今更ですが、章タイトルはボカロ縛り、章毎の最終話タイトルはアニソン縛りです。
今回はかなり長いので、前編と後篇に分けました。
【射場山祐美編】
弓矢を構えて、狙いを定める。
いつもなら絶対に当てられなさそうな距離だけど、今は何故か当てられる気がする。
…集中しろ。
ただ、あの的を射抜く事だけを考えろ。
…射て!
矢は弓を離れて、緩やかな放物線を描きながら飛んでいく。
…そして。
ドンッ
…当たった!
「すごい…この距離で、的の中心に当てるなんて…」
「世界記録を余裕で上回ったぞ…!?」
「アイツ…一体何者なんだ…!?」
審査員達や観客達は、ざわざわと騒いでいた。
私は、黙って会場を後にした。
「すごいな射場山!!」
そう言ったのは、菊池だった。
会場の外には、みんながいた。
「ユミねえすげー!!」
「射場山、お前やっぱスゲェよ!」
「さすが射場山っちだね!ウチ、感動しちゃったよ!」
「射場山さん、カッコよかったよ!」
「お見事です、射場山様。」
「凄いです、射場山さん!」
「ふわぁ…ナイスショット、ですぅ。」
「さすが射場山先輩っスね!」
「お前ならできるって信じてたぜ、祐美!」
「射場山氏、まさに神業でありましたぞ!」
「す、すごい…です…」
「フン、さっきのは悪くなかったぞ。」
「フッ。また腕を上げたな。」
「ふははは!よくやったな無口!!褒めて遣わす!!」
「すごいじゃないユミちゃ〜ん!」
みんなが、次々と私を賞賛した。
「えへへ…そうかな…?」
「よっしゃ、じゃあ祐美が大活躍した事だし、今夜はみんなで焼肉だな!」
「わーい!!あーちゃん焼肉大好きー!!」
「もちろん、お前も行くよな?射場山!」
「…うん!」
私が一歩踏み出した瞬間だった。
目の前が真っ暗になり、さっきまでいたみんながいなくなった。
「…何これ、どういう事…!?」
『うぷぷ、楽しい夢は見れたかい?』
『ぴきゃきゃ、弓道家とちてちゃらなる高みに到達ち、皆様と友達になる、でちゅか。実に素晴らちい
さっきまでいなかったはずのモノクマとモノハムが現れた。
「あ、あんた達…一体何なの!?」
『うぷぷ、楽しい時間ってさ、長続きしないもんだよね。』
『ちゃて、思い出ちてみてくだちゃい?』
『『オマエの本当の望みは一体何なのか。』』
「…はっ!!」
…夢か。
全く、あんな浅はかな夢を見るなんて、まだまだ修行が足りないって事かしらね。
私は、『超高校級の弓道部』として希望ヶ峰にスカウトされた。
でも私自身、自分の腕に全然自信が無くて、私がスカウトされていいのかなって思ってた。
目が悪い分技量で補う、なんて目標を掲げはしたものの、私は全然『超高校級』と呼ばれるような技量なんてない。
それでも、私は高みに行きたい。
…世界一。
いつしか、それが私の人生の目標になった。
ーパーティー準備ー
小川の提案で、私はパーティーの準備を手伝う事になった。
みんな、思ったより乗り気みたいだな。
みんな積極的に準備を手伝っていた。
…まあ、菊池と床前は何かやらかすから絶対手伝わせないけどね。
「おい、無口、騒音!ちょっとこっち来い!!…早く来いっつってんだよ愚図が!!」
