ダンガンロンパリゾート   作:M.T.

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いよいよ論リゾも最終回が迫ってまいりました!
次回最終回です!



第6章 非日常編④(おしおき編)

「…あれ?」

 

 

 

俺の名前は菊池論(キクチ サトシ)。『超高校級の弁護士』として、この春から希望ヶ峰に進学する予定だった。

 

だが、どういうわけか、今は何故か砂浜にいた。

 

 

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ここはどこだ。

 

 

 

“俺”はどこから来たのだろうか。

 

“俺”はどこに向かうのだろうか。

 

何も、思い出せない。

 

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目の前の全てがぼやけて、攪拌されていく。

 

あれからどれだけの時間が経っただろうか。

 

俺は今まで何をしていたのだろうか。

 

 

ワカラナイ。

 

“俺”は、一体誰だ?

 

 

「はははっ、このセカイが絶望に染まっていく…考えただけで心が躍るね。そう思わない?菊池クン!」

 

 

…なんだこれは。

 

頭が痛い。

 

この声は、誰だ…?

 

「あーちゃんはねー、もっとみんなにゼツボーしてほしいんだー。サトにいもそう思うでしょ?」

 

「おい菊池!俺達は、仲間だよな?絶望同士仲良くしようぜ!」

 

「ウチの用意した絶望をたっぷり味わってね!菊池っち!」

 

「菊池様、共に皆様を絶望に堕としましょう。」

 

「菊池君!このセカイが、絶望一色になったら、もっとステキになると思うでしょ?」

 

「菊池さん、貴方はここにいる誰よりも絶望的です。だから、私は貴方をもっとよく知りたいのです。」

 

「ふわぁ〜。眠くてもう何もかもどうでもよくなっちゃいましたぁ。菊池、一緒に絶望しませんかぁ?」

 

「たっはー…!先輩、さすがっスね!人を絶望に堕とす時は容赦ないっスね!」

 

「がはははははははは!!おい、弟!!兄弟同士、仲良く絶望しようぜ!!」

 

「かったりぃ…けどよ、テメェのそのイカれ具合だけはサイコーだぜ?」

 

「菊池さん。私があなたを好きになったのは、誰よりも狂っていて、救いようのないくらい絶望的だったからです。私は、共にあなたと絶望したいです。」

 

「ムフフ、菊池殿!絶望に堕ちたレディの顔は最高ですな!一緒に拝みませぬか!」

 

「フッ、さすがの俺様も、貴様には負けたよ。やはり貴様は、『超高校級の絶望』と呼ぶのに相応しいな。」

 

「…ん。みんな、絶望に堕ちたね。良かったじゃん菊池。」

 

「ギャハハハハハハハ!!!おいモブ!!テメェの絶望には、神である私も完敗だぜ!褒めて遣わす!!」

 

「ウフフ、絶望的な顔もカワイイわよ、サ、ト、シ、ちゃん!」

 

 

 

 

 

…そうだった。

思い出した。

俺は…いや、この島にいた奴全員がこのコロシアイの黒幕で、『超高校級の絶望』だったんだ。

俺達には、最初から希望なんて無かった。

俺達のこの先なんて、もうわかり切った事だった。

…俺達は。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

俺は悩まなかった。

これ以外の選択肢が無いと思った。

俺は、スロットの画面を見つめた。

 

 

 

…ああ、なんだ。やっぱりみんな同じ事考えてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DEAD

 

 

 

 

 

スロットに表示されていたのは、その4文字だった。

 

「ふふふ…ははっ、あははははっ…」

『はは…あははは…』

「はははははっ…あはははははははははは…!」

みんな、スロットを見ながら笑っていた。

その表情は、絶望に染まっていた。

 

「うぷぷぷぷぷ!いやあ、みんな!ボクは嬉しいよ!まさか、全員DEADボタンを選んでくれるなんてね!さっきまで、外に出るとか言ってたくせにね!自分の本性を思い出した途端これだよ!」

