ダンガンロンパリゾート   作:M.T.

47 / 75
字数の都合上中途半端な感じになってしまいましたが、そこら辺は笑って許してください(藁)



第5章(非)日常編⑤

ー診療所ー

 

「あ、もう遅い時間だな。」

「そうですね。」

「よっし、じゃあそろそろ寝るか。あ、この刀は俺が預かるよ。万が一って事もあるからな。」

「ああ、頼むぞ勝利。」

「…。」

「私も、もうかなり回復したので部屋に戻りますね。」

「大丈夫なのか?」

「はい、お陰様で!」

「アリス。俺達も部屋に戻って寝るぞ。」

「…ねえ。…今日は、サトにいの部屋で寝てもいい?」

「なんでだよ。」

「…そういう気分だから。だって、私はわがままなクソガキだし。ねえ、いいでしょ?」

「…ったく、しょうがねえな。」

俺は、アリスと一緒に部屋に向かった。

 

 

『超高校級の弁護士』の個室

 

「うわー、なんか久しぶりー!」

アリスは、ベッドにダイブした。

おいおい、いきなりかよ。

「今日はベッド貸してやるけど、うるさくすんじゃねえぞ。」

「…えへへ。」

「…なんだよ。」

「いや、なんか、合宿初日もサトにいの部屋で寝たなって思ってさ。」

「…そういえばそうだったな。」

いきなり部屋に入られて、ベッドを横取りされて蹴られたっけ。

「前は、お風呂も借りたっけ?…って、今は夜時間だから水が出ないんだった。起きたばっかりだし、お風呂入りたかったんだけど。」

「まあ、3日間風呂入ってないんだもんな。まあお前が寝てる間、体拭いてたから多分不潔ではないだろ。」

「は!?ちょっと!それどういう意味!?まさか、サトにい…私が寝てる間にあんな事やこんな事を…!?キャー!エッチ!!変態!!犯罪者!!」

「なんて勘違いしてんだお前!そういうのは全部リタに任せてたから、俺は一切そういう事はしてねえよ!」

ったく…なんだこのやりとり。

なんかデジャヴだな。

「じゃあ、私着替えるから。…見ないでよ!?」

「見ねえよ。さっさと着替えろ。」

前よりはマシになったけど、めんどくさい事には変わりねえな。

「これでよしと。じゃ、おやすみなさい。」

「おやすみ。」

「…あのさ。」

「まだ何か用か?」

「…寝込み、襲わないでよね。」

「誰が襲うか。お前みたいなクソガキ。子供はもう寝る時間だ。変な事言ってねえで、早く寝ろ。」

「私、3日間ずっと眠りっぱなしだったんだけど。」

「うるせェ。屁理屈言ってねェで早く寝ろクソガキ。」

「はーい。」

アリスは、俺のベッドの中に潜り込んだ。

俺も寝るか…

「えいっ。」

「うおあっ!?」

俺は、いきなり腕を引っ張られて、ベッドに引きずり込まれた。

「おい、いきなり何しやがるこのクソガキ!」

「へっへーん、さっき殴ったののお返しですよーだ!」

「やっぱりクソガキじゃねえか!なーにが『私はもう大人だった』だ!」

「そんな事言ったっけー?私、クソガキだから覚えてないなー。」

コイツ…

「うるせェな、ガキは黙って寝てろ。」

「キャーサトにい怖ーい!」

コイツ、こういう所は前と全然変わんねェのな。

 

 

ー談話室ー

 

【床前サイド】

 

私は、あり得ないものを見てしまいました。

害虫…もとい、アリスさんが論さんの部屋に入り込んでいました。

さっきまで彼を殺そうとしていたくせに、彼の部屋に上がり込むなんて、信じられないです。

本当に、死ぬほど殺したい。

…やっぱり、あの時カークランドさんを助けなければ良かったですかね?

