。
それに、ミィにはあぁ言ったが、やはりどこかでスキルを見つけて早く白鬼に挑戦したい。
俺だって人よりは負けず嫌いだから、このまま負けっぱなしで放っておくつもりは、もちろんない。
まぁ、それを見つけることができないでいるのが現状なわけだけど。
俺の希望としては恒常的にステータスが上がる類のスキルが欲しいのだが、やはり簡単には見つからない。
いっそ、シオリの【疾風】を俺も取得すればいけるかもしれないが、それで勝ったとしてもシオリの手を借りたみたいで納得できない。
だから、俺は俺のスキルを見つけようとして、見つけられないままでいるわけだが・・・。
「はぁ・・・」
俺はため息をつきながら、目についたモンスターを片っ端から撃ちぬいていく。
今回のイベントではポイントは意識しないとはいえ、やはり経験値の足しにはしておきたい。
憂鬱な表情をしながらモンスターを殺戮する姿は、他から見ればドン引きものかもしれないが、白鬼の敗北に比べれば、たいていのことはどうでもよく感じそうだ。
「お~お~、ずいぶんな様子やなぁ」
そう思っていたら、後ろから声をかけられた。
正体は、槍を肩に担いだシオリだ。
「うちにも気づいとらんかったやん。そんなに悔しかったんか?」
「お前も、戦えばわかる。あいつの理不尽さがな・・・」
たしかに、あまり足音に注意をはらっていなかった。
それくらい、俺の頭の中は『どうやって白鬼を倒すか』で埋め尽くされていたわけだ。
「ていうか、シオリならワンチャンやれるんじゃないか?範囲攻撃も、シオリのスピードなら余裕で避けれるだろうし」
「それはそうかもしれへんけど、その炎って少しの間残るんやろ?一周回ってダメージ受けそうや。それに、スキルをコピーするっちゅーなら、その白鬼がうちと同じくらい速くなったらめっちゃやばいやん」
言われてみれば、白鬼がスキルをコピーすると言うなら、シオリのスキルもコピーされる可能性があるのか。
HPが半分切った時点の覚醒で、白鬼のステータスはかなり上昇していた。それがAGIに限ってはシオリのスキルで強化されるとなったら、シオリでも難しいか。
それに、あの白鬼のめんどくさい点は、しっかりとこっちの攻撃を避けようとしてくることだ。シオリの強みは、相手が知覚できないスピードで一撃必殺の攻撃を与えることができるところだが、逆に言えば、相手がシオリのスピードに対応できるのであればその強みも半減になってしまう、ということでもある。
今まではプレイヤーではそんな化け物はいなかったが、それがモンスターとなって現れた形になったわけだ。
そんなことを話していたら、白鬼の倒し方から意識が戻ったからか。
ここから離れた場所でひと際重い足音が聞こえた。
「・・・この足音、あのモンスターか」
「? あのって、どのモンスターや?」
「今回のイベントのレアモンスター」
「あぁ、あれか」
シオリも、俺の言葉でわかったようで、ポンと手を叩いた。
俺は手に持った拳銃を消して、足音の鳴る方へ向かった。
そこにいたのは、高さが4m以上もある巨大な雪だるまだ。
石の目と口に人参の鼻があり、木の枝の腕には袋を持っており、頭には赤い帽子をかぶっている。
このモンスターこそが、今回のイベントで最もポイントを得られるモンスターで、低確率でレアドロップを落とすのだ。
そして、倒すのにはあまり苦労しない。
「【ファイアボール】、【速射】」
このモンスターは、火属性の魔法に極端に弱く、初級の魔法でも数発で倒せてしまう。
俺の場合、【魔弾の射手】で【ファイアボール】をつがえ、【速射】で弾幕を張れば速攻で倒せる。
だから、発見さえすれば倒す分には問題ないのだが、
「ちっ、落とさなかったか」
今回は、レアアイテムをドロップしなかった。
「うわっ。今のクラルの顔、めっちゃイライラしとる感じやで」
「別に、イライラしているってほどでもないんだがな」
まだイベントはあるとはいえ、終わるまでには手に入れておきたい。
とはいえ、俺の耳にかかれば発見も用意で、2日後には無事に手に入れることができた。
「さてさて、と。何かな・・・」
【プレゼントボックス】
12月25日以降、1週間使用可能。中身はランダム。
「12月の25日・・・あぁ、クリスマス・・・」
言われてみれば、サンタの格好をした雪だるまだからな。こんな感じのアイテムなのも当然と言えば当然なのだろう。
とりあえず、雪だるま狩りはこれで終わることにして、今度はスキル探しに精を出すことにした。
最近になってPCの麻雀を始めました。
定石通りにやってるはずなのに、下振れが多くて勝てません。