※時間設定に無理があったので編集。
「くっ…!」
「…お前らが黒幕だったんだな。ついに追い詰めたぞ、モノクマ、モノハム!!」
「クマちゃんとハムちゃん覚悟しろー!!」
「こ、こんな所で終わってたまるかぁああああああ!!!」
「喰らえ!!グングニルの槍!!」
「無駄だ!!喰らえ!!弾・丸・論・破!!!」
「「ぐわぁあああああああああああああああああ!!!」」
「…終わった。」
「やったー!!ついにクマちゃんとハムちゃんをやっつけたー!!サトにいカックイ〜!!」
「論さんすごいです!!」
「うふふ、さすがね。サトシちゃん。」
「やるな菊池!!」
「…ん。」
「ふははははははは!!愚民にしてはよくやった方だ!!褒めて遣わす!!」
「先輩!あれ見るっス!!海の向こうから船が来るっスよ!!」
「…どうやら、誰方かが私達を見つけてくださったのですね。やった、私達やっと出られます!!」
「ふわぁ…やっとゆっくり寝られますぅ。」
「おーい!!みんなー!!」
…ん?あれは…猫西!?
いや、それだけじゃねえ…近藤も、郷間も、狗上も、森万も、速瀬も、織田もいる…!
「皆さん…どうして…!」
みんなを乗せた船が、リゾート地に着いた。
「久しぶりだな!迎えに来たぜ兄弟!」
「お前ら、なんで…!死んだんじゃなかったのか…!?」
「んー、なんかよくわかんないんだけど、ウチが死ぬってなった時に、誰かに助けてもらったんだよね。それで、なんとか島から脱出して、みんなを迎えに行く準備を整えてたってわけ。」
「『あの人』の提案で、モノクマ達の目を欺くため、死を偽装させて頂きました。今まで騙していて申し訳ございません。」
「なんだよ、そういう事だったのかよ…!!お前ら、人の気も知らねェで…!!」
「菊池君、ごめんね。つらい思いをさせちゃって。でも、この通り私は生きてるから!」
「猫西…お前…!」
「ねえ、菊池君。こうしてまた会えたから、伝えておくね。…私、菊池君の事が好きなんだ。」
「猫西…俺も…俺も、お前の事が好きだったんだ!!…だから、えっと…その…俺と、付き合ってくれないか!?」
「菊池君…もちろん!これからもよろしくね!!」
「おぉ、新たにカップル誕生っスか!?おアツいっスねェ!ヒューヒュー!!」
「これからもお友達として仲良くしていきましょうね、菊池理嘉さん!」
「カークランド君!?勝手に結婚した事にしないでよ!」
「よっ、新婚夫婦〜!!」
「ちょっ、やめろお前ら!!」
「そうは問屋が卸しませんよ!!猫西さん、今更現れて、私の論さんを奪うなんてどういうつもりですか!?」
「そうですぞ!!菊池氏!!抜け駆けなど卑怯ですぞ!!」
「黙れ変態コンビ!!フラれた者同士仲良くやってろ!!」
「うえぇん…酷いです皆さん。ふーんだ、もういいですよ!せいぜいお幸せに!」
「ふはははははは!!ざまぁみろストーカー女!!」
「みんな、もうあんまり時間がないから船乗るよ!」
全員、船に乗り込んだ。
「ねえ、菊池君。」
「なんだ猫西?」
「色んな事があったけどさ、私達、今生きてるんだね。」
「…ああ。」
「あのさ、私は、あの島に閉じ込められた事、今では良かったって思ってるんだ。…だって、みんなと、こうして出会えたんだもん。」
「…そっか。」
「おい、そこのバカップル!!着いたぞ!!」
「誰がバカップルだクソガキ!」
「まあまあ…」
全員、船から降りた。
「…帰ってきたのか、俺たちは。」
港には、三つの人影が見えた。
「お兄ちゃん!」
「論!!」
「サトちゃん!」
「!!…破奈、なのか…?親父とお袋まで…」
「お兄ちゃんのバカッ!!なんで急にいなくなっちゃったの!?心配してたんだから!!」
「…ごめん。寂しい思いをさせたな。」
「なっ…!別に寂しくなんてなかったんだからね!?」
「…ったく、素直じゃねえな。」
「良かったね、大切な人に会えて。」
後ろに、全身黒尽くめの男が立っていた。
「誰だ!?」
「…どうか幸せに。…じゃあね。」
「おい、待ってくれ!…アンタが、近藤達をこっそりあの島から逃したのか!?アンタは、一体誰なんだ!?」
