それではどうぞ!
【近藤夏美編】
…ウチは、モノクマから動機を見せられた瞬間、頭が真っ白になった。
他のみんなは、鶏肉っていう動機をバカにしてたりしたけど、ウチにとっては毒の塊を食べるのも同然だ。
小さい頃から鶏肉がダメで、一度食べて倒れた事がある。
ウチは、鶏肉を食べるとアナフィラキシー?っていうのが起こっちゃうみたい。
他のみんなには、苦手な食べ物があるなんて言えなかった。
このままじゃ、ウチは何も食べられずに飢えて死んじゃう。
…こんなところで、死にたくない。
ウチは、何がなんでも生き残って、おうちに帰りたいんだ。
モノクマは、誰かを殺した人間だけをここから出してくれると言っていた。
…アイツの言う事を信じるわけじゃないけど、それしか生き残る方法がないなら、やるしかない。
やっちゃいけない事だってわかってる。
でも、しょうがないじゃん。
ウチは、絶対にこんなところで死にたくないんだ。
ウチは、床前っちに話しかけた。
「…ねえ、床前っち。あとで、お部屋でお話しない?」
「…えっ、あ、はい…。わ、私で良ければ…」
…うまくナイフを盗み出せた。
校則の6番目に、誰かを殺した事がバレちゃいけないって書いてた。
それを破っちゃったら、何か良くない事が起こるのかも。
自分の凶器を使ったら、ウチが殺ったってバレるに決まってる。
…ごめんね、床前っち。
ウチが生き残るために、罪を被ってもらうよ。
…いざ誰かを殺すとなると、急に震えが止まらなくなる。
一体、誰を殺せばいいのかな…
床前っちとカッちゃんは、ウチのお友達だ。この二人は絶対殺したくない。
郷間っち、ムズっち、菊池っち、猫西っち、小川っちの5人も、できれば殺したくない。短い間だったけど、ウチなんかと仲良くしてくれた、大切な人たちだ。
あーちゃんもやめとこう。まだ小さいから、殺しちゃうのはかわいそうだ。
射場山っちとリタっちは、あんまりお話できなかったけど…
この二人もやめとこう。そもそも、ウチが誘導できる相手じゃない。
森万っちと速瀬っちは、勘がいいからすぐバレそうだし…
神城っちも、ウチの言葉を聞いてくれなさそうだし…
となると、残るは織田っちか狗上っち…
…決めた。狗上っちにしよう。
狗上っちの疑り深い性格は逆に利用できそうだし、何よりみんなとコミュニケーションをとろうとしなかった。
ウチのご飯も全然食べてくれなかったし…多分、いざ殺すってなっても、一番罪悪感が薄いと思う。それに、狗上っちは遺跡の石版を壊したっていう弱みを抱えてるし…もし途中で勘付かれても、他のみんなと仲良くしようとしなかった狗上っちなら、誰も助けてくれなさそうだし…
そうと決まれば、早速準備に取り掛かろう。
ーホテル前ー
…狗上っち、やっぱりここにいた。
いっつも、夜はルールを守らずにここら辺うろついてるもんね。
大丈夫、揺さぶる材料もあるし…うまく引っかかってくれるよね?