そうすれば、アリスさんはクロとしておしおきされたのになぁ。

タカヒロさんの言うシナリオも、素晴らしいとは思うんですけど…もしあの時アリスさんが皆さんを殺してくれていたら…なーんて考えちゃう私がいるんですよね。

「…あ。」

「あ。」

おや、これはこれは。

エカイラさんではありませんか。

わざわざアホ面晒しに来て、本当に不愉快ですね。

「何よ。アンタ、いたのね。」

「いたのね、とは失礼な。後から来たくせに、偉そうな態度取らないでください。」

「アラ。つれないじゃない。せっかく、二人で仲良くお話しでもしようと思っていたのに。」

エカイラさんは、私にウザ絡みしてきました。

本当にウザいし気持ち悪いです。

「本当に気持ち悪いですね。早く死んでください。」

「まあひどい。冷たい女の子は嫌われるわよ?」

「別にあなたに好かれたところでこれっぽっちも嬉しくないですよ。…それで?話ってなんですか?くだらない事だったら怒りますよ?」

「ナギサちゃんこーわーいー!…ごめん。そろそろ本題に入らないとね。…あのさ、診療所での事なんだけど。」

「診療所が、なんですか?」

「あの時の事、アタシはジェイムズちゃんが負傷した事と、リタちゃんの過去が明かされた事、あとはカムクライズルが消滅した事しか知らないんだケド…あーちゃんは暴走したんじゃなかった?あの子の暴走は、どうやって収まったわけ?」

「え?それ、そんなに気にする事ですか?」

「いいから答えなさいよ。」

「…仕方ないですね。彼女が暴れすぎて、私の愛しの論さんを斬り殺そうとしてたので、カッとなってつい銃で撃っちゃいました。」

「え?なにそれ?どういう事?そんなの、指示に無かったけど。なんでそんな事したワケ?」

「だって、仕方ないじゃないですか。あのまま彼女に論さんを斬り殺させるなんてそんな非道い事、私にはできませんもの。それに、あそこで撃っておかなかったら、一番被害を被るのは私達だったんですよ?あの時は、撃つしか方法がありませんでした。」

「…アンタがあの子の暴走の引き金を引いたくせに、よくもまあそんな事が言えるわね。」

「いいじゃないですか別に。誰も死んでないんですし。まあ、本当はもっと彼女に暴れてほしかったんですけど。」

「アンタ、一体何考えてんの?最悪、アンタがクロになってたかもしれなかったのよ?」

「で、その結果はどうですか?私はクロにならず、『計画』は今のところ破綻していないじゃないですか。結果オーライです。…あのねエカイラさん。世の中、結果が全てですよ。目的だの過程だのは、結果に行き着くための『手段』にすぎないんです。」

「行き当たりばったりって事じゃないの。…ホント、滅茶苦茶ねアンタ。」

「だって、私は『超高校級の幸運』ですよ?過程はどうあれ、私にとっての『幸運』は必ず叶うようになってるんです。」

「だから、暴走したクラスメイトを撃ち殺そうとしたと?…まるで悪魔ね。アンタ。」

「あら。私だって、最初から殺す気なんてありませんでしたよ。さすがに、アリスさんごときを殺してクロになっておしおきされるのは御免ですもの。ただ、ちょっとアリスさんのオイタが過ぎたから、重傷を負わせただけです。でも、意外と回復は早かったみたいですね。」

「…。」

「どうしたんですか?…まさかとは思いますけど、この期に及んで妹に情が移ったわけじゃないですよね?」

「そんなワケないじゃない。ただ、アンタがあまりにも無謀な事をしたからイライラしてるだけよ。」

「そうですよねー。この世界に、自分の人生に、何もかも絶望した私達が、今更『希望』を求めたりなんて、あるわけないですよねー?」

「当たり前じゃない。」

「なら一安心です。…それじゃあ、そろそろ計画を実行に移しましょうか。…ねえ、()()()()()?」

「その呼び方、不愉快だからやめてちょうだい。」

「私にウザ絡みしてきたお返しです♪いいですか、エカイラさん。私達は、ただ絶望を与えればいいんです。そのためなら、手段なんて選んでいる場合ではありません。そうですよね?」

