『うぷぷぷ…お見事大正解ー!!『超高校級の弓道部』射場山祐美サンと『超高校級の演奏家』小川詩音サンをブチ殺した殺意MAXのイカレ基地外クレイジーサイコパスシリアルキラーのクロはー…尊大不遜なドS女王様の皮を被った小心者、『超高校級の外科医』神城黒羽サンでしたー!!いやー、2人も殺すなんてまさにサイコキラーの鑑だね!!って、聴いてる?』
「…。」
神城は、泣き疲れたのか、抜け殻のようになってその場に座り込んでいた。
『ちなみになんでちゅけど、今回はクロの神城様以外、全員両方とも神城様に投票ちてまちた!ちょちてクロの神城様は、両方ともアンカーソン様に投票ちてまちた!!』
「そんな事より、早く教えてください!!何故神城さんが、射場山さんと小川さんを殺してしまったのか…」
『うぷぷ、やっぱそれ気になるよね!?じゃあ、裁判を乗り切ったオマエラには、特別に教えちゃいます!!なんでそこの雌ブタが2人を殺しちゃったのか…その答えは、ズバリ彼女の『夢』です!!』
「神城の…『夢』だと…?」
『ちょれではVTRチュタート!!』
モノハムがリモコンを押すと、モニターに映像が映し出される。
モニターには、上下に黄色と黒のバリアテープが貼られたような映像が映り、一昔前のファミコンのゲームのゲームオーバー時のような音楽が流れる。
そこへ、ヘルメットを被ったモノクマとモノハムが現れる。
『残念ながら、神城黒羽サンの、『夢』と呼べる欲望は何一つ見つかりませんでした!!』
『ぴっきゃっきゃ!まことにもうちわけごぢゃいまちぇーん!!』
映像はそこで終わっていた。
「…え、どういう事ですかぁ…?」
「『夢』が無いって、一体どういう事なんですか!?夢が無いなら、何故神城さんはお二人を殺害なさったんですか!?」
『うっぷぷぷ!わかってないねえ、オマエラ!!神城サンは、
「わけわかんねぇよ!!何が言いてぇんだお前は!!」
『おっと、それ以上は本人から聞いた方が早いんじゃないかな?』
俺は、俯く神城におそるおそる声をかけた。
「こ、神城…?」
「くくく…ふははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
神城は、突然狂ったように笑い始めた。
…追い詰められすぎて自棄になったのか?
「…そうだ。私が、あの愚鈍供をブチ殺した。」
「巫山戯ないでください!!貴女は、何故お二人を殺害なさったのですか!?お二人に恨みでもあったのですか!?答えてください神城さん!!」
ジェイムズは、証言台を叩きながら神城に怒鳴った。
「ふふっ、ここまで追い詰められると、人間逆に笑っちまうもんだな…理由は単純だ。」
「目障りだった。…だから殺した。それだけだが?」
「…は?」
「射場山祐美と小川詩音は、綿埃供が見せた『夢』という名の幻影に縛られたただの愚鈍な人形だった。『欲望』などという低次元の概念から逸脱し、神となった私にはそんなアイツらが目障りで、そして救いようもない程哀しくて堪らなかった!!だから愚か者達に神の鉄槌を喰らわせてやったのだ!!ふはははははははははははははははははははははははははははは!!!」
「頭おかしいですよ貴女…!」
「ふざけんな!!そんな理由で何の罪もない射場山と小川を殺したってのか!?神城!!テメェだけは絶対許さねえ!!」
「フン、許さないならどうする!?私を殺してみるか!?いや、そんな事貴様らにできるわけがないよな!?なぜなら、私は神で貴様らは愚民なのだからな!!勘違いするな、人の子が神を殺す事などできない…神が一方的に人を殺めるだけなんだよ!!ふははははははははははははははははは!!!」
「クッソ…!!」
「ふわぁああぁ…」
こんな状況で、あくびをする奴がいた。
ソイツは、リタ…ではなく、床前だった。
「…神城さん、いい加減くだらない茶番劇はやめて、白状してくださいよ。」
「…は?」
「私、知ってるんですよ?なんであなたがお二人を殺したのか、その本当の理由をね。」
「…おい、テメェ何言う気だ…?…やめろ、言うな…」
「ねえ、論さんも知りたいですよね?この女の、つい同情したくなっちゃうくらい哀れな本性を。」
「やめろ…言わないでくれ…それは…!」
「ああ、ちなみになんですけど、『それ』は3回目の殺人の前に配られた『弱み』も関係してるんです。幸い、彼女の弱みを知った人は誰も彼女に問い詰めたりはしなかったようなので、彼女も誰が自分の弱みを知っているのか知らないままだったんですけど…せっかくの機会ですし、暴露しちゃいます!」
「やめろ…やめてくれ…いやだ、やめてください…」
「嫌です。論さんが知りたがってるので、言わないわけにはいかないんですよ。」
「やめろっつってんだろうが雌豚がぁあああああああ!!!」
神城は、床前に突進した。
床前はあっさりかわし、神城を蹴り飛ばした。
「人の話はちゃんと最後まで聴きましょうね。…それでは、発表しちゃいまーす!!」
「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
【超高校級の外科医】神城黒羽サンの弱み
『超高校級の外科医』神城黒羽サンは、自分の人生に心底ウンザリしています!