…チャンスだ。
「狗上っち。」
「あぁ?んだよ、こんな時間に。とっとと失せろ。」
「あのさ、狗上っち、モノクマーメン遺跡の石版、割ったよね?」
「!?…おい、なんでそれを知ってんだ。」
「ごめん…狗上っちが、石版のカケラを埋めてるところを見ちゃって…」
「んだよ、盗み見かよ。趣味悪いな。」
「そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「で?それを確認して、どうする気なんだよ?あのクマにチクんのか?」
「別に…ただ、狗上っちが心配になって。あのさ、遺跡には行かない方がいいと思うよ。」
「あぁ?」
「だって、狗上っちは遺跡の石版を割っちゃったんでしょ?これ以上下手に行動したら、ひどい目に遭うかも…あの遺跡で変な事すると呪われるらしいし…」
「うるせぇ。俺が呪われるとでも言いてえのか?ケッ、くだらねえ。…お前、アレか?そんな事言って、俺を嵌める気だろ?」
「違う…そんなわけじゃ…」
「俺はな、テメェら全員信用してねぇんだよ。人を信じるなんて、お人好しのバカがやる事だ。飯作ったり声かけたりして、点数稼ぎのつもりだったか?そんな見え透いたモンでテメェを信じるわけねえだろうが。」
「そんな…ウチは、点数稼ぎなんて…」
狗上っちは、遺跡の方に目を向けた。
「お前、あそこで何か見つけたんだろ?だから俺に近づかれたくなくて、ハッタリで俺を遺跡に行かせないようにしたんじゃねえのか?」
「違うよ…そんなんじゃ…本当に危ないから行かない方がいいって!」
「うるせぇ。自分の身くらい、自分で守れる。…これ以上喋りかけてくんじゃねえ。耳障りなんだよ。…どけ。」
ドンッ
「あっ、ちょっと、狗上っち…!」
…計画通り。
やっぱり、まんまとお願いした事と逆の行動を取ってくれた。
これで、狗上っちを人目のつかないところで殺せるし、呪いのせいにする事ができる。
みんなに呪いを信じてもらえなかったとしても、床前っちに容疑をなすりつけられるし…
ウチはバレない程度に距離を取って、一歩ずつ確実に近づいた。
ーモノクマーメン遺跡ー
「…ここに、何が隠されてんだ?脱出経路とかか?」
…そんなもの、こんな所にあるわけないじゃん。
狗上っちって、意外と頭悪いんだな。これなら簡単に殺せそうだ。
「クソッ、あのチビ…それを知ってて黙ってやがったんだな?こっから出たら真っ先にシメ上げてやる。」
何バカな事言ってるの?
君は、ウチを締め上げるどころか、ここから出る事もできないのに。
…やっぱり、狗上っちをターゲットに選んで正解だった。
ウチのご飯を食べてくれた時は、仲良くなれるかもしれないって思ったけど…親切に忠告してあげたのにこんな事言うようなクズは、やっぱり殺しても問題ないよね。
狗上っちは、遺跡の中に入っていった。
ウチも、狗上っちの跡をつけて遺跡の中に入った。
「ケッ、何が呪いだ。くだらねえ。自分の命くらい、自分で守れるっつーの。」
ウチがここにいるのに気づきもしないくせに、よくこんな大口が叩けたもんだよね。
そんなに自分の腕に自信があるなら、見せてもらおうじゃんか。
まあ、ここまで接近を許してる時点で、こんなバカを殺すのなんてワケないんだけど。
「…あぁ?」
(…!!)
狗上っちが、いきなり後ろを振り向いた。
「…気のせいか。」
…良かった、近くにちょうどいい死角があって。
一瞬ヒヤッとしたけど、あとちょっとで黄金の間に辿り着く。
…そこで、狗上っちを殺すんだ。
「…この部屋、プンプン臭うな。」
狗上っちは、黄金の扉を開け、中に入っていった。
扉がゆっくりと閉まっていく。
ウチも、扉が閉まらないうちに急いで黄金の間に入った。
ー黄金の間ー
「…このどデケェミイラが臭えな。」
狗上っちは、完全にミイラに気を取られて、ウチが背後に近づいているのに全く気づかない。
…ここまで近づけば十分だ。
あとは、やるべき事をやるだけ。
ナイフを取り出し、狙いを定める。
…ごめんね。
ウチが生き残るために…死んで!!
「!!?」
バキッ
…え?
………あ。
「ぎゃあ゛ぁあああああああああああああああああああああああああ!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
腕が、ウチの腕が、痛い、痛いよぉお!!!
え?え?なに、なになになに?何が起こったの?
腕が痛くて全然動かない…なんで!?
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!?
「ーッ、こんの…クソアマがぁあああああ!!!」
ゴッ
「あっ、がはっ…」
え?え?なんで?
