KINGDOM HEARTSⅢ×新サクラ大戦   作:アニアス

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3話 唐突な出会いは中華料理と共に

ソラ「ここで何してるんだ!?」

デミックス「はぁ~最悪だぁ、一番出会いたくないのに出会っちゃったよ」

 

ソラはぶつかった相手、デミックスと呼んだ少年に対して身構えていた。

 

この黒いコートを纏いお洒落な茶髪の髪型でソラと同い年くらいの『デミックス』という少年は、強大な闇の組織『ⅩⅢ機関』のメンバーの1人でかつてソラと対峙したことがあり倒された筈だった。

しかしすべての元凶である『マスター・ゼアノート』により『真ⅩⅢ機関』として再結成され今まで倒してきたメンバーが次々と復活しているのである。

 

ソラ「だけど、お前まで機関に戻ったのか」

 

ソラの知る限り、デミックスは手強かったがやる気がなく面倒臭がりで戦闘は嫌いと愚痴を溢したりと、とても機関に戻れるような実力ではなかった。

 

デミックス「まぁ、戻ったっていうか、戻されたっていうか・・・」

 

頬を掻きながらデミックスはソラから目を反らした。

かつてソラに倒されたトラウマがあるせいか何とかして切り抜けたいという様子が駄々漏れだった。

 

ソラ「この世界で何をする気だ?」

デミックス「何もしねぇよ。俺はただこの世界の調査に行けってサイクスから言われてるだけだし」

 

デミックスの口から出てきた『サイクス』とは機関の副官のように様々な責務をこなすメンバーであり、いつもサボろうとするデミックスにとっては凄く苦手な相手である。

 

デミックス「ま、補欠の俺にしちゃお似合いの任務だけどなぁ~」

ソラ「補欠?」

デミックス「あぁ、俺今補欠だもん」

 

補欠とは一体どういことなのだろうとソラは首を傾げてしまう。

今のデミックスの真ⅩⅢ機関としての役割は万が一メンバーの誰かが消滅してしまったときの埋め合わせ要員であり、正式なメンバーではないらしい。

 

ソラ「お前、補欠って・・・」

デミックス「やめろ!そんなかわいそうな目で俺を見るなよ!」

 

正式メンバーに選ばれず補欠要員にいるデミックスにソラは同情し哀れみな目線を向けてしまう。

もはや同情を通り越し悲しさまで込み上げた来た時、不意に声をかけられた。

 

???「あー!やっと来てくれたー!」

ソラ・デミックス『ん?』

 

2人が声をかけられた方を見ると、そこには黄色いチャイナ服を着て茶髪のショートの左右にお団子の飾りをつけた女の子が立っていた。

そしてその後ろには『龍神軒』と掲げられた看板がある赤い建物が建っていた。

 

ソラ「・・・誰だ?」

デミックス「いや俺に聞かれても」

 

突然現れた少女にソラとデミックスの目は点になってしまう。

だが少女の発言からしてソラとデミックスを待っていたようにも思える。

 

???「茶髪のツンツン頭と金髪の黒い服・・・間違いないないね!」

 

確かにソラは茶髪のツンツン頭、デミックスは金髪の黒い服である。

 

???「じゃあ早速やってもらうから」

ソラ「やってもらう?」

デミックス「な、何を?」

???「そんなの決まってるでしょ!ほら急いで急いで!」

ソラ「お、おい!?」

デミックス「何なんだよ~!?」

 

一方的に話を進める少女にデミックスは立たされ、背中を押して2人を龍神軒へ連れて行ってしまった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

龍神軒。

帝都で有名な中華料理店で連日多くの客たちが足を運んでいる。

 

そしてソラとデミックスはというと、

 

???「これは3番テーブル!そっちは5番テーブルだ!」

ソラ「わ、分かった!」

???「違うよ!3番テーブルは向こうだよ!」

デミックス「注文!餃子二人前と麻婆豆腐!」

 

客で混んでいる店内でウェイターの仕事をしていた。

料理を運んだり注文を聞いたりと、まるで馬車馬のように働かされていた。

 

デミックス「・・・なぁソラ、何で俺たちウェイターやってんの?」

ソラ「俺が知りたいよぉ・・・」

 

 

何故このようなことになっているのかというと、ソラとデミックスを龍神軒へ連れて行った少女『ホワン・ユイ』が原因だった。

今日は龍神軒に臨時の手伝いが2人来ることになっていたのだが顔と名前が不明で特徴しか情報がなかった。

『茶髪のツンツン頭』と『金髪の黒い服』、まさにソラとデミックスの2人に当てはまる。

そう、ユイはソラとデミックスを臨時の手伝いと勘違いをしているのだった。

 

???「何ちんたら話してんだ!早く料理運べ!ウチは旨さと速さが大事なんだぞ!」

 

