BS×スタートゥインクル~12星宮に導かれたもの~ 作:風森斗真
アニメブースター……3箱じゃ足りねぇよなぁ……
てか新生Wノヴァ出る流れだろこれ……
宇宙怪盗ブルーキャットことレインボー星唯一の生き残りであるユニとともに地球に戻ってきた導たち。
ブルーキャットの本名がユニであるということを教えてもらったり、導のデッキ調整を覗いたり、他のメンバーがひかるとララにバトルスピリッツについて教わったりと賑やかに過ごしながら、地球へと帰還した。
地球に戻ってきてから一週間後。
季節は梅雨を終え、夏の入り口に差し掛かっていたそんな日に、ひかるはるんるん気分で笹を担ぎながら歩いていた。
それを見かけたララは不思議そうに首を傾げ、問いかける。
「ひかる、その木は何ルン?」
「これ? 笹の葉だよ!」
「ルン?」
その日は七月七日。七夕である。
年に一度、天の川に隔てられた織姫と彦星が再会できる日であることを、一緒にいたまどかとエレナが説明すると。
「七月七日はララ様のお誕生日です」
と、AIがカミングアウトを行った。
七夕にララの誕生日、さらにもう一つ、ひかるにとって嬉しい出来事があるらしく、いつも以上に賑やかに回っている。
その理由をララが問いかけると。
「今日はね、お父さんが帰ってくるんだ!」
「お父さんが?」
「うん! わたしのお父さん、世界中を回ってUMAの研究をしてるの! で、毎年七月七日にうちに帰ってくるんだよ!」
ひかるの父は大学で教鞭をとっているのだが、現在はフィールドワークで一年の大半を海外で過ごしているという。
そのため、ひかるも年に一度しか父親に会えないのだが、ひかるは父に会えるその日が年に一度の一番の楽しみなのだという。
「ひかるのお父さんは大学で何を……?」
「フワーーーーーっ??!!」
まどかがひかるに問いかけた瞬間、フワの悲鳴が響いた。
フワの方へ視線を向けると、大量の無精髭を生やした男が、その風貌に似合わぬ様子で目を輝かせながら。
「まさか……ケサランパサランかっ?! キラヤバーーーーっ!」
と叫んでいた。
どこかで聞いたことがある口癖に、ひかる以外の全員が唖然としながらも疑問を覚えていると、フワを両手で捕まえている無精髭の男は。
「ケサランパサラン宇宙生物説がこれで立証できるかもしれない!」
ケサランパサラン。
白粉粉を好む、白くてふわふわした綿毛のような生物として、かつて一世を風靡した
どうやらこの男はフワをケサランパサランと勘違いしているらしい。
フワだけでなく、プルンスとララの姿を見て、さらに興奮度を上げていたのだが。
「お父さん! このことは内緒にして、お願いっ!」
ひかるが両手を合わせてそう頼み込んだ。
ララとプルンスが地球人にその存在を広く知られてしまった場合、地球にいることができなくなってしまう。
その事情を説明し、まどかとエレナも頭を下げると、男は顎に手を当てながらうなり。
「よし。わかった!」
と、あっさり快く理解を示してくれた。
その理解の速さに、エレナとまどかは目を丸くし、ララは『さすがひかるの父ルン』と感心していた。
なお、そのつぶやきにプルンスが。
「そんな解釈でいいんでプルンス?」
と突っ込みをいれていた。
「驚かせてしまってすまないね。ひかるの父、星奈陽一です」
「え? もしかして、あの星奈陽一さんですか?! ご本、読ませていただきました!」
陽一が名乗ると、まどかは心当たりがあったらしく、目を輝かせる。
その様子に、今度は陽一が目を丸くした。
「え、僕の本を?」
「はい。父の書斎にあったので! U.M.A伝承と人間心理の相関、U.M.Aに関する深い考察が素晴らしかったです!」
「いやぁ……」
よもや、自分の娘と同年代の若者から褒められる日が来るとは思わなかったのか、それとも単に自分の著書を褒められたことに照れくさそうに後頭部をかいていた。
「あっ! お父さん、そろそろ行かないと!!」
「おっと! そうだなっ!!」
バーベキューの準備をしにいくことを思い出したのか、ひかるが陽一に声をかけると、陽一も急ぎ家路についた。
「ばふっ!」
星奈家に到着すると、さっそく飼い犬のイエティが陽一を出迎えた。
「イエティ~、久しぶりだなぁ!!」
「ばふっ!」
「イエティといえば、雪山で有名なU.M.Aですよね?」
「うん。お父さんが付けたんだよ」
どうやら、普段ひかるが散歩に連れ出しているイエティは陽一が名付けたようだ。
その白い体毛と巨体からなのだろう、ヒマラヤなどの雪深い山で多く出現情報があるU.M.A「イエティ」の名前をつけるあたり、陽一へのU.M.Aへの情熱の高さがうかがえる。
そんな話をしていると、聞きなれない女性の声が聞こえてきた。
「すみません、星奈陽一さんのお宅はこちらでしょうか?」
「へ? はい、そうですけど……って、え?!」
振り返ると、そこには紫の長髪をした女性と赤々とした髪をした男性。
そして、見慣れた赤い髪の少年がいた。
「まさかと思っていたけど、ほんとにお前の家だったとはな……」
「あら? 導、知ってる子だったの?」
「クラスの同級生で、最近、バトスピ教えた」
どうやら、導の関係者らしいことはひかるもすぐに察することができた。
おまけにどことなく、この女性と男性に導の面影を感じる。
もしかして、とひかるたちが答えを導いた瞬間、陽一が三人の方を見て顔を綻ばせながら。
「やぁ、馬神さん! 来てくださったんですね!」
「ご無沙汰してます、星奈さん」
「息子も一緒でしたが、大丈夫ですか?」
「構いませんよ! 娘も友達を連れてきていますし、大歓迎です!!」
どうやらこの二人は導の両親らしい。
陽一の言葉に、導の両親はひかるたちに視線を向け、微笑みを浮かべる。
「初めまして。導の母親の馬神まゐよ」
「父親の馬神弾だ。導と仲良くしてくれてありがとう」
二人はそう名乗ると、まゐは導の頭に、弾は肩にそれぞれ手を置く。
そんな導の表情は少しばかり恥ずかしそうであるが、嫌がったり拒絶したりする様子はなかった。