ダンガンロンパリゾート   作:M.T.

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お待たせしました。
お待たせしすぎたのかもしれません。


番外編⑥ サプライズ編

俺の名前は玉木勝利。

俺には、中学生の頃から付き合ってる人がいる。

「勝利さん…?勝利さん!」

「うおっ!!」

「もう、ビックリしすぎです。…悩み事ですか?勝利さんらしくないですね。」

「…わ、悪い…」

この女の子の名前は姫月小美。

中学校時代の俺のクラスメイトだ。

俺は、小美の事で少し考え事をしていた。

来週は小美の誕生日だ。

…だが、小美に誕生日プレゼントを贈るのはこれが初めてだし、何を贈ればいいのかわからない。

小美なら、俺からのプレゼントならなんでも嬉しいって言ってくれるだろうけど、だからって期待外れな物は贈れないし…

コイツ、お嬢様だからそこら辺難しいんだよな…

…とりあえず、何かを買うかは商店街にでも行って決めるか。

「なあ、小美。悪いけど先に帰っててくれるか?」

「え、どうしたんですか急に。」

「悪い。ちょっと急用ができちまった。」

「…勝利さん、なんだか今日様子がおかしいですよ?先程から上の空ですし…私に何か隠してますよね?」

「別に何も隠してねえよ!じゃあな!」

「…はあ。」

 

 

ー商店街ー

 

なんか、雑な別れ方しちまったな。

でも、正直にプレゼントを用意するって言うわけにもいかないしな…

アイツには、当日謝ろう。

 

「…よお、悩み事か?」

後ろから菊池が声をかけてきた。

「…菊池…!」

「どうした?悩み事なんて、お前らしくないな。」

「…お前には隠し通せねえか。…実は、小美が来週誕生日なんだよ。そのプレゼントを何にしようか考えてたんだけど、