もう、俺にとっては、外に出る事なんてどうでも良かった。

今までやってきた事…その全てが無意味だった。

俺達に希望なんてない。

それを思い出した今、俺達に残された選択肢は『死』…それだけだった。

 

 

 

「あははははははっ!!いやあ、愉快愉快!!オマエラに未来なんてあるわけないじゃん!元々心中するつもりでこの島に来たんだからさぁ!みんな、最期に何か言い残す事はない?まあ別にボクもこの島から出る気無いから、聞いたところでだから何?ってなっちゃうんだけどさぁ。どうしても言いたい事があるなら聞いてあげてもいいよ!」

「…。」

「なーんだ、みんな未練が無いのね!それじゃあ、おしおき始めちゃおっかぁ!!」

「…待て。」

「ん?何さ菊池クン。まさか、今更命乞いする気じゃないでしょうねぇ!?」

「…違う。できれば、俺を最初に処刑してくれ。」

「え、いいの?」

「…ああ。早く死にたいんだ。」

「あっそう。まあいいでしょう!ここまで頑張ったご褒美に、オマエをトップバッターにしてあげる!せいぜい、みんなの前で凄惨に散りな!!」

「…そうか。」

「じゃ、おしおき始めちゃうよー!!」

「はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは…」

「今回は、『超高校級の絶望』の皆さんのために!スペッシャルなおしおきを用意しましたっ!!…ではでは、おしおきターイム!!」

 

 

 

 

 

 

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

GAME OVER

 

キクチくんがクロにきまりました。

 

オシオキをかいしします。

 

 

 

GAME OVER

 

カークランドくんがクロにきまりました。

 

オシオキをかいしします。

 

 

 

GAME OVER

 

フシギノさんがクロにきまりました。

 

オシオキをかいしします。

 

 

 

GAME OVER

 

アンカーソンさんがクロにきまりました。

 

オシオキをかいしします。

 

 

 


 

 

菊池の首をアームのようなものが掴み、菊池は奥の部屋へと引きずられる。

引きずられた先をよく見てみると、どうやら法廷のようだった。

裁判員席と傍聴席には、菊池の家族、そして今まで合宿を共に過ごした仲間達を象った人形が置かれていた。

菊池は、無理矢理被告人席に立たされる。

そこで文字が表示される。

 

 

 

絶望裁判

 

【超高校級の絶望】菊池論 処刑執行

 

 

 

裁判長の格好をしたモノクマが木槌を叩くと、検察官の格好をしたモノハムが菊池を散々罵倒する。

菊池は、思わず反論した。

論理的で正当な発言で、モノハムを追い詰めていく。

するとモノハムは論破されたのか、悔しそうな顔をした。

…と思いきや、いきなり話を180°方向転換して、全く別の罪について問いただした。

菊池は、これにも反論した。

モノハムは、論破されるとまた別の罪を問いただす。

すると菊池が反論する。

尋問、反論、尋問、反論、尋問、反論…その繰り返しだった。

しだいにモノハムの尋問の内容が正論化し、菊池も反論しづらくなってくる。

さらには何百回と繰り返された尋問と反論の繰り返しで、菊池は疲弊していた。

声は枯れ、舌は攣って、声を出すたびに喉から血が滲んだ。

そしてついに、何も言い返せなくなった。

菊池は、ついにモノハムが言った事を正しいと認めた。

モノハムは、クスクスと笑いながらモノクマの方を見る。

するとモノクマはうなずいて、紙に何かを書いた。

そして、モノクマは木槌を叩いて紙を広げた。

そこには、『有罪』と書かれていた。

菊池は、鉄の十字架に磔にされる。

モノクマが何かのボタンをいじると、十字架が振動し、赤く変色した。

十字架から煙が出始め、菊池は苦悶した。

十字架は煙を上げ、菊池の身体を蝕んでいく。

熱した十字架が肌を灼き、血が滲んで滴り落ちる。

尋常じゃない量の汗が出るも、全て十字架の熱で蒸発し、白い煙を上げる。

灼けつく痛みが全身を襲い、叫ぶ事すらままならない。

服は焦げて血塗れになる。

 