『うぷぷ…さて、謎の救世主は一体誰だったんでしょうね?』
『ぴきゃきゃ…幸ちぇちょうで何より
「!!?」
後ろから、倒したはずのモノクマとモノハムの声が聞こえた。
そして、さっきまで一緒にいたみんながいなくなり、辺りが何もない真っ黒な空間になった。
「お、お前ら…なんで…!?」
『うぷぷ、楽しい時間ってさ、長続きしないもんだよね。』
『ちゃて、思い出ちてみてくだちゃい?』
『『オマエの本当の望みは一体何なのか。』』
「はっ!!?」
視界に、見慣れた部屋が映る。
「…夢か。」
そうだよな、あんな簡単に黒幕を倒せたら苦労はしないよな。
…それに、死んだ奴が戻ってくるわけないだろ。
「あー、変な夢見ちまった。」
俺、疲れてんのかな。
…とりあえず、朝飯を食いに行こう。
ーレストランー
「…おはよ。」
「おはようございます論さん!…あら?論さん、今日はやけに元気ないですね。どうかしましたか?」
なんだコイツ。
一瞬で俺の体調を見抜きやがった。
…さすがはストーカーだな。
「…なんでもない。」
夢の話をするのはやめておこう。
人の夢の話なんてつまらないだけだし、話したところで何の解決にもなりゃしねェ。
「…もしかして、変な夢でも見ちゃいましたか?」
「!!?」
「うふふ、その顔は図星ですね♪…実は、私も今日不思議な夢を見たんです。」
「不思議な夢…?」
「はい、論さんと私の恋路を邪魔する害虫共が全員排除されて、論さんと私だけがこの島で生き残ったという夢です。この島に2人きりになってから数日が経った頃、論さんが私を部屋に呼び出してベッドに押し倒し、私達は体を重ね合わせ…」
床前は、恍惚とした表情で涎を垂らしながら語っていた。
それもうお前の願望だろ。
…ん?願望?
「…とまあ、至福の時を過ごしていたその時、モノクマ学園長とモノハム教頭が現れて、私に尋ねてきたんです。『オマエの本当の望みはなんだ』と。」
…え?
ちょっと待て、それ、俺が見た夢と似てないか!?
「あ、おはよサトにいにナギねえ!実は、あーちゃんも今日変な夢見たよ!」
「お前もか?どんな夢だったんだ?」
「うーんとね、サトにいをドレーにして、おいしいお菓子を食べまくる夢!でもね、トチューでクマちゃんとハムちゃんに変な事聞かれたの!『オマエの本当の望みはなんだ』って!」
「おや、皆さんもですか。実は、私もそのような夢を見ました。」
「ジェイムズもか!?」
「ええ、クワガタをチョップしたらどういう訳か江戸時代にタイムスリップし、日本文化を学ぶという夢を見たのですが…やはり途中でモノクマ学園長とモノハム教頭に皆さんと同じような質問をされました。」
おい、ちょっと待てよ…?
全員が全員似たような夢を見るなんて事あり得るのか…?
「話を聞いてた限りじゃ、全員の夢の共通点はざっくり2つだな。1つは、みんな自分の願望に関する夢を見てるって事、2つ目は、多少違いはあれどモノクマとモノマムに全員同じような質問をされてるって事だ。」
「不思議なものですね。ここにいる皆さん全員そのような夢をご覧になったのですよね?」
全員、静かに頷いた。
『うぷぷ…オマエラ、いい夢見れた?』
二匹のぬいぐるみが、レストランに現れた。
『うぷぷぷ!!おはようございますオマエラ!!』
『おはようごぢゃいまちゅ!』
「おはようございます。」
ジェイムズだけは二匹に挨拶を返した。
「テメェら…!何の用だ!!」
『うぷぷぷ…なんでボク達がわざわざ現れたのか、誰か勘付いてるんじゃない?』
「…動機の発表、っスか?」
『うぷぷぷ…小川サン、その答え…』
『不正解です!!』
「アラ。違うの?」
『まあ、半分正解で半分不正解でちゅ。オイラ達は、皆様に動機の説明に来たのでちゅ。でもオイラ達は、アナタ達に動機を渡ちたりはちまちぇん!』
「はぁああああああああ!!?どういう事だよそれ!!」
『…うぷぷ、オマエラならもうわかってるんじゃないの?』
『動機は、既に配られてるんだよ。』
動機がもう配られているだと…!?