「…え?」
「そうです、これが彼女の弱みです。…ご満足いただけましたか論さん?」
「どういう事だよこれは!?意味がわかんねぇよ!!」
『うぷぷ、そのまんまの意味だよ!』
「モノクマ…!」
『IQの低いオマエラのために、ちょっと昔話をしてあげるよ。』
「昔話…?」
…昔々、あるところに神城黒羽サンという、とある大富豪のお嬢様がいました!
神城サンは、とても頭のいい女の子でした!
神城サンの天才的な知性は、目覚ましい勢いで成長し、世界中のありとあらゆる研究機関が、彼女の才能を欲しがりました!
彼女の両親は、そんな彼女をそれはもう大事に大事に育てました!
…まあ、先にネタバレしちゃうと、それも全部自分の娘の才能が金になるからなんだけどね!
そして彼女の両親は、自分の娘の才能をより引き出すために、彼女の行動の一切を制限し、四六時中勉強漬けにしました!
彼女の人生においては、友達と遊んだり、同級生の男子と甘酸っぱい青春を過ごしたりなんて事は、絶対に許されませんでした!
そして神城サンが中学3年生になり、彼女の知能と知識量が国家試験を余裕で突破できるレベルにまで達した頃、彼女に転機が訪れました!
なんと、彼女に希望ヶ峰からのスカウトが来たのです!
それからは両親による呪縛がより一層勢いを増し、彼女は両親の奴隷と化してしまいました!
しかし、それは永くは続きませんでした!
なんと、神城サンの両親が、自家用ジェットの事故でお亡くなりになってしまいました!
神城サンは、自身を束縛するものがなくなったものの、今まで束縛された人生しか歩んでこなかったため、どうすれば自分の自由な人生を歩めるのかわからなかったのです!
そんな惨めな人生のせいで、彼女の人格は大きく歪んでしまいました!
最終的に神城サンは、自分より愚かな他人を見下す事でしか自分肯定感を保てない、実に哀れで空虚な人間になってしまいましたとさ!
でめたしでめたし!