それを見ていた人形達は、菊池に罵声や笑い声を浴びせる。

さらには、磔にされている菊池にゴミを投げる。

だんだんとエスカレートしていき、植木鉢や消火器、手裏剣といったものまで投げられた。

そこには、菊池の妹もいた。

菊池の妹は、酒瓶を思いっきり兄の顔目掛けて投げる。

酒瓶は菊池の顔に当たって割れ、菊池の顔にはガラスが刺さった。

それでも、十字架は容赦なく菊池の身体を灼き続ける。

菊池は、背中は十字架で灼かれ、正面は投げられたゴミや凶器で怪我を負い、満身創痍だった。

 

人形がゴミを投げるのをやめた頃、菊池は事切れた。

彼の死を見届けた人形達は、勝訴と書かれた紙を掲げ、大喜びした。

菊池の顔は、凄惨な死に絶望したのか、わずかに笑っていた。

 

 

 

 

 


 

ジェイムズの下の床が開き、ジェイムズは下へと落ちる。

ジェイムズは、落ちた先をよく見回した。

そこは、大学の講義室のような部屋だった。

席には、ジェイムズの家族、そして今まで合宿を共に過ごした仲間達を象った人形が置かれていた。

そして、一番前の席には、学生の格好をしたモノクマとモノハムがいる。

そこで、文字が現れる。

 

 

 

Unsolvable Questions

 

【The Ultimate Despair】James Doyle-Kirkland‘s Execution

 

 

 

ジェイムズの目の前の黒板に、問題が書き出される。

名門大学の学生ですら解けないような、超高難易度の計算を必要とする数学の問題だった。

「Ah…」

ジェイムズは、問題を見た瞬間に解法を思いつき、暗算で正解を導き出した。

一方、席に座っている人形やモノクマ達は全くわからない様子だった。

モノクマは、ノートと黒板を交互に見ながら、机をバンバンと叩く。

さらには舌打ちをする人形や、船を漕ぐ人形がいた。

「Ah…I see.」

ジェイムズは、戸惑いながらもこの状況で何を求められているのかを理解した。

ジェイムズは、自分が思いついた解法を、黒板に書いて説明した。

普段生徒達に教えている要領で、わかりやすく正確に、そしてスピーディーに教えた。

するとリタ人形が舌打ちをし、持っていた三角定規をジェイムズ目掛けて投げた。

定規が頬を掠め、頬に赤い線ができる。

ジェイムズは、慌てて書いたものを全て消し、さらにわかりやすく解説した。

それでも理解できなかった人形は、今度は筆箱を投げた。

硬い筆箱がジェイムズの頭に当たり、シルクハットが落ちて額からは血が流れた。

ジェイムズは、最初の解法を説明するのを諦め、別の解法を探した。

より簡単で、高校生でも使えるような計算式のみを使った解法に切り替えた。

すると、一部の人形は理解ができたのか、文具を投げるのをやめた。

しかし、それでもまだ文具は投げられ続けた。

ジェイムズは、とても困惑し、数式を書く手が震えていた。

ジェイムズが今まで教えてきた生徒は、賢くて物分かりの良いエリートばかりだった。

ここまで物分かりが悪く、態度が悪い生徒を大勢教えるという経験が無いジェイムズにとっては、人形達に難しい問題の解法を教える事は、大学の卒業試験で満点を取るより数倍困難な事だった。

怒ったモノハムが、コンパスを投げた。

コンパスが手に刺さり、突き刺すような痛みに思わずジェイムズは持っていたチョークを落として折ってしまう。

するとモノクマは、チョークが装填されたガトリングガンを構えた。

それを見たジェイムズは、顔を真っ青にして声を漏らした。

 

Oh my God(神様)…」

 

その引き金が今、引かれようとしていた。

 

 


 

 

リタは、アームで首を掴まれて上へと引きずられた。

リタは、引きずられた先をよく見回した。

そこは、国際会議場のような場所だった。

そこには、外務大臣の格好をしたモノクマとモノハムがいた。

円形のテーブルの周りの椅子には、各国の外務大臣を象った人形が座っており、その周りの椅子にはリタのの家族、そして今まで合宿を共に過ごした仲間達を象った人形が置かれていた。