「…アンタもアタシも、絶対いい死に方しないわよね。」

「そうですね。まあでも、私はどんなに凄惨な死に方をしようと、論さんの中で永遠に生き続けられるならウェルカムなんですけどね。」

「ホント、アタシが言うのもなんだけどイカれてるわねアンタ。」

「うふふ、褒め言葉と受け取っておきます。それじゃあ、また明日会いましょうエカイラさん。」

 

 

ー翌日ー

 

合宿21日目の朝。

昨日は、色々な事がありすぎた。

アリスが暴走して、リタの過去が語られて、アリスが『一人』になった。

「ふにゃあぁ〜。」

隣から、間抜けな声が聞こえた。

振り向くと、アリスが眠そうにあくびをしていた。

そうだ。

昨日、俺の部屋に泊めてやったんだった。

「よく寝た…」

「お前、3日間も寝てたんだろ?よくそんなに眠れるな。」

「アレとは、種類が違うから!お布団でぐっすり寝るのは、別なの!」

別腹みたいに言うなよ…

「ずっとご飯食べてなかったから、お腹すいちゃった!サトにい、早くご飯食べに行こ!」

「…そうだな。」

 

 

ーレストランー

 

「おはよう、みんな!」

「おはよう。」

「おう、おはよう!論にあーちゃん!」

「おはようございます。」

「…。」

「おはようございます論さん!」

「アラおはよ。」

エカイラの奴、昨日診療所に来なかったけど、昨日の事知ってんのかな…

「…何よサトシちゃん。アタシの顔に何かついてる?」

「あ、いや…別に。ちょっと考え事をしてただけだ。」

「あらそーお?」

「…兄さん。」

アリスが、エカイラに話しかけた。

「あなたが、私の兄さんだったんでしょ。兄さんの存在を聞かされてから、ずっと会いたいと思ってた。…あなたに会えて良かった。」

「…なんの事かしら?アタシ達は、もう他人よ。昔の事なら忘れなさい。あと、いつの間にそんなに大人びた口調になったの?違和感ありすぎて気持ち悪いから戻しなさい。」

エカイラの奴、せっかく妹に会えたってのに、冷たい奴だな。

まあ、色々あって素直に喜べねえんだろうけどよ。

「なあ、みんな。とりあえず飯食おうぜ。せっかく作った朝飯が冷めちまうよ。」

「あ、そうだな。勝利、今日の朝飯はお前が作ったのか?」

「まあな。結構頑張って作ったから、残さず食えよ!」

「では、皆さん座ってください。皆さんで一緒に食べましょう。」

全員が座って、手を合わせた。

ジェイムズだけは、胸の前で左手を真っ直ぐにした。

「いただきます。」

勝利の作った朝飯は、美味かった。

「うん、美味しいです。」

ジェイムズは、片手で器用に飯を食っていた。

「あの…ムズにい。」

「ん?何ですかアリスさん?」

「その…ごめんなさい。腕、斬り落としちゃって…」

「…。」

「やっぱり、ムズにいは、私の事…恨んでる?」

アリスとリタは、きまりが悪そうにしていた。

「うん、このお料理は美味しいですね。後で玉木さんに作り方を聞きましょう。」

ジェイムズは、貼り付けたような笑みを浮かべながら無理矢理話を逸らした。

「…ねえ、さすがにそんなので誤魔化されないよ。答えてよ。…私の事、恨んでるんでしょ。」

アリスは、食器を乱暴に置いて音を立てた。

そして、哀しそうな目でジェイムズを見た。

ジェイムズは、アリスの目を見て笑みを浮かべた。

「そんな訳ないじゃないですか。私があの時自分で行動した事で、今の結果があるんですから。アリスさん、私がリタさんを庇ったのは、貴女の為でもあるんです。どうしても、貴女に自分の手を汚して欲しくなかった。だからあの時動いたんです。ですから、もう自分を責めるのはやめてください。そうでなければ、私があの時命を賭けた意味が無くなってしまいます。」

「…。」

「ムズにい…でも…私のせいで、腕が片方無くなっちゃったんだよ!?」

「まあ、あの時は、気絶する位痛かったですがね。案外、あまり生活に支障は無いんですよ?残ったのが利き手だったのは、運が良かったです。アリスさん、あの時利き手を残してくださってありがとうございます!」

