玉木クンハピバ!
エレベーターが止まり、扉が開いた。
全員が裁判場に到着し、証言台の前に立つ。
そして、赤くバツ印が書かれた遺影が2枚増えていた。
見下したような笑みを浮かべる神城と、本性を表す前の優しい笑顔の床前の遺影だった。
そして、玉木の席には、黄色いペンキでクエスチョンマークが書かれた遺影が置かれていた。
「…神城さん、床前さん…」
『…。』
ジェイムズとリタは、遺影から目を背けた。
『あれあれあれ?なんか皆様元気ないでちゅね!』
「…。」
もう、みんなモノクマとモノハムの挑発に乗る気力すら無かった。
仲間を12人も失った。
そのショックの大きさに、耐えられるわけがなかった。
『オマエラ、なんかお通夜みたいなムードだけど、はたして落ち込んでる場合なのかな?さてさてさーて、全員揃った事だし、始めちゃおっか!ハラハラドキドキの学級裁判を!』
コトダマ一覧
【モノクマファイル①】
1人目の被害者は『超高校級の幸運』床前渚。
死体発見現場は、北エリアにある教会。
死亡推定時刻は15:24頃。
死因は、斬首による失血死。
死体にその他の傷はほとんどない。また、死体の顔は笑みを浮かべている。
【モノクマファイル②】
2人目の被害者は不明。
死体発見現場は、北エリアにある教会。
死亡推定時刻は15:50〜16:00頃。
死因は、全身が焼けた事による火傷及び失血死。
死体は完全に炭化しており、両足が爪先から脛にかけての十数cmほど欠けている。
【少し融けた十字架】
教会に落ちていた。
少し溶けているが、継ぎ目のようなものがある。
【ガソリン】
教会に一斗缶が落ちていた。
これが火事の原因と思われる。
【監視カメラの映像】
煙と炎で遮られ、犯行の映像が録画されていなかったという。
【炭化した死体】
教会の中心部に倒れていた。完全に炭化している。
【両足がない死体】
何故か、死体には両足が無かった。
【エカイラの証言】
死体から見つかった布の端が、勝利のユニフォームだった。
【日本刀】
死体が握っていた。古い血が付着している。
血の量と古さから、床前の首を切断した凶器ではないと思われる。
【エカイラの容態】
顔面全体に火傷を負っていて、もはや顔の原型をとどめていない。
【エカイラの声】
かすれたような違和感のある声。本人は、火事の煙を吸ったせいだと言っている。
【治療を拒否するエカイラ】
治療を勧めたが、自分で治療したからいいと言って頑なに聞かなかった。
【エカイラの手当て】
顔や手に包帯を巻いただけの、素人レベルの治療。
【砕けた両足】
死体の足の部分から、砕けた炭のようなものが見つかった。
おそらく足が砕けたのだと思われる。
【ジェイムズの証言】
床前の首は、刃物のようなもので切断された可能性が高い。
首の切り口から、犯人は相当の手練れだと思われる。
【笑顔の死体】
床前の死体は、口角が吊り上がっていて笑っているように見える。
【麻薬】
床前の死体から、麻薬のようなものが検出された。
【消えたコユキソウ】
植物園にあったコユキソウがなくなっていた。
【消えた宝箱】
博物館の宝箱がなくなっていた。
【消えた斧】
博物館の斧がなくなっていた。
【コユキソウの効力】
コユキソウには、幻覚や無痛覚などの、麻薬に似た効力がある。
効果は、並の麻薬よりも強い。
【防火加工の宝箱】
床前の首が入っていた宝箱は特殊な素材でできており、熱への耐性が非常に優れている。
また、人一人分くらいは入る大きさだ。
【地図】
宝箱の中に入っていたこの島の地図。
ちょうど教会の位置に、バツ印が書かれている。
【楽譜】
地図の裏側に書かれていた楽譜。
『暗い日曜日』という、自殺の聖歌と呼ばれている曲の楽譜らしい。
【あぶり出し】
以前は、地図の裏に楽譜は書かれていなかった。
おそらく、熱で元々書かれていた楽譜があぶり出されたのだと思われる。
【隠し部屋】
教会の床板が外れるようになっており、その下は地下空間になっていた。
【床前の死体】
地下空間に転がっていた。
【血塗れの斧】
床前の近くに落ちていた。
刃の部分には血が付着していた。
【地下室の木箱】
地下空間に置いてあった宝箱に、ガソリンの一斗缶が入っていた。
似たような木箱が、他にもあった。
【エカイラのプレゼント】
俺が、診療所でエカイラにプレゼントしたマニキュアだ。
この事を知っているのは、俺とエカイラのみ。
【全員分のアリバイ】
俺とアリスは、アリスの部屋でゲームをしていた。
ジェイムズとリタは、島中を散歩していたらしい。
エカイラは、教会で脱出の手がかりを探していたそうだ。
学級裁判開廷!
