『銀座大通り』
銀座のメインストリートでカフェや百貨店、さらに百貨店の上には屋上遊園地などがある。
普段は大勢の人たちで賑わっているのだが、今は人1人見当たらず出歩いている者はいなかった。
そして人々の代わりになるようにそれはいた。
丸い銅色のボディから手足が生え剣と盾を持っているまるでロボットのようなものが徘徊していた。
しかも一体だけではなく何体ものロボットがあちらこちらにいた。
さらに上には翼が生えたまさに怪物そのものの存在が何体も飛んでいた。
このロボットは『傀儡機兵』
魔力によって産み出された機械の敵であり、一体一体大したことはないが数で行動するためそこが厄介である。
そして翼で飛んでいるのは『降魔』
誠十郎とさくらが言っていた人間を襲う魔物である。
ソラ「はっ!はっ!はっ!」
そこへ駆けつけて来たのはソラ。
普通なら避難所へ行くべきだが、人一倍正義感が強い彼にとってこの状況を放棄する訳にはいかなかいのであろう。
ソラ「コイツらが降魔か!」
始めてみる敵を見てソラは咄嗟に身構えた。
ドナルド・グーフィー『ソラー!!』
するとそこへ避難警報を聞いたであろうドナルドとグーフィーも駆けつけて来てくれた。
どうやらここへ来るまでに2人は合流したらしい。
ソラ「ドナルド!グーフィー!」
ドナルド「ソラもここに来てたんだね!」
グーフィー「やっぱりボクたちって考えることは同じだね!」
ドナルドもグーフィーもソラに負けず劣らず正義感が強いためここへ駆けつけたのである。
3人で一緒に旅を続けていたからこその行動力であろう。
ソラ「よし!俺たちでコイツらを倒すぞ!」
ドナルド「うん!」
ソラたちは降魔たちを倒すために駆け出そうとしたその時、
グーフィー「ん?ちょっと待って」
何かに気づいたグーフィーが突然2人を止めた。
咄嗟のことにソラとドナルドは転んでしまいそうになった。
ドナルド「もう!何だよいきなり!?」
グーフィー「いや、何か聞こえてこない?」
ソラ「何かって・・・?」
グーフィーに言われてソラとドナルドは耳を澄ませると、
ソラ「・・・あ、ホントだ」
ドナルド「何の音だろう?」
微かではあるが、確かに何かの音が聞こえている。
しかし音が微かであるせいかよく聞き取れずにいる。
そして音は徐々に大きくなっていき、突如ソラたちの頭上を何かが通りすぎ土埃を上げてソラたちの前に現れた。
ソラ「なんだ!?」
ドナルド「グワッ!?」
グーフィー「うわぁ!?」
土埃が晴れていき目を凝らして見てみると、そこにいたのはロボットだった。
傀儡機兵たちとは違い一回り大きく銀色の甲装に金色のラインが入っており、頭部であろう箇所の赤く光るライトが目を表しているかのようだった。
そしてその両腰には刀を一本ずつ装備していた。
銀色のロボットはまるでソラたちを守るかのように降魔と対峙していた。
ソラ「ロボット!?」
ドナルド「おっきい!」
グーフィー「あ!また来るよぉ!」
グーフィーが指を差した方向には銀色のロボットと同じようなロボットが5体向かって来ていた。
腰に一本の刀を差したさくら色のロボット。
大きなハンマーを持った赤いロボット。
右手に本を持った緑色のロボット。
左腕が鉤爪のようになっている黄色のロボット。
右手に赤い傘、左手に拳銃を持った青いロボット。
そのロボットたちもソラたちの頭上を飛び越え銀色のロボットと並んだ。
それを合図にするかのように銀色のロボットは腰の2本の刀を抜いてこう名乗った。
「正義の刃が悪を討つ!」
『帝国華撃団・参上!!』
そう、このロボット『霊子戦闘機』を操縦しているのが帝都を守る組織『帝国華撃団』だったのだ。
ソラ「これが、帝国華撃団!?」
よく見てみようとソラたちは霊子戦闘機たちの正面へ回り込んだ。
固そうな甲装のカラーリングが輝きいかにも強そうに思えた。
ソラ「すっげー!」
ドナルド「カッコいい!」
グーフィー「中に人がいるのかな?」