ウチは、いつの間にか床に倒れていた。
頭がクラクラする…
腕が痛い…うまく動けない…
次の瞬間、狗上っちの爪先が目の前に迫ってきた。
ゴスッ
「!!?」
「ッ、あがっ…おえ゛ッ…」
お腹痛いよ…
気持ち悪い…
なんで、なんでウチがこんな目に…怖いよ…誰か助けて…
狗上は、容赦無く何度も踏みつける。
ガッ
ゴスッ
バキッ
グシャッ
ドゴッ
「ふざけんなよこのクソアマがぁあ!!調子に乗りやがって…ザコのくせに、俺を殺そうとするたぁどういう了見だ!?なあオイ!!テメェみてぇなチビが、俺を殺せるとでも思ったのか!?俺も随分とナメられたもんだなァ!!クソッ、やっぱりテメェみてぇなゴミに一瞬でも気を許した俺がバカだった!!さっきはよくもやってくれたなァ!!死ねッ、死ねッ、死ねッ!!テメェみてぇなクサレ女は、この世から消えろォ!!!」
痛い…怖い…お願い、もうやめて…お願いします…もうしませんから…なんでもしますから、もう許して…もう痛いのは…怖いのは嫌だ…
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
もう誰かを殺そうとなんかしないから…カッちゃん…郷間っち…菊池っち…お願い、誰か助けて…
「オラァ!!!」
グシャッ
「…あ。」
足が視界に迫ってきて、直撃した。
だんだんと視界がボヤけて、意識が遠のいていく。
「あーあ。死んじゃったよ。相手との体格差も考えずに、好き嫌いでターゲットを決めるような中途半端な覚悟と、猿でも思いつくようなお粗末な計画で人を殺そうとするからこうなるんだよ全く。動機から作戦決行まで、何もかもがショートケーキみたいに甘ったるい…だからオマエは失敗したんだよ。そんな半端者のくせに真っ先に人を殺そうとしたオマエが、一番の愚か者だよ。せいぜいあの世で後悔するんだね。」
【狗上理御編】
「あっ。」
ガシャンッ
…やっちまった。
遺跡の中をうろついてたら、石版を落としちまった。
…これ、バレたら絶対やべえよな。
…とりあえず、近くに埋めて隠しとくか。
ー遺跡前ー
…よし、なんとか全部埋め終わったな。…うわっ、手が汚くなっちまった。ハイキングコースにあった川で、手ェ洗っとくか。
ガサッ
「…?」
…誰もいねぇ。
確かに物音が聞こえたんだが…気のせいか。
あー、かったりい。
ホテル戻って寝るか。
ー合宿4日目 夜ー
クマ共が、くだらねえモンを見せてきた。
…何が動機だ。鶏肉なんかで殺意なんか湧くわけねえだろ。
マジになって聞いた俺がバカだった。
あー、なんかイライラしてきた。
…散歩でもするか。
外人は、夜に外出歩くなっつってたけど、知った事か。
「狗上っち。」
…チッ。
うるせぇバカチビが話しかけてきやがった。
めんどくせぇ…
「あぁ?んだよ、こんな時間に。とっとと失せろ。」
「あのさ、狗上っち、モノクマーメン遺跡の石版、割ったよね?」
…?
こいつ、なんでそんな事知ってやがんだ…?
「!?…おい、なんでそれを知ってんだ。」
「ごめん…狗上っちが、石版のカケラを埋めてるところを見ちゃって…」
…チッ、あの時の物音はコイツかよ。
「んだよ、盗み見かよ。趣味悪いな。」
「そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「で?それを確認して、どうする気なんだよ?あのクマにチクんのか?」
「別に…ただ、狗上っちが心配になって。あのさ、遺跡には行かない方がいいと思うよ。」
「あぁ?」
「だって、狗上っちは遺跡の石版を割っちゃったんでしょ?これ以上下手に行動したら、ひどい目に遭うかも…あの遺跡で変な事すると呪われるらしいし…」
嘘臭え。なんだコイツ。
もしかして、コイツ俺を嵌める気か?
