第6章 非日常編①(捜査編)
ー???の部屋ー
…もう少しだから。
…絶対に、ボクが全部終わらせてみせるから。
だから、もう少しだけ待ってて…
…お姉ちゃん。
ー???の部屋ー
今まで、何をしていたんだろう。
何か、大事な事を忘れているような気がする。
…【超高校級の絶望】…それが『俺』『僕』『私』の才能?
わからない。
何も、思い出せない。
目的も、正体すらも…
『俺』『僕』『私』は、一体誰だ…?
学級裁判が終わった後、俺達は裁判場を後にした。
俺達は、モノクマ達からコロシアイを禁じられ、代わりに黒幕を暴き出すように言われた。
タイムリミットは24時間。
「…さん。」
それまでに黒幕の正体を暴かなければ、俺達に未来はない。
「菊池さん。」
このコロシアイの黒幕、その目的…一体なんだっていうんだ…?
「菊池さん!」
「うおっ!…なんだ、ジェイムズか。」
「…あの、話をちゃんと聴いていましたか?」
「あ、悪い…」
「考え事ですか?今はこれからの行動について話し合っているので、話はちゃんと聴いていてください。」
「わ、悪い…」
つい考え込んじまって、仲間の話をちゃんと聴いていなかった。
改めて今いるレストランを見渡すと、レストランが広く感じた。
…そっか。
もう、4人しかいないのか。
最初は16人…いや、俺達のクラスメイトが全員いたのに。
今はもう、この4人を残して全員死んでしまった。
「それで、菊池さん。」
「お、おう。」
「エリアが全て解放されたそうですが…」
「うん。情報管理室と工場が解放されてるね。」
「調べてみるぞ。」
「…そうですね。まずは情報管理室に行ってみましょう。」
「…ねえ、サトにい。」
「なんだ。」
「…これで最後なんだね。」
「…ああ。」
長かったコロシアイ合宿生活が、今日で終わる。
そう思うと、色々と複雑な気持ちになった。
仲間を13人も失った。
俺は、ここまで生き残った事を素直に喜べなかった。
…それでも、せっかくここまで来たんだ。
生き残って、ここを出るんだ。
俺は、改めて決意を固めた。
ー《捜査開始》ー
俺達はまず、情報管理室に向かった。
ー情報管理室ー
情報管理室には、コンピューターが置かれていた。
机の上には、資料が山積みになっている。
パソコンの画面には、モノクマとモノハムの設計図が映っている。
画面の設計図によると、どうやらモノクマとモノハムは、事前に黒幕の思い通りに動くようにプログラムされたロボットだったようだ。
作り方から壊し方まで、全て書かれている。
「…。」
コトダマゲット!
【モノクマとモノハム】
さらに、別のパソコンの画面を見た。
そこには、日記が表示されていた。
「…。」
膨大な文字量だったので、コロシアイや黒幕と関係ない部分は読み飛ばした。
【1日目】
合宿が始まった。
『超高校級の絶望』ともあろう者達が、自分達の立場も忘れて慌てふためく様は滑稽だ。
どうやって絶望に堕としてやろうか。
【4日目】
4日経っても、コロシアイは始まらない。
『絶望』のクセに、仲良しごっこなんてしやがって。反吐が出る。
イラついたから、嫌がらせをしてやった。
まあ、こんな嫌がらせ程度でコロシアイなんてしないだろうから、誰かを殺して罪をなすりつけるか。
【5日目】
あーあ。
イライラすんなぁ、全くよぉ。
近藤においしいところ持ってかれた上に、失敗してコロシアイがおじゃんになるなんてよ。
狗上も狗上で、近藤を殺すのをためらいやがって。
こっちは、オマエラの気持ち悪い馴れ合いを見せられ続けてストレス溜まってんだよ。
ムカついたから、近藤を殺して罪を狗上に着せた。
『アレ』のお陰で、記憶はちゃんと消せるもんね。
ついでに郷間が反抗してきてイラついたから、つい殺しちゃったよ。
【6日目】
ゲームをより盛り上げるため、エカイラをゲームに参加させた。
みんな、なんの違和感も抱かずにエカイラを受け入れた。
いや、黒幕側だって気付けよバカ共www
【8日目】
森万が速瀬に殺された。
最初のコロシアイとは違って、事が思い通りに運んでくれた。
でも、そろそろ参加者のフリすんのにも飽きたし、ここいらで退場しておこうかな?