そんなソラたちに霊子戦闘機たちの赤い目が集まった。
『ソラ!?』
ソラ「えっ?」
すると銀色の機体とさくら色のから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
ソラ「何で俺を知って・・・いや、それよりこの声って・・・」
自分の名前を呼ばれたことに驚くもソラはこの声に聞き覚えがあった。
確かに聞いたことがあると記憶を辿っていきハッと思い出した。
ソラ「もしかして誠十郎とさくら!?」
駅で迷子探しで知り合った誠十郎とさくらの声だと気がつき驚きの声をあげてしまう。
誠十郎「どうしてここに!?」
さくら「逃げ遅れたの!?」
銀色の機体から誠十郎、さくら色の機体からはさくらの声がしており2人が中に乗っていることを示していた。
ドナルドとグーフィーも同じように驚いていたが、それぞれもう一つのことに驚いていた。
ドナルド「グワッ!?その声はクラリスと初穂!?」
クラリス「ド、ドナルドさん!?」
初穂「ようドナルド!さっきぶりだな!」
グーフィー「こっちはあざみとアナスタシア!?」
あざみ「グーフィー!」
アナスタシア「こんなに早くまた会えるなんてね」
緑の機体と赤の機体からドナルドがミカサ記念公園で出会ったクラリスと初穂の声、黄色の機体と青の機体からはグーフィーが御菓子処みかづきで出会ったあざみとアナスタシアの声がそれぞれ聞こえてきた。
誠十郎とさくら、クラリスと初穂、そしてあざみとアナスタシア、この6人の正体は帝国華撃団だったのだ。
誠十郎「ソラ!ドナルド!グーフィー!ここは危ない!早く逃げるんだ!」
誠十郎は帝都を守る華撃団としてソラたちに逃げるように促した。
ソラたちは互いに顔を見合わせると笑って誠十郎たちにこう言った。
ソラ「俺たちなら大丈夫!」
ドナルド「いつものことだし!」
グーフィー「心配いらないよ!」
そう言ってソラたちは降魔と傀儡機兵たちへ駆け出した。
その行動に帝国華撃団全員は驚いてしまう。
誠十郎「おいソラ!?」
初穂「何やってんだアイツら!?」
アナスタシア「馬鹿な真似はやめなさい!」
誠十郎たちが慌てて止めるもソラたちと降魔たちとの距離はどんどん近づいていく。
その時、ソラの右手に光が集まった。
光は棒のように伸びていきそれが粒子となり晴れるとそこには、
さくら「あれは・・・鍵?」
それは鍵のような剣だった。
銀色の歯から軸は刀剣、黄色い持ち手はナックルガードがついており柄のような形状をしていた。
それと共にドナルドとグーフィーの右手も同じように光り、ドナルドは頭にとんがり帽子がついた杖、グーフィーは丸い小振りの盾が現れた。
ソラ「いくぞ!」
ソラは鍵の剣を両手に持ち一体の傀儡機兵へ振り下ろした。
傀儡機兵は斬られたことにより火花を散らして爆発した。
2撃、3撃と攻撃を繰り返し傀儡機兵たちも迎え撃つもソラの身軽な動きを捉えることが出来ず次々に倒されていった。
ドナルド「ファイア!」
空中にいる降魔たちを迎え撃っているのはドナルド。
ドナルドが呪文を唱えると杖の先端から火球が飛び出し降魔に直撃し粒子となって消えていった。
グーフィー「そーれっ!」
そしてソラと同じように傀儡機兵を蹴散らしていっているのはグーフィー。
盾を振るったり、体を軸にして回転したりと次々に吹き飛ばしていった。
ソラたちは互いに連携を取りながら降魔たちを倒していった。
誠十郎「ソラ・・・君たちは一体・・・!?」
ただの観光客の筈であるソラたちがまるで百戦錬磨の戦士のように次々と降魔たちを倒していく光景に誠十郎たちは唖然となってしまう。
クラリス「神山さん!」
あざみ「あざみたちも!」
クラリスとあざみに言われ誠十郎はハッとなり正気に戻った。
誠十郎「いくぞみんな!降魔を全滅させるぞ!」
『了解!』
誠十郎の号令により帝国華撃団は降魔へと突撃していった。
さくら「はぁっ!」
腰の刀を抜刀したさくらの機体はソラの背後にいた傀儡機兵を一刀両断した。