リタは、無理矢理空いている椅子に座らされた。

そこで文字が浮かび上がる。

 

 

 

THE WORLD IS HOPELESS

 

【The Ultimate Despair】Rita Ankerson’s Execution

 

 

 

大臣人形達は、様々な言語で話し始める。

そして、意見をリタに求めてくる。

リタは、聞かれた事を瞬時に理解し、答えた。

すると、モノクマが注射器を取り出し、リタの腕に刺した。

その瞬間、眠気がリタを襲った。

どうやら、注射器の中身は即効性の睡眠薬だったようだ。

リタは、会議中にウトウトした。

すると、モノハムがハリセンでリタの頭を勢いよく叩いた。

勢いのあまり、リタの顔はテーブルにめり込んだ。

リタは、叩かれた痛みで目を覚ます。

そして、また人形が質問をしてきた。

しかし、眠気でうまく答えられない。

すると、今度はモノクマがハリセンでリタを叩いた。

リタは、激痛で目を覚ます。

リタは、慌てて質問に答えた。

質問、叩く、答える、質問、叩く、答える…

その繰り返しだった。

リタは、ついに睡魔に負け、質問に答えられなくなった。

すると、大臣人形や周りの人形は、リタに罵声を浴びせ始めた。

モノクマは、テーブルの上のボタンを押した。

するとリタは下に落ち、十字架に磔にされた。

あたりは、どうやら荒野のようだった。

リタが目を覚ますと、信じがたい光景が目に飛び込んできた。

モノクマとモノハムを載せたミサイルが、リタ目掛けて飛んでくる。

リタは、顔面蒼白になった。

 

「…。」

 

そして、ミサイルがまさに撃ち込まれようとしていた。

 

 

 


 

 

アリスの下の床が開き、アリスは下に落ちる。

アリスは、落ちた先をよく見回した。

そこは、ふしぎの国のアリスの世界ような場所だった。

おかしな植物が生い茂り、ハートの女王の格好をしたモノクマと、帽子屋の格好をしたモノハムがアリスの方を見ながらニヤニヤ笑っている。

周りにいる動物達やトランプ兵達をよく見てみると、どれも今まで合宿を共に過ごした仲間達に顔をしていた。

アリスは、巨大な時計の針の上に座らされる。

そこで、文字が浮かび上がる。

 

 

 

アリス・イン・ホープレスランド

 

【超高校級の絶望】伏木野アリス 処刑執行

 

 

 

女王モノクマは、笑いながらパチン、と指を鳴らした。

すると、時計の針が高速回転し始める。

アリスは、逃れようとするが、時計の針に拘束されていて動けない。

時計の針はどんどん回転速度を上げていく。

アリスは、顔を真っ青にして、目を回していた。

女王モノクマは、それを見て大笑いしていた。

すると、帽子屋モノハムは、フラミンゴを呼び、その首を掴んだ。

そして、フラミンゴをアリスめがけてフルスイングした。

アリスの身体にフラミンゴが直撃し、アリスは時計の針から吹っ飛ばされる。

すると今度は、目の前に白い薔薇の木が現れる。

女王モノクマは、何かをトランプ兵達に命令した。

すると、トランプ兵達を指揮していたスペードのエースが、真っ赤な薔薇の木を指差した。

それを見たトランプ兵達はうなずき、様々な種類の拷問器具を持ってきた。

自分がこれから何をされるのかを悟ったアリスは、顔を真っ青にしてカタカタと震えた。

トランプ兵の一人が、アリスの腕を引っ張り、ベルトで拘束した。

そして、他のトランプ兵一人が、斧を振りかぶった。

 

「いやだ…誰か、助け…」

 

その斧が今、振り下ろされようとしていた。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ブーッブーッブーッ

 

 

 

3人のおしおきを執行していたモノクマとモノハムから、変な音が流れた。

そして、3人の目の前で爆発した。

 