【13日目】
織田が猫西に殺された。
2人とも、床前に踊らされてたんだけどね。
床前のお陰で、ゲームは順調に進んでくれてる。
エカイラも、水面下で頑張ってくれてるみたいだしね。
【17日目】
神城が射場山と小川を殺した。
あの壊れっぷりと言ったら、無様だったなぁ。
黒幕についてのビデオを再生してっと。
アイツらの、自分達が『絶望』だと分かった時の顔と言ったらもうwww
そして、床前が余計な事をしたせいでカムクライズルが覚醒した。
あそこで暴れさせるかなぁ、普通。もっと空気読めよ。
【20日目】
カムクライズルが消滅した。
割とあの子の事は気に入ってたんだけどなぁ。
だって、『絶望』を殺したいって意味ではボクと目的が一緒だし。
まあ、消えちゃったモンはしょうがないや。
そろそろ床前とエカイラに動いてもらわないとね。
【21日目】
…最悪だよ。
床前とエカイラの野郎、玉木を踏み台にしてボクを裏切りやがった。
まあ、あんなキナ臭い奴ら最初から信用してなかったし、ヘッポコ内通者が死んだところでどうだっていいんだけどさ。
もう、これ以上コロシアイを続けられなくなっちゃったから、そろそろ種明かしといこうかな?
…『絶望』を殺す。
それが黒幕の目的か。
…でも、なんだ?この日記の違和感は。
「この日記、どうしてさっき起こった事が書かれているのでしょうか?」
「え?」
「玉木さんがおしおきされたのは、ついさっきの事だったはずです。何故日記にそのような事が書かれているのでしょうか?」
「…確かに。生き残りの俺達は全員裁判場にいたしな。」
「つまり、私達以外にも、生存者がいて、その方こそが黒幕という事ではないでしょうか?」
「何…?」
コトダマゲット!
【パソコンの日記】
【全員のアリバイ】
「ねえねえ、サトにい!」
アリスが、俺を呼んだ。
「どうした?」
「これ見てよ!」
アリスは、銃のような物を見せてきた。
「なんだそれは?」
「このパソコンに、この銃についての説明が書いてあったから、読んでみたら?」
アリスは、パソコンを指差した。
俺は、パソコンの画面を見た。
記憶改竄装置
元『超高校級の生徒会長』嫌嶋幽禍が、研究機関と共同開発をした装置。
『絶望』に堕ちた高校生を元に戻すために開発された。
長期的に改竄した記憶を定着させるには、巨大な設備が必要だが、短期的な記憶の改竄は小型の装置で可能。
小型装置での改竄可能な期間は、最大で28日間。
その期間を過ぎると、記憶が元に戻る。
また、途中で解除可能。
記憶の改竄…だと?
もしかして、黒幕はこれを使って俺達の記憶を消したのか?
「ここにある装置は、カートリッジが無いから使えないけどね。」
「カートリッジが必要なのか?」
「そうみたい!」
コトダマゲット!
【記憶改竄装置】
『これ、見てください!』
リタが、俺達を呼んだ。
「どうしたリタ?」
『コロシアイの計画書です!!』
リタは、コロシアイの計画書を見せてきた。
計画書には、図面や計画に必要な物資の調達手段等について書かれていた。
ご丁寧に、調達先のリストまで書かれている。
食糧調達、資源調達等…黒木章、徳内崇、魔堂鐵雄
資金提供…財原海理、榊聖良、金剛寺亜蓮
…食糧とか資金とかは、外部に頼ってたのか。
そういえば、コロシアイのために資源を提供してくれる奴がいるみたいな事言ってたっけ。
「…ん?」
俺は、計画書を見た時すぐに違和感を抱いた。
その計画は、一人で実行するにはあまりにも非現実的な計画だった。
そして、計画書自体、複数の筆跡で書かれている。
…どういう事だ?