ジェイムズは、満面の笑みを浮かべながら言った。

「アラ。すごいポジティブシンキングね。」

「てっきり、あれで心が折れたのかと思っていたのですが。前向きすぎて気持ち悪いですね。この人、残りの手足をもがれても同じような事言うんじゃないですかね?なーんて…」

床前は、ヘラヘラと笑いながら憎まれ口を叩いた。

「おい床前。不謹慎だぞ。」

「冗談じゃないですかぁ。…ごちそうさまでした。」

「もう食い終わったのか?」

「ええ。では、私はこれにて失礼します。」

床前は、席から立ち上がると、レストランを後にした。

床前は去り際に笑顔で言った。

 

「では、さようなら皆さん。」

 

床前は、そのまま去っていった。

「さようならって…随分と大袈裟な言い方ですね。」

「確かにな。…でも、アイツは何考えてるかわかんないし、ただの気まぐれじゃねえのか?」

「それもそうね。さ、朝ご飯食べちゃいましょ。」

床前の発言をあまり深く考える事なく、俺達は朝飯を食った。

飯の後は、自由時間になった。

自由時間っつってもやる事は特に無いし、まだ行ってない教会と博物館をちょっと見てくるかな。

 

 

ー博物館ー

 

博物館の中には、動物の化石や古い道具など、色々な物が展示されていた。

その中に、サイクロプスの化石と書かれたショーケースに入った、白い破片が展示されていた。

ジェイムズが言ってた奴はこれか。

…見るからにプラスチックで出来た偽物だけどな。

これを見てジェイムズははしゃいだのか。

あと、気になる物は他にあるかな…

ん?なんだあれ。

比較的広めの展示スペースがあったので、中に入ってみると、そこにはよくわからない道具が展示されていた。

だが、どれもどこかで見た事があるような造形だ。

展示スペースの上の方を見てみると、ポップな文字が書かれているのが見えた。

そこには、

 

古代〜現代の拷問器具展示スペース!

 

と書かれていた。

「うわぁ…」

なんだこの悪趣味な展示スペースは。

思わず吐き気催したぞ。

見た感じ、どれもレプリカらしいが…

よく見ると拷問器具のショーケースひとつひとつに、バーコードのようなものが刻まれている。

そして、バーコードの下に、

 

しおりをかざしてみてね!

 

と書かれていた。

しおりをかざすと、しおりから変な音が流れた。

しおりを確認すると、いつの間にかしおりで動画が見られるようになっていた。

俺は、動画を開いてみた。

 

 


 

教育番組のような背景の映像が映った。

そこに、可愛らしい絵柄のモノクマとモノハムが現れた。

『モノクマ博士と!』

『モノハムちゃんの!』

『『たのしい拷問器具解説コーナー♫』』

『第1回 鉄の処女の巻!』

『ねえねえモノクマ博士、ここに置いてあるのは、なんでちゅか?』

『うぷぷ、それはね、鉄の処女っていって、中世ヨーロッパで使われたとされる拷問器具なんだ!』

『そうなんでちゅか!?これって、中はどうなってるんでちゅか?』

『わっと、ダメダメ!危ないよ!中にびっしりトゲが生えてて、中に入ったら最期、全身串刺しになっちゃうからね!』

『ぴきゃあ!?怖いでちゅね!』

『そうだね!ただね、そこにあるのはレプリカなんだ!本物の鉄の処女はまだ見つかってなくって、架空の拷問器具だったんじゃないかとも言われてるんだ!』

『ちょうなんでちゅか?ちゅごい、勉強になりまちた!』

『みんなも、もっといっぱい拷問器具を研究してみよう!次回は、ユダのゆりかごの巻だよ!』

『『それじゃ、まったね〜!』』

 


 

 

…なんだこれは。

俺は一体何を見せられたんだ。

っていうか、こういうところで無駄にハイテクな技術使ってくるの腹立つな。

なんでこういう要らん事ばっかりするんだコイツらは。

完全に俺達の事をバカにしてんだろ。

ったく…期待した俺がバカだった。

俺が展示スペースを出ようとした時だった。

「…あれ?」

他の器具に比べて、妙にリアルな斧が切り株に刺さっていた。

他の器具には動画用のバーコードがあるのに、何故かこの斧にだけはバーコードが無い。

「なんだこれ…」

俺は、斧に触れてみた。

「痛っ…」

少し刃に触れただけで、指が赤く滲んだ。

この切れ味、間違いない。本物だ。

でも、なんでこれだけ本物なんだ…?