神城は、私と小川を大声で呼んだ。
…ったく、あいつの横柄な態度はどうにかならないのかしら。
「はぁ、今行くわよ。」
ープレイルーム前ー
「…何。」
「ふははははははははは!!私は天才だからな!!昨日までカジノになかった部屋を発見したぞ!!」
「…ず、随分とご機嫌っスね。」
なんだ、このドアがない部屋は。
「ふはははは!!ほら、早く入れ愚民共!!」
「あの、先輩…もしかして、自分らが呼ばれたのって…囮っスか?」
「囮とは人聞きが悪いぞ、騒音!!貴様らは、神である私のためにその身を懸けられるのだぞ!!これほど名誉な事はないだろう!?この私に感謝しろ!!ふははははははは!!!」
「…はあ、そんな事だろうと思ったわよ。言い出しっぺのあんたが最初に入りなよ。」
「な、なんだと…!?貴様、神に向かってなんだその口の利き方は!!」
「あんたは別に神じゃないでしょ。いいから黙って入んな。」
「…うぅ。」
ったく、こいつといるとホント疲れる。
部屋の中は赤一色で、並んだ座席に私達そっくりの17体の人形が並べられていた。
そして、部屋の天井にはモニターが取り付けられていて、手前には一丁の拳銃が置いてある。
…これで人形を撃てって事かしら。
ホント悪趣味ね。
「んだぁ?この部屋!!おい、出てこい綿埃!!」
『ちょっと!何その呼び方!!酷くない!?』
「ヒッ!?」
モノクマは、人形達の後ろから出てきた。
…ホント神出鬼没ね。
『呼ばれて出てきてなんとやら〜!モノクマ学園長参上〜!…で?何か用?』
「『何か用?』じゃねえんだよこのバカが!!んだよこの部屋!!説明しろ!!」
『うぷぷ、ここは新しくオープンしたプレイルームだよ!そこの拳銃で、人形をバンバン撃っちゃってね!頭とか心臓とかの急所に当てれば、高得点がゲットできるよ!面白いゲームでしょ?』
「ケッ、クソゲーの間違いだろ!!」
『一言二言多いよオマエ!!…あ、ちなみになんだけど、この部屋注意事項がいくつかあるから耳かっぽじってよく聞いてね!』
「注意事項?何スか?」
『ズバリ、このプレイルームは、一度入ったらその日はもう入ってはいけません!』
「んだよそのルール!!なんでそんなルール作ったんだよ!!」
『無双させないためだよ!一日に何回もプレイしたら、そのうちコツ覚えて無双しちゃうでしょ?つまんないんだよそんなの!!人形の姿勢とか配置とかは毎日変えてるから、新鮮な気分でゲームを楽しめるわけ!』
なんだそれ。
「…もし2回目に入ったらどうなるの?」
『うぷぷ、その時はね、部屋中にセットされたガトリングガンが火を吹いてオマエラの身体を貫くよ!』
…物騒ね。
なんでたかがゲームで殺しにかかってるのよ。
コロシアイ以外の犠牲は出したくないんじゃなかったの?
『さてと、1個目の注意事項はこの辺でいいかな。2個目の注意事項は、『清掃時間』です!』
「清掃時間?」
『この部屋は、23時から0時の間まで、清掃のためロックがかかります!その間に、部屋の中をリセットするわけ!ちなみに、プレイルームの清掃は全部この建物に内蔵されたAIが管理してるよ!』
…一度閉じ込められたら1時間閉じ込められたままって事?