『いやあ、自分じゃなくて親が主人公の人生なんてさ、ホントかわいそうだよね!それで自分が本当にやりたい事も見つからないまま死んじゃうなんて、そんな無意味な人生って無いよね!』
『全くでちゅ!神城様は、皆様に偉ちょうな口を叩いていたくちぇに、実は一番人間とちてのレベルが低かったのは神城様だったのでちゅ!』
「ああ…あああああ…」
「うふふ、これがこの女の醜く哀れな正体です。…本当、こんなゴミ女が論さんを罵っていたのかと思うと吐き気と殺意が堪えきれませんね。…ほら。ちゃんと現実見てくださいよ。クソ女さん♪」
床前は、余裕の表情で神城を煽りまくる。
だが、神城にはもう、いつものように怒鳴る気力も無いようだった。
「…神城、お前の気持ちは分からなくもないが、お前は二人を殺したんだ。ちゃんとその罪を償って…」
「うるっせぇんだよクソがぁあああああ!!!」
神城は、今まで聞いた事がないくらい大きな声量で怒鳴り散らした。
「何も知らねえくせに、偉そうな口聞いてんじゃねえよ童貞野郎が!!テメェらに何がわかんだよ!!射場山祐美と小川詩音は明らかに全知全能の神である私より劣っている、愚かで醜い存在のはずなのに…テメェらみたいな愚民共と馴れ合ったり夢なんてチンケなモンのためにエネルギーを浪費するようなカス共なのに…なのになのになのに…!!なんでアイツらは、私より楽しそうに生きてんだよ!!おかしいだろ!!?なんでアイツらより圧倒的に優れた才能を持つ私がこんなにも不幸なのに、なんで凡愚共が私より幸せに生きてんだよ!!どいつもこいつも、目障りなんだよテメェら全員!!!世界で一番幸せに生きていいのは、完璧なこの私だけなんだよ!!!」
「ふぅん、なるほどね。神城さん、よーくわかりましたよ?…あなたが、ただのかわいそうなクソガキだって事は。」
「…は。」
「だってそうでしょう?あなたは、自分が弱いからって人を見下して、なんでもかんでも人のせいにしてワガママばっかり言ってるだけじゃないですか。それって、要はただのお子ちゃまですよね?」
「だまれ…ちがう…わたしは…」
…ああ、なんだ。
コイツ、今まで俺達に横柄な態度を取ってたけど、実は俺達とは何ら変わらない…いや、むしろ俺達より遥かに弱い人間だったんだな。
射場山と小川を殺したのだって、決してあの二人が神城にとって取るに足らない存在だったからじゃない。
…ただの嫉妬だ。
自分が今まで禁じられてきた生き方で幸せを掴んだアイツらを見ていると、自分の存在意義そのものを否定されているように感じるから。
コイツはただ、夢に向かって真っ直ぐに生きたアイツらが羨ましかっただけなんだ。
俺はもう、コイツには怒りすら抱かなかった。
胸の内にあるのはただ一つ、哀れみだった。
「はぁ、ホントに笑っちゃうくらいカワイソウね、アンタ。」
「うるさい…うるさい、うるさい、うるさいぃいいぃいい!!だまれ、だまれ、だまれぇえええぇ…!わたしは、わたしは、かわいそうなんかじゃない!!」
神城は、泣きながら這いずり、小便を垂れ流しながら喚き散らした。
「あーあ、お漏らしですか?汚いですね。ホント、これじゃあまるで赤ちゃんみたいじゃないですか。」
「わたし、わるくないもん…!ぜんぶ、おとうさまとおかあさまがやれっていうからぁああ…」
「にゃははー!!クレねえ、赤ちゃん返り?引くわー!」
「…頼む、神城。もうやめてくれ。」
「ふわぁ…もう見てられないですぅ…」
「わたし、ちゃんといいこにできてたよねぇえ?みんながやれっていったからやったのに…なんでみんなわたしをいじめるのよぉお…!」
「…神城さん、今から働く無礼をお許しください。」
ジェイムズは、神城の前にしゃがみ込んだ。
ピシャッ
ジェイムズは、左手の手袋を外して神城の頬を叩いた。
「神城!!お前は、自分が犯した罪から逃げるつもりか!?…貴女の気持ちは、よく分かる。貴女がそんな風になってしまったのは、決して貴女のせいじゃない。たとえ他人に人生を捻じ曲げられたとしても、今からでも真っ当に生きれば明るい未来が待っていたかもしれない。…けどな、人を殺したら終わりなんだよ!!貴女に、二人の人生を奪った責任が取れるのか!?…もし貴女が手遅れになる前に心を入れ替えてくれていたなら、貴女も二人のように生きられたかもしれない。…そうならなかったのは非常に残念です。」