『じゃ、好きに議論を進めてくださーい!』
ジェイムズ「まずは何について議論しましょうか。」
菊池「まずは、モノクマファイルを読むべきだと思う。事件の概要を把握するためにもな。」
ジェイムズ「そうですね…では、私が読み上げます。1人目の被害者は『超高校級の幸運』床前渚。死体発見現場は、北エリアにある教会。死亡推定時刻は15:24頃。死因は、斬首による失血死。死体にその他の傷はほとんどない。また、死体の顔は笑みを浮かべている。2人目の被害者は不明。死体発見現場は、北エリアにある教会。死亡推定時刻は15:50〜16:00頃。死因は、全身が焼けた事による火傷及び失血死。
死体は完全に炭化しており、両足が爪先から脛にかけての十数cmほど欠けている。…皆さんも把握していらっしゃいますよね?」
エカイラ「ええ。じゃ、早速議論しましょ?まずは何を解き明かすべきかしら?」
菊池「じゃあ、まずは死因からかな…床前の方から紐解いていこう。」
議論開始!
ジェイムズ「床前さんは、どうやって殺されてしまったんでしょうか…」
リタ『火事現場にいたので、煙を吸って窒息死したとか…』
アリス「窒息死かあ…」
エカイラ「確かに、あの炎の中だもんねぇ。一酸化炭素中毒で死んだとしても、おかしくないんじゃないかしら?」
今のリタの発言はおかしい!!
【窒息死した】←【モノクマファイル①】
「それは違うぞ!」
論破
リタ『僕、何か変な事言いましたか?』
菊池「リタ、床前の死因は、首を斬られた事による失血死だってファイルに書いてあっただろ。」
リタ『そうでしたね…ごめんなさい。うっかりしていました。』
エカイラ「そうなると、次は凶器かしら?」
ジェイムズ「そうですね。床前さんの首を斬り落とした凶器…犯人は何を使ったのでしょうか?」
議論開始!
アリス「ギロチンとかぁ?」
ジェイムズ「斧のようなものを使ったのかも…」
リタ『刀で刎ねたという可能性は…?』
【斧】←【血塗れの斧】
「その意見、賛成だ!!」
同意
菊池「床前の首を斬り落とした凶器は、斧だと思うぞ。」
ジェイムズ「成程…それにしても、酷い殺し方ですよね…いくら相手が床前さんだとはいえ、斧で首を切断するなんて…犯人は一体何を考えているんでしょうか…?」
アリス「それを今考えても意味なくない?まだ犯人すら見つかってないわけだし。」
ジェイムズ「そ、そうですね…」
反論
「ン〜、サトシちゃんって、ちょっと甘いわよね〜。」
エカイラ「あのさぁ、なんで凶器が斧だって断言できるのよ?」
菊池「現場から、血の付いた斧が見つかった。付着していた血の量や周囲の状況から察するに、あれが凶器だと判断した。」
エカイラ「そうとは言い切れないんじゃないかしら?だって、犯行現場からは日本刀も見つかってるのよ?アレにだって血はついてたし…凶器は、リタちゃんの言う通り日本刀っていう可能性だって十分あり得るわ。凶器は日本刀、これがアタシの答えよ!!」
今のエカイラの発言は明らかにおかしい!!
コトダマ提示!