地味に嫌ね。
『ちなみに、人形は清掃時間に関係なく毎回自動でリセットされるからね!』
「…なるほどね。注意事項はそれだけ?」
『うーん、まあそうだね。』
「じゃあ早く消えて。」
『辛辣だなぁ、射場山サンのバカ!もう知らない!!』
モノクマは、サ●キのセリフを丸パクしながら去っていった。
「…ホント、目障りなクマね。」
「フン、動いて喋る公害だなアイツは!!」
「二人ともすごい言いようっスね…」
私達は、部屋の探索を始めた。
「…なあ、貴様ら。…貴様らは、人生の目標とかあるか?」
神城が、唐突に質問をしてきた。
「…何、その質問。」
「いいから質問に答えろ。」
「…えっと…笑わないでよ?…私、弓道で世界一になりたいの。…でも、今はそんな大それた事が言える程技量がないし、日々鍛錬あるのみ、ってところかしら。」
「自分は、偉大な演奏家になって、自分を弟切さんの『代わり』としか考えていない人達を見返してやる事っス!まあ、そのためにはやっぱり努力が必要だなって思って、毎日楽器を演奏してるっスよ!まあ、楽器を演奏するのが楽しいっていうのもあるんスけどね!」
「…そうか。」
神城は、一瞬哀しそうな目をした。
「…貴様らはいいよな。何よりも夢中になれる物があってよ。」
「何言ってるんスか!羨ましいのはこっちの方っスよ!もし自分が神城先輩みたいな圧倒的な天才だったら、きっと世界の見え方とか全然違ったんだろうなって思うっス!自分は、先輩の事尊敬してるっスからね!」
「…。」
恥ずかしくて口には出せなかったけど、私も小川と同じ意見だ。
私も、才能に恵まれた神城が羨ましい。
私に、神城みたいな才能があれば…
なんて考えてる私は、まだまだ未熟って事かしらね。
「…そうかよ。」
「?」
「んだよ。ジロジロ見てんじゃねえよ。…どうした?」
「…いえ、別に。」
…気のせいかな。
一瞬、神城の顔が怒りで歪んでいるように見えた。
…まさかね。そんなわけないわよね。
褒めちぎられなきゃ生きていけないような奴だもん。
これだけ小川に褒められた後で怒ってるわけ…ないよね。
「あ、そうだ。私はちょっとまだここで調べたい事があるから、貴様らは先に部屋を出てろ。」
「えぇえ…横暴っスよ神城先輩…」
「…呼び出しといて、それはないよな?」
「うるせぇな、一人じゃねえと集中できねえんだよ!いいから出てけ!神である私の邪魔をすれば、天罰が下るぞ!!」
…はあ、なんなのこいつの上から目線。
元々そんなにこの部屋に興味は無いし、出ろって言われたら出るけどさ。
…ったく、なんでこんな奴を尊敬しちゃったんだろ。
ーパーティー本番ー
「ふははははは!!!貴様らに特別に、私が作ったデザートを食わせてやろう!」
神城が全員分のデザートを持ってきた。
華やかな見た目の、とても美味しそうなデザートだった。
…こいつ、急に優しさ見せてきて逆に気持ち悪いわね。
でも、出された物を食べないわけにもいかないし、食べてみるか。
…。
…。
…。
何これ!?まっっっっず!
あり得ないくらい不味いんだけど!?なんでスイーツなのにこんなに酒臭いのよ!?焦げてるところと生焼けのところがあるし、小麦粉の塊が口の中でパッサパサするし、絶対塩と砂糖間違えてるし!
こんなの、近藤が食べたら卒倒するわよ!
…でも、ここで吐くのはさすがに人としてやっちゃダメな行為よね。
私は、ドリンクでデザートを流し込んだ。
…あー、不味さで死ぬかと思った。
ー休憩スペースー
…あれ?なんか頭がクラクラする…
すごく喉が渇いてるし…
もしかして、さっきのデザートのせい?
絶対そうだ。
あの不味さに、身体が拒絶反応を起こしてるんだわ。
ったく、味見くらいしなさいよあのバカ…
休憩スペースで休んでると、菊池が来た。
「…あ。」
「…ん。」
「お前、どうしたんだそんなところで?」
「…こういう場所に慣れてなくて。ちょっと休憩してた。」
「そうなのか。…なあ、少し話でもしないか?」
「…ん。」
菊池は、私の隣に座った。
それから、私達は夢について話し合った。
こいつは、まるで友達みたいに親しげに話してくれた。
最初は鬱陶しかったけど、こんな私を友達と言ってくれたのは嬉しかった。
みんなの前じゃ恥ずかしくて絶対言えないけど…
私は、みんなと友達になりたい。
…話したら少しスッキリした。
明日は、みんなと混じってゲームをしたいな。
菊池は、休憩スペースを後にした。
…喉が渇いたな。ドリンクバーに行こう。
ー1階ー
…ヤバい、本当に目の前がフラフラしてきた…
あのデザート、どんだけ破壊力あんのよ…
まさか、睡眠薬でも盛られてたんじゃ…
…考えすぎか。
神城は確かに横柄だし腹立つ奴だけど、いくらなんでも仲間を疑うのはね…
疲れてるんだな、私。
もう、今日は部屋に戻ってゆっくりしようかな。
「…ん?」
一瞬、何かの気配を感じたけど…
…気のせいか。
ドンッ
「…ッえ!?」
突然、身体の左側を強く押された。
目が見えてないせいで、一瞬反応が遅れた…!
