BS×スタートゥインクル~12星宮に導かれたもの~   作:風森斗真

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というわけで、VS.ドラムス編……まだバトルはしませんが(^^;;


スターカラーペンを賭けたバトル?!

 プリンセススターカラーペンの反応を追いかけ、再びゼニー星へとやってきたひかるたち。

 しかし、スターカラーペンの反応は大富豪の息子、ドラムスの持つ邸の中だった。

 頼み込んだとしても、回収させてくれる保証はなく、かといって盗みに入るわけにもいかないため、導はバトルスピリッツでの交渉を試み、一人で門へと向かう。

 

「ドラムス様に何か用事か?」

「あぁ。少し、聞きたいことがある」

「約束は?」

「ない。だが、緊急なので失礼を承知してアポなしで訪問させてもらった」

 

 堂々とした態度で、門番と会話を繰り広げるが、反応はあまりよくない。

 約束もしていないし、ドラムスとは友人とまではいかずとも、オークション会場で一度、宇宙アイドル・マオ(怪盗ブルーキャット)を通じて言葉を交わした程度であることは事実。

 いきなり玄関のインターホンを押して、商品を買ってほしいと頼んでも受け入れてくれるわけがないことと同じように、緊急だからとアポなし訪問されても困るものは困るだろう。

 だが、導には秘策があった。

 

「『スタープリンセスの力にまつわるものについての話だ』と言えば、おそらくドラムスも興味を持つんじゃないか?」

 

 スタープリンセスの力。それは言わずもがな、プリンセススターカラーペンのことだ。

 以前、ドラムスがオークション会場で高額であったにも関わらず、まどかとの勝負を最後まで粘っていたことを覚えていた導は、彼ならば食いつく可能性が高いとみて、その話を持ち出すことにした。

 結果は上々で、ドラムスから中に入る許可が出たため、警備隊に案内され、導はひかるたちとともに屋敷の中へ入っていく。

 

「ようこそ。興味深い話を持ってきてくれたみたいだね」

「急な来訪、謝罪する。それにも関わらず、お招きいただき感謝する」

「ほぉ? どうやら、それなりに礼儀はわきまえているようだな?」

 

 導の言葉に、ニヤリ、とドラムスは笑みを浮かべる。

 実際は財閥の息子なのだろうが、個人でもそれなりに資産を持っているためか、やはりどこか見下しているような雰囲気に、導は一瞬、むっとした表情を浮かべるが、ここで感情のままわめいても意味がない。

 導は怒り出したくなる気持ちを抑え、話を続ける。

 

「風の噂では、プリンセススターカラーペン――スタープリンセスの力について、ご執心だとか」

「あぁ、それに関することだというから、こうして君たちが屋敷に入ることを許可した」

「まどろっこしい交渉は抜きにして、率直に要求する。あんたが持っているスタープリンセスの力、俺たちが探しているものなんだ。渡してもらえないだろうか?」

「ふむ……自分の欲望に正直なところは、好ましく思うよ」

 

 だけどね、とドラムスは笑みを浮かべて導の言葉を拒絶する。

 

「あれは僕が手に入れたものだ。相応の対価もなしにほいほいと渡せないよ?」

「渡すつもりはない、の間違いじゃないのか? 先日のオークション、かなり粘っていたらだろ」

「ふふふ。だが、あるいは君が何を差し出すかによって変わるかもしれない」

「俺に渡せるものはない。あったとしても……」

 

 導はホルダーからバトルスピリッツのデッキを取り出し、その裏面をドラムスに突き出した。

 

「差し出すかどうかは、バトスピの勝敗で決める。それが俺のルールだ」

「なるほど……なら、君が勝ったならスタープリンセスの力は渡そう。その代わり、負けたらどうする?」

「スタープリンセスの力に並ぶもの……彼女たちと同等の存在が宿った力を渡す」

「ちょっ?!」

 

 スタープリンセスたちと同等の存在。

 それは紛れもなく、十二宮Xレアのことだろう。

 いくらプリンセススターカラーペンを手に入れるためとはいえ、そんな大事なものを勝手に掛けることに、ひかるたちは抗議の声をあげる。

 

「いくらなんでも、それはっ!!」

「もうちょっと冷静になるルン!!」

「いや、確かに釣り合うものはそれくらいかもしれないけれどさぁっ!!」

「ほかに方法が……」

「手段を選んでる場合じゃない。だったら、道に外れない程度で選べる手段はこれくらいなもんだろ」

 

 その一言に、まどかとえれな、ララの三人は黙ってしまう。

 正攻法で入手できないというのなら、邪道を使って手に入れる。

 その提案を拒絶したのは他ならぬ彼女たちだ。

 かといって、まだ中学生でしかない自分たちに使うことができる手段は限られている。

 残された手段の中で平和的かつ人の道を外れることなくプリンセススターカラーペンを回収できる可能性がある方法は、もはやバトルスピリッツでの勝敗しか残されていない。

 導はそう判断し、勝負を持ち掛けたのだ。

 そのことを理解したうえでか、それとも単純に導に託された力を失うことを嫌ったのか。

 ひかるはなおも反対し続けていた。

 

「そんなことしなくても、一生懸命説明すればきっと……」

「星奈、さっきも言ったぞ。あっちにとってこっちの事情は知ったこっちゃないんだ。話したところで納得もしないし、はいそうですかといって渡してくれるわけないだろ」

「で、でも……」

「自分が手にしたものはそう簡単に手放したくないって思うのは、地球人だろうが異星人だろうが関係ない。なら、どっちもリスクを背負う条件での勝負を行ったほうが、後腐れなくていいだろ」

 

 欲求に正直な人間は特にそういった傾向にあるが、人間は自身が手にした権力や財力()宝物や芸術品(ステータス)といったものをそう簡単に手放すものではない。

 だが、逆を言えば自身が持っている以上のものを見せられれば、それを手に入れるためにありとあらゆる手段を使い、交渉することになる。

 バトルスピリッツは、その交渉のための手段、ということのようだ。

 そして、ドラムスは交渉のテーブルに着くことを了承した。

 

「いいだろう。だが覚悟しておきたまえよ? 僕も腕に自信があるからね」

「あぁ……いくぞ」

「「ゲートオープン! 界放!!」」

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