「
「ムズにい、何ぶつぶつ言ってんのかな?」
「…あの、モノクマ学園長。その動機とは、もしや私達が今朝見た夢の事では?」
『うぷぷ!さすがカークランドクン!相変わらず冴えてるね!そうです!ボク達がキミ達のために用意した動機とは、キミ達の夢です!』
『夢だけに、アナタ達が心の奥底に持っている未来への『夢』を、特殊な装置を使って夢とちて見ていただきまちた!』
「…ふむ、人に都合のいい夢を見せる技術なんて、あったでしょうか?」
それを言うなら、俺達から記憶を抜き取った技術だって、なんであるのか疑問だよ。
「…夢?」
『まあ、ざっくり言っちゃえば、アナタ達が叶えたいと思っている、一番強い欲望でちゅ!』
「はっ、くだらねェ!!そんなモン見せて、何になるってんだよ!!そんなんで殺人なんて起きるワケねェだろ!!バカなのかテメェらは!!」
『うぷぷ…いいや、起こるね。早ければ今日にでも、この中の誰かが死体になってると思うよ。…ああ、それと言い忘れてたけど、ルールもう一つ追加ね!』
「追加ルールだと…!?」
『そうです!今から、同一のクロが殺せるのは2人までとします!!』
「なんでー!?」
『ちょうちないと、自分以外の全員を殺ちて脱出ちようなんておバカな方が現れるかもちれないでちょう?ちょんなの興醒めなので、殺ちぇるのは2人までとちゃちぇていただきまちた!』
『そういう事!3人以上殺したヤツは、その場でオシオキだから覚悟しといね!』
『では、また会いまちょう!』
二匹は、陽気に去っていった。
「…なんなのアイツら。」
「まあ、クマちゃんがやる事がイミフなのは今に始まったことじゃないわ。」
「…一番強い欲望、ですかぁ。」
リタは、ボソリと呟いた。
一番強い欲望…それを俺達に見せて、モノクマ達は一体何を考えてるんだ…?
「…多分だけど、これアレじゃない?夢の中で自分の欲望を思い出しちゃった誰かが、その欲望を叶えるために外に出ようとする事が狙いなんじゃナイ?」
「…あ。」
エカイラに言われて初めて気がついた。
…アイツら、それが狙いで…
「…まあ、夢ごときで躍らされて誰かを殺しちゃおうなんておバカさんが現れない事を祈ってるけどね。」
「そうですね。そんな愚かな人間に論さんが殺されちゃわないかと思うと、不安で夜も眠れません。」
「うるせェオカマにメンヘラ女!!テメェらが一番怪しいんだよ殺人鬼共が!!」
「うるさいのはアンタの方よ!!このクソサド女!!」
「…あの、今更なんですけど、エカイラちゃんさんって殺人鬼だったんですね。」
「ちょっとぉ!!ジェイムズちゃん、アタシの才能忘れるとか酷くない!?」
「…すみません、らしくなかったので。殺人鬼って、床前さんのような精神に異常がある方のイメージが強かったもので…」
「酷い偏見ね!!殺人鬼って言ってもみんながみんなサイコパスってわけじゃないわよ!!」
「…っていうか、人を精神病患者みたいに言うのやめてください。不愉快です。」
いや、みたいに、じゃなくてガチの精神病患者だろ。
…あれ?なんか話が脱線してないか?