「…は!!?」

 

3人のおしおきの会場が、ガラスのように割れ、3人は元の裁判場に戻ってきた。

想定外の出来事に、嫌嶋は動揺した。

「なんだこれは…何がどうなってる!?こんなの、ボクのシナリオには無かったぞ!!」

 

「…フフッ。」

「おい、なんだこれは!!オマエ、何笑ってんだ!!これは一体どういう事だ!!」

「…嫌嶋さん。」

 

 

 

 

「まんまと罠にかかりましたね。」

「…は!?」

「…初めからわかっていましたよ。どのみち貴方が私達全員を殺す気だった事はね。24時間、私達がただ捜査を進めているだけだと思いましたか?こうなる事は全部私達の…いえ、菊池さんの計画通りだったんです。」

「は!?バカ言ってんじゃねえ!!計画通りだと!?ふざけるな!!ボクの計画が…『超高校級』のみんなの計画が、失敗するわけがないんだ!!」

「このコロシアイを終わらせる一番手っ取り早い方法…菊池さんは、それに気付いていらっしゃいました。だから、先手を打っておいたのです。…全ては、嫌嶋さん。貴方に勝つためだけにね。」

「ボクに…勝つだと?何ワケわかんねェ事言ってんだよ!!これはどういう事か説明しろっつってんだよ!!」

「菊池さんは、記憶改竄装置によって殆ど全ての記憶を改竄されました。…しかし、一つだけ改竄されていなかった記憶があったんです。」

「改竄されなかった記憶だと…!?」

「…物を作った本人なら、当然壊し方も知っています。菊池さんが唯一持っていた絶望時代の記憶…それは、『このゲームの設計図』です!」

「…は!?」

「菊池さんは、操作時間中にそれを思い出しました。だから、自分の命を懸ける覚悟で、このゲームを内側から壊す準備をしていたんです。菊池さんが最初に処刑されたのは、破壊装置が作動するまでの時間稼ぎです。」

「なっ…ふざけるな!!ボク達は、何のためにここまで頑張ってきたと思ってる!?」

嫌嶋は、おしおき用のスイッチを何度も押す。

「無駄だよ。もう、おしおきは発動しない。あなたの負けだよ。」

「くっ…自分で作ったゲームを自分で壊すなんて、バカげてる…それでもオマエラ、『超高校級の絶望』かよ!!?」

 

「違うよ。」

「…は?」

「前はそうだったかもしれない。でも、私達はもう『超高校級の絶望』じゃない。」

「嫌嶋さん、貴方が私達に与えた物は絶望ではありません。もう一度やり直すチャンスです。」

「はぁ!?チャンスだと!?ふざけるのも大概にしろ!!オマエラは、今までどれだけ殺したと思ってる!?たとえ記憶が消えたとしても、オマエラの犯した罪はなかった事にはならないんだよ!!今更やり直せるわけねェだろ!!」

「確かに、一度犯してしまった罪はなかった事には出来ません。…しかし、それを償う事は出来ます。たとえどんなに時間がかかったとしても、私達は取り戻します。…それが、今まで犠牲になった方々への償いです。」

「こんなところで死ぬなんて許されない。生きて償う。それが私達の責任だよ。」

「…生きて償う、だと…?」

「さあ、嫌嶋さん。私達と共に生きましょう。私達なら、きっとやり直せます。」

「…プッ。」

 

「ハハハ…アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

「!!?」

「いやあ、見事なまでの理想論だ!愉快愉快!!まさか、あんなに絶望に満ちていたオマエラがそんな事を言うなんてね!人間、記憶が無くなったらどうなるかなんてわからないもんだね!…でも、今まで何年もかけて綿密に作り上げた計画が、一瞬にしてパアになる絶望もまた一興…まあ、これも江ノ島盾子様の受け売りだけどね。」

「嫌嶋さん…」

「残念だけど、キミ達の要求は呑めないな。ボクは、『超高校級の絶望』だ。最期まで、絶望してたいんだよ。…それに。」

 