コロシアイの黒幕は、嫌嶋隆尋一人じゃないのか?
コトダマゲット!
【コロシアイの計画書】
【資源調達先リスト】
『あと、こんな物も見つけました。』
「?」
リタが紙の束を見せてきた。
それは、合宿参加者の詳細が書かれた紙だった。
『超高校級の弁護士』菊池論
才能ランク:S
死因:
『超高校級の失敗作』伏木野アリス
才能ランク:E/S
死因:
『超高校級のサッカー選手』玉木勝利
才能ランク:C
死因:頭部破損
『超高校級のパティシエ』近藤夏美
才能ランク:D
死因:刺殺
『超高校級の実況者』猫西理嘉
才能ランク:C
死因:刺殺
『超高校級の秘書』速瀬吹雪
才能ランク:B
死因:全身粉砕
『超高校級の大学教授』ジェイムズ・D=カークランド
才能ランク:B
死因:
『超高校級の外務大臣』リタ・アンカーソン
才能ランク:B
死因:
『超高校級の演奏家』小川詩音
才能ランク:E
死因:脳挫傷
『超高校級の庭師』郷間権蔵
才能ランク:D
死因:刺殺
『超高校級の漫画家』織田兼太郎
才能ランク:D
死因:転落死
『超高校級の幸運』床前渚
才能ランク:A
死因:斬首
『超高校級の操縦士』狗上理御
才能ランク:C
死因:全身粉砕
『超高校級の超能力者』森万羅象
才能ランク:E
死因:絞殺
『超高校級の弓道部』射場山祐美
才能ランク:C
死因:銃殺
『超高校級の外科医』神城黒羽
才能ランク:B
死因:内臓摘出
『超高校級の死神』伏木野エカイラ
才能ランク:A
死因:焼死
『超高校級の俳優』嫌嶋隆尋
才能ランク:S
死因:
なんだこの紙は…
才能ランク?
それに全員分の死因が書いてあるな。
…あれっ?
コイツの死因…
コトダマゲット!
【生徒詳細】
【死因】
…あ。
資料の下に、写真が落ちていた。
写真には、中年の男と女性、少年、そしてアリスが写っていた。
少年の顔の部分は、血のシミができていて見えなかった。
「あっ!おとーさんとおねーちゃん!」
アリスは、写真に向かって指を差した。
「…知ってるのか?」
「うん、実は私ね、イズル姉さんが暴れてたのを押さえつけて、私っていう人格を生み出したのは、おとーさんなの。だからね、しばらくはおとーさん達と一緒に暮らしてたんだ。私のおねーちゃんは、『チョーコーコーキューのセートカイチョー』だったんだって。うーんっと、もうひとりいたと思うんだけど、思い出せないや!」
…。
コトダマゲット!
【アリスの写真】
…情報管理室で得られる情報はこのくらいかな。
そろそろ、工場の捜査をしないと。
ー工場ー
工場は、ゴウンゴウンと大きな音を立てて作動していた。
「どうやらここは、コロシアイ生活を続ける上で必要な物資を作り出すための工場のようですね。どうしても外部から調達出来ない物を、ここで生産していたのでしょうか?」
ジェイムズは、工場を一周して観察をした。
「この部屋は…う゛っ!?」
ジェイムズがドアを開けた部屋には、死体が山積みになっていた。その死体がベルトコンベアで運ばれ、工場内の焼却炉に放り込まれる。
その死体の中には、今までのコロシアイの犠牲者達もいた。
「…これ、100人以上はいますよ。」
『ひどい…!』
「…あれを見てください。」
焼却炉の中から融けた死体が出てきて、謎の機械に通される。
謎の機械からは、カプセルが出てきた。
「…まさか、これって…!」
「そんな、モノモノマシーンの中身は、全部亡くなった方の死体で合成されていたのですか…!?」
『そんな…!』
「なんて悪趣味な野郎だ…!」
コトダマゲット!