「あの、やっぱりエカイラちゃんさんは、殺人鬼らしくないです。本当に殺人鬼なんですよね?」
「…まあ、よく意外だとは言われるわね。ウフフ。アタシ、こう見えても巷じゃ有名なシリアルキラーなのよん。」
「はーい!あーちゃん知ってるよー!シリアルって、あのおいしいヤツでしょ?」
「アンタちょっと黙ってなさいよ!… 何年か前に、鯉津和瑠夫っていうクズ政治家が暗殺されたってニュースあったでしょ?あれは、アタシがやったのよ♪政治家は金持ち多いから、殺したついでにお金をこっそり貰ったりとかはよくやってたわね。アタシお金だーい好き♡」
「ケッ、気持ち悪りい野郎だ。」
「エカイラちゃんさんは、なぜ人を殺したんですか?」
「おっと、それ以上漢女に問い詰めるのは失礼なんじゃなくって?この続きは、アタシが無事生き残ったら話してあげるわ。」
「テメェ、そんな事言ってホントは話す気ねェんだろ!?」
「あらヤダ。クレハちゃん、アタシの話に興味あるの?」
「うるせェ!!テメェが肝心なとこを言わねえから気持ち悪いんだよ!!」
…まあ、話のオチを言わないまま次の話題に移るようなもんだからな。
神城の気持ちはわかる。
…って、さっきから話が脱線してんじゃねえか。
「あの、先輩方。脱線してないで、これからの事を話し合いましょう。」
「あ、悪い。そうだったな。」
小川ナイス。
「それで、自分ちょっと考えてみたんスけど…今夜、カジノでパーティーでもしませんか?」
「パーティー?」
「ほら、色々あって先輩方も気分が暗くなってるでしょうし…パーッと盛り上がってリフレッシュしましょう!」
「素晴らしい考えですね、小川さん!私も参加させて頂きます!」
「わーい!あーちゃん、パーティー大好きー!!パリピパリピ〜!!」
「あーちゃん、すごい元気だな。」
こうして、みんなでパーティーを開く事になった。
話し合いの後、俺達は玉木が作った飯を食った。
飯の後は、みんなパーティーの準備で盛り上がっていた。
…俺も何か手伝った方がいいのかな?
「なあ、俺も何か手伝おうか?」
「…あんたは絶対何かやらかすから部屋でじっとしてて。」
「あ、ハイ…すいません。」
結局、俺は時間になるまで部屋で時間を潰した。
ーカジノー
「わーい!!あーちゃんあれやるー!!」
クソガキは、スロットマシーンの方に走って行った。
「アラ、アンタなかなか筋がいいわね。」
「そうか?」
「凄いです玉木さん!」
エカイラ、玉木、ジェイムズの3人はビリヤードで遊んでいた。
「ふははははは!!!貴様らに特別に、私が作ったデザートを食わせてやろう!」
神城が全員分のデザートを持ってきた。
…普段こういう事しない奴がいきなり優しさ見せてくると逆に気持ち悪いな。
「神城先輩の手料理っスか…ちょっと気になるっスね。」
「…ん。」
神城の奴、料理できたのか。
意外だな。
「…どれ?」
…。
…。
…。
まっず!!
なんだこれ!!
見た目いいのに味最悪じゃねえか!!
クッソ…!
水だ水!!
俺は、ドリンクバーに駆け込んだ。
「…あー、クソ不味かった。」
俺は、水の入ったグラスを持ってドリンクバーを後にした。
「…ん?」
帰る途中に、プレイルームがあった。
「…入ってみるか。」
プレイルームには、俺達の姿を模した17体の人形が置いてあった。
手前には、拳銃が置いてある。
「重っ…まさか、本物じゃないよな?」
試しに、俺の人形の頭を狙って撃ってみた。
バンッ
「ッ〜〜〜〜〜!!?」
肩にとてつもない衝撃が走る。
拳銃の銃口からは、独特の匂いと共に煙が出ていた。
「本物じゃねえかコレ!!しかも実弾入ってんじゃねえかよ!!」
目の前を見てみると、俺の人形の顔に穴が開き、中から赤い液体が噴き出していた。
…目の前の人形が的で、それを撃つゲームって事か。
なんて悪趣味なゲームだ。
上に設置されていたモニターを見てみると、俺のスコアが出ていた。
「…90点?」
『うぷぷぷ!初めての割には結構上手いじゃん!』
後ろからモノクマが話しかけてきた。
「うおっ、ビックリしたぁ。」
『これ、昨日新しく用意したゲームなんだけど、どう?楽しんでくれた?ボクの用意したゲームは。』
「ああ、あまりの悪趣味さに吐き気を催したよ。」
『うぷぷ、褒め言葉と受け取っておくよ。』
「…何の用だ。」