何これ、頭がフラフラしてるせいでうまくバランスが取れない…
私は、押された勢いでふらついて、何かの部屋に入ってしまった。
部屋の外に視線を向けると、神城が立っていた。
神城は、何かを呟いた。
聞こえなかったけど、口の動きではっきりとわかった。
「死ね」
ジャキッ
「!!?」
気がつくと、ガトリングガンの銃口が私の方に向いていた。
待って、嘘でしょ…!?
私には、何がなんでも叶えたい夢があるの…!
私…
こんなところで、死にたくないんだけど…!
「…あ。」
ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ
「あーあ、死んじゃったよ。分不相応な夢を見たところで、結局は夢叶わず無残に散るのがオチなんだよ。卑屈にならずに、素直に人と接していればこんな事にならなかったのかもしれないのにね!オマエが、一つの事にしか目を向けずに意地を張ってたから、恨みを買う羽目になったんじゃないの?どっちみち、同情の余地は無いよね!悲劇のツンデレヒロイン気取って同情を買おうったって、世の中そんなに甘くねーんだよ!これに懲りてちったぁ学習しろ!」
【小川詩音編】
煌びやかなコンサートホール。
自分は、ピアノの前に座っていた。
深く深呼吸をし、白鍵の上にそっと指を置く。
指に体重をかけると、ラの音が鳴り響く。
そこからは、流れるように両手が動いた。
今までの自分なら奏でられなかったような美しい旋律が、ホール中を滑らかに包み込む。
身体が軽い。
まるで空を羽ばたく鳥のように軽やかに、そして自由に音を奏でた。
演奏が終わった。
ホールは、拍手と歓声に包まれた。
「なんだアイツ…所詮弟切魅音の『代用品』でしかないと思っていたのに…弟切魅音と互角…いや、それ以上の腕前だ…!…私の見る目が曇っていたということか…!?」
そう言ったのは、かつて自分を『弟切魅音の『代わり』としてスカウトされてラッキーだったな』と鼻で笑った音楽講師だった。
…やった。
やったっス!
ついに、弟切さんと自分の無念を晴らしたっス!!
『小川さん、カッコ良かったよ。』
その声は…弟切さん!?
振り返ると、そこには死んだはずの弟切さんがいた。
『私の無念を晴らしてくれてありがとう。…悔しいけど、私の負けね。』
いえ、そんな…自分は、弟切さんと自分を馬鹿にした奴らが許せなくて…
弟切さんの『代わり』なんて誰もいないのに…
『…小川さん、今までよく頑張ったね。』
弟切さん…!!
