「待って!!!」
声を上げたのは、アリスだった。
菊池「…アリス?」
アリス「えっと…決断を下すにはまだ早い…と、思う。」
アリスは、少し恥ずかしがりながら言った。
ジェイムズ「しかし、エカイラちゃんさんがお二人を殺した犯人…そうとしか考えられません。」
エカイラ「…あーちゃん、アタシを庇ってくれるの?嬉しいわ。…でもね、もうクロは決まりきったようなものなのよ。ほら、クマちゃん。アタシもう疲れちゃったし、早く投票始めちゃってよ。」
アリス「…ねえ。」
アリス「あなたは一体誰なの?」
エカイラ?「…はぁ?」
アリス「あなたは兄さんじゃないわ。あなた、本当は誰なの?」
何…?
目の前にいるエカイラが、エカイラじゃないだと…!?
エカイラ?「何ワケのわかんない事言ってんのよ!!アタシはアタシ!!『超高校級の死神』伏木野エカイラよ!!」
アリス「ううん。あなたは私の兄さんじゃない。私にはわかる。だって、たった一人の兄妹だもの。答えて。兄さんを一体どこへやったの?あなたは一体誰なの!?」
エカイラ?「アンタ、さっきから言ってる事がワケわかんないのよ!!アタシとアンタが兄妹だからわかるですって!?ただたまたま血が繋がってただけじゃないのよ!!今まで一緒に育ってこなかったくせに、今更兄妹面して…気持ち悪いのよアンタ!!アタシはエカイラだっつってんでしょうが!!アタシはアタシ!!それ以外の何者でもないわ!!」
ジェイムズ「そうですよアリスさん!!この人は、私達のよく知るエカイラちゃんさんです!」
リタ『二人の言う通りです…!エカイラが別人なんて…ありえないです…!』
コイツがエカイラじゃない…?
正直、俺もそんなバカな事あるわけないと思ってる。
でも、そう言われると、いくつか納得できる事があるな…
…ここは、アリスの事を信じてみよう。
菊池「…俺も、アリスの意見に賛成だ。」
アリス「サトにい…!」
菊池「一回、目の前のコイツが本当にエカイラなのかどうか、確かめてみるべきじゃないか?」
エカイラ?「確かめるも何も、アタシがエカイラだっつってんでしょうがよ!!」
『おやおや、意見が分かれてしまいましたね!』
『ちょういう時は、オイラ達の出番でちゅ!』モノクマがボタンを押すと、証言台が移動した。
対立するように、席が並ぶ。
『さてさてさーて、じゃあ好きなだけ話しあってね!』
意見対立
議論スクラム
目の前にいるのは伏木野エカイラか?
『エカイラだ!』ジェイムズ、リタ、エカイラ
『エカイラじゃない!』菊池、アリス
エカイラ?「アタシはエカイラだっつってんでしょうが!!」
アリス「違う…!あなたは兄さんじゃない!!」
ジェイムズ「全てエカイラちゃんさんがやったとすれば説明がつくんです!!」
菊池「まだそれだと説明がつかない事があるんだよ!!」
リタ『この人はエカイラです!そうとしか考えられません!!』
菊池「そうとは言い切れない理由があるんだ!!」
コトダマ提示!
【そうとしか考えられません】←【エカイラの容態】
「これだ!!」
「「「「これが『俺達』『私達』の答え『だ』『だよ』!!!」」」」
菊池「アリスの言う通り、目の前のソイツがエカイラだとは言い切れない。」
ジェイムズ「どうしてですか!?」
菊池「ソイツの顔を見てみろ。顔中を火傷してて、顔が包帯でグルグル巻きになってるんだぞ?本人かどうかなんてわからないだろ。」
アリス「それに、雰囲気が全然兄さんじゃないわ。きっと、誰かが兄さんと入れ替わったんだよ。」
リタ「でも、そんな事、できるわけ…」
エカイラ?「何よ!顔が焼けてるから何!?まさか、それだけで判断したわけじゃないでしょうね!?」
議論開始!