『うぷぷ、ちょっとこのゲームについての注意事項を説明しに来たんだよ!』
「注意事項…?」
『うん、実はね、このゲーム、1日1回しか遊べないの!2回目以降にこのプレイルームに入ったら、部屋中に仕掛けられたガトリングガンが火を吹くよ!』
「…物騒なゲームだな。」
『菊池クンは、今日もう遊んだから、明日になるまでは入れないよ!それじゃあね!』
モノクマは、相変わらず陽気に去っていった。
「…なんなんだアイツ。」
どっちみちこんな悪趣味なゲームに興味はない。
俺は、プレイルームを後にした。
「論さん!」
後ろから耳障りな奴が話しかけてきた。
「あの、私ゲームでメダルいっぱいゲットしたんですけど、良かったら使ってください!」
コイツ、またメダルを貢ぎに来たのか。
「いらねぇっつってんだろ。アリスにでもあげてこい。」
「え、アリスさんにですか?」
床前は見るからに嫌そうな顔をした。
「露骨に嫌そうな顔すんな。」
「だって、アリスさんになんてあげたくないですもん!あの人にあげるくらいなら、ドブに捨てた方がマシです!」
アリスはドブ以下かよ。
「…はあ。」
「おや、どちらに行かれるんです?」
「別にどこだっていいだろ。ついてくるな。」
「…はぁい。」
俺は、2階の休憩スペースに行った。
ー休憩スペースー
「…あ。」
「…ん。」
休憩スペースで射場山に会った。
「お前、どうしたんだそんなところで?」
「…こういう場所に慣れてなくて。ちょっと休憩してた。」
「そうなのか。…なあ、少し話でもしないか?」
「…ん。」
射場山は、小さく頷いた。
俺は、射場山の隣に座った。
「なあ、お前こういう所に慣れてないんだろ?なんで来たんだ?」
「…ダメだった?」
「ダメってわけじゃねえけど…」
「…別に。みんなで行くっていう空気になったから来ただけ。…あとは、」
「あとは?」
「…みんなと友達になりたくて。」
射場山は、小さな声で恥ずかしそうに言った。
「なーに言ってんだよ!俺達、もう友達だろ!」
「…え?」
「少なくとも、みんなはそう思ってるよ。」
「ホント?」
「当たり前だろ!」
「…ん。」
「あのさ、射場山。…これ、いるか?」
俺は、射場山に扇子を渡した。
「…!」
「ガチャでゲットしたんだ。良かったら使ってくれ。」
「…ありがと。」
射場山は、照れくさそうに扇子を受け取った。
「あのさ。」
「おう、なんだ?」
「…あんたには、教えてあげる。私が、夢で何を見たのか。」
「お前の…夢?」
「…うん。私、今よりももっと弓道の腕を上げる夢を見たの。誰からも同情されないくらい、高みに行く夢。」
「それが、お前の夢か?」
「…何?」
「あ、いや…てっきり、ほら…視力が回復する夢を見たのかと思ってたから…」
「…私は、左目が見えるようになりたいとは思ってないから。今更そんな事を悔いても仕方ないし、『目が見えなくなったから』なんてただの言い訳だから。私は、今のままで周りを追い越さないといけない。」
「…凄いな、お前は。」
「どこが?」
「ハンデを前向きに考えられる人間なんて一握りだぞ?それを言い訳にして逃げ出すのが普通だ。…俺は、自分の力不足を言い訳に何度も逃げた。だから俺は、お前を尊敬してるんだ。」
「…ありがと。」
射場山は、顔を真っ赤にして俯いた。
「…大丈夫か?熱でもあるのか?」
「は?なんで?」
「いや、だって顔真っ赤だぞ?」
「うるさいわね!私は全然平気だから!!」
射場山は、今まで聞いた事ないくらい大きな声を張り上げた。
「…あ、ごめん。うるさくしすぎた。」
「ははっ。」
「…何笑ってんの?」
「いや、お前、意外と大きな声出せるんだなって思って。」
「…バカ。」
「うるせェ。」
俺達は、2人で笑い合った。
射場山も、思ったより元気があるみたいで良かった。
「じゃあ、俺はそろそろ遊んでこようかな?」
「…ん。…話、してくれて、ありがと。」
「いやいや、こちらこそ。」
「あの…!」
「…どうした?」
「…さっきの夢の話だけど、続きがあったの。」
「続き…?」
「…夢の中で、あんた達が私の応援に来てくれたの。」
「…そうか。じゃ、またな。」
「…ん。」
俺は、休憩スペースを後にした。
《射場山祐美の好感度が上がった》
「せーんーぱいっ!」
「うおっ!?」
「見てたっスよ!ニクいっスね色男!」