自分が、弟切さんに抱きつこうとした瞬間だった。
周りが真っ暗になり、弟切さんは砂のように舞い散って消えた。
「おと…ぎり…さん?」
『うぷぷ、楽しい夢は見れたかい?…死んだはずの親友と再会するってゆー、虚しくも儚い、幸せな夢を。』
『演奏家とちて超一流になって、自分と親友をコケにちた方達をギャフンと言わちぇる、でちゅか。素晴らちい
さっきまでいなかったはずのモノクマ学園長とモノハム教頭が現れた。
「が、学園長…!?教頭…!?一体なんなんスか!!」
『うぷぷ、楽しい時間ってさ、長続きしないもんだよね。』
『ちゃて、思い出ちてみてくだちゃい?』
『『オマエの本当の望みは一体何なのか。』』
「…はっ!!」
…夢か。
せっかく、弟切さんにまた会えたと思ったのに…
自分は、『超高校級の演奏家』として希望ヶ峰にスカウトされた。
でもそれは、あくまで陵辱された挙句殺された弟切さんの『代わり』としてだった。
ある人には『ラッキーで希望ヶ峰に入れた凡才』と蔑まれ、同じく音楽家を目指すクラスメイトには妬まれた。
自分だって、弟切さんを踏み台にしてまで手に入れる『超高校級』の称号なんて願い下げだった。
自分は、
何も知らないくせに、自分に『弟切さんの代用品』のレッテルを貼った奴らに。
そして決めた。
誰よりもすごい演奏家になって、自分にそんなふざけたレッテルを貼った事を後悔させてやるんだと。
ーパーティー準備ー
自分は、動機を発表されて暗い面持ちになっている皆さんのために、カジノパーティーを企画した。
思ったより皆さんやる気があるみたいで、ほぼ全員が準備に参加してくださった。
「おい、無口、騒音!ちょっとこっち来い!!…早く来いっつってんだよ愚図が!!」
神城先輩は、大声で射場山先輩と自分を呼んだ。
自分は、神城先輩の声のした方へ向かった。
ープレイルーム前ー
「…何。」
「ふははははははははは!!私は天才だからな!!昨日までカジノになかった部屋を発見したぞ!!」
「…ず、随分とご機嫌っスね。」
あれ?なんか、ドアがない部屋があるっスね。
昨日まではなかったはず…
「ふはははは!!ほら、早く入れ愚民共!!」
「あの、先輩…もしかして、自分らが呼ばれたのって…囮っスか?」
「囮とは人聞きが悪いぞ、騒音!!貴様らは、神である私のためにその身を懸けられるのだぞ!!これほど名誉な事はないだろう!?この私に感謝しろ!!ふははははははは!!!」
「…はあ、そんな事だろうと思ったわよ。言い出しっぺのあんたが最初に入りなよ。」
「な、なんだと…!?貴様、神に向かってなんだその口の利き方は!!」
「あんたは別に神じゃないでしょ。いいから黙って入んな。」
「…うぅ。」
射場山先輩に凄まれた途端、神城先輩は大人しく部屋に入った。
…この人、扱いやすいのかにくいのかどっちなんスかね?
部屋の中は赤一色で、並んだ座席に自分らそっくりの17体の人形が並べられていた。
そして、部屋の天井にはモニターが取り付けられていて、手前には一丁の拳銃が置いてある。
なんなんスか、この不気味な部屋は…
「んだぁ?この部屋!!おい、出てこい綿埃!!」
『ちょっと!何その呼び方!!酷くない!?』
「ヒッ!?」
モノクマ学園長がいきなり人形の後ろから出てきたもんだから、ついビビっちゃったっス。
『呼ばれて出てきてなんとやら〜!モノクマ学園長参上〜!…で?何か用?』
「『何か用?』じゃねえんだよこのバカが!!んだよこの部屋!!説明しろ!!」
『うぷぷ、ここは新しくオープンしたプレイルームだよ!そこの拳銃で、人形をバンバン撃っちゃってね!頭とか心臓とかの急所に当てれば、高得点がゲットできるよ!面白いゲームでしょ?』
「ケッ、クソゲーの間違いだろ!!」