エカイラ?「アタシがエカイラじゃないっていうの!?ふざけんじゃないわよ!!違和感があるっていうの!?言ってみなさいよ!!」
【違和感】←【エカイラの声】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「お前、エカイラの声じゃないよな?見た目は火傷でごまかせても、声だけはごまかせねえからな!!」
エカイラ?「それは煙を吸っちゃったからだって言ってるじゃない!!」
菊池「煙を吸った割には、声が元気だよな?」
エカイラ?「そ、それは…」
菊池「お前、やっぱりエカイラじゃないんだろ!?」
エカイラ?「ぐっ…そ、それだけで判断されたんじゃ困るわ!現にアタシは何も不自然な事はしてないでしょ!?」
【何も不自然な事はしていない】←【治療を拒否するエカイラ】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「お前、俺が火傷の治療を勧めた時、拒否したよな?なんでだ?」
エカイラ?「たいしたことなかったから自分で治療したのよ!!悪い!?」
菊池「そんな重症を負ってるのに、か?そんな火傷負ってたら普通、自分で治療できようとできまいと治療を拒否したりしないだろ。」
エカイラ?「それは…」
菊池「他の誰かに治療なんてされたら困るからだろ?違うか!?」
エカイラ?「自分で治療できるからだって言ってんでしょ!?アンタ、さっきから言ってる事がメチャクチャなのよ!!」
【自分で治療できる】←【エカイラの手当て】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「お前が治療を拒んだ理由は、自分で治療できるからじゃないんだろ!?」
エカイラ?「何それ!!アンタ、さっきから何が言いたいのよ!!」
菊池「お前の手当ては、身体に包帯をグルグル巻きにしただけ…検視もできるエカイラの手当てにしては、あまりにも粗雑すぎるんだよ!!いい加減認めろ!お前は、エカイラじゃないんだよ!!」
エカイラ?「な、何よさっきから!!じゃ、じゃあ…アタシは一体誰だって言いたいの!?」
コイツの正体…それは…
閃きアナグラム
頭の中に、言葉の断片が浮かび上がる。
それを、素早く拾って組み合わせ…完成させる!!
「これだ!!」
エ カ イ ラ ニ バ ケ タ カ ツ ト シ
【エカイラに化けた勝利】
菊池「お前の正体は、エカイラのフリをした勝利…違うか!!?」
エカイラ?「な、何よそれ…!!」
菊池「あの時焼け死んでいたのは、勝利じゃなくてエカイラだ。そして、俺達が死んだと思い込んでいた勝利…それはお前自身だ!!」
ジェイムズ「え、えぇえええええええ!!?この人が、エカイラちゃんさんじゃなくて玉木さん!?」
エカイラ?「な、何よ!どこにそんな証拠があるっていうの!?」
議論開始!
エカイラ?「アタシがカツトシちゃんで、あの死体がアタシ!?何ワケのわかんない事言ってんのよ!!あの死体は間違いなくカツトシちゃんよ!!文句があるなら言ってみなさいよ!!」
【あの死体は間違いなくカツトシちゃん】←【炭化した死体】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「死体は、完全に炭化していた。あの状態だったら、よっぽど念入りに死体を調べなきゃ、本人かどうかなんてわからないはずだが!?」
リタ『でも…あの死体は玉木だって…』
ジェイムズ「人間の思考というのは不思議なものですよね。一度正解だと思われるものを提示されると、それが正解だと思い込んでその他の可能性を無意識に除外してしまう…まんまと私も罠にかかってしまいましたよ。私達は、碌に調べもせずに、無意識のうちにあの死体が玉木さんだと思い込んでしまっていたんです。」
エカイラ?「な、何よ…!あの死体はカツトシちゃんだって言ってるでしょ!?まだわからないの!?」
菊池「あの死体が勝利のものだと言い切れない理由は、まだあるんだ!!」
コトダマ提示!
【両足がない死体】
「これだ!!」
菊池「あの死体には、両足がなかった。身長や足のサイズがわからなければ、本人だとは言い切れないだろ!?勝利、お前は、お前とエカイラとの身長差をごまかすためにエカイラの足を奪ったんだ!!」
エカイラ?「…ッ!!」
菊池「今思えば、俺も間抜けだな。
エカイラ?「はぁあああああああああああああああ!!?何それ!!ただのアンタの目の錯覚でしょ!?それに、たまたま足がなくなっちゃったのかもしれないじゃない!!たとえば、落ちてきた柱で下敷きになって砕けたとか…」
今の勝利の発言はおかしい!!