「は?なんの話だ?」
「…あれ?なんか、前にもこんなパターンありませんでしたっけ?」
「そうだったか?」
「論さん!!」
「うわっ、ビックリした!」
「私を差し置いて、射場山さんと仲良くお喋りするなんてひどいです!」
「別にいいだろ。話くらいしたって。」
「ふわぁ…もうそろそろ本当に眠くなってきちゃったので、僕はお部屋で寝てきますぅ。」
リタは、一人で部屋に戻っていった。
「アンカーソン先輩、行っちゃったっスね。」
「まあ、元々夜が弱い奴だし、しょうがないんじゃないか?」
「そんな事言ったら、一日中船漕いでますけどねあの人。ナマケモノじゃないんだから。」
「それは否定できないけどよ…」
「さてと論さん、一緒に遊びましょう。」
「うるせェ。くっつくな。」
「あーん、論さんのいけず〜!」
なんか、コイツうざくなってきたな。
コイツ、こんな気持ち悪い仕草するような奴だったか?
…いや、逆か。今までのアイツが演技だったわけだしな。
俺は、無理矢理床前とのゲームに付き合わされた。
「トランプがありますね。一緒にポーカーでもしませんか?」
「…一回だけだぞ。」
「わーい!」
2人でポーカーをする事になった。
「キングと9のフルハウスです!…論さんは?」
「…エースのファイブカード。」
「わあ、すごい!さすが論さんです!」
「…お前、イカサマしただろ?」
1回目でエースのファイブカードが出るなんて、どう考えてもおかしい。
「はてさて、何のことでしょう?」
…コイツ、白々しいな。
「…そういえば他の奴は?」
「ああ、射場山先輩なら、さっきドリンクバーに行ったっスよ。」
「小川、いたのか。」
「ちょっと!いたのか、とはなんスか!!さっきからずっと一緒にいましたよ!ゲームに熱中しすぎっス!!」
「あ、悪い悪い。」
「あと、カークランド先輩はリズムゲーで遊んでます。」
小川は、ジェイムズの方を指差した。
ジェイムズは、テンポの速い電脳の歌姫の曲でプレイしていた。
…そういえば、アイツオタクだったな。
「アリスと玉木とエカイラと神城の4人は?」
「神城先輩以外の3人は、クレーンゲームで遊んでるっス。」
3人が、クレーンゲームの前に集まっていた。
エカイラは、デカいチンアナゴのぬいぐるみを狙っているようだ。
「ふふふ、見なさい!アタシの手捌きを!」
「エカイラちゃんプロみたい!」
「でしょ?…あっ。」
チンアナゴがアームから落ちた。
「きゃはは!エカイラちゃんだっさ!」
「う、うるさいわね!ちょっと手が滑っただけよ!」
「それ、デカすぎて掴んで落とすのはムリなんじゃないか?」
「くっ、もう一回よ!今のでコツを掴んだわ!」
エカイラの奴、やけに張り切ってんな。
「神城は?」
「ああ、神城先輩なら、1階で遊んでくるって言ってたっス。」
「…そうか。」
時間が気になったので、しおりを見てみた。
しおりのホーム画面には、0時10分と示されていた。
「もう日付変わってんじゃねえか!!」
「あ、ホントっスね!…これ、そろそろ切り上げないとっスね。1階の先輩方を呼んでくるっス!」
「ああ、頼む。俺達は、4人に声をかけるよ。」
俺は、ジェイムズに声をかけた。
「Yeah‼︎
「おい、ジェイムズ。」
「はわっ!?き、菊池さん!?お、お恥ずかしい所をお見せしてしまいました!」
「いや、それはいいけど、もう日付変わってるぞ。そろそろ切り上げないと…」
「あ、そ、そうですね…」
「論さん!3人を呼んできましたよ!」
床前が、玉木達を連れてきた。
アリスは、チンアナゴを抱えている。
…結局取れたのか。
「もうゲームおしまい?あーちゃんもっと遊びたかった!」
「わがまま言うな。帰るぞ。」
俺達は、1階に降りた。
「ぎゃわあああああああああああ!!!」
小川の声が響いた。
「何事だ!?」
俺達は、小川の叫び声が聞こえた方に向かった。
プレイルームの前には、神城が立っていた。
神城はなぜか顔を真っ青にしている。
「遅せェぞ愚民共!!今まで何やってたんだよ…!」
神城は、震える手でプレイルームの方を指差していた。
プレイルームの中には、青ざめた顔で尻餅をついた小川がいた。
俺は、小川の視線の先を見た。
「!!!」
視線の先には、赤い液体塗れになった射場山の人形が、他の人形と同じように椅子に座らされていた。
…いや、違う…!