『一言二言多いよオマエ!!…あ、ちなみになんだけど、この部屋注意事項がいくつかあるから耳かっぽじってよく聞いてね!』
「注意事項?何スか?」
『ズバリ、このプレイルームは、一度入ったらその日はもう入ってはいけません!』
「んだよそのルール!!なんでそんなルール作ったんだよ!!」
『無双させないためだよ!一日に何回もプレイしたら、そのうちコツ覚えて無双しちゃうでしょ?つまんないんだよそんなの!!人形の姿勢とか配置とかは毎日変えてるから、新鮮な気分でゲームを楽しめるわけ!』
なんスかそれ。
「…もし2回目に入ったらどうなるの?」
『うぷぷ、その時はね、部屋中にセットされたガトリングガンが火を吹いてオマエラの身体を貫くよ!』
…物騒っスね。
そんな怖い部屋、入りたくなかったっス。
『さてと、1個目の注意事項はこの辺でいいかな。2個目の注意事項は、『清掃時間』です!』
「清掃時間?」
『この部屋は、23時から0時の間まで、清掃のためロックがかかります!その間に、部屋の中をリセットするわけ!ちなみに、プレイルームの清掃は全部この建物に内蔵されたAIが管理してるよ!ちなみに、人形は清掃時間に関係なく毎回自動でリセットされるからね!』
「…なるほどね。注意事項はそれだけ?」
『うーん、まあそうだね。』
「じゃあ早く消えて。」
『辛辣だなぁ、射場山サンのバカ!もう知らない!!』
モノクマ学園長は、サ●キのセリフを丸パクしながら去っていった。
「…ホント、目障りなクマね。」
「フン、動いて喋る公害だなアイツは!!」
「二人ともすごい言いようっスね…」
自分らは、部屋の探索を始めた。
「…なあ、貴様ら。…貴様らは、人生の目標とかあるか?」
神城先輩が、唐突に質問をしてきた。
「…何、その質問。」
「いいから質問に答えろ。」
「…えっと…笑わないでよ?…私、弓道で世界一になりたいの。…でも、今はそんな大それた事が言える程技量がないし、日々鍛錬あるのみ、ってところかしら。」
「自分は、偉大な演奏家になって、自分を弟切さんの『代わり』としか考えていない人達を見返してやる事っス!まあ、そのためにはやっぱり努力が必要だなって思って、毎日楽器を演奏してるっスよ!まあ、楽器を演奏するのが楽しいっていうのもあるんスけどね!」
「…そうか。」
神城先輩は、一瞬哀しそうな目をした。
「…貴様らはいいよな。何よりも夢中になれる物があってよ。」
神城先輩がおかしな事を言うもんだから、自分は思った事を正直にぶつけたっス。
「何言ってるんスか!羨ましいのはこっちの方っスよ!もし自分が神城先輩みたいな圧倒的な天才だったら、きっと世界の見え方とか全然違ったんだろうなって思うっス!自分は、先輩の事尊敬してるっスからね!」
「…。」
「…そうかよ。」
「?」
「んだよ。ジロジロ見てんじゃねえよ。…どうした?」
「…いえ、別に。」
あれ?なんか、神城先輩怒ってないっスか?
褒めたつもりなんスけど…
「あ、そうだ。私はちょっとまだここで調べたい事があるから、貴様らは先に部屋を出てろ。」
「えぇえ…横暴っスよ神城先輩…」
「…呼び出しといて、それはないよな?」
「うるせぇな、一人じゃねえと集中できねえんだよ!いいから出てけ!神である私の邪魔をすれば、天罰が下るぞ!!」
あはは、神城先輩は相変わらずブッ飛んでて逆に安心したっス。
自分は、パーティーの準備を進めてくるっスかね。
ーパーティー本番ー
パーティーは、想像以上に楽しいっス。
神城先輩が配ったデザートは、はっきり言ってメッチャ不味かったっスけど。
「おい、騒音!私は1階のVRで遊んでくるぞ!!」
「あ、はい。楽しんでくださいっス。」
なんでいちいち自分に報告に来たんスかね?