「うるせぇ。俺が呪われるとでも言いてえのか?ケッ、くだらねえ。…お前、アレか?そんな事言って、俺を嵌める気だろ?」
「違う…そんなわけじゃ…」
「俺はな、テメェら全員信用してねぇんだよ。人を信じるなんて、お人好しのバカがやる事だ。飯作ったり声かけたりして、点数稼ぎのつもりだったか?そんな見え透いたモンでテメェを信じるわけねえだろうが。」
「そんな…ウチは、点数稼ぎなんて…」
顔を見りゃ、ソイツがどう思ってんのかくらいわかる。
コイツは、やっぱり俺を嵌める気なんだな。
こんな奴と一瞬でも馴れ合おうなんざ考えた俺がバカだった。
…コイツの事だ、どうせ遺跡で何か見つけて、それを独り占めするために俺に釘を刺しに来たんだろ。
お前の思い通りになんか動いてやるかよ。
「お前、あそこで何か見つけたんだろ?だから俺に近づかれたくなくて、ハッタリで俺を遺跡に行かせないようにしたんじゃねえのか?」
「違うよ…そんなんじゃ…本当に危ないから行かない方がいいって!」
「うるせぇ。自分の身くらい、自分で守れる。…これ以上喋りかけてくんじゃねえ。耳障りなんだよ。…どけ。」
ドンッ
「あっ、ちょっと、狗上っち…!」
後ろから話しかけてやがるが、気にせずそのまま遺跡に向かった。
アイツが何を言おうと知った事か。俺は、俺が良けりゃそれでいいんだよ。
ーモノクマーメン遺跡ー
「…ここに、何が隠されてんだ?脱出経路とかか?」
一見、最初に来た時と何も変わってねぇ。
だが、アイツの反応から察するに、絶対に何かが隠されてるはずだ。
…チッ、あのチビ、何を知りやがったんだ…?
あー、イライラしてきた。
あのクソアマ、こっから出たら絶対ブン殴ってやる。
「クソッ、あのチビ…それを知ってて黙ってやがったんだな?こっから出たら真っ先にシメ上げてやる。」
考えてみたらムカついてきた。
アイツ…後で絶対覚えてろよ。
…だがまあ、今は遺跡を確かめるのが最優先だ。
とっとと探索終わらせるか。
俺は、遺跡の中に入った。
ー遺跡内部ー
…んだよ。
やっぱ何も起こんねえじゃねえか。
一応、護身用にスパナ持ってきたってのによ。
「ケッ、何が呪いだ。くだらねえ。自分の命くらい、自分で守れるっつーの。」
呪いなんざ、あるわけねえだろ。
あのメンツじゃ、俺に勝てる奴なんてデカブツとサッカー野郎くらいしかいねえし…
その二人は律儀にルール守って部屋で大人しくしてやがるから、殺される心配も無えしな。
カツン…
…ん?
今、足音が一回多くなかったか?
…まさか。
「…あぁ?」
…誰もいねえ。
「…気のせいか。」
確かに聞こえたんだが…
チッ、空耳かよ。ヒヤヒヤさせやがって。
先に進むか。
…やっぱ、怪しいのはここしかないよな…
「…この部屋、プンプン臭うな。」
…入ってみるか。
重い扉を押して、中に入った。
ー黄金の間ー
…相変わらず金ばっかだな、ここ。ギラギラしてやがる。
「…このどデケェミイラが臭えな。」
真ん中にある、ダセェデザインのミイラに目を向けた。
ここに、なんか隠してあんのか…?
ミイラに手を触れようとした瞬間だった。
「!!?」
バキッ
反射的に体が動いた。
気がつくと、俺は懐にしまっていたスパナを持って振るっていた。
「ぎゃあ゛ぁあああああああああああああああああああああああああ!!!」
声の方を振り向くと、俺がスパナで何を殴ったのか、すぐにわかった。
チビが、腕を押さえてもがき苦しんでいる。
近くには、ナイフが落ちている。
ナイフを拾い上げ、ソイツの顔を見た。
…ムカついてきた。
絶対に許さねぇ。
…殺られる前に、殺ってやる。
「ーッ、こんの…クソアマがぁあああああ!!!」
ゴッ
「あっ、がはっ…」
頭をスパナで殴ったら、目の前のクソ女はその場に倒れ込んだ。
このクソブス、ザコのくせに調子乗りやがってッ…!!
…ブッ殺してやる。
ゴスッ
「!!?」
「ッ、あがっ…おえ゛ッ…」
今度は、腹を蹴ってやった。
うわっ、吐きやがった。汚えな。
あーっ、イライラすんなぁ!!