【工場】
【生徒達の死体】
…工場で入手できる情報はこれくらいか。
そろそろ、別の場所に移動しよう。
『超高校級の幸運』の個室
床前の個室…
ここになら、真相についてのヒントがあるかもしれない。
「…ん?」
なんだこれは。
…ビデオ?
俺は、ビデオを再生した。
「…。」
ビデオに映ったのは,全員分のおしおきシーンだった。
「あれっ…?」
よく見てみると、ひとつだけ、死ぬ瞬間が明確に映されていないおしおきシーンがあった。
それに、よく見てみると周りの映像も偽物っぽい。
…コイツはもしかして、おしおきで死んだんじゃないんじゃないか?
コトダマゲット!
【おしおきシーン】
俺は、部屋を見渡してみた。
部屋の中に、ある一冊の本があった。
タイトルは、『絶望国家論』。
書いたのは江ノ島哀華という人物らしい。
「…なんだこれは。」
俺は、本を手に取って読んでみた。
その本には、『人類史上最大最悪の絶望的事件』について書かれていた。
本の内容は、以前しおりで見た内容とほとんど同じだった。
唯一違うのは、この本には、『人類史上最大最悪の絶望的事件』の首謀者…美術館に展示されていた銅像の女が主催していたデスゲームについて書かれている事だった。そのゲームの名は『ダンガンロンパ』。誰かを殺した生徒を学級裁判で吊るし上げるというゲームだった。
「…あれっ?」
…待てよ?
このゲーム、まるで俺達が置かれている状況そのものじゃないか。
基本的なルールから細かい所まで、計画書に書かれていた内容とほとんど一致している。
でも、このゲームが行われたのは、2年前だよな…?
って事は、俺達が今までやらされていたゲームは、『ダンガンロンパ』を模倣したゲームだって事か?
過去に行われたデスゲームの模倣なんて、誰が何のために主催してるんだ?
コトダマゲット!
【人類史上最大最悪の絶望的事件】
【ダンガンロンパ】
「あの、菊池さん。もう捜査を始めてから10時間になります。そろそろ休憩しませんか?」
「なんだと!?ダメだ、貴重な捜査時間を削る気か!!」
「ですが、休息は必要です。裁判で体調を崩してしまっては元も子もありません。休憩時間は最小限で済ませますので、一度休憩した方が宜しいかと。」
「そ、そうだな…」
「腹が減っては戦ができぬってゆーだろ!」
「…お前はただ飯を食いたいだけだろ。」
「えへへっ!」
ジェイムズの提案で、一度捜査を中断した。
ー《捜査中断》ー
俺達は、レストランに集まって食事を摂った。
各自で休憩をし、捜査を再開したのは1時間後だった。
ー《捜査再開》ー
…さてと。捜査を再開するか。
床前の部屋は調べたし…
あとはエカイラの部屋かな?
『超高校級の死神』の個室
「…。」
…そういやぁ、エカイラの個室を見るのは初めてだったな。
灰色一色で、装飾品などがほとんど置かれていない部屋だった。
特に気になるところがあるとすれば、何故か血飛沫がブチ撒けられた絵がひとつだけ飾ってあるだけだった。
「…ん?」
机の下に、ビデオが落ちていた。
…またビデオか。
俺は、ビデオを再生した。
遺跡内部の映像が映し出された。
「?」
遺跡に狗上が入ってきた。
…これってもしかして、4日目の夜の映像か?
『ケッ、何が呪いだ。くだらねえ。自分の命くらい、自分で守れるっつーの。』
狗上が油断して遺跡内を歩いていると、後ろから近藤が歩いてきた。
カツン…
『…あぁ?』
足音に気づいた狗上は、後ろを振り返った。
その前に近藤が咄嗟に物陰に隠れた。
『…気のせいか。』
狗上は、特に気にするそぶりを見せず、奥に進んだ。
奥に進む狗上を、近藤が尾行する。
「…あれっ?」
近藤の後ろに、人影が見えた。
ソイツは、姿を加工されていて誰だかわからなかった。
…もしかして、嫌嶋隆尋か?