ジェイムズは、神城の肩を掴んで力強く言い放った。
「神城!!俺達、仲間だろ!?なんで何も相談してくれなかったんだよ!?…二人を殺してからじゃ、もう遅いだろ!!」
玉木も、神城を叱責した。
二人は、目から大粒の涙を流していた。
「え…いたい…いたい、いたい、いたい、いたいよぉおおぉお…うわぁああああああぁあああぁあああああぁあああん!!!なんでぇ…なんでみんなわたしをいじめるのぉお…?わたし、ちゃんといいこにしてたのにぃいいいぃ…!」
『神城サン、いい加減にしなよ。オマエは、自分の人生を自分で生きれていない時点でもう人間以下なんだよ!じゃあそろそろおしおき始めちゃうから、最期にみんなにお別れでも言っときな。』
「いやだ、いやだいやだいやだぁああああぁああああ…!!わたし、しぬの…?いやだ、わたししにたくないぃいいぃい…!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃいいいいいいぃいい!!いいこにしますから、どうかゆるしてください…なんでもしますから、なんでもしますからぁああああああ!!」
『うるさいよ!全く、泣けば済むと思ってるところが本当クソガキだよね!』
神城は、這いずりながら俺達の方に身体を向けた。
「みんな、いままでごめんなさいぃいいぃ…なんでもしますから、ちゃんといいこにしますから、だれかたすけてぇえええええぇえええええぇええええええええ!!!」
神城は、俺にしがみついてきた。
「…神城、見苦しいぞ。…頼むから、俺をこれ以上失望させないでくれ。」
「だ、そうですよ?一人寂しく地獄に堕ちてください、ゴミ女さん♡」
「あ、ああああああ…ああああ…」
神城は、今ので完全に人格が崩壊した。
そこにいるのは、ただの醜い廃人だった。
神城黒羽という人間はたった今死んだのだ。
『あーあ、かわいちょうに。皆様にも失望されちゃいまちたね。』
「あぁああ…いやだ…わたし、しぬのやだぁああ…」
『うるさいね全く!…ってかさ、自分の人生にウンザリしてるんでしょ?本当は、生きたいっていう欲すら無いんじゃないの?』
「あぁあああああ…わたしは…」
「神城さん、良かったですね。やっとあなたの本当の望みが叶うんです。」
床前が煽ると、神城は床前の証言台に駆け寄った。
そして証言台に爪を立て、頭を何度も叩きつけた。
「うあ゛ぁあああああああああ!!!み゛るなぁ、みる゛なぁ!!」
神城は、どこまでも見苦しかった。
額から血を流し、顔は涙と鼻水と涎で化粧が落ちてグシャグシャになり、爪は剥がれ、服は埃と小便で汚れていた。
美しかった薄紅色の瞳は濁り、白金色の髪は乱れていた。
『あーあ、汚いね全く!じゃあこれ以上神聖な裁判場を汚されんのは嫌だし、そろそろおしおきしちゃおっか。』
『ちょろちょろ時間も押ちてる事だち、張り切って行っちゃいまちょう!!』
『それでは、今回は『超高校級の外科医』神城黒羽サンのために!!』
「やめて…いやだ…みないで…おねがい…」
『スペシャルなおしおきを用意しましたっ!!』
「いやだ…わたしを…」
『ではでは、おしおきターイム!!』
「そん゛な゛めでみ゛な゛い゛でぇえええええええええええええええええええええええええええええええぇええええええええええええええええええ!!!」
モノクマの席の前から、赤いスイッチがせり上がってくる。
モノクマはピコピコハンマーを取り出し、ハンマーでスイッチをピコッと押す。
GAME OVER
コウジロさんがクロにきまりました。
オシオキをかいしします。
神城はなんとか逃げようと這いずり回った。
しかし、そんな事はモノクマ達が許さなかった。
神城はアームのようなもので首を掴まれ、後ろに引きずられた。
神城は、手術室のような部屋に引きずり込まれる。
手術室のドアが閉まり、上のモニターに『手術中』と表示される。
神城は、十字架のような手術台に寝かせられ、拘束具で固定される。
神城は、何かを叫びながら暴れるが、拘束具はびくともしない。
そして、腕には輸血と何かの薬のチューブが繋がれている。
そこへ、手術着を着たモノハムと、カ●ジに出てくる老人のような格好をした、車椅子に座ったモノクマが現れる。