【たまたま足がなくなっちゃった】←【砕けた両足】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「実は、あの死体、近くに砕けた両足が転がってたんだ。あれは、どう見ても人為的に砕いたような砕け方だった。お前は、エカイラの身長をごまかすためにわざと炭化した足を砕いたんだ!!」
リタ『確かに…死体のそばには、柱とか落ちてなかったですしね。柱が倒れてきて死体の足が崩れたっていうのは、無理がありますよね。』
菊池「そうだ。あの死体は、勝利じゃなくてエカイラだ。…つまり。」
ジェイムズ「つ、つまり…?」
菊池「床前を殺したのは本物のエカイラ、そしてそのエカイラを殺したのは勝利…お前だ!!」
エカイラ?「はぁああああああああああああああ!!?なーにワケわかんない事言ってんのよ!!」
議論開始!
エカイラ?「何それ!?どういう事!?あそこに転がっていた死体がエカイラだって、何を根拠にそんなふざけた事ほざいてんのよ!?ちゃんと証拠はあんの!?あれは、間違いなくカツトシちゃんの死体よ!!おかしな点があるっていうのなら、言ってみなさいよ!!
【おかしな点】←【エカイラの発言】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「勝利、お前はやっぱり嘘をついているな。」
エカイラ?「はぁああああ!?何それ!!アタシ、嘘なんてついてませんけど!!」
菊池「じゃあ、あの発言は一体何だったんだ?」
エカイラ?「あの発言?なんの事よ!!」
菊池「お前は、俺に検視結果を報告した時、わずかに残った布の切れ端から、その死体が勝利だと判断したと言ったな?」
エカイラ?「それがなんだっていうのよ!!」
菊池「あのなぁ、普通、調べるんだったらまずは死体の特徴を調べるだろ。そんなの、素人でもわかる常識だろうが。例えば、体格とか性別とか…ちょっと身体に付着してた布の切れ端が勝利のユニフォームだって事が分かったのに、死体の体格の違いに気付かなかったっていうのはおかしな話なんじゃないのか?」
エカイラ?「何その揚げ足取りは!!カツトシちゃんのユニフォームを毎日見てたから、たまたま気づいたのよ!!」
菊池「うーん、でもやっぱりおかしいよな?」
エカイラ?「何がよ!!」
菊池「俺は、お前よりも5日も長くゲームに参加してたんだぞ?その俺が言われるまで気付かなかったのに、お前が気づいたっていうのはどう考えてもおかしいだろ。」
エカイラ?「アンタ、アタシが3年間の記憶を持ってんのを忘れたの!?アタシの方が、カツトシちゃんと長く過ごしてんのよ!!」
菊池「俺の顔をよく見ないと思い出せないほど記憶があいまいだったのに、カツトシのユニフォームの生地は覚えてたのか?都合が良すぎるだろ、そんな記憶。」
エカイラ?「なんなのよさっきから!!重箱の隅を突くような事ばっかり言って!!そんなにアタシをカツトシちゃんにしたいわけ!?ふざけんじゃないわよ!!」
ジェイムズ「ですが、モノクマファイルにも、あれが玉木さんの死体だとは明記されていませんでしたし…やはり、よくよく考えてみると貴方がエカイラちゃんさんだという根拠は薄いですよね。」
エカイラ?「何それ!?あんな信用できないファイルをアテにしてんの!?バッカみたい!!」
アリス「カツにい、カツにいだって、今まであのファイルに頼ってきたはずだよ。今更疑うようなものでもないよ。」
エカイラ?「カツにいって呼ばないでちょうだい!!アタシはエカイラだっつってんでしょ!!」
リタ『でも、確かに今回のファイルはちょっと曖昧でしたよねぇ。なんで今回のファイルはあんな雑なんでしょうか…?』
それは…
コトダマ提示!
【監視カメラの映像】
「これだ!!」
菊池「監視カメラには、炎と煙のせいで、あの死体の人間が死ぬ瞬間を録画できていなかったらしい。被害者が誰かをその目で正確に確認できていない以上、ああいう曖昧なファイルを作らざるを得なかったんだと思うぞ。」
ジェイムズ「裁判の判決の判断材料となる映像が無いなんて…学園長も案外おっちょこちょいなんですね。」
モノクマ『なんだとー!!?』
菊池「…もしくは、今回の火事自体、監視カメラに映らなくするための策略だったのかも…」
エカイラ?「ま、待ちなさいよ!!まだ謎は残ってるわよ!!サトシちゃん!!アンタの推理だと、アタシがあの死体に火をつけて殺したって言ってたけど…だったら、なんでアタシは生きてるのよ!?アタシは、あの燃える教会の中から出てきたのよ!?あの火事だったら、アタシも焼け死んでるはずよ!!」
コイツが顔のやけどだけで済んだ理由…それは…
コトダマ提示!
