一つ!アイドルは一切出てきません!
一つ!特撮&声優ネタ多め!
一つ!小説というより漫才やコントの類だ!
一つ!続きは無い!多分!

以上!!

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一つ!アイドルは一切出てきません!
一つ!特撮&声優ネタ多め!
一つ!小説というより漫才やコントの類だ!
一つ!続きは無い!多分!

以上!!


放課後クライマックスレンジャー【企画会議編】

「いやー感慨深いな。放課後クライマックスガールズ主演の戦隊ヒーロー特番のオファーが来るなんて。みんなまだまだ駆け出しだっていうのにありがたい話だよ。でもってこれから特別の企画担当者さんとの会議だ。俺も頑張って案を出していい番組にするようにしなくちゃな」

 

 コンコンとドアがノックされる。

 

「と、噂をすれば」

 

「おはようございます!本日はよろしくお願いします!」

 

「こちらこそ宜しくお願いします!わたくし283プロの―――」

 

「では早速会議を始めていきましょう」

 

「早っ!いきなりですね」

 

「特撮番組はスケジュールがカツカツになりがちですから。スピーディーに行かないと」

 

「なるほど。噂には聞いていましたがやっぱりその辺り大変なんですねえ」

 

「はい。なのでちゃっちゃと進めていきますので。これが企画資料になります」

 

「これはどうも」

 

 机を挟んで向かい合うようにして二人は席に着いた。

 

「それでは。まず番組名は『学生戦隊放課後クライマックスレンジャー』年齢も通う学校も異なる五人の学生たちが戦隊に選ばれて、地球の平和を守るために戦うという内容です」

 

「いいですねえ。正に彼女達にピッタリの設定だ」

 

「放送期間は4クールを予定しています」

 

「えっ!?一年間!?特番って話じゃ」

 

「はい、一年間地上波で毎週放送される特番です」

 

「それって特番とは言わないんじゃ・・・」

 

「放送局はテレビ東府中です」

 

「どこのテレビ局!?聞いた事無いよ!?」

 

「今度開局される新しいローカルテレビ局になります」

 

「あ、新しいローカル局かあ・・・まあ、ウチのアイドルの知名度じゃ仕方ないよな」

 

「ですが大丈夫です!ローカルでも全国区の番組に負けないように気合を入れて作りますので!絶対に成功させますので!」

 

「わ、わかりました。その情熱を信じましょう。それでアイドル達の配役はどうなってるんでしょう?」

 

「はい。まず主役であるクライマックスレッドを小宮果穂さんにやっていただきます。最年少で実力は乏しいながらも、熱いハートと燃える勇気でチームを引っ張るリーダーという設定です」

 

「いいじゃないですか!果穂にピッタリだ。絶対に喜んでくれるでしょう」

 

「恐縮です。次にクライマックスブルーに杜野凛世さん。物静かでいつも冷静沈着、時折彼女が発言する的を射た鋭い意見がチームの助けになる。参謀的役割となっています」

 

「うんうん。凛世もイイ感じの役柄だ」

 

「とある名家のお嬢様で帰国子女のバイリンガル。時折英語を交えて知的に話すクセがあり―――」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「何でしょう?どこか問題でも?」

 

「凛世が帰国子女のバイリンガル役ってのは無理があるんじゃないですか?ザ・大和撫子ってくらいに和風なんですよ彼女は」

 

「プロデューサーさん、新境地開拓ですよ。和の雰囲気漂う彼女が見せる異国風の演技。きっと新たなファン層開拓やアイドルとしてのレベルアップに繋がります!チャレンジさせる価値は十分アリです!」

 

「は、はぁ。まあそこまで熱心に考えて下さってるのなら・・・」

 

「ありがとうございます。では続きまして、有栖川夏葉さんにはクライマックスグリーンを演じていただきます。国内でも五本の指に入る程のエリート大学に通う彼女は幼い頃より病弱で、体力も乏しく学校を休んで寝込みがち」