【日本刀】
「その愚論、切らせてもらう!!」
菊池「エカイラ、床前を殺した凶器が日本刀だって事は、あり得ないんだ。あれは、おそらく凶器をミスリードさせるために犯人が仕掛けた罠だ。」
エカイラ「なんで?言ってる意味がわからないわよ。なんでナギサちゃんの首を刎ねた凶器が日本刀じゃないのよ!!証拠はあるの!?ちゃんと説明しなさいよ!!」
菊池「お前が俺に渡した日本刀の特徴をよく思い出してみろ。あれには確かに血がついていたが…変だとは思わなかったか?付着してる血の量が、首を刎ねたにしては明らかに少なすぎるんだよ。」
エカイラ「そんなの、振り回してるうちに吹き飛んだのかもしれないじゃない!もしくは、後で少し拭いたとか…」
菊池「だったら、完全に拭き取られてないのは不自然だろ?そもそも、拭き取った跡なんて無かったしな。」
エカイラ「何それ!!さっきから、何が言いたいのよサトシちゃん!!」
菊池「それだけじゃないぞ。付着していた血が、明らかに古いんだよ。少なくとも、付着してから半日以上は経ってる。床前が殺されたのが今日の3時半くらいだから…あれで首を刎ねたっていうのは、さすがにちょっと無理があるだろ。」
エカイラ「あっ…そうね、確かに言われてみれば、サトシちゃんの言う通りだわ。ごめんなさい。アタシ、ちょっと頭に血が上ってたわ。」
アリス「だったら、日本刀に付いてた血は一体なんなの?」
ジェイムズ「それなら多分、アリ…いえ、カムクライズルさんが私の腕を斬り落とした際に付着したものだと思われます。アリスさん、犯行現場にあった日本刀…あれは、貴女の物ですよね?」
アリス「…うん。ムズにい、あの時は本当にごめんね。」
ジェイムズ「別にもう終わった事ですし、気にしていませんよ。そんな事より、今は事件の謎を解き明かすのが最優先です。」
アリス「…うん。そうだね。じゃあ、次は何について話し合おうか?」
エカイラ「その斧が、どこから持ってきた物なのかが気になるわね…」
菊池「それについてなら、心当たりが無い事はないぞ。」
コトダマ提示!
【消えた斧】
「これだ!!」
菊池「床前の首を切断した斧…あれは多分、博物館に展示されていた斧だ。」
アリス「そうなの?」
リタ『僕も、菊池の意見に賛成です。僕が博物館を見た時、展示されていた斧がなくなっていました。多分、その斧だと思います。』
ジェイムズ「そうでしたか。私が床前さんの死体を調べている間、博物館を調べていてくださったのですね!リタさん、お手柄です!」
リタ『ありがとうございます。』
菊池「確かに、あの斧は、確か処刑で首を切断するための斧だったからな。床前の殺害にあの斧を使った可能性が高いな。」
エカイラ「なるほどねぇ…となると、次は何を議論すべきかしら?」
菊池「そうだな…」
議論開始!
リタ『じゃあ、床前が殺された場所について議論するのはどうですかぁ?』
菊池「そうだな。」
ジェイムズ「床前さんがどこで殺されたのか…どなたか、心当たりのある方はいらっしゃいますか?」
床前が殺された場所…
多分、あそこだろうな。
コトダマ提示!
【隠し部屋】
「これだ!!」
菊池「床前が殺されたのは、恐らく教会の地下にある隠し部屋だ。」
ジェイムズ「か、隠し部屋…!?」
エカイラ「…そんな空間があったのね。アタシ、初耳よぉ。」
菊池「…。」
リタ『ですよねぇ。そんな部屋があったなんて、僕知りませんでしたよ。』
コトダマゲット!
【不自然な発言】
ジェイムズ「でも、その部屋で殺されたという証拠はあるんですか?」
菊池「ああ、証拠ならちゃんとある。」
コトダマ提示!
【床前の死体】
「これだ!!」
菊池「床前の死体が、その隠し部屋から見つかったんだ。さっき言ってた斧も、そこで見つけたんだ。地下空間が犯行現場と見て間違いない。」
ジェイムズ「…後から死体を運んだという可能性は?」
菊池「無いな。人体ほど大きな物を持ち運ぼうとなると、何かしら痕跡が残るはずだ。だが、地下空間にはそういった痕跡は一切無かった。」
アリス「そっかぁ…でも、それだけじゃまだわからないね。…ねえサトにい、ナギねえの死体に、何か変なところとかなかった?」
菊池「変なところ…」
アレを提示してみるか?