「ガフッ…」

嫌嶋は、急に血を吐いた。

「嫌嶋さん!!?」

「…ボク、実は持病持ちなんだよ。計画を始めた時点で、ボクの寿命は残りわずかだった。だから、死ぬ前に一度ゲームの黒幕としての絶望を味わってみたかった。だから黒幕役に立候補したんだよ。」

「嫌嶋さん!!しっかりしてください!!」

「あーあ。オマエラに負けるなんて、なんか癪だな。だがまあ、負けは負けだ。…さっき、島の周りの壁を解錠した。港に停まってるクルーザーでここから出られるから、ここから出て罪を償うなり、残りのメンバーでコロシアイをするなり好きにしなよ。」

「嫌嶋さん!!」

「…バイバイ、みんな。」

「嫌嶋さん…!?嫌嶋さん!!」

「…もう、死んでるよ。」

「そんな…」

「…。」

 

「ん?」

「どうしましたか、アリスさん。」

「…これ、何の音?」

「え…っていうか、揺れてませんか!?」

「…!?」

「…あっ!」

ジェイムズは、嫌嶋の内ポケットに入っている手紙を読んだ。

 

 

 

拝啓

『超高校級の絶望』諸君。

ちゃんと絶望してくれてるかい?

あ、そうそう。

言い忘れてたけど、万が一ボクが負けた時のために、裁判が終わってから数時間経ったらこの島が沈むように設計してあるから。

逃げたいなら早く逃げた方がいいよ〜。

 

『超高校級の絶望』一同より

 

 

 

「な、なんなんですかその余計な仕掛けは!!」

「にゃあああああああ!!ヒロにいの野郎、最後の最後にいらん仕掛けしやがって!みんな、走るぞー!!」

「はい!って、揺れが酷くて走りづらいんですけど!」

「文句言うな!とにかく走れ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

ーーーーーー暗く、冷たい水の底。

 

計画も、思い出も、何もかもが深く、深く沈んでいくーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはー…ギリギリセーフ…」

「いやあ、間一髪でしたね…」

「ホントだよ。壁から抜けた途端に、壁ごと全部海に沈んじゃってさぁ!」

「…。」

「…ねえ、私達、これからどうなるのかな?」

「そうですね…まずは、自首しましょう。」

「…げ。捕まるって事?せっかく生き残ったのに、そんなのアリー!?」

「アリスさん、私達は、許されない事をしました。まずは、それを償わなければなりません。」

「そうだけどさー。あうー。外に出たらいっぱいパンケーキ食べるつもりだったのにー。」

「おしおきで殺されなかっただけ良かったではありませんか。…そうだ、もし釈放されたら、その時はパンケーキを奢ってあげますよ。」

「ホント!?」

「ええ、約束です。」

「わーい!」

 

 

 

「…皆さん、無事脱出できましたよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー合宿参加者名簿ー

 

 

『超高校級の操縦士』狗上理御

 

『超高校級の弓道部』射場山祐美

 

『超高校級の演奏家』小川詩音

 

『超高校級の漫画家』織田兼太郎

 

『超高校級の弁護士』菊池論

 

『超高校級の外科医』神城黒羽

 

『超高校級の庭師』郷間権蔵

 

『超高校級の実況者』猫西理嘉

 

『超高校級のパティシエ』近藤夏美

 

『超高校級の大学教授』ジェイムズ・D=カークランド

 

『超高校級のサッカー選手』玉木勝利

 

『超高校級の幸運』床前渚

 

『超高校級の秘書』速瀬吹雪

 

『超高校級の失敗作』伏木野アリス

 

『超高校級の死神』伏木野エカイラ

 

『超高校級の超能力者』森万羅象

 

『超高校級の俳優』嫌嶋隆尋

 

『超高校級の外務大臣』リタ・アンカーソン

 

ー以上18名ー

 

 

 

 

 

ー卒業生ー

 

『超高校級の大学教授』ジェイムズ・D=カークランド

 

『超高校級の失敗作』伏木野アリス

 

『超高校級の外務大臣』リタ・アンカーソン

 

ー以上3名ー

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