【防火加工の宝箱】
「これだ!!」
菊池「勝利。お前は教会が燃えている間、ずっとあそこにあった宝箱の中に隠れていたんだ。そして、頃合いを見計らって宝箱から出て、エカイラの足を潰した後、わざと顔をやけどして俺達の前に現れたんだ!!」
エカイラ?「はぁあああああああああ!?何そのゴミみたいな推理!!大体、その宝箱はどっから持ってきたっていうのよ!!?アタシが宝箱の中に隠れてたっていう証拠は!?」
それは…
コトダマ提示!
【消えた宝箱】
「これだ!!」
菊池「リタが調べてくれたんだが、実は博物館から宝箱がなくなっていたんだ。そして、その宝箱は、教会で見つかった宝箱と全く同じ形状だったらしい。…俺が何を言いたいのかわかるよな?」
エカイラ?「わかんないわよ!!何が言いたいのよアンタ!!」
菊池「お前は、博物館から盗んだ宝箱に隠れて、出ていくタイミングを伺っていたんだ!!違うか!?」
ジェイムズ「確かに、あの宝箱は防火加工された素材でできていますし、何より、少しではありますが中から外の様子が確認できます。隠れ場所としては、うってつけですね。」
エカイラ?「だから何!?アタシがエカイラを殺したって言いたいわけ!?」
菊池「そうだ。お前は、床前を殺したエカイラを焼き殺したんだ。」
エカイラ?「はぁ!!?何言ってんのよアンタ!!」
議論開始!
エカイラ?「黙って聞いてりゃ、アタシがカツトシちゃんで、アタシが本物のエカイラを殺したですって!?アンタ、さっきから言ってることがメチャクチャなのよ!!アタシがナギサちゃんとカツトシちゃんを殺したのよ!!」
今の勝利の発言はおかしい!
【アタシがナギサちゃんとカツトシちゃんを殺した】←【不自然な発言】
「それは違うぞ!」
論破
菊池「お前が勝利かどうかって事は、ひとまず置いておこう。…だが、今のお前の発言には明らかに嘘があった!!」
エカイラ?「嘘ですって?アタシの発言のどこが嘘だっていうのよ!!」
菊池「お前は、床前を殺してなんかいないんだよ!!」
エカイラ?「何それ!!アタシがナギサちゃんを殺したって言ってるじゃない!!しつこいのよアンタ!!なんでアタシがナギサちゃんを殺してないって言えるのよ!?」
菊池「…簡単な話だ。…お前は、
エカイラ?「はぁ!?知ってたに決まってんでしょ!?バカなのアンタ!?」
菊池「でもさっき、俺とアリスが地下室の話をした時、初耳だって言ってたよな?」
エカイラ?「それは、まだアタシが犯人候補に挙がってなかったから、ウソをついたのよ!!ホントは知ってたに決まってんでしょ!?」
菊池「そうか?俺には、あの反応が嘘をついている反応には見えなかったけどな。」
反論
「お黙りッ!!!」
エカイラ?「アンタの発言には、根拠が無いのよ根拠が!!アンタ達が地下室の話をした時、アタシはまだ犯人とすら疑われてなかったから、疑われないようにするためにあえて知らないってウソをついたの!!ホントは地下室の事なんて知ってわよ!!それとも何か?どうしてもアタシをカツトシちゃんにしたいから、どうでもいい事までこじつけて、都合のいいように裁判を進める気!?」
ジェイムズ「必死ですね…逆に、ここまで必死だと怪しいですよ。いい加減認めてください玉木さん。」
菊池「そうだ玉木。俺はもう、お前の見苦しい姿なんて見たくないんだ。もう、負けを認めてくれ。」
エカイラ?「何よ!!同情を買おうったってそうはいかないわよ!!だって、アタシはカツトシちゃんじゃない…紛れもなく、伏木野エカイラそのものなんだもの!!アタシがカツトシちゃんだっていう証拠もないくせに、偉そうな事言ってんじゃないわよ!!」
証拠…
決定的な証拠になるか分からないが、一か八か賭けてみるか…!
コトダマ提示!