先ほどからカウンターを挟んだ厨房で休まず中華鍋を振っている黒いチャイナ服を着た少年は龍神軒の料理人『ヤン・シャオロン』。

こそこそと話しているソラとデミックスに話している暇があるなら働けと言わんばかりに叱責した。

 

ソラ「あーもう!こうなったらとことんやってやる!」

デミックス「俺戦うのイヤだけどコキ使われるのもイヤだー!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

しばらくして、客足が徐々に落ち着き龍神軒はまるで嘘のように静かになっていた。

 

ソラ「疲れた~」

デミックス「もう動きたくねぇよ~」

 

休まず働かされたソラとデミックスはテーブルに頭を伏せて座っていた。

注文を取ったり料理を運んだりと足に限界が来ている2人の疲れは凄まじいものだった。

 

ユイ「お疲れ様」

シャオロン「今日はありがとな」

 

すると厨房からユイとシャオロンが出てきた。

ソラとデミックスが顔だけ向けると、シャオロンが両手に皿を持ってこちらへ歩いていた。

 

シャオロン「これ食って元気だせ!」

 

そう言ってシャオロンはソラとデミックスの前に一つずつ皿を置いた。

 

ソラ「これって・・・」

デミックス「・・・炒飯?」

 

皿に盛られていたのは炒飯だった。

卵が米と絡まり黄金に輝き、みじん切りにされたネギや叉焼、エビなどの食材が色鮮やかに表現され、何より香ばしい匂いがソラとデミックスの食欲を注いだ。

 

シャオロン「龍神軒自慢の上海龍神炒飯だ!」

ユイ「隊長の炒飯で虜にならなかったヤツなんていないんだから!」

 

料理を運ぶことに必死になっていた2人はあまり料理を見ていなかったため、よく見れば見る程美味しそうに思い咄嗟にレンゲを手に取った。

レンゲを入れるだけで米の一粒一粒がバラバラでくっついていないのが分かった。

そして炒飯をすくい口の中へ運ぶと、

 

ソラ・デミックス『・・・うまい!!』

 

炒飯の味と香ばしさが口中に広がり思わず絶賛してしまった。

とても美味しいと分かるや否や皿を持ち上げ口へ掻き込んだ。

 

ソラ「このパラパラとした食感がたまんない!」

デミックス「また一口いきたくなる!癖になる!」

 

今までにこれほど美味しい炒飯を食べたことがあるだろうか。

ソラとデミックスはあまりの美味しさ匂い感動して涙が出そうだった。

 

ユイ「また龍神軒の虜が増えたね」

 

2人の食べっぷりにユイは思わずクスクスと笑ってしまう。

 

ソラ・デミックス『ふぅ・・・』

 

炒飯を食べ終えた2人は天井を見上げて腹をさすった。

勘違いで働かされたことなど忘れたくらいとても満足な表情をしていた。

 

ソラ「よし、じゃあ俺はこれで」

デミックス「俺も行くよ」

 

そう言って2人は同時に立ち上がり挨拶をして龍神軒を出ていった。

 

シャオロン「手伝いありがとな!」

ユイ「また来てねー!」

 

シャオロンとユイはその背中を見送るのだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ソラ「んー!疲れたけどあの炒飯は旨かったなー!」

デミックス「俺が今まで食ってきた中で一番かも!」

 

龍神軒を出た2人は背伸びをして炒飯の感想を話していた。

互いに敵同士だというのにそれすら忘れて話している2人は端からみたら変に思ってしまうだろう。

 

ソラ「なぁデミックス、お前これからどうするんだ?」

デミックス「調査続行に決まってんだろ。それにサイクスからは何日かは滞在しとけって言われてるし」

 

調査とこじつけて遊ぶ気なのだろうとソラは思うが別にどうでもいいため放っておくことにした。

 

デミックス「じゃあなソラ~」

 

そしてデミックスは手を上げてソラと別れた。

 

ソラ「・・・何であんなヤツが機関にいるんだ?」

 

デミックスの性格は他のメンバーと比べてもフレンドリーで悪そうにみえないというのにどうしてⅩⅢ機関に所属していたのだろうと腕を組んで考えた。

 

その時、

 

ヴゥーーーーーーーー!!!!

 

ソラ「ッ!?なんだ!?」

 

突如耳に響く程の大きなサイレンが鳴り出し辺りを見渡すと、街灯に設置されているスピーカーから音が出ていた。

 

すると、

 

『銀座大通りに降魔が現れました!速やかに避難して下さい!繰り返します!銀座大通りに降魔が現れました!速やかに避難して下さい!』

 

サイレンと同時にアナウンスが聞こえ街の人たちは騒いだり突如走り出したりとパニック状態になっていた。

 

ソラ「降魔って確か、誠十郎が言ってた魔物だったっけ!?急がないと!」

 

この世界において現れる人間を襲う魔物、降魔が銀座大通りに現れたと知ったソラは逃げ遅れた人がいないか、降魔を倒さなければという2つの思いが込み上げ銀座大通りへ駆け出すのだった。

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