 

「待った!」

 

「今度はどうしました?」

 

「あまりにイメージが真逆じゃないですか?夏葉は常にストイックにトレーニングを欠かさず行う、バイタリティ溢れる女性です。病弱なキャラクター役というのはしっくりこないんじゃ・・・」

 

「大丈夫です。有栖川さんのプロ意識の高さは存じてます。きっと彼女ならこんな役でもやりきってくれる。そうは思いませんか?」

 

「確かに夏葉ならどんな役柄にも全力投球してはくれそうだけど・・・。まあ、とりあえず本人の意見を聞いてみてOKするのなら・・・」

 

「はい。私としてはそれで構いません。ちなみにグリーンには病弱故に三分半程度しか戦う事ができない、という設定がありまして」

 

「それ戦隊ヒーローとして大丈夫ですかね!?」

 

「大丈夫です大丈夫です。何せウル〇ラマンより三十秒も長いんですから」

 

「確かにそうだけども!っていうかそういう問題!?」

 

「心配いりません!きっと上手くいきますから!」

 

「不安だなあ・・・」

(ていうか凛世と夏葉、配役が逆なんじゃないのか?)

 

「そしてクライマックスピンクに園田智代子さん。彼女にはあるお菓子を食べるとパワーアップするという設定がありまして。それを活かして戦うのが最大の特徴です」

 

「ほうほう。そのお菓子というのはもちろん」

 

「はい、芋きんつばです」

 

「何で!?そこはチョコにしてくださいよ!彼女はチョコアイドルってのが大きなウリなんですから!」

 

「それは、チョコアイドル一辺倒のイメージからの脱却を図るということで」

 

「早い早い!彼女まだ道半ばだから!広く世間にチョコアイドルって認知されきってないから!」

 

「でもなあ・・・実は番組の最大スポンサーに和菓子屋さんがおりまして、名物の芋きんつばを番組に出してくれって強く押されてて、出さないわけにはいかないんですよ」

 

「そこは別のやり方でお願いできませんかねえ・・・」

 

「う~ん。ではひとまずこの件は保留ということで」

 

「・・・わかりました」

(っていうか特撮番組の最大スポンサーが和菓子屋って・・・)

 

「そして最後にクライマックスイエロー!イエロー役には鷺沢文香さんを―――」

 

「何で他事務所のアイドルが出てくるんだよ!?」

 

「往年の戦隊ファンに向けたサービスです」

 

「確かに中の人戦隊モノに出てたけども!そこはウチの樹里を出してもらわないと!」

 

「西城さんには秘密基地の清掃員役を用意してありますので出番はバッチリです!」

 

「バッチリじゃねーよ!!戦隊モノに基地の清掃員なんて役柄あるか!!」

 

「でも絶対にイエロー役は鷺沢さんにした方がウケますって。もう346さんにオファーもかけていますし」

 

「却下!却下だ!今すぐそのオファー撤回して!」

 

「チッ、わかりました・・・」

 

「舌打ち!?何でそんなに不機嫌になるんだよ!」

 

「じゃ~あ~。次いきま~す・・・」

 

「急に投げ槍な態度になったな。ウチの摩美々の方がよっぽど態度良いぞ・・・」

 

「番組ナレーションですが、こちらはプロの方にやっていただくことが決定しています」

 

「ナレーションも特撮では大事ですからね。どなたが担当して下さるんですか?」

 

「はい。こちらM宗I成さんに担当していただくことが決定しています」

 

「凄い人来たな!特撮ナレーションの超大御所じゃないですか!」

 

「今回の番組の為に特別に引き受けていただけました」

 

「よくOKしてくれたな・・・何か急に本格的な空気がしてきたな。これは気を引き締め直さないと」

 

「そして、メインメンバー五人をサポートする司令長官役も既に決定しています」

 

「司令長官か。こういった役柄は大物俳優の方がよく担当されるイメージがありますけど・・・」

 