コトダマ提示!
【笑顔の死体】
「これだ!!」
菊池「床前の死体が、なぜか笑ってたんだ。」
アリス「え、死んだのに笑ってんの?気持ち悪っ。」
ジェイムズ「アリスさん、今はそういう場面ではありません。」
リタ『でも、確かに不自然ですよねぇ…なんで死体が笑ってたんでしょうか?」
議論開始!
アリス「死ぬ前にくすぐられたとかぁ?」
ジェイムズ「アリスさん、真面目に考えてくださいよ。」
リタ『菊池が殺したからじゃないですかぁ?」
菊池「俺は床前を殺したりなんかしてねえよ。」
エカイラ「クスリでもキメてたんじゃないの?」
…あの意見が正しそうだな。
【クスリ】←【麻薬】
「その意見、賛成だ!!」
同意
菊池「ジェイムズの検視結果によると、床前の体から麻薬の成分が検出されたらしい。」
ジェイムズ「はい。口内から検出されたので、恐らく麻薬かそれに近いものを口から摂取したのだと思います。」
アリス「麻薬かぁ。具体的にどんな薬なのか心当たりはあったりするの?」
コトダマ提示!
【消えたコユキソウ】【コユキソウの効力】
「これだ!!」
菊池「床前は、多分コユキソウを食わされたんだ。」
リタ『コユキソウを、ですか…?』
菊池「ああ。コユキソウの効力は、麻薬の強力版らしいからな。なあ、ジェイムズ。」
ジェイムズ「はい。」
菊池「それに、植物園にあったコユキソウがなくなっていた。多分、犯人が摘み取って床前に食わせて、その後で首を切断したんだろう。」
アリス「なんでわざわざそんな事を…」
菊池「コユキソウには、痛覚を著しく鈍らせる効果がある。だから床前にコユキソウを食わせてから首を刎ねたんだ。暴れさせないために食わせたのか、せめて苦しまないように殺そうっていう犯人の思いやりなのかまではわからないがな。」
エカイラ「女の子の首を平気で斬り落とすような奴が、ナギサちゃんにそんな情けをかけたりするかしらねぇ。」
菊池「それは俺にもわからねえって。…うーん、これ以上は議論しても何も出てこないか。そろそろ、議題を変えるか?」
ジェイムズ「そうですね。玉木さんの死の状況についても、整理しておきたいですし。」
議論開始!
リタ『玉木はどうやって殺されたんでしょうかぁ。』
ジェイムズ「モノクマファイルに書いてある事から察するに、焼死でしょうね。」
アリス「あの火事で焼け死んじゃったのか…」
エカイラ「本当にそうなのかしら?」
ジェイムズ「と、申しますと?」
エカイラ「既に死んでいる死体を運んできて、教会での焼死に見せかけたって事はない?ゴミ処理室にあった焼却炉でも、人を燃やすことはできると思うんだけど。」
今のエカイラの発言はおかしい!!
【教会での焼死に見せかけた】←【モノクマファイル②】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「エカイラ、それはないと思うぞ。」
エカイラ「どうしてよ。」
菊池「モノクマファイルに、勝利が死んだ時間が書いてあっただろ?あれは、火事が起こった時刻と一致していた。つまり、勝利はあの火事で焼け死んだって見て間違いないんだよ。」
エカイラ「あら、そうね。アタシ、うっかりしてたわ。ごめんなさい。」
ジェイムズ「火事となると、気になるのは火事の原因ですよね。犯人は、何を使って教会に火をつけたんでしょうか?」
菊池「それは…」
コトダマ提示!
【少し融けた十字架】
「これだ!!」
菊池「教会に、少し融けた十字架が落ちていた。エカイラ、この十字架に見覚えはないか?」
エカイラ「ん?あー、そういう事ね。」
アリス「どういう事なの?」
エカイラ「これ、ただの十字架じゃなくて、実はオイルライターになってるのよ。アラ?言った事なかったかしら?」
菊池「エカイラの言う通り、これはライターだ。これを使って、教会に火をつけたんだ。」
ジェイムズ「あの…菊池さん。」
菊池「ん?どうしたジェイムズ?」
ジェイムズ「火炎放射器などならまだしも、そんな小さなオイルライターで教会を燃やすなんて、どう考えても現実的ではありません。という事は、火事を促進させる物があの場にあった筈なんです。…何か心当たりはありませんか?」
菊池「それなら、心当たりがある。」
コトダマ提示!