…まあ、神城先輩はああ見えて寂しがり屋だから、構って欲しかったのかもっスね。
「小川さん!」
「ひゃいっ!?」
…ビックリしたっス。
なんだ、床前先輩っスか。
「もう、ビックリしすぎです。ねえ、ちょっとこっち来てください。」
なんか、猫西先輩の事を弄んだこの人の言う事を聞くのは癪っスけど…
特に断る理由も無かったんで、付き合う事にした。
「で?なんスか?」
「見てください!論さんってば、射場山さんとあんなに楽しそうにお喋りして…羨ましいです!」
「…ははっ、そうっスね。」
自分は、適当に床前先輩の愚痴を聞き流した。
それにしても、ねちっこいなあこの人。
一度、痛い目見た挙句菊池先輩に振られたってのに…
ここまで折れないと、逆に気持ち悪さを通り越して尊敬するっス。
ー23時前ー
菊池先輩と床前先輩は、一緒にゲームで遊んでいる。
…なんか、この距離で見てると、何を見せられてるんだ感がハンパないっスね。
あ、ちょっと神城先輩の様子が気になるっスね。
散歩がてら見に行きましょう。
ードリンクバーー
あ、射場山先輩がいるっスね。
って、違う違う。
自分は、神城先輩を探してるんスよ。
ーVRエリアー
あ、いたっス。
何やってんのか気になりますし、ちょっと声をかけてみるっスかね。
「神城先輩!」
…返事がないっス。
すごい集中してるみたいっスね。
邪魔しちゃ悪いし、自分は戻った方がいいっスかね?
自分は、神城先輩の姿だけを確認して、そのまま2階に上がった。
ー2階ー
「あ、小川さん。戻って来られたんですか。…まあ、正直戻ってこない方が良かったんですけど。」
「どういう意味っスか。」
「それで、下の様子はどうだったんです?」
「ああ、射場山先輩がドリンクバーに行っていて、神城先輩がVRで遊んでたっス。呼び掛けても返事がなかったから、集中してるのかと思いまして…邪魔しちゃ悪いと思って、そのまま戻ってきたんスよ。」
「なるほど、あ、今論さんとシューティングゲームやってるんですけど、小川さんも良かったら…」
「え、自分も参加していいんスか!?」
「観戦しませんか?」
「観戦止まりっスか!混ぜてはくれないんスね!」
それから、自分は二人のゲームを観戦したっス。
色んなゲームをやって、最後はポーカーで勝負したっス。
結果は、菊池先輩の圧勝だったっス。
…っていうか、絶対床前先輩が菊池先輩が勝てるようにイカサマしてるんスけどね。
やっと周りを気にし始めた菊池先輩が、床前先輩に質問したっス。
「…そういえば他の奴は?」
「ああ、射場山先輩なら、さっきドリンクバーに行ったっスよ。」
「小川、いたのか。」
「ちょっと!いたのか、とはなんスか!!さっきからずっと一緒にいましたよ!ゲームに熱中しすぎっス!!」
「あ、悪い悪い。」
「あと、カークランド先輩はリズムゲーで遊んでます。」
「アリスと玉木とエカイラと神城の4人は?」
「神城先輩以外の3人は、クレーンゲームで遊んでるっス。」
「神城は?」
「ああ、神城先輩なら、1階で遊んでくるって言ってたっス。」
「…そうか。」
自分のしおりを見た菊池先輩が、驚いて言ったっス。
「もう日付変わってんじゃねえか!!」
自分もしおりを確認すると、0時10分と表示されていた。
「あ、ホントっスね!…これ、そろそろ切り上げないとっスね。1階の先輩方を呼んでくるっス!」
自分は、1階へ降りた。
ー1階ー
うげぇ、またこの不気味なプレイルームの目の前に来ちゃったっスよ。
まあ、こんなところにお二人がいるわけないし、スルーでいいっスかね…
「…ん?」
あれ?
気のせいっスかね?
なんか、人形がちょっと不自然なような…
…やっぱり気になるっス。
日付はもう超えてるし、入っても大丈夫っスよね?
自分は、プレイルームに足を踏み入れた。
…良かった、なんともないっス。
あ、違和感の正体はこれだったんスね。
射場山先輩の人形だけめっちゃ撃たれてるっス。
全く、誰がいつの間にプレイしたのやら…
…ん?
