アクセルワールド 〜最速の加速者〜   作:都筑 綴

1 / 1
新作を考えるのは楽しい
続編が思いつかなくて辛い


いつも通りの朝

中村光 (なかむら ひかり 14歳 中二

 

私は、読者をしていたはずだった。

でも、世界は動きを止めていたのだ。

 

これが全ての始まりだった。

 

 

ーーーーー

 

ある朝。

本を読みながら登校していると、どん! と衝撃を感じた。

前を見ても特に何もない。

 

「あ、すすすすいません!」

 

下から声が聞こえてきた。

下を見るとまるこっい恐らく後輩であろう男の子が自分の体を縮こまらせて謝っている。

 

「いいよ、気にしないで。私も本を読んでいたからね。」

 

そう、いうが早いかその子は走り去っていってしまった。

まぁ、そんなことはどうでもいいのだ。

 

私は先ほどまで読んでいた本へと目を戻す。

先輩が教えてくれた『二人の探偵』

 

名探偵と伝説の怪盗の子孫がタッグを組んで事件を解決する物語

ボケとツッコミのテンポの良さと作者の巧妙な伏線の張り

そして作者がイラストまで担当している。

 

恐らくこれが一番人気の理由だろう

最初はライトノベルに興味は持たなかったがまさか私がここまでハマってしまうとは…、さすが先輩だ。

 

先輩は私より1つ上だけど、そうとは思えないほど大人びている。

まるでもう何年も何十年も生きて戦った戦士のように…

なーんて、時々考えてしまうけど

ピッチピチの(これって死語?)女子中学生、なのよね

 

また、名作を読了した感慨深さを噛み締めながら

顔を前に向け歩く。

私が生まれた時からだからそこまで違和感はないけど、

昔の文献と照らし合わせると世界は大きく変わった。

みんながみんなニューロリンカーを付けている

ニューロリンカーはもはや無くてはならない存在、あるのが当たり前って感じがする。

宿題や勉強はもちろんのこと、仕事も遊びも全部これ一つ。

改めて考えると、少し異常かもしれないね。

 

なんでも、もちろん読者でさえも紙で読む人はほとんどいない。

ぜーんぶデータでスキャンされてるから無くす心配も汚れるかまって不安もない。

そんな世の中の中ではうちの学校はだいぶ特殊だ。

図書室として大きくスペースを取り、多種多様な書物が全生徒及び教員に無料で公開されている。

 

入学当初は興味なんて湧かなかったけど、図書室のお陰で先輩と巡り会えたのなら感謝しなくっちゃね。

 

都会にしては澄んだ朝の空気を思いっきり吸い込み私は歩みを進める。

今日も私と先輩との素敵な素敵な日常がスタートする!

 

…はずだったのだから、私はこの後起こる事件なんて全く予想できなかった。

 

ーーーーー

 

同時刻 私立桜坂中学校 図書室

 

「そろそろ見つけなければいけないかなぁ…、ロータス達とも会いたいし。光は、加速者になれるかな?」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。