【ガソリン】
「これだ!!」
菊池「教会を燃やすのに犯人が使ったのは、おそらくガソリンだ。」
リタ『ガソリン、ですか…?』
菊池「ああ。現場に、ガソリンの一斗缶が落ちていた。あれなら、教会を燃やせると思うんだが?」
ジェイムズ「成程。その可能性が高いですね。ガソリンは発火点が非常に低く、また揮発性が高いので、一斗缶ひとつあれば教会を燃やす事は十分可能かと。」
アリス「なるほどね…ねえ、でもさぁ、そのガソリンはどこから持ってきたのかな?」
ジェイムズ「それは私にもわかりませんね。リタさんと二人で散歩をしていた時、売店にも行ったのですが、持ち出された危険物は特にありませんでしたからね。」
菊池「お前…そんなのチェックしてたのかよ。」
ジェイムズ「はい。万が一にも、殺人事件が起こっては困りますから。4回目の裁判の日からは毎日、散歩がてら売店に置いてある危険物の数が足りなくなっていないかチェックしていたんです。…それなのに、まさか事件が起こってしまうなんて…」
リタ『ガソリンは、売店から持ち出されたわけじゃないって事ですね。じゃあ、どっから持ってきたんでしょうか?』
それは…
コトダマ提示!
【地下室の木箱】
「これだ!!」
菊池「地下室に、ガソリンの一斗缶が入った木箱が大量に置いてあった。おそらく、そこから一つ持ってきたんだ。」
ジェイムズ「えっ、地下にそんな物があったんですか!?…物騒ですね。でも、大量にガソリンがあって、燃え移ったりしていないのはなぜなんでしょうか…」
菊池「地下室には防火加工が施されてるってモノクマが言ってたな。」
リタ『なるほど…』
アリス「ねえ、ちょっといいかな?」
議論開始!
アリス「ひとつ気になった事があるから言っていい?」
菊池「なんだ?」
アリス「ガソリンってさ、地下室にあったんだよね?でも、地下室は、私が捜査中に初めて見つけたんだよ?それも、結構入念に調べてやっと見つけたんだよ?それなのに、犯人はなんで地下室にガソリンがあるって事を知ってたの?」
ジェイムズ「どういう事ですか?」
アリス「だってさぁ、今回の火事って、見るからに計画的犯行じゃん?地下室のガソリンぶっかけて教会を燃やすなんてさ。そんなの、最初から計画もしてないのにできるかなぁ。やっぱり今回の火事を起こした犯人は、地下室にガソリンがある事を知ってたんじゃない?」
ジェイムズ「床前さんが殺害されたのも地下室ですよね?ただ単に床前さんを殺害した犯人が、地下室のガソリンの事を他の誰かに喋ったとか…」
アリス「そんな事するメリットはないよね?仮にここにナギねえを殺した犯人とカツにいを殺した犯人が別々にいたとして、その人達が協力するメリットもないし…だってそんな事しても、少なくとも一方は死んじゃうんだもん。だったらやっぱり、火事を起こした犯人は自分でガソリンの事を知って、火事を起こすために作戦を練ったんじゃないのかなぁ。」
リタ『そこでたまたまガソリンを見つけたから、それを使って燃やしたって事はないですか?』
アリス「たまたま見つけたからって、当初の計画になかった事をいきなりやると思う?そんな事したら、私達にすぐにバレちゃうかもしれないのに。」
ジェイムズ「何が言いたいのですか?」
アリス「犯人は、地下室の事もガソリンの事も全部知ってて、今回の計画を実行したんじゃないかって事だよ。ナギねえを地下室で殺したのも、カツにいを教会ごと焼いて殺したのも、全部犯人が最初から計画してたんだよ。」
アリスが珍しく冴えてるな。
俺が気づかなかったような事を、どんどん言い出してきやがる…
アリス「ただ、わからないのが、犯人が地下室のガソリンの事を知った経緯なんだ。なんで犯人は地下室にガソリンがある事を知ってたのかな?」
それは…
犯人が地下室にガソリンがある事を知っていた理由は?