こうなったら、死ぬまでボコボコにしてやる。
俺は、蹲るソイツを何度も踏みつけた。
ガッ
ゴスッ
バキッ
グシャッ
ドゴッ
「ふざけんなよこのクソアマがぁあ!!調子に乗りやがって…ザコのくせに、俺を殺そうとするたぁどういう了見だ!?なあオイ!!テメェみてぇなチビが、俺を殺せるとでも思ったのか!?俺も随分とナメられたもんだなァ!!クソッ、やっぱりテメェみてぇなゴミに一瞬でも気を許した俺がバカだった!!さっきはよくもやってくれたなァ!!死ねッ、死ねッ、死ねッ!!テメェみてぇなクサレ女は、この世から消えろォ!!!」
なんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がなんで俺がふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
蹴り付ければ蹴り付ける程、次々と怒りがこみ上げてきて、また蹴る、の繰り返しだった。
いくら蹴っても、全然抵抗しねえ。
俺が襲われた時とは、完全に立場が逆転していた。
そろそろ嬲るのにも飽きたので、トドメの一発をブチ込んでやった。
「オラァ!!!」
グシャッ
「…あ。」
顔を思いっきり蹴ったら、あっけなく気絶しやがった。
スカッとしたから外に出ようとした、その時だった。
「!!!」
服に、無数の足跡がこびりついていた。
…ここに来る途中の道がぬかるんでたから、泥が服に付きやがったのか。
クソッ、これじゃあ俺がやったってすぐバレんだろうが。
…とりあえず、証拠隠滅しとくか。
あー、めんどくせぇ。
俺は泥まみれになった服を脱がせた。
「チッ、なんで俺がこんなヤツの服なんざ回収しなきゃなんねェんだ。クッソメンドクセー…。」
…あー、このまま目ェ覚ましたら、厄介な事になんだろうな。
下手に襲われたとか言われて騒がれたら迷惑だ。
その時、ある考えが俺の頭をよぎった。
「…殺すか。」
一度思いついちまったら、行動に移すのは難しい事じゃなかった。
元々、コイツが仕組んだ事だ。
その結果こうなったんだ、自業自得だ。俺は悪くねェ。
恨むなら、俺を狙った自分を恨むんだな。
俺はナイフを右手に持ち替えて、狙いを定めた。
そして、胸にナイフを振り下ろした。
死んだ。
案外、あっけなかった。
チビの体からは血が大量に出て、そこに血溜まりができていた。
「これ、なんとかしねぇとな。…あー、めんどくせぇ。」
俺は剥ぎ取った服を持って、ホテルに戻った。
ーホテル前ー
「とりあえず、焼却炉にでもブチ込んどくか。…あーっ、そうだった。夜は焼却炉使えねぇんだった。どうすっかなぁ…」
その時、ある考えが思い浮かんだ。
「あ。」
俺は、服と脱いだ靴をその場に置いて、急いで部屋に戻った。
部屋に戻って、ドローンを持って焼却炉の前に向かった。
「これがあれば…」
ドローンを操作して、ゴミ処理室の中に移動させる。
焼却炉のスイッチを入れた。
「よし、うまくいった。あとは、コイツを中にブチ込むだけだ。」
戻ってきたドローンに服と靴を乗せて、もう一度侵入させる。
ドローンが焼却炉の真上に来たところで、ドローンを傾けて焼却炉の中に落とす。
「よし、あとはドローンを回収するだけ…」
ガチャ…
「!!?」
…ビビったぁ。
空耳かよ、おどかしやがって…
ガシャンッ
「!?…何の音だ…?」
恐る恐るゴミ処理室の中を覗くと、砕けたドローンが地面に転がっていた。
あーッ!!
クッソ、やっちまった…!
どうすんだよ…回収できなくなっちまったじゃねえか!!
