「ふぅ、やっと落とした」
クラルと白鬼の話をしてから5日後、うちもようやく雪だるまのレアドロップの【プレゼントボックス】をゲットした。
別に探すのは苦やあらへんのやけど、倒すのがとにかくしんどかった。
なにせ、火属性の魔法はべらぼうにダメージ入るけど、それ以外の攻撃はほとんど通用せぇへんから、殴ることしかうちには相性が悪すぎた。
最低でも5発は当てなきゃいかんとか、とちくるっとるやろ。
でも、メイプルちゃんは即死攻撃を持っとるから、情報がなくて【機械神】を使わんくても倒せそうやなぁ。
・・・そういえば、あのレーザーって属性とかあるんかな?見た目は雷か光っぽいけど。
そんなことを考えながら、次のモンスターを探しとると、
オォーン・・・
「ん?遠吠え?」
どこかからか、狼の遠吠えが聞こえた。
今、フウは指輪の中なんやけどな。
方向的には、森のさらに奥の方やな。
まぁ、最近は同じモンスターを狩ってばっかやったし、気分転換にはなるか。
それに、もしかしたらフウにいいことがあるかもしれへんし。
うちは道中のモンスターを狩りながら、遠吠えのした方向に走っていった。
少し走ると、峡谷になっているところに出てきた。
崖の上には、何匹かの狼がうちを見とる。
ただ、敵対モブやないみたいで、うちに襲い掛かってくる感じはせぇへん。
「とりあえず出しとこか。フウ、【覚醒】」
何があるかわからへんから、念のためにフウを出した。
周囲を警戒しながら先に進んでいくと、行き止まりになった崖の真ん中あたりに大きめの洞穴があった。足場のためか、出入り口付近が周りよりも前に突きでとる。
ただ、うちやと登るのに苦労しそうやな。
「フウ、【巨大化】!」
せやから、うちはフウを巨大化させてその背中に乗った。
「よっしゃ、頼んだで、フウ!」
「ワオォン!」
うちの号令でフウは思い切り飛び上がって、崖を蹴りながらあっという間に足場に飛び乗った。
こういうの、すごいファンタジーっぽくて好きやわ。
無事に足場に飛び乗ったうちらは、フウを元の大きさに戻して洞穴の先に進んだ。
しばらく歩いていると、広間になっとる空間に出た。
「む?・・・人間が来るとは、珍しい」
奥を見ると、そこには巨大な白い狼が横になっとった。
横になっとるから詳しくはわからんけど、巨大化したフウよりもさらに二回りは大きくて、たぶん全長は5,6mくらいはあるかもしれへん。
尻尾も、フウと違って二股に分かれとる。
「それに、私の眷属を従えているとは・・・ただ者ではないようだな」
「えっと、あんたの名前は?」
うちが尋ねると、大狼はうちの方を見て口を開いた。
「私の名はカムロ。すべての狼の長であり、神でもある。外にいる狼は、すべて私の家族であり、眷属でもある。むろん、お前が従えている、その狼もな」
「は、はぁ・・・」
なんか、思っとったよりすごい狼やった。
つまり、狼の中で一番偉いってことやろ?見るからに強そうやし。
思った以上のスケールの大きさに、うちが思わず気圧されとると、またカムロの方から尋ねられた。
「それで、その狼の名はなんと言う?」
「あ、えっと、フウって言います」
「フウか。いい名だ。それに、強い力を感じる・・・その子であれば、私の力を授けるにふさわしい。・・・・・・オオオォォン!!」
カムロが一息吸うと、その場で遠吠えした。
すると、フウの周りに光が降り注いで、少しだけ大きくなった。
大型犬ほどやないけど、中型犬と大型犬の中間くらいの大きさや。
同時に、うちの画面に通知が出てきた。
【フウは【眷属召喚】を取得しました。】
なんやこれ?
【眷属召喚】って、明らかに強そうな名前やけど。
「その子には、私の力の一部を授けた。お前とその子の意志によって、私の眷属を呼びだすことができる。よく使ってくれ」
「あっ、はい」
フウの上司的な存在なこともあって、つい敬語で返しながら、うちは洞穴を後にした。
「ふぅ・・・さて、どんな感じなんやろな」
うちは一息ついてから、【眷属召喚】の性能を確認した。
【眷属召喚】
自身のステータスの半分の値の狼を2体召喚する。
この自身ってのは、フウのことやろな。
単純に手数が3倍に増えるっちゅーのは強いんやけど、ステータスが半分かー・・・AGIはともかく、STRがネックになりそうやな・・・。
いやでも、【スピードシェア】で上昇した分のAGIなら、多少STRが低くても問題あらへんか。
なんにせよ、今日のところはこのスキルを試していこか。
それに、うまく使いこなせれば、もしかしたら化けるかもしれへん。
なんかこれを書いていたら、シオリがもののけ姫のコスプレしてるみたいに見えてきました。
ていうか、よくよく考えてみたら、白狼の毛皮と槍とか完全にサンですよね。
ちょっと趣向を変えて、シオリではなくフウの強化にしてみました。
とはいえ、テイムモンスターの強化フラグはすでに原作で別にあるので、それとは違う感じに仕上げました。
一応、狼型モンスターの強化フラグ、くらいに考えてください。