A.【勘】
B.【今回の犯人こそが全ての黒幕】
C.【透視】
D.【隠された暗号を解いた】
D.【隠された暗号を解いた】
「これだ!!」
菊池「犯人が、ガソリンを使って教会を燃やす事を計画した理由…それは、隠された暗号を解いたからだ!!」
アリス「暗号?」
菊池「ああ、実は、犯人は何も自分で教会を燃やす事を思いついたわけじゃない。暗号の指示に従っただけなんだ。」
ジェイムズ「暗号の指示に従った…そんな暗号と呼べるような物、ありましたかね?」
菊池「みんな、思い出してみろ。みんなも絶対見ている物のはずなんだ。」
リタ『僕達が見ている物、ですか?』
菊池「そうだ。」
コトダマ提示!
【地図】【楽譜】
「これだ!!」
菊池「ジェイムズとリタが見つけてくれた地図…これこそが、犯人に今回の事件を引き起こさせた暗号だったんだ!!」
リタ『それ、確かこの島の地図ですよねぇ。』
アリス「ちょうど教会の位置にバツ印があるけど…それが何?」
菊池「これは、教会に何かが隠されているって事を示すための印だ。」
エカイラ「でも、それだけじゃ火事となんのつながりもないわよ。」
菊池「そうだな。本題はここからだ。この地図の裏を見てほしい。」
エカイラ「アラ。楽譜が書いてあるわね。その楽譜がどうしたの?」
菊池「この楽譜は、『暗い日曜日』っていう、自殺の聖歌と呼ばれている曲らしい。多分、俺達より先にこの島にいた誰かが、この地図と楽譜を遺したんだ。」
エカイラ「書いてある文字から察するにドイツ人かしらね。でも、それがなんだっていうのよ?」
菊池「エカイラ、お前はこの地図を見たとき、違和感を感じなかったか?」
エカイラ「違和感?…あ、そういえば、アタシがこの前その地図を見た時、楽譜が書かれていたのは一部だけだったわ。」
菊池「そうなんだ。なんで今まで書かれていなかった楽譜がここに書かれているのか…それこそが、この暗号のミソなんだ!」
エカイラ「勿体ぶってないで教えなさいよ。」
地図の裏面に楽譜を出現させた方法…それは…
コトダマ提示!
【あぶり出し】
「これだ!!」
菊池「犯人は、地図の裏の楽譜をあぶり出して出現させたんだ。」
アリス「あぶり出し…?」
ジェイムズ「恐らく、地図の裏には予め透明な液体で楽譜が書かれていたんです。その文字が、紙が火か何かで加熱された事によって浮かび上がったというわけです。」
エカイラ「でもそれのどこが暗号なの?」
菊池「教会、自殺、火…この地図に隠された暗号は、この3つだ。」
ジェイムズ「まさか…!」
菊池「そうだ。この地図で示されていたのは、今回の事件現場となった教会に火事で人を焼き殺すための仕掛けがあるって事なんだ!」
アリス「!!」
リタ『ちょっと無理矢理すぎませんか?』
菊池「確かにな。でも、この暗号を書いたのは俺じゃないから、この際それは置いといてくれ。」
リタ『…まあ、いいです。それで犯人は、その仕掛けに気づいたから、今回の事件を起こしたって事ですか?』
菊池「そういう事だ。」
アリス「ふんふん、私の疑問はこれで解消できたよ。…で、肝心の犯人は誰なんだろうね?」
菊池「…1人だけ、心当たりがある。…さらに言うと、床前を殺したのもソイツだ。」
…そう、こんな事をできる奴はアイツしかいない…!
