Guilty Crown Bonding the Voids   作:倉部改作

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原作ギルティクラウン二期の世界のように分断されたこの世界でもなお、クリスマスはまもなくやってきます。
この作品はクリスマスイブ、12/24に、三部作の最後として、以前のLOPの如く華々しく完結するはずでした。しかし、アドベントカレンダーという毎日のご褒美を全て手に入れても完結は叶わず、今回は三幕構成のうちの第一幕のみをお届けすることとなりました。申し訳ないです。私は12/32を迎えてもなお、この作品を完結するまではベリークルシミマスという調子で、真のメリークリスマスを目指す所存です。
なんだこの作品は……そう思った方は、どうかこの作品のシリーズの最初、Phase01: 再会:reloadedよりお楽しみください。


Phase03 祈り:convergence Act1 黄昏: twilight
prologue inori at dusk


## prologue inori at dusk 

 

 静かな海にひとり。波打ち際。落ちゆく太陽を見つめている。

 果たしてこの太陽は、明日も私たちの前に登っているのだろうか。

 そのとき、声が聞こえた。

「お姉ちゃん」

 振り返るとそこには、男の子がいる。彼は笑顔で呼びかけてくる。

「やっとみつけた、探してたんだよ!」

 そして、手を差し伸べてくれた。 

「一緒に行こう!」

 

 そして、時は進む。

 夜明けの、かつて奈落の底となった結晶の丘。

 すべてが終わったその爆心地の淵で、たったひとつの銃声が鳴り響く。周囲の武装していた人々の視線は、その音に向かって、つまり私たちに向かってくる。

 私の腕にかするように銃弾がすり抜けていく。

 銃を撃った仮面の男の子は、こういった。

「次は喉を撃つ。これで、天に見放された世界(アウターヘヴン)は完成する……」

 肩の傷から、血が滲み、流れていく。いつか機械仕掛けの人形につけられたその傷と、皮肉にも同じ場所。銃を向けていた私の腕は、もはや戦意を失っていた。

 血も、涙も、止められないまま。私は訊ねていた。かつて、手を差し伸べてくれた、大きくなった男の子を。

「集、何があなたを、そうしてしまったの……」

 仮面の男の子。桜満集は応えた。

「どんな過程を進んでも、僕のこの結末は変わることはない」

 髑髏《Skull》の仮面、その奥の瞳は暗く、見えることはない。

「これが君の願った、橋の王《BRIDGEBOSS》だったんだよ」

 仮面を睨み付ける。その目は互いを否定するため。

「そんな仮面の王様、なんか……」

 言葉を待ち、告げる。彼のその声は、神託を伝えるため。

「君の運命は、これで終わりだ……」

 さらに男の子は銃を向ける。だから、私も銃を向ける。そうして互いに銃を突きつけあう。

 ここが、私たちの収束点《convergence》。奈落の底(コキュートス)の景色。

 全ての人が武装した風景。全ての人が誰かを殺せるだけの暴力で拒絶しあう、分断された世界。

 その手は、大事な人を殺すためにあった。

 

 そして、互いの銃弾は放たれる。瞬間、遅く、滑らかにそれらは飛び出していく。

 けれどそれは、やがて逆行していく。奇妙な音を立てながら、そして薬莢は飛び出していった銃へと帰り、銃弾は薬莢に帰っていく。

 私たちは逆行していく。

 それは、あなたに伝えるため。

 

 なぜ、私たちは戦うしかなかったのか。

 なぜ、ここに辿り着くしかなかったのか。

 なぜ、あなたのみているこの世界が、生まれたのか。

 

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