他の器具は、全部レプリカなのに…

って、考えても答えは出てこないか。

とりあえず他にめぼしい物も無かったし、そろそろ教会に行こうかな。

俺は、博物館を後にして、教会に行こうとした。

「サトにい!」

後ろから、アリスが話しかけてきた。

「なんだ、どうした?」

「あのさ、ちょっと私の部屋来てよ。」

「…はぁ?どうした?急に。」

「いいから。」

「あ、おい!」

アリスは、俺の腕を引っ張って、自分の部屋まで連れてきた。

 

 

『超高校級の失敗作』の個室

 

「ここが私の部屋だよ。」

そこは、殺風景な部屋だった。

真っ白な壁面、そして壁面と同じく真っ白な家具。

何かあるとすれば、部屋の隅におもちゃ箱があるくらいか。

他の部屋とは違い、本棚には絵本が何冊か入っているだけだった。

なんだ、この手抜き感が半端ない部屋は。

他の部屋は、すごく凝ってたのに…

「なんで私だけ部屋の内装が雑なんだろうね。まあ、箱の中におもちゃがあるから退屈はしなかったけど。ゲーム機とかもあるよ。やる?」

「いや、今はいいよ。」

「あ、そう。」

「それで?なんで俺を呼んだんだよ。」

「これ見て。」

アリスは、本棚から絵本を一冊取り出し、手渡してきた。

「なんだこれは。」

「私もよくわからない。」

俺は、手渡された絵本を読んでみた。

そこには、汚い子供の落書きのような絵で、島の絵が描かれている。

島には建物が描かれているが、それはどれもメルヘンチックな建物だった。

しかし、その建物はどれも、どこかこの島の建物に似ていた。

「…あれ?」

そして、そこで行われるコロシアイの数々。

殺人の内容こそ違ったが、どれも今の自分達の立場を描き表しているかのようだった。

「なんだ、この気味の悪い本は…」

「うーん、よくわかんないけど…それに描かれてるのってさ、どう見てもこのコロシアイの事だよね?」

「そうとしか考えられないよな…」

「で、この絵本の作者なんだけど…」

アリスは、絵本を裏返して見せた。

 

そこには、字が何かでなびったように広がっていて何て書いてあるか読めないが、かろうじて超高校級の、と書かれているのは読めた。

 