ソラ「さくら!」
さくら「ソラ!色々聞きたいことがあるけど、今は協力して降魔を倒そう!」
ソラ「あぁ分かった!」
互いに背中を合わせソラとさくらは降魔へと向かっていった。
ドナルド「ファイア!ファイア!」
ドナルドが次々に火球を飛ばし降魔を打ち落としていると、横から大きな光の球が飛んできて降魔たちを打ち緒とした。
光の球が飛んできた方向を見るとそこにはクラリスが乗っている機体があった。
ドナルド「クラリス!」
クラリス「ドナルドさん!」
ドナルドは自分を助けてくれたクラリスに礼を言おうと近くへ走った。
ドナルド「ありがとうクラリス」
クラリス「い、いえ。それよりドナルドさんも、私と同じだとは・・・」
クラリスは自分と同じように魔法が使えるドナルドに驚いていた。
ドナルド「クラリスの魔法もすごいよ!」
クラリス「いえいえ!私なんて全然ですよ!」
初穂「呑気に話すのは後にしとけ2人とも!」
迫ってくる複数の傀儡機兵を初穂の機体が持つハンマーが火を吹き一斉に吹き飛ばした。
傀儡機兵たちは炎と共に爆発を起こして倒されていった。
ドナルド「初穂もすごい!」
クラリス「ドナルドさん!私たちも参りましょう!」
ドナルド「うん!」
初穂「さっさと終わらせるぞ!」
初穂に続いてドナルドとクラリスも降魔へ突っ込んでいった。
グーフィー「んぅ~!」
一方グーフィーは苦戦を強いられていた。
傀儡機兵たちが束となりグーフィーに襲いかかり押し合いの状態になっていた。
徐々に傀儡機兵の数も増えていきこのままでは押し潰されてしまう程追い込まれてしまった。
その時、突然クナイと弾丸が傀儡機兵たちを吹き飛ばしていった。
それと同時にあざみの機体とアナスタシアの機体がグーフィーを挟んで降り立った。
グーフィー「ありがとう2人とも!」
あざみ「礼は無用。今は降魔を倒すことに集中」
アナスタシア「グーフィー、無理はしないでね」
こちらへ突撃してくる降魔たちを迎え撃つべく、グーフィーとあざみ、アナスタシアは身構えた。
ソラ「えいっ!」
さくら「せいやっ!」
降魔たちを次々に切り伏せていくソラとさくら。
しかし中々数が減る様子がなく苦戦していた。
ソラ「キリがない!」
さくら「でも私たちでやらないと!」
ソラとさくらは互いに背中を合わせ打開策を考えていると、
誠十郎「後は俺に任せろ!」
上から誠十郎の機体が降り立った。
同時に手に握っている2本の刀が青く光り出した。
そして誠十郎はその技の名を声に出した。
誠十郎「闇を切り裂く、神速の刃!縦横無刃・嵐!」
2本の刀を素早く、そして豪快に振るい降魔たちを次々に切り裂いていった。
その姿は正に嵐の如く。
誠十郎「これで終わりだぁ!!」
そして最後の一体を切り伏せ降魔を全滅させた。
ソラ「すっげぇ・・・!」
誠十郎の技にソラは呆然となってしまった。
ドナルド・グーフィー『ソラー!!』
すると遠くから降魔を倒し終えたドナルドとグーフィー、そして帝国華撃団のクラリスたちがこちらへ向かって来ていた。
ソラ「無事みたいだな」
ドナルド「もちろん!」
グーフィー「僕たちならどんな敵でも大丈夫だよ!」
苦難を共に乗り越えたからこそ、これだけの自信というものが自然についたのかもしれない。
そんな時、各機体のコックピットが開きそこから誠十郎たちが出てきた。
先程までの服装とは違い白を統一とした戦闘服を来ており、それぞれのイメージカラーのラインが入っていていた。
誠十郎「・・・ソラ、色々言いたいこととか聞きたいこととかあるんだが、これだけは言わせて欲しい」
誠十郎の真面目な顔にソラたちは降魔たちへ向かって行ったことを叱られるのではないかと身構えると、
誠十郎「一緒に戦ってくれて、ありがとう」
なんと頭を下げて礼を言ったのだった。
ソラたちは叱られる訳ではないのかとホッとなるのだった。
ソラ「いいってこのくらい」
ドナルド「そうだよ」
グーフィー「このくらいどうってことないよ」
ソラたちは胸を張り自信満々に答えた。