そこで画面が切り替わり、タイトルが現れる。
外科医Kの献身
【超高校級の外科医】神城黒羽 処刑執行
会長モノクマは、早速脚の不調を訴える。
モノハムは、あたふたしながら手術台に駆け寄り、手術用のノコギリを取り出した。
モノハムは、ノコギリを使って神城の両脚を切り落とす。
神城は、耐えがたい苦痛に絶叫した。
次に会長モノクマは、腕の不調を訴えた。
モノハムは、神城の両腕を切り落とした。
四肢を失った神城は、声にならない叫び声を上げた。
次に会長モノクマは、目の不調を訴えた。
するとモノハムはノコギリを手放し、メスに持ち替えた。
神城は、怯え切った表情でモノハムを見る。
モノハムは狙いを定めると、神城の瞼にメスを突き立て、両眼をくり抜いた。
神城は、もう叫び声を上げる事すらままならなかった。
本来ならとっくに死んでいておかしくない出血量だったが、大量に繋がれた輸血と謎の薬品のせいで、神城は死ぬ事を許されなかった。
会長モノクマは、次々と身体の不調を訴える。
その度に、モノハムは神城の身体のパーツを切り離した。
そして、会長モノクマは、内蔵の不調を訴えた。
モノハムはメスで神城の身体を掻っ捌き、次々と臓器を取り出した。
そしてついに全ての臓器が取り出された。
手術台は真っ赤に染まり、そこには神城黒羽
それを見た会長モノクマは、腹を抱えて笑っていた。
『イヤッホォオオオオオオオオイ!!!エクストリィイイム!!!いやあ、たまんないね!!なんと神城サンは、ドS女王の皮を被った、惨めな厨二病のクソガキでしたー!!』
『ぴっきゃっきゃ、よく頑張りまちたね皆様!』
神城が死んだ。
あまりにも悲惨な最期だった。
俺は、モニターから目を逸らした。
「にゃああああああああああああああ!!!グッロ!!見たくなかったよこんなスプラッタ!!」
「くそっ…なんでこうなっちまうんだよ…チクショウ!!」
「…そんな…神城さん…!」
「うぅ…もうやだよ…こんなの…」
「えげつない事するわねえ、全く。」
「大丈夫ですか論さん?気分が優れないようなら、すぐに言ってくださいね。」
アリスは、証言台の後ろに隠れながら慌てふためいていた。
玉木は、仲間を3人も失った悔しさで証言台を叩いた。
ジェイムズは、顔を手で覆いながら泣いていた。
リタは、フードで顔を隠しながらその場に蹲って泣いた。
エカイラは、腕を組みながらおしおきの一部始終を見ていた。
床前は、こんな状況で俺の心配をしていた。
『いやあ、オマエラ本当によく頑張ったよね!そんなオマエラにはスロットのメダルをあげるのはもちろんの事、+αでご褒美をあげちゃいます!』
「ご褒美…どうせ、ロクでもねぇんだろ?」
『まーさか!オマエラにとっても、嬉しいものだと思う『ぢゅばり、黒幕からのメッチェーヂでちゅ!』
『ちょっと!何ネタバレしてくれてんだこの半分ウンコ色ハムスター!!』
『はわわわわ!!学園長、ひどいでちゅ!オイラのこの色は、ウンコ色じゃなくてキャラメル色でちゅ!』
『どっちでもいいよ!このポンコツ!』
『ごめんなちゃいぃ…』
『おっと、ゴメンゴメン!話が逸れたね。』
「黒幕…?もしかして、このコロシアイの首謀者…!?」
『そだよー。じゃあ、黒幕からのメッセージを特別にオマエラに聞かせてあげます!ではでは、VTRスタート!』
モニターに、椅子に座った黒ずくめの人物が座っていた。
黒ずくめは、黒い革ジャンに同じく黒い短パンを履いた格好をした人物だった。
ちょうど、以前写真で見たような格好だった。
ソイツは、首から下しかモニターに映っておらず、誰だかわからなかった。
黒ずくめは、モノクマの声で喋り始めた。
『うっぷっぷ!ご機嫌麗しゅうクソ共!ボクは、このコロシアイ合宿の黒幕ちゃんだよん♪そこにいる変態ストーカー女と一緒に、この合宿を裏で動かしていたのです!』
「テメェ、よくもみんなを…!」
「カツトシちゃん。無駄よ。これ、多分録画だわ。」
「くっ…」
『玉木クン、そんな悔しそうな顔しなくても、ボクはちゃんとキミが何を言いたいのかわかってるよー。でもさ、ボクを責めるのはお門違いなんじゃないの?』
「何…!?」
『まだわかんないの?ボクはきっかけを作ってあげただけで、勝手に殺しあったのはオマエラなんだよ!いい加減学習しなよノータリン。』