『…この部屋、プンプン臭うな。』
最奥の部屋までたどり着いた狗上は、扉を開けて中に入った。
近藤も一緒に入ったようだ。
ー黄金の間ー
『…このどデケェミイラが臭えな。』
狗上は、真ん中にあるツタンカーメンもどきのミイラに目を向けた。
近藤は、一気に距離を詰め、持っていたナイフを振りかぶった。
狗上がミイラに手を触れようとした瞬間だった。
『!!?』
バキッ
「あっ…!」
咄嗟に反応した狗上が、懐にしまっていたスパナを持って振るった。
スパナが近藤の右腕に直撃し、近藤の腕が折れた。
『ぎゃあ゛ぁあああああああああああああああああああああああああ!!!』
近藤は、右腕を押さえてその場で悶え苦しんだ。
それを見た狗上は、殺されかけた事で逆上し、近藤の頭をスパナで殴った。
『ーッ、こんの…クソアマがぁあああああ!!!』
ゴッ
『あっ、がはっ…』
狗上の怒りは収まらなかったのか、狗上は近藤を蹴り飛ばした。
ゴスッ
『!!?』
『ッ、あがっ…おえ゛ッ…』
近藤はその場で転がり、嘔吐した。
ガッ
ゴスッ
バキッ
グシャッ
ドゴッ
『ふざけんなよこのクソアマがぁあ!!調子に乗りやがって…ザコのくせに、俺を殺そうとするたぁどういう了見だ!?なあオイ!!テメェみてぇなチビが、俺を殺せるとでも思ったのか!?俺も随分とナメられたもんだなァ!!クソッ、やっぱりテメェみてぇなゴミに一瞬でも気を許した俺がバカだった!!さっきはよくもやってくれたなァ!!死ねッ、死ねッ、死ねッ!!テメェみてぇなクサレ女は、この世から消えろォ!!!』
狗上が、容赦なく近藤を踏みつける。
近藤の身体には無数のアザができ、無残な姿に成り果てていた。
見ているだけで気分の悪い映像だった。
『オラァ!!!』
グシャッ
『…あ。』
狗上は、トドメと言わんばかりに近藤の頭に蹴りを入れた。
近藤は気を失った。
『ったく、このゴミ女が…大人しくそこで寝とけ!』
狗上が部屋から出ようとした瞬間…
『へぇ…いいの?』
嫌嶋が狗上の前に立ち塞がった。
『なっ…テメェ…!』
『その女は、キミを殺そうとしたんだよ?なのに放っとくんだ?オマエも、案外お人好しだね。いや、殺す度胸が無いだけか。うぷぷっ。』
『テメェ…まさか、あのクソみてェなクマの親玉か!?まさかテメェが親玉だったとはな…!』
『やっだなぁ、狗上クン!自分と自分の信仰対象の作品に、クソは無いでしょ。』
『どういう意味だ…?テメェ、さっきから何の話してやがる!!』
え…?
ちょっと待て、何がどうなってるんだ…?
狗上は、嫌嶋と接触した事があるのか…?