嘘だ。
こんな事、あるはずがない…!
頼む、どうか嘘であってくれ…!
なんでお前が…!
『超高校級の弓道部』射場山祐美は、そこで死んでいた。
次の瞬間、アナウンスが流れた。
『オマエラ、死体が発見されました!!カジノ1階のプレイルームにお集まりください!!』
「にゃあああああああああああああ!!!?ゆ、ユミねえ!!?」
「そんな…嘘だろ…!?なんで射場山が…!」
「キャアアアアアア!!!ゆ、ユミちゃん!?」
「射場山さん…!」
「あらあら、また殺人が起こってしまいましたね。」
「リタはまだ来ねェのか!?」
「…寝てるんじゃないですかね…寝てくるって言ってましたし…」
「クッソ、アイツ、こんな時に何やってんだよ!」
「菊池先輩!落ち着いて…ん?」
「にゃあっ!?」
「どうしましたか小川さん、アリスさん?」
「…何か変な音が聞こえませんか?」
「…いや、別に?強いて言うなら、ゲーム機の音が少し響いてるくらいか…」
「にゃああああ!!キモチ悪ーい!!何この音!!」
…小川とアリスにだけ聞こえているらしい。
「ちょっと気になるっス。確かめに行ってくるっス!」
「あ、おい待て!小川!」
小川は、カジノの入り口の方へと走って行った。
ー10分後ー
「…あれ?おかしいな…アイツ、戻ってこないぞ…?クソッ、小川まで何やってんだよ!」
「あの、私達も確かめに行ったほうがいいんじゃないでしょうか?」
「…だな。床前、アリス!お前ら一緒に来い!それ以外の奴はそこで待ってろ!」
「了解です論さん!」
「なんであーちゃんまでー!?」
俺は、2人を連れて小川が走っていった方に向かった。
そこには、リタがいた。
リタの顔はなぜか青ざめている。
「リタ!?お前、なんでここに…」
「えっと…アナウンスが聞こえたから、急いでカジノに向かって…そしたら、小川の姿が見えたから、様子を見に行ったら…」
リタは、ゆっくりと女子トイレの方を指差した。
「サトにい!!これ以上入るなヘンタイ!!あーちゃんが見る!!」
「私も確認してきますね。」
2人は、女子トイレに入った。
「にゃああああああああああああ!!?」
トイレから、アリスの声が聞こえた。
その直後…
『オマエラ、死体が発見されました!!カジノ1階の女子トイレにお集まりください!!』
…え?
死体…?
そんな、嘘だろ…?
俺は、女子トイレに駆け込んだ。
…頼む、嘘であってくれ…!!
俺は、床前とアリスを押しのけてトイレの個室の中を見た。
「!!!」
ソイツは、トイレに顔を埋めるようにして、頭から見慣れた赤い液体を流しながら、糸の切れたマリオネットのように動かなくなっていた。
床には、赤く染まった金属の球が転がっていた。
そんな、嘘だ…!
なんでお前が…!
『超高校級の演奏家』小川詩音は、そこで死んでいた。
コロシアイ合宿生活 残り8名
ついに被害者2人!!
しかも、ちょっとずつ作者の中での株が上がってた2人が…!