弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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クリスマスパーティー(リアル)中編

パーティーが始まってからは、各々が思うように時間を過ごしていた。

ある者たちは大勢で談笑しながら料理を楽しんだり、ある者たちは少人数で静かな時間を過ごしていたり。

かく言う俺は、前者に近い。

といっても、話しているのは基本的にいつもの面子だが。

 

「はぁ~、やっぱ花梨さんの料理は美味いわぁ~!」

「本当においしいね!私、チキンの丸焼きなんて初めて食べたかも!」

「本当にね。ていうか、いったいどこから用意しているのよ・・・」

「なんか、懇意にしている農家さんとかから譲ってもらってるらしいで。せやろ、透?」

「・・・あぁ、そうだ」

 

付け加えれば、話しているのはほとんど女子たちで、俺はほとんど会話に入れていないが。

俺としては他のテーブルに行きたかったりするのだが、他の奴らがいらん気を回して「どうぞごゆっくり~」みたいな感じで早々に隔離しやがったから、微妙に行きづらい。

話を振られることはあっても、自分から話したりできないおかげで、なかなかに居心地が悪い時間を過ごしている。

いっそ、勇気を振り絞ってこの輪から抜け出すか・・・いや、この3人がそれを許してくれるかどうか・・・。

そう思っていたが、意外なところから救いの手が差し伸べられた。

 

「みんな、家内の料理を楽しんでくれて何よりだよ」

「あ、父さん」

 

俺たちの方に話しかけながら近づいてきたのは、俺の父親であり、神崎流の現師範でもある神崎(まこと)だ。

 

「わっ、神崎君のお父さんですか!?」

「は、はじめまして!」

「なに、緊張しなくても大丈夫ですよ。栞奈ちゃんも、今年もいらっしゃい」

「お邪魔してます、おじさん。それはそうと、透にビシッと言ってやってくださいよ。透ったら、さっきからなんも話そうとせんくて」

 

どうやら、俺が黙りっぱなしなことが気になっていたようだ。

本条と白峰も、うんうんとうなずいている。

 

「なんだ、せっかく女の子3人とご飯を食べているのに、お前は何もしゃべっていないのか?」

「女の子3人が相手だから、会話に入れないんだよ」

 

別に俺は陰キャでもコミュ障でもないが、そうでなくてもハードル高くないか?仮に会話に入ったとしても、それはそれで「空気読めない奴」みたいになりそうだし。

その俺の言い分に、父さんはこれみよがしにため息をついた。

 

「はぁ~。情けないぞ、透。お前も男だと言うなら、女の子たち相手に場を盛り上がらせるくらいのことはできなきゃ、話しにならんぞ。そんなんじゃ、合コンに行っても周りから浮くぞ?」

「高校生相手に合コンの話をされても困る」

 

早くても大学生になってからの話だよな、それ。

 

「別に合コンに限定しなくても、彼女を作るには楽しい雰囲気作りが重要だ。それができなきゃ、いつまで経っても彼女ができないぞ?あぁ、できないから浮いた話の1つもないのか」

「余計なお世話だっての」

 

ついでに言えば、その前提に『男女比が1:3』という事実も付け加えて考えてほしい。まさか、ハーレムを希望してるわけじゃないよな。

まぁ、

 

「それにな、そういうのにはあまり興味ない」

 

異性の相手は栞奈で多少は慣れているものの、すでに親戚と変わらない距離感だし、今さら恋愛感情云々を言われてもわからない。

それよりも、武術の指導をしたりNWOで暴れる方が、俺としてはよっぽど面白い。

そんな俺の率直な言葉に、先ほどよりも深いため息をついた。

 

「はぁ~~~~・・・。お前な、女の子に興味がないとか、まさかそっちなのか?」

「んなわけねぇだろバカ親父」

 

言いがかりも甚だしいわ。

 

「それならいいんだが、実はこの中で誰かと付き合ってたりとかしないのか?」

「ない」

「即答か・・・ん?」

 

俺の言葉に呆れていた親父が、何かに気付いたような視線を向ける。

その先にいたのは、白峰だ。

心なしか、棘の含んだ視線を俺に向けている。

俺、なんかやったっけ?

たしか、第4回イベントでちょっとおぶったくらいだと思うが。

 

「白峰さん、でしたね?この愚息と何かありましたか?」

「いえ、別に・・・」

「理沙、ゲームの中ですけど、神崎君におんぶされたんです」

「ついでに、そのまま寝とったな」

「ちょっ、楓!栞奈!」

 

本条と栞奈のカミングアウトに、なぜか白峰が慌てる。別に、積極的に隠すことでもないと思うが。

だが、父さんは何か思うところがあるのか、にやりと笑って再び俺の方を向いた。

 

「ほう、どういうことだ?」

「別に、大した理由じゃない」

 

そう前置きして、第4回イベントでサリーが無茶をして、眠気と疲労でふらふらになっていたところを俺がおぶって運んだと説明した。

俺の説明を聞いた父さんは、わかったと言わんばかりに頷いた。

 

「なるほどなるほど。そういうさりげない優しさを見せるとは、透もようやく人並みに気遣いができるようになってきたな」

「俺が元から気遣いできないみたいに言われるのは遺憾なんだけど」

 

別に、そういうのは狙ってないし、俺が外道みたいな言い方されるのは納得できない。

と、俺は思っているのだが、

 

「いや、前はもっと気遣っとらんかったやろ。中学時代に告白されたときも、『興味ないから』ってばっさり振って、さっさと帰ってもうたし。あの子があの後泣いとったのを、うちと他の女子たちで慰めたんやで?」

「え?そうなの?」

 

何それ聞いてない。

たしかに、そんなことがあった記憶はあるが、そんな泣くようなことか?

 

「幸い、その子はすぐに立ち直ったんやけど、あの後のフォロー、だいたいうちがしたんやで?透が冷たい奴認定されそうになっとったのも、うちが抑えたわけやし」

「そうだったのか?」

 

なんか、俺の知らないところでいろいろなことが起きてたんだな。

 

「せやから、おじさんの言った通り、透もようやっと気遣いができるようになったってわけや。まぁ、前がひどすぎたっちゅーのもあるけど」

「お前が世俗に興味がないのはわかっているし、それを改めろと言うつもりもないが、気配りができてこそ一人前の人間だというのは覚えておけよ」

「わかったよ・・・」

 

言っていることは尤もだが、クリスマスパーティーに言うことじゃないだろ。

 

「おっと、せっかくのパーティーなのに説教じみたことを言ってしまったな。では、俺はそろそろ退散するとしよう。白峰さんと本条さんも、ぜひ楽しんでいってください」

 

そう言って、親父は大人たちの集団に戻っていった。

・・・なんか、今年のクリスマスパーティーは疲れてばっかりだな。




子供の時に、大勢のクリスマスパーティーなんてやった記憶がないんですが。
子供の時、幼稚園のイベントでなんかやった記憶があったような、なかったような、ってくらいですね。
それ以降は、家族でちょっと豪華な料理を家で食べるのがもっぱらですし。
なので、クリスマスに彼女とデートしたり、大勢で盛り上がったりしないんですよね。
まぁ、それを言ったら、自分は彼女を作る気もなければ、ぞういうパーティーに積極的に参加することもないんですが。
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