「はい。こちらもぬかりなく力を入れています。長官役はK田Tつをさんが演じて下さいます」

 

「レジェンド来ちゃった!戦隊の方じゃないけど!ていうか存在感強すぎません!?ウチのアイドルを差し置いて一人でなんとかしちゃいそうな空気まであるんですけど・・・」

 

「大丈夫です。長官は敵の吸血鬼怪人に噛まれて太陽の下に出られない体質になった、という設定がありますので何の問題もありません」

 

「なんだか不思議な事が起こってそれすら克服しちゃいそうなんですけど、ナレーション的に」

 

「まあ、その時はその時ということで」

 

「その時って何だ!そこんとこはちゃんとして下さいね。ウチのアイドルが主役なんですから!」

 

「はい。では次に敵となる悪の組織のキャラクター、幹部などについて」

 

「敵キャラも戦隊モノにとって欠かせない重要な要素だから気になりますね。悪役の魅力次第で番組そのものの評価も大きく変わってきますし」

 

「これについては申し訳ないのですが、設定が固まりきってないので担当役者さんの紹介だけになってしまいます」

 

「なるほど、それは仕方ないですね。で、どなたが演じて下さるのですか?」

 

「はい。敵キャラは基本的に着ぐるみの怪人で、声優さんが声を当てる形式をとらせていただきます。担当される声優さんはO塚H芳さん、T中A子さん、K安T人さん、T木F彦さん、T田K次郎さんとなっています」

 

「こっちも凄いな!ていうか何でしょう、私の方がやたら圧を感じるのですが・・・」

 

「ほう、何かトラウマでもあるのですか?」

 

「トラウマではないですけど、業界的になんかこう・・・ね」

 

「何言ってるのかよくわからないのですが?」

 

「まあ、こっちの話なので。それにしてもT田K次郎さんボイスの敵幹部か・・・やりにくくないかな」

 

「T田さんは敵幹部の役じゃありませんよ」

 

「え?」

 

「雑魚戦闘員の声を充てていただきます」

 

「余計やりにくいわ!」

 

「ヒーローを取り囲むようにたくさん群がって、こう「フンフンフンフゥン」なんて声を上げながら襲い掛かってきて」

 

「アホな設定だなあ、オイ!」

 

「ともかくこちらは決定事項ですので」

 

「頭と胃がいっぺんに痛くなってきた・・・」

 

「それは大変だ。休憩しますか?」

 

「いいよ、続けて続けて。そしてさっさと終わりにしよう」

 

「わかりました。では最終回のラストシーンになりますが」

 

「終わりってそっち!?」

 

「グリーンの結婚式に向かう途中で強盗に襲われた人をイエローが助けようとして―――」

 

「それ死んじゃうやつ!ウチの樹里が死んじゃうやつ!」

 

「何言ってるんですか。イエローは鷺沢さん―――」

 

「それは却下だって言っただろ!ていうかお前樹里になんか恨みでもあんのか!?」

 

「昔金髪のヤンキーに絡まれてそれ以来トラウマで・・・ホント金髪ヤンキー絶滅しろって思う」

 

「とんだ八つ当たりだよ!樹里はそんな子じゃないから!放クラで一番優しいまであるから!」

 

「ったく。スマホ見ながら歩いていてぶつかったくらいでよぉ」

 

「悪いの完全にアンタじゃないか!そりゃヤンキーじゃなくても怒るわ!」

 

「一週間前の新宿駅・・・くそっ!」

 

「えらく最近じゃねえか!にしても設定固まりきってないのにどうして最終回の脚本出来てんだよ。脚本家はI上先生もビックリの速筆かい!」

 

「いやあ、それほどでも。ハハハ」

 

「って、お前が書いてるんかい!」

 

「はい!それに監督と総合演出も兼ねています。というわけで、改めましてこの企画を成功させるために頑張っていきましょう!」

 

「頑張れるわけあるか!!」

 



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