床前の首を切断し、俺の親友…勝利を焼き殺した犯人…それは…
人物指定
『超高校級の弁護士』菊池論
『超高校級の???』アリス
『超高校級のサッカー選手』玉木勝利
『超高校級の大学教授』ジェイムズ・D=カークランド
『超高校級の外務大臣』リタ・アンカーソン
『超高校級の幸運』床前渚
『超高校級の死神』伏木野エカイラ
菊池「…お前が犯人だったんだな、エカイラ。」
エカイラ「アラ。アタシ?」
菊池「…エカイラ、お前が犯人としか考えられないんだ。」
エカイラ「…。」
バンッ
エカイラは、いきなり証言台を叩いたと思うと、深くため息をついた。
エカイラ「ハァ〜‥」
菊池「…エカイラ?」
エカイラ「ねえ、サトシちゃん。証拠はあるの?アタシがナギサちゃんとカツトシちゃんを殺したっていう明確な証拠は!!」
議論開始!
エカイラ「大体ねえ、アンタの推理は穴だらけなのよ!!さっきの暗号のくだりも、マジでイミフだったわ!!地図の裏に、あぶり出しで自殺の聖歌の楽譜が書かれてたから、教会に火事を起こすための仕掛けがあるのに気づいたですって?はぁああ!!?何よその屁理屈!!」
菊池「だから、それは俺が作った暗号じゃないから俺に言われても…」
エカイラ「お黙り!!あのねえ、あの火事を起こす事なんて、誰にでもできたはずよ!!」
【誰にでもできた】←【全員分のアリバイ】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「その時間帯、俺とアリスはゲームをしてたし、ジェイムズとリタは一緒に散歩をしていたんだ。…わかるか?単独行動をしていたのはエカイラ!!お前だけなんだよ!!」
ジェイムズ「菊池さん達と私達には、お互いを庇い合う理由がありませんからね。そうなれば、エカイラちゃんさん。単独行動を取っていた貴方が犯人で決まりです。」
エカイラ「ぐっ…ま、まだよ!!まだ、私がナギサちゃんを殺したっていう証拠がないじゃない!!ナギサちゃんの首を刎ねる事くらい、アタシじゃなくてもできたはずよ!!」
【アタシじゃなくてもできた】←【ジェイムズの証言】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「ジェイムズ。床前の首の切断面はどんな様子だったか教えてくれ。」
ジェイムズ「はい。床前さんの首の断面は、頸椎の継ぎ目が綺麗に切り離されていて、断面の周りがボロボロになったりもしていませんでした。恐らく、首を刎ねるのに斧を振り下ろした回数は、1回だけだと思います。たった1回で頸椎の継ぎ目に寸分も狂わず正確に刃物を振り下ろすなんて、普通の人間が出来る芸当ではありません。」
菊池「そんな人間離れした事が出来る奴は、俺が知る限りではエカイラ。お前だけだ。」
エカイラ「そ、そんなの…あーちゃんにもできるかもしれないでしょ!?ホラ、あーちゃんは元々カムクライズルだったじゃない!」
リタ『アリスの中のカムクライズルは、事件前にとっくに消滅してます。今のアリスに、そんな化け物じみた芸当はできません。』
エカイラ「ぐっ…!」
菊池「エカイラ。地図の暗号に気付いたお前は、コユキソウと斧を盗み、暗号の通り教会に大量のガソリンがあるのを確認して、まず床前を教会の地下室に呼びつけたんだ。そして、床前にコユキソウを食わせて、首を斬って殺した。さらに勝利を呼びつけて、ガソリンとオイルライターを使って教会に火をつけて火事を起こし、勝利を焼き殺したんだ。そして、火事の被害者を装って、何食わぬ顔で俺達の前に現れた。これがこの事件の真相だ!!そうなんだな、『超高校級の死神』伏木野エカイラ!!」
エカイラ「…ふぅ、アタシの負けね。あーあ、もうちょっと騙せると思ったんだけどな。」
ジェイムズ「エカイラちゃんさん…何故そんな事を…」
エカイラ「アラ。今から死ぬ相手にそれ聞く?さ、クマちゃん、ハムちゃん。アタシもう疲れちゃった。早く始めちゃって?」
『おやあ?もう答えが出たんですか?みんな、本当にそれで大丈夫?』
エカイラ「ええ。アタシがやったのよ。」
菊池「ああ、それでいい。」
ジェイムズ「はい。」
リタ『…はい。』
これが真相だ。
俺は、何も間違ってない。
…でも、なんだ。この違和感は…
何か、大事な事を見落としてるのか…?
『…そうですか。ではでは、投票ターーーーーーー…
「待って!!!」
学級裁判中断!