【エカイラのプレゼント】
「その愚論、切らせてもらう!!」
菊池「…エカイラ、俺が間違ってた。やっぱり、お前はエカイラだよ。」
アリス「さ、サトにい…!?」
エカイラ?「ウフフ、やっとわかってくれたのねサトシちゃん。嬉しいわ。」
菊池「ああ。…ところで、ひとつ聞きたい事があるんだが。」
エカイラ?「何よ?」
菊池「お前、前に俺がやったプレゼント、地下室に落としたよな?調査中に拾ったんだが…」
エカイラ?「え、ええ…落としたわね。アタシとした事が、ドジね。まさか証拠をあの場に残しちゃうなんて…」
菊池「じゃあ、何を落としたのか言ってみろ。」
エカイラ?「えっ…」
菊池「そうだよな?答えられるわけないよな?だってお前は、地下室の事なんて知らないし、エカイラじゃないんだもんな?」
エカイラ?「ッーーーーーー!!!」
菊池「ちなみに、俺がプレゼントしてやったのはマニキュアだ。この事を知ってるのは、俺とエカイラだけ…エカイラだと名乗るお前が答えられなかったって事は、お前はエカイラじゃねえって事だ!!」
エカイラ?「ぐっ…」
菊池「…ここからは俺の推測になるが、お前、床前とエカイラに嵌められたんだろ?自分達を殺せば生き残れるとかなんとか言われて…お前の変装も、あの二人がグルだと考えれば納得がいくからなァ!!そうなんだろ!?勝利!!」
エカイラ?「ぐっ、あぁああああああ!!」
菊池「俺が引導を渡してやる。これがこの事件の真相だ!!」
クライマックス推理
頭の中に、漫画が浮かび上がる。
そこに、ジグソーパズルのように適切なピースを当てはめ…
これが事件の真相だ!!
Act.1
まず、今回の事件のきっかけは、俺達に配られたアプリだった。
犯人は、それを見た事で、おそらく全員を巻き込んで死ぬ事を考えたんだ。
それを知った床前とエカイラは、行動に出た。
この二人も、多分この時俺達を全員殺そうとしていたんだろうな。
そのために、二人は犯人を利用し、俺達を裁判で負かそうとしていたんだ。
Act.2
エカイラは、地図の暗号を解き、教会に人を焼き殺す仕掛けがある事を知った二人は、コユキソウと斧と宝箱を盗んだ。
そして、盗んだ道具を持って教会に向かった。
そこで教会を調べているうちに、二人は例の地下室を発見したんだ。
地下室には、二人の読み通り、大量のガソリンが積んであった。
Act.3
作戦決行の準備を整えたエカイラは、そこで床前にコユキソウを食わせたんだ。
おそらく、作戦を外部に漏らさないためだろう…そして、そのまま床前の首を斧で斬り落としてしまった。
エカイラは、落とした首とガソリンを持って、地下室を後にした。
だが、ここでエカイラは、ある重要なヒントを遺したんだ。
アイツは、俺がプレゼントしたマニキュアを落としたんだ。
結果的に、それが真相を暴くための重要な鍵になったんだ。
…今思えば、アイツは、最初から俺達を裁判で勝たせる気だったんだ。
確実に犯人
Act.4
そのまま教会の内部に戻ったエカイラは、犯人を呼びつけた。
エカイラは、今回の作戦について犯人に説明し、犯人の同意を得た。
…おそらく、この時犯人も相当精神的に参っていたんだろうな。
だって犯人は、本来ならエカイラ達の狂気に満ちた作戦には賛同しないような、俺にとって憧れの存在だったんだからな。
何がそこまで犯人を追い詰めていたのか、それは俺達にもわからない。
Act.5
犯人はエカイラの服を、エカイラは犯人の服を着て、二人は入れ替わった。
そして、エカイラは、あらかじめ犯人に持ってくるように指示しておいた日本刀を握った。
こうする事で、俺達に床前殺しの凶器が日本刀だと思い込ませようとしたんだ。
そして犯人は、エカイラにガソリンをぶっかけた。
Act.6
全ての準備が整った事を確認した犯人は、床前の首と一緒に防火加工の宝箱に入った。
この時床前の首を宝箱に入れておいたのは、俺達の焼死体への注意を逸らすためだろう。
そして、宝箱の中から火のついたライターをエカイラに向かって投げた。
エカイラにかかったガソリンにライターの火がつき、エカイラは炎をあげて燃え出した。
Act.7
エカイラについた炎が木造の教会にも燃え移り、揮発したガソリンがさらに火事を促進させた。