「…超…高校級の…?」

「そっ。多分、この絵本の作者だと思う。多分、この島にいた人が描いたんじゃないかな。」

…言われてみればこの絵本、まだ新しいし、つい最近描いたような感じなんだよな。

「じゃあ、この絵本は…」

「うん。多分、コロシアイの計画書じゃないかな。なんで私の部屋にあるのかはわかんないけどね。」

「って事は、これを描いた奴が黒幕って事か…?」

「うーん。そうなのかなぁ。よくわかんない。」

アリスの部屋に置いてあるコロシアイの計画書…

謎は深まる一方だな。

「あ。」

「何?」

「そういえば、お前、自分の動機は確認したのか?」

「うん。HOTな話題でしょ?さっき確認したよ。」

「…そっか。」

「ねえ。なんか暇だし、遊ばない?」

「唐突だなオイ。」

「ゲーム機あるから遊ぼうよ。」

「ったく、しょうがねえな。」

そういえば、猫西ともゲームで遊んだっけ。

あれから、俺もアイツに勝つために色々と戦略を練ってきたからな。

ゲームは結構自信あるぞ。

「よし、じゃあ早速やろっか。」

「そうだな。」

俺達は、2人でゲームを始めた。

「え、ちょっと待って。サトにい強くね!?」

「悪いな。こちとら鍛えてんだよ。俺は、相手がガキだからって容赦しねえぞ。ここは、勝たせてもらう!」

「にゃああああ!負けちゃうー!…なーんて言うと思ったか!」

アリスは、急にニヤリと笑みを浮かべ、猛スピードで指を動かし始めた。

「え!?ちょっと待って!?なんかいつの間にか押されてるんですけど!どうなってんの?うわ、ヤベえ…全然巻き返せねえ…」

「ふっふーん、私を舐めてもらっちゃ困るぜ!悪いけど、私は相手が格下だからって容赦しないからね。ここは、勝たせてもらうよ!」

「ぐわあああああああああああ!!」

「勝ったー!」

「…負けた。」

結構ガチめに戦略練って攻めたのに。

コイツがこんなにゲーム強かったとは。

「あー楽しかった!初心者潰しは楽しいね!」

「…性格悪いなお前。」

「そーお?でも、私可愛いから!笑って許してね☆」

ムカつく。

ちょっとマセガキになったのが余計ムカつく。

「他には何かあったかなー。」

おいおい、まだやる気かよ。

もう小一時間くらい経ってるぞ。

「…あ。」

アリスは、おもちゃ箱からCDを取り出した。

「謎のCD発見!ちょっと気になるから聞いてみようよ!」

アリスは、CDをかけ始めた。

曲が流れ始める。

短調で、安定した部分と不安定な部分が入り混じった、気味の悪い曲だ。

その不気味なメロディが、コロシアイ生活で消耗した心にピッタリと重なり、不安を煽ってくる。

これをずっと聴いていたら鬱になりそうだ。

「なんだこの気持ち悪い音楽は…」

「キモいねー。一回止めよっか。」

アリスは、CDの曲を止めた。

「お前は、このCDに今まで気付かなかったのか?」

「まあ、そうだねー。まさか、こんなキモい曲が流れるなんて思わなかったよ。」

 

ピンポーン

 

インターホンの音が聞こえた。

誰か外にいるのか?

「…どうした?」

ドアを開けると、顔面蒼白になったリタがいた。

「…!…!」

リタは、何かを伝えようと必死に手を動かしていた。

「なんだ?わかるように説明してくれないか?」

リタは、慌ててしおりを取り出し、地図を見せた。

そして、教会を指差した。

「教会に行けって事か?」

「…!」

リタは、勢いよく首を縦に振った。

「…わかった。おい、アリス。教会に行くぞ。」

「はーい。」

何と言うか…絶妙なタイミングだな。

ちょうど教会に行きたかったところだしな。

俺達は、教会に向かった。

 

 

ー教会前ー

 

 

 

 

「リタさん、菊池さん、アリスさん!」

教会の方向から、ジェイムズが走ってきた。

「ジェイムズ…」

「大変です!あれを見てください!」

「あれ?」

ジェイムズが指を差した方向を見ると、信じられないものが目に飛び込んできた。

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーッ。」

教会の窓から、朱い炎が噴き出ていた。

熱気を帯びた風は轟々と鳴り響き、こびり付くような形容しがたい悪臭が漂う。

全員が呆気にとられていたその時、教会の中から一つの影が現れる。

 

「ぐ…」

 

影は、足を引きずり、腕を押さえながら教会から出てきた。

出てきたのは、エカイラだった。

顔は焼け爛れていたが、身体の方はあまり焼けていないようだった。

顔が焼けて出血したからか、服が血で赤く染まっていた。

「エカイラ!?おい、中で何があった!?早く治療しねえと…」

「…いいわ。そこまで重症じゃないし…自分で治療できるわ。…それより。」

エカイラは、教会の方を指差した。

教会は燃え続けていたが、炎の勢いは少しずつ弱まっていく。

消防士の格好をしたモノクマとモノハムが、消火活動を行なっている。

『全く、火事なんて、ホント勘弁して欲しいよね!』

『全くでちゅ!火を消ちゅこっち側の労力も考えてくだちゃい!』

二匹は、ぶつくさと文句を言いながら火を消していた。

消火活動の末、火は完全に消えた。

『あー、やっと消えた。ん?なーに、オマエラ。』

「なあ、中で何があった!?中に入らせろ!!」

『さーね!気になるなら、自分の目で確かめてみれば!』

『消火ちゅるのが早かったので、まだ完全には燃えていまちぇん。建物が崩れる心配は無いので、安心ちて中を確認できまちゅね!』

モノクマとモノハムは、やけに不機嫌だった。

…せっかく用意したエリアが燃えたからか?