クソ…ここは一旦退くか…
俺は、そのまま部屋に戻った。
大丈夫、俺は悪くない。
俺は無罪だ俺は無罪だ俺は無罪だ俺は無罪だ
ー同時刻 フロントー
「どうしよう…猫西さんにもらったブレスレット、壊しちゃった…そうだ、部屋に戻ったら作り直そう。」
…本当は夜に外出ちゃいけないってみんなと約束してたんだけど、どうしても眠れなくてつい外に出ちゃった。
みんなには、明日謝ろう。
大丈夫、みんななら許してくれるはず…
「あーあ、殺っちゃったよ。全く、軽率に行動するからこうなるんだよ。初めから、意地張らずにコミュニケーションとってたら襲われなかったかもしれないのにね。なーにが正当防衛だ、悪いのは全部オマエだろうが。同情の余地無し、紛うこと無き罪人だよ!せいぜい、あの世で自分の愚かさを悔いるんだね。」
【郷間権蔵編】
夏美が死んだ。
妹同然の大事な仲間が、俺たちの中の誰かに殺された。
守れなかった、何もしてやれなかった。
クソッ、俺にもっと力があれば…
夏美が死ぬ事も、兄弟に殺しをさせる事もなかったのに…
俺は、自分の無力さを呪う事しかできなかった。
まだ心の整理ができていない中、モノクマがとんでもない事を言い出した。
俺たちで学級裁判をして、クロかそれ以外の全員を殺すっつー、後付けのクソゲーの説明を始めた。
ふざけんな。
なんで俺たちが、また兄弟を殺さなきゃなんないんだ。
ここで出会えた大切な仲間たちを、もう失うわけにはいかないんだ。
「ふざけんな!!」
気がついたら、体が動いていた。
言いたい事、全部言ってやる。こんなゲーム、誰かが終わらせなきゃいけねぇんだ。
『おや?郷間クン、どうしたの?』
「何が学級裁判だ、何がおしおきだ。ふざけんな!結局、どうなっても最低一人は死ぬって事じゃねえかよ!そんなの、俺は認めねえ!たとえ人殺しでも、兄弟の中に殺されていい奴なんているわけないだろ!」
『な、なんと〜!?まちゃか、学級裁判をボイコットちゅるちゅもりでちゅか!?』
『そんなの、許されるワケないだろー!!どうしても裁判をやめさせたきゃ、ボクたちを倒してからにしろー!』
『えぇえ!?が、学園長…ボク
ゴッ
モノクマ達を、壁に叩きつけた。
腕には自信がある。ケンカじゃ、誰にも負けた事がねェ。
案外、あっさり二匹を押さえつけられた。
『ぎゃぶっ!』
『ぐえっ!』
「悪いな。こっちは毎日鍛えてんだよ。大工の息子ナメんじゃねえ!」
「いいぞお兄ちゃん!もっとやれー!」
「そうだウド、そのまま綿埃共をギッタギタに踏みつけてボロ雑巾にしろ!」
「今すぐこんなフザけたマネをやめろ!」
もう、ここまで来たらやってやる。
何が何でも、こんなゲームをやめさせてやる。
『ひぃいい!!最近の若者は怖いでちゅ〜!が、学園長〜!このDQNなんとかちてくだちゃいよ〜!』
『ボクに言わないでよ、ボクは万能な青ダヌキロボットじゃないぞ〜!た、たすけて〜!グングニルの槍!』
自分達がピンチになった途端、わめき散らしやがって。
…勝負あったな。
あとは、力尽くで押し通せば…
ザシュッ
…え?
身体に、無数の槍が突き刺さった。
身体に激痛が走るが、叫ぶ事もできない。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「かっ…あ…なん、だ…こ、れ…俺…まだ、しにたく…な…」
嫌だ、嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ…いやだ!まだ、こんなところで死にたくねえよ…論…勝利…ジェイムズ…誰でもいい、頼む…誰か助け…て…
感覚が鈍くなり、視界がボヤつく。
意識が遠のき、ついには何も感じなくなった。
「あーあ。死んじゃったよ。後先考えずに、好き勝手するからこうなるんだよ。家族でもない赤の他人に情が移っちゃったのが運の尽きだね。元気があるのはいい事だけど、そういうのは勇敢って言わないよ。…そういうのはね、無謀って言うんだよ。そこんとこ、はき違えてたんじゃないの?」
「ねえ、みんな。こいつらの共通点、何かわかるかな?…それはね、自分の行動に責任を持てない愚か者達だよ。これでちょっとはわかってもらえたかな?…まあ、今更どんなに後悔したって遅いけどね。」