…いや、違う…!
…これは…
「ぎゃわあああああああああああ!!!」
あ、あああああああ…
そんな、射場山先輩が射場山先輩が射場山先輩が…!
なんでなんでなんでなんで…!
「んだよ、るっせぇなぁ…おい、どうし…!!」
神城先輩の声が聞こえたような気がしたけど、自分はそれどころじゃなかった。
射場山先輩が死んでしまったショックで、何も考えられなかった。
「何事だ!?」
「遅せェぞ愚民共!!今まで何やってたんだよ…!」
『オマエラ、死体が発見されました!!カジノ1階のプレイルームにお集まりください!!』
アナウンスが流れ、皆さんが集まってきた。
ようやく、自分は冷静さを取り戻した。
「にゃあああああああああああああ!!!?ゆ、ユミねえ!!?」
「そんな…嘘だろ…!?なんで射場山が…!」
「キャアアアアアア!!!ゆ、ユミちゃん!?」
「射場山さん…!」
「あらあら、また殺人が起こってしまいましたね。」
「リタはまだ来ねェのか!?」
「…寝てるんじゃないですかね…寝てくるって言ってましたし…」
「クッソ、アイツ、こんな時に何やってんだよ!」
「菊池先輩!落ち着いて…ん?」
うわっ、なんスかこの音!?
ゲーム機の音に混じって、すごい高い耳障りな音が大音量で響いてるっス!
「にゃあっ!?」
「どうしましたか小川さん、アリスさん?」
「…何か変な音が聞こえませんか?」
「…いや、別に?強いて言うなら、ゲーム機の音が少し響いてるくらいか…」
「にゃああああ!!キモチ悪ーい!!何この音!!」
アリス先輩と自分以外聴こえてない…!?
もしかして、超音波…!?
「ちょっと気になるっス。確かめに行ってくるっス!」
「あ、おい待て!小川!」
罠かもしれない。
でも、このままだとアリス先輩がかわいそうだし…
自分は、大急ぎで音源に向かった。
ー女子トイレー
間違いない…ここから聞こえるっス!!
自分は、音源の個室へと駆け込んだ。
案の定、部屋の壁には得体の知れない機械が貼り付けてあった。
これが原因っスね。このスイッチを切れば…
カチッ
ゴッ
「…がっ!!?」
鈍い音が聞こえて、後頭部に激痛が走った。
視界がぼやけて、瞼が重くなっていく。
ついには何も見えなくなり、そして耳も聞こえなくなった。
そこで意識が途絶えた。
「あーあ、死んじゃったよ。お友達をバカにした奴らを見返してやるんじゃなかったの?なっさけないね全く!オマエには、高みに到達する事も、自分を蔑んだ奴らを見返す事も出来やしないんだよ!…だって、オマエは、他のみんなとは違って正当に才能を認められたわけじゃない…所詮、ラッキーで選ばれた『代用品』なんだからさ。いい加減、自分の立場を自覚しなよ。『代用品』ごときが調子乗って大口を叩いた…だからオマエは殺されたんだよ。」
前の話で書くのを忘れていた事がいくつかあるので、ここで書かせてください。
実は、黒幕が誰かという事ですが、実はもう既にかなりヒントは出ています。
ヒント出し過ぎてほとんどの人が気付いてるんじゃないかってちょっとヒヤヒヤしてます。
振り返ってみると、意外と不自然な点多いです。
あと、アリスとエカイラが双子の兄妹という設定ですが、これも割とヒント多かったんじゃないかと思います。
・ALICEを逆にするとECILA
・誕生日が1日違い
・血液型が同じ
・喋り方と思考回路が似ている
・共通してにんじんとグリンピースが嫌い
実は、初期設定では、エカイラを17人目の生徒として登場させる予定はなく、アリスの別人格という設定にするつもりでした。でもそれだとジェノサイダー翔と被るやんけ、となって、あのオカマエカイラが誕生しました。