いや、そんな事はどうでもいい。

とにかく、今は教会の中で何があったのかをこの目で確かめないと…

俺達は、教会の中に入った。

教会は、内部だけが焼けていて、外側までは焼けていなかった。

部屋の中を探すと、部屋の中央に何かが転がっているのが見えた。

「…う゛ッ!?」

()()が放つあまりの悪臭に、思わず吐き気を催した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転がっていたのは、炭化した死体だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死体は完全に炭化していて、もはや原型を留めていなかった。

そしてどういうわけか、両足が無い。

「えっ…な、なにこれ…」

「ッ!!?これ、死体…ですよね?」

「死体の大きさから察するに、おそらくカツトシちゃんの死体ね。」

「そんな…!」

嘘だろ…?

そんな、なんで勝利が…

なんでだよ…お前、彼女のために生きてここから出るって言ってたじゃねえかよ…!

なのに、なんで…!

「あの、菊池さん…」

「…れが…た。」

「…え?」

 

「誰が殺したかって聞いてんだよ!!!」

 

俺は、怒りのあまり怒鳴り散らした。

「菊池さん、落ち着いてください!今ここで皆さんを責めても、何にもなりません!」

「うるせェ!!…勝利は、一緒にここから出ようって約束した仲間だったんだぞ!?なのに、なんで…!なんで殺した!?勝利に恨みでもあったのかよ!!」

「サトにい!!」

「あっ…」

アリスの声で、俺は我に返った。

「カツにいがこんな事になって、悔しいのが自分だけだと思わないで!みんな、サトにいと同じなんだよ!だから、落ち着いて!」

「…!…そうだな。ごめん、みんな。俺、熱くなってたみたいだ。」

「では、手分けして手掛かりを探しましょう。」

「…そうだな。…あれ?そういえば、床前は?」

「あ…確かにいらっしゃいませんね。でも、あの方は気分屋ですので…死体アナウンスの放送の後で来るんじゃないでしょうか?」

「そう、なのかな。じゃあ、とりあえず来るのを待つか。その間に、俺達は手掛かりを…あれ?」

「どうしたのサトにい?」

「あそこにあるのって、宝箱だよな?」

「そうですね。…あ、あれは、博物館に置いてあった宝箱ですね。」

「そうなのか?」

誰かが持ち運んだって事か?

でも、なんでこんなところに…

「とりあえず、開けるぞ。今のところ、何もわからないままだからな。」

「はい、お願いします。」

俺は、恐る恐る宝箱を開けて、中を覗いた。

 

 

 

「ぎゃあぁあああああっ!!?」

俺は、思わず声を大にして叫び、尻餅をついた。

「菊池さん!?どうしたんですか!?」

「…あ、あああああ…」

俺は、震える手で箱を指差した。

「?」

全員が箱の中身を確認した。

「ーーーーーーーーッ!!」

「…え。」

「うわぁ…」

「…!!」

全員が、顔を青白くして箱の中身を見た。

いきなり視界に飛び込んできた、生気の無い引きつった笑顔。

その笑顔は、俺達への嘲りの表情に思えた。

流れ出る血は、箱の中で溜まっていた。

箱の中には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『超高校級の幸運』床前渚の生首が入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!」

「…そんな…」

「あ…あ…」

「…。」

全員が、あまりの出来事に、言葉を失っていた。

一緒に箱に入っていた地図が、窓から吹き込んだ風を受けて舞った。

地図の裏には、楽譜が書かれていた。

 

その楽譜を見たジェイムズが呟いた。

 

 

「…Gloomy Sunday(暗い日曜日)….」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロシアイ合宿生活 残り5名




前回の感動回を台無しにしてやりました。
トコマエダ様がついにマミったw
犯人は一体だーれだ♬
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。