『ボクさぁ、オマエラの気色悪い馴れ合いをずっと見せられ続けてイライラしてんの。『絶望』のくせに、善人ぶりやがって…オマエラみたいな救いようのない社会のゴミは、互いに互いを潰し合って破滅すんのがお似合いなんだよ。だからボクはオマエラの大好きな『先駆者様』のやり方でオマエラに裁きを下すんだよ。』
『テメェ、何ワケのわかんねェ事言ってんだ!!』
『要するに、そろそろコロシアイをしてほしいから、不本意だけどボクが自ら人を殺すって事。例えばこんな風にね。』
嫌嶋は、狗上からナイフを奪い取ると、近藤の胸の上に落とした。
グサッ
ナイフが近藤の心臓に突き刺さった。
『…っは!?』
『はい終わり。…あ、そうだ。服剥いで証拠隠滅ーっと。ふんふーん♪』
『テメェ…』
『あ、そうだ狗上クン。ボクの姿を見た事は、誰にも言わないでね?』
嫌嶋は、狗上に釘を刺した。
『はぁ!?なんだテメェ…このイカレ野郎が…!』
『うんうん。やっぱりそういう反応になるよね。じゃあ、しょうがないからちょっと眠っててよ。』
『!!?』
嫌嶋は、さっきアリスが見つけた銃を狗上に向けて撃った。
『がっ…!?』
狗上は、その場に倒れた。
『はい終わり。これで、ボクを見た事は覚えてないし、自分が殺ったって勘違いしてくれるでしょ。さーてと、そろそろクラスメイトモードのボクに戻らないとね!』
嫌嶋は、遺跡から去っていった。
その数秒後、狗上が目覚めた。
『…っと、俺は確か…チビを蹴って、服を剥いで…殺した、っけ?』
狗上は、困惑しながらも植え付けられた記憶を自分の記憶として受け入れた。
『これ、なんとかしねぇとな。…あー、めんどくせぇ。』
狗上は、ぶつくさと文句を言いながらホテルに向かった。
…なんだ、今のは。
結局、最初の事件を起こしたのは嫌嶋で、狗上は誰も殺してなかったっていうのか…?
狗上は、誰も殺していないのにおしおきを受けたっていうのか…
じゃあ、あの時俺達がした事って…
コトダマゲット!
【エカイラの部屋の映像】
…許せねェ。
俺達の事は散々ルールで縛って、郷間の事もルール違反で殺したくせに…
さっきのおしおき映像の件といい、狗上の件といい…ルール違反してたのは、お前自身だったってのかよ…!
コトダマゲット!
【ルール違反】
「…あ。」
引き出しの中を開けると、会議室にあったものと同じ手作りの卒業証書と卒業アルバムがが入っていた。
アルバムの卒業生の名簿には、俺達合宿参加者の名前や顔写真が載っていた。
俺達だけじゃなくて、工場で山積みになっていた人達の名前と顔写真もあった。
俺は、卒業証書に違和感を覚えた。
どこかで見た事がある筆跡だったからだ。
…いや、どこかで見た事あるというよりは…
コトダマゲット!
【卒業証書】
【卒業アルバム】
…『超高校級の絶望』か。
もしかしたら、美術館にヒントがあるかもしれないな。
『超高校級の絶望』の親玉の銅像も置いてあったし…
もう一回捜査してみるか。
ー美術館ー
美術館には、『超高校級の絶望』江ノ島盾子の銅像が置かれていた。
…しっかし、精巧に作り込まれてるなぁ。
まるで、キリストやマリアの像みたいだ。
この銅像の作り手は、よっぽどこの女に対して強い信仰心を抱いているんだろうな。
作り手は、どうやら『超高校級の彫刻家』堀江巽という人物らしい。
そういえば、卒業アルバムにもあった名前だな。
…やっぱり俺達のクラスメイトか。
コトダマゲット!
【江ノ島盾子】
…ん?
足元に写真が落ちていた。
「なんだ、これは…」
俺は、写真を拾い上げて見てみた。
どうやら記念写真らしい。
そこには、アリスとエカイラを除く15人と嫌嶋隆尋と思われる男子生徒が写っていた。
嫌嶋の顔は、真っ黒に塗りつぶされていた。
…もしかして、顔を知られたくないからか?
アイツは、合宿参加者の中に紛れ込んでるって言ってたもんな。
…ん?
写真の裏に、血文字が書かれていた。
殺し合え
全ては絶望のままに
「ッ!!」
これって、射場山の部屋にあった水墨画と同じ…
ここに写ってる奴らは、『超高校級の絶望』だって言うのか…?