炎と煙のせいで監視カメラにはエカイラの死の瞬間が映らなかった。
そのせいで、モノクマ達は被害者を特定する事ができなかったんだ。
そして炎はどんどん燃え広がり、エカイラもついに焼け死んだ。
Act.8
エカイラの死体が炭化した事を確認した犯人は、宝箱から出て、エカイラの足を踏み砕いた。
こうする事で死体の身長をごまかし、俺達に死体が犯人のものだと思い込ませようとしたんだ。
そして、犯人は火事の炎でわざと自分の顔を焼き、自分の顔をわからなくさせた。
あとは、あたかも火事の被害者のように教会から出てくれば、作戦成功だ。
だが、犯人はエカイラから地下室の存在を知らされていなかった。
そのせいで、ボロが出て俺達に正体を見破られてしまったんだ。
俺にはどうしてもわからない。
なぜお前が、こんな血迷った計画に加担してしまったのか。
お前は、俺の大事な親友だと思っていたのに。
「これが事件の真相だ。…そうだろ?」
「『超高校級のサッカー選手』玉木勝利!!!」
エカイラ?「くくっ…ははっ…」
「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっははははははははははっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
目の前にいたソイツは、腹を抱えながら壊れたように笑い出した。
もう勝機がないと自暴自棄になった笑いなのか、ここまでたどり着くのに散々悩んだ俺達を嘲った笑いなのかはわからない。
そこにいたのはもう、勝利でもエカイラでもなかった。
菊池「勝利…?」
玉木「はぁー…」
勝利は、笑うのをやめたかと思うと、観念したように上を向き、ため息をついた。
玉木「…チッ、あーあ。うまく騙せてたと思ったんだけどなぁ。論、お人好しのお前にしてはよくやった方だよ。コングラッチュレーショ〜〜〜ンズ。」
勝利は、ゆっくりと俺の方まで歩き、俺の前髪を掴んで自分の顔に近づけてきた。
そして、まるで挑発するかのように、口角を上げてニタリと笑った。
その目は、完全に人殺しの目だった。
玉木「ったく…あのクソオカマとクソストーカー女、俺の事を騙しやがって…最初から俺一人を殺す気だったんだな。…ナメたマネしやがって、あんな信用できねェ奴らに乗っかった俺がバカだったよ。ま、どっちみち死ぬ気だったし、もうどうでもいいかぁ。」
ジェイムズ「玉木さん…貴方、どうしてこんな事を…!?私達は、貴方の事を信頼できるリーダーだと思っていたのに…!」
玉木「ははっ。…リーダー、ねぇ。キチガイ二人に騙されて、掌の上で転がされるような間抜けを、か?」
アリス「ねえ、騙すって…なんの事!?カツにい、兄さんと何を話したの!?答えてよ!!」
玉木「あー、ジェイムズ。あーちゃん。もう、そういうのいいから。俺は、もう疲れたんだよ。これ以上こんなクソみてェな世界で生き延びたところで、希望なんかありゃしねェんだ。…モノクマ、もう始めてくれ。」
モノクマ『おやぁ?随分と潔いですね!まあでも、これ以上裁判を引き延ばすのをお望みではないようなので、レッツ投票ターイム!!』
モノハム『必ぢゅ、一人二票投票してくだちゃいね!』
証言台の上のボタン。
これを押せば、俺達の運命が決まる。
…でも、本当にいいのだろうか。
散々悩んで、もう答えは出たはずなのに。
ボタンを押す手が、震えて止まらない。
でも、選ばなければ俺達が殺される。
俺は、覚悟を決めてボタンを押した。
1回目の投票はエカイラに、2回目の投票は玉木に投票した。
モノクマ『うぷぷ…ではでは、結果発表ー!!!』
モノハム『皆様の運命はいかに!?』
目の前に巨大なスロットマシーンが現れ、俺たちの顔を模したドット絵が回転する。
回転速度は徐々に遅くなっていき、ついに止まった。
そこには、エカイラのドット絵が三つ並んでいた。
もう一度ドット絵が回転する。
回転が止まると、今度は勝利のドット絵が三つ並んだ。
スロットマシーンにGuiltyの文字が浮かび上がり、ファンファーレのような機械音が鳴り響く。
スロットマシーンからは、大量のモノクマメダルが吐き出された。
…俺達の命懸けの学級裁判が、今終わった。
学級裁判閉廷!