さくら「このくらいって・・・」
初穂「降魔と生身でやり合うこと自体スゲェってのに」
クラリス「あの人たち一体どんな体験してきたのでしょうか?」
あざみ「3人ともすごく戦い慣れてた。一体何者?」
アナスタシア「どこかの華撃団って訳でもなさそうだし」
ソラたちの様子と戦いの光景を見ていたさくらたちは半ば呆れてしまっていた。
誠十郎「ソラ、悪いが俺たちと一緒に来て貰いたいんだが、構わないか?」
ソラ「えっ?えぇっと・・・」
ドナルドとアイコンタクトを取ると『取り敢えず一緒に行って何とか誤魔化そう』と返され一緒に行くことにした。
ソラ「うん、分かった」
誠十郎「じゃあ早速」
さくら「あっ、待ってください誠兄さん」
ソラたちを連れていこうとした時、突然さくらが誠十郎を止めた。
さくら「その前に、いつものアレをやりましょう!」
誠十郎「あぁ、そうだな」
ソラ「アレ?」
アレとは一体何のことだろうとソラたちは顔を見合わせてしまう。
すると帝国華撃団は一ヶ所に集まりさくらが前に出た。
さくら「どんな敵であろうとも、私たち帝国華撃団は負けないんです!勝利のポーズ!せーのっ!」
『決めっ!』
そして写真撮影をするかのように各自ポーズを決めた。
ソラ「・・・えっと、今のは?」
突然の帝国華撃団の行動にソラたちはポカンとなってしまう。
誠十郎「今のは、帝国華撃団・花組の伝統だ」
さくら「勝利した後は必ず勝利のポーズを取るんだよ」
ソラ「へぇー」
帝国華撃団には面白い伝統があるのだと感心するソラであった。
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そんなソラたちと帝国華撃団の様子を建物の屋上から見下ろす2つの影があった。
???「やっぱりアイツらもこの世界に来てたな」
1人は赤と紫を基調とした戦闘服を着ており、大きな体格と大きな顎が特徴的な犬のような容姿をした人物。
???「放っておきな、私たちには関係のないことさ」
もう1人は漆黒のマントを着ており、先端に翡翠色の杖を左手に持った冷酷そうな女性。
この2人はソラたちと帝国華撃団が駆けつけ共闘したところまで観戦していた。
漆黒のマントを着た女性の名は『マレフィセント』
世界をすべて手に入れる野望を持った闇の魔女。
かつてソラたちとも対立したこともある。
そして大柄な人物は『ピート』
マレフィセントと手下として行動を共にしているがソラたちからは甘く見られている。
???「行くよピート、私たちにはやることがあるだろう?」
???「待てよマレフィセント。このままだとソラたちと鉢合わせしちまうぞ」
ピートはソラたちと会うことをかなり警戒しているようでマレフィセントにどうするんだと質問した。
マレフィセント「ふん、何を言っているんだい。手なら既に打っただろう」
ピート「手を打ったって、もしかしてアレのことか?」
マレフィセントが打っておいた策にピートの眉にシワが出来てしまう。
ピート「アイツ、俺たちのおかげで復活できてたってのに、俺たちの言うことなんて聞かずにどっかに行っちまったんだぞ。それなのにあんなヤツに闇の力まで与えやがって、どういうつもりだ?」
どうやらマレフィセントは誰かを復活させたようだが、その人物は勝手にどこかへ行ってしまったようでとても得策ではないと腕を組んでしまう。
マレフィセント「アイツはどうやらソラたちと一緒にいる帝国華撃団とかいう連中に対して強い憎しみを抱いているようだしね。いずれ激突するはずだよ」
マレフィセントが復活させた人物は帝国華撃団に復讐心があるため、ソラたちと激突すると読んだ上で闇の力まで与えたようであった。
マレフィセント「それに、ああいうヤツこそ利用価値というものがあるものさ。さぁ行くよ」
ピート「お、おい!待ってくれよマレフィセントー!」
マレフィセントはマントを翻しこの場を立ち去ろうとし、ピートは慌ててその背中を追いかけるのだった。