コトダマゲット!
【記念写真】
「菊池さん。」
ジェイムズが後ろから話しかけてきた。
「おお、ジェイムズか。どうした?」
「何故外部の人間が私達を助けに来ないのか疑問に思っていたので、先程この島の周辺を調べたのですが…この島全体を、バーチャル映像が映し出された壁が囲んでいたんです。この島に元々あった地図と島の見た目に騙されてしまっていましたが、実はこの島の近海は、数十メートル程しか無いようです。」
「何…?じゃあ、あのクルーザーは、俺達に偽りの希望を与えるためのただのお飾りだったってのか?」
「そうなりますね…こうなったら、黒幕を倒して脱出の方法を聞き出すしかないでしょう。」
「聞き出すって…どうすんだよ?」
「耳の中にセミでも入れてあげましょう。」
「…恐ろしい事言うな、お前。」
クッソ、嫌嶋の野郎…
結局俺達を外に出す気はねェのかよ…!
コトダマゲット!
【島を囲う壁】
大方捜査は終わったかな…
あとは、俺が拾った日記の情報も、犯人を特定するのに役立つかもしれない。
コトダマゲット!
【日記】
一応、黒幕の名前も提出する証拠のひとつとして頭の隅に置いておこう。
コトダマゲット!
【『超高校級の俳優』嫌嶋隆尋】
『あの、菊池…』
「リタか。どうした?」
『あの…僕達は、本当に『超高校級の絶望』なんでしょうか…?やっぱり僕、まだ信じられないです…』
「…そうだよな。」
…『超高校級の絶望』。
それが、俺達の正体だっていうのか…?
コトダマゲット!
【超高校級の絶望】
『うっぷぷぷぷぷ!:オマエラ、時間切れです!!ついにこの時がやってきました!お待ちかねの学級裁判、始めるよ〜!5分以内に、ホテル一階の赤い扉まで集合してね〜!』
『最後の学級裁判、盛り上がっていきまちょう!』
モノクマとモノハムの声が響き渡った。
…この耳障りな声を聞くのも、今日で最後か。
「…行こう。」
俺達は、4人全員で赤い扉に行き、エレベーターに乗り込んだ。
ーエレベーターー
次が最後の学級裁判。
これで6回目だ。
でも、今回は、今までの裁判とは違う。
生き残るためじゃなくて、黒幕を倒して真相を明らかにするために俺達は勝たなきゃいけないんだ。
もう、ここまで来たら後戻りは許されない。
黒幕は一体誰で、その目的は一体何なのか。
俺達は、生きるべきか死ぬべきか。
この頭が動く限り、真相を暴くために考え尽くせ。
今までに犠牲になった人達の無念を背負って、俺達は最後の試練に立ち向かうんだ。
コロシアイ合宿生活残り4名+????名
『ここで、皆様にクイヂュのお時間でちゅ。この中で、このコロシアイ合宿を裏で動かちていた黒幕は誰だと思いまちゅか?』
『超高校級の弁護士』菊池論
『超高校級の失敗作』伏木野アリス
『超高校級のサッカー選手』玉木勝利
『超高校級のパティシエ』近藤夏美
『超高校級の実況者』猫西理嘉
『超高校級の秘書』速瀬吹雪
『超高校級の大学教授』ジェイムズ・D=カークランド
『超高校級の外務大臣』リタ・アンカーソン
『超高校級の演奏家』小川詩音
『超高校級の庭師』郷間権蔵
『超高校級の漫画家』織田兼太郎
『超高校級の幸運』床前渚
『超高校級の操縦士』狗上理御
『超高校級の超能力者』森万羅象
『超高校級の弓道部』射場山祐美
『超高校級の外科医』神城黒羽
『超高校級の死神』伏木野エカイラ
『…ちょうでちゅか。…ではでは、答え合わちぇは、またの機会に。』
やっと投稿できたー!
モチベが折れてしまい、なかなか書く気になれませんでした。
6章書くのニガテなんだよー。誰かタスケテー。