「な、何故録画なのに会話が成立しているんですか!?」
『ふんふん、いい質問だね!ボクは、オマエラの思考回路なんてお見通しだからね!予め返ってくる返答とそのタイミングを予想して、それに合わせて話してんだよ!』
「何その地味な高等技術。」
『さーてと、頑張ったオマエラには、特別にご褒美をあげちゃうよ!』
「…ご褒美、ですかぁあ?」
『うん、ズバリ、ボクの正体のヒントです!』
「貴方の…正体のヒント…!?」
『じゃあ問題!ボクの本名は何でしょうか?…正解は、』
『
「嫌嶋…隆尋…だと?」
「えぇえええええええええええ!!?ちょい待ち!!何その名前!!黒幕が新キャラとか、ミステリーのタブーでしょ!!」
『やだなあ、アリスサン!ボクは、ずっとオマエラと一緒にいたよ?』
「なんだと…!?」
『おや、菊池クン。心当たりが無いぞ、といった表情だね!ボクは、キミ達と一緒に合宿してたんだぞ!気付かなかったかい?』
「私達と一緒に…!?…って事は、私達の中にタカヒロさん、貴方がいるって事ですか!?」
『そうなるね。じゃあ、言いたい事も言い終わったし、ボクはこの辺で。…っと言いたいところなんだけどさ、オマエラに重要な情報を与えないといけないんだな!』
「重要な…情報…?」
『そうです、オマエラ、『超高校級の絶望』って知ってるかい?』
「…『超高校級の絶望』…?」
『まあ、知ってるわけないよね!『超高校級の絶望』は、江ノ島盾子を筆頭とする、世界を破滅まで追い込んだテロリスト集団だよ!ソイツらのせいで、キミ達はここで合宿生活を送る羽目になったわけ。キミ達の動機DVDに映ってたモノクママスク達って言えばわかるかな?』
「…なんだと…!?」
『さーてと、お喋りも過ぎちゃった事だし、そろそろボクはおいとましようかな!…あ、そうだ。エカイラクン、アリスサン。ちゃんと楽しんでくれてるかい?…キミ達兄妹のために用意したエンターテインメントは。』
「…は?」
『じゃあ、最後の裁判でまた会いましょう!それじゃ、ご機嫌ようクソ共!』
映像はそこで終わっていた。
ただでさえ神城が死んでまだ動揺してるっていうのに、さらに情報量が増えて頭が追いついていなかった。
『うっぷっぷ!オマエラ、本当によく頑張ったよね!じゃあプレゼントも渡し終えた事だし、ボク達はそろそろ失礼するよ!』
『ぴきゃきゃ!また会いまちょう、皆様!』
モノクマとモノハムは、混乱している俺達を置き去りにして去っていった。
「エカイラちゃんさん!!どういう事ですか今のは!!分かるように説明してください!!」
「フフフ…ウフフフフ…」
エカイラは、何故か笑っていた。
「エカイラちゃんさん!!何が可笑しいんですか!!巫山戯てないで真面目に答えてください!!」
「いや、今の映像見たら、欠けてた記憶が全部戻ってね。…アタシ、全部思い出しちゃったのよ。」
エカイラは、床前の元に歩み寄った。
そして床前の横に立ち、俺達に言った。
「…ごめんね。アタシ、元はこっち側の人間なのよ。」
「…は!?え、おい!どういう事だよエカイラ!!お前ら、最初からグルだったのか!?」
「そうよ?アタシ達は、最初から黒幕サイドの人間だったのよ。今まで騙しててごめんね?」
「…まあ、私はタカヒロさんから貰った映像を見たので知ってるんですけど、エカイラさんが味方だと、なんか不快ですね。」
「ひどいわナギサちゃん!!敵キャラ同士、仲良くしましょうよぉ!」
「嫌です。私、論さん以外の人間は基本的に受け付けない主義なので。」
「じゃあ、エカイラ…お前、ロッカーに閉じ込められてたのも全部作戦だったってのか!?」
「ええ、そうよ。全部、最初からタカヒロちゃんが仕込んだ事なの。全ては、アンタ達を絶望に堕とすためにね。」
「わ、わけわかんないですよぉお!君達は、なんで僕達にこんな酷い事をするんですか!!?」
「ああ、それね。」
「アタシ達が、そしてアンタ達が『超高校級の絶望』だから。理由はこれで十分?」
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嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
俺が、俺達が、親父とお袋を殺した奴等の仲間だと…?
そんなの,信じられるわけないだろ!
「うふふ、論さん、私達全員『超高校級の絶望』なんですよ?なんだか運命感じちゃいますよね!」
「全く、アタシ達が世界的なテロリスト集団の仲間だったなんて、ホントビックリくりくり栗きんとんよ!」
「嘘だろ…そんな、俺達が…『超高校級の絶望』…?」
「…そんな、嘘だ…僕が、お姉ちゃんを殺した奴らの…仲間…?」
「そんな馬鹿な話、私は信じません!!私が、お父様とお母様を殺した方達の同胞だったなんて、絶対嘘です!!」
「待てーーーーーーーーーい!!!」
アリスが、話に割り込んできた。
「みんな、さっきから『チョーコーコーキューのゼツボー』の話ばっかで、肝心なことを話し合うのを忘れてっぞ!!」
「…肝心な事?なんですかそれは…」
「あーちゃんとエカイラちゃんが兄妹ってどゆこと!?あーちゃん、エカイラちゃんみたいなオカマゴリラの妹に産まれたつもりはないんだけど!!」
「うふふ、アリスさん。つもりがあるもないも、ただの事実ですよ。あなた達は、生き別れの双子の兄妹なんです。…ああ、そうだ。せっかくですし、ついでにあなたに教えてあげます。あなた自身の正体をね。」
「ちょっと、ナギサちゃん!それ、今言う事じゃないでしょ!?」
「うるさいですエカイラさん。あなたは黙っててください。…まさか、今更兄貴としての情が芽生えたんですか?」
「アンタ、いい加減にしないと殺すわよ。」
「やれるものならやってみてくださいな。…では、皆さんにアリスさんの正体を教えて差し上げます。アリスさんのその幼児体型や前に配った弱み、そして何より彼女の才能に関係がある事ですので、聞いておく価値はあるんじゃないですか?」
アリスの正体だと…!?
「アリスさんの正体。…それは…」
「『超高校級の失敗作』伏木野アリスです。」
第4章『独りんぼエンプティー』ー完ー
コロシアイ合宿生活残り7名
To be continued…
【論リゾこぼれ話】
いっやぁ、なんか今までで一番壮絶なおしおきシーンでしたね。
実は、このシーンは結構頑張って考えました。
『独りんぼエンプティー』というタイトルも、我ながらこの話にピッタリだったな、と思っております。
どういう事かと言いますと、神城ちゃんは、天才故に両親に束縛され、自分の人生を楽しめない人間になってしまいました。
この話は、(希望ヶ峰の中では)才能が劣っているなりに夢に向かって必死に努力した結果友情や幸せを手に入れた小川ちゃんと射場山ちゃんの人生と、圧倒的な才能を持つ故に幸せを掴む事が許されず、生きる意味も見つからないままおしおきされてしまった神城ちゃんの空っぽで孤独な人生の対比となっているわけです。
さてと、今回のおしおきの解説いっくよー!
今回のおしおきは、『献身』がテーマになっています。
このおしおきには、二つの意味があります。
今までの神城ちゃんは、すごくわがままなキャラでしたよね?
一つ目の意味は、自分の身体のパーツを失う事で合宿中の自分勝手な言動を償うという、わがままな彼女への罰です。
もう一つの意味に関してですが、神城ちゃんは両親が主人公の人生を生きてきました。結局、人が喜ぶ事をする事で、自分を『いい子』だと思う事しか出来なかったわけです。二つ目の意味は、実際には人のためにしか生きる事が出来なかった彼女の人生への皮肉です。
あと、余談ですが、彼女のおしおきに使われた手術台を十字架にしたのは、血で真っ赤に染まると赤い十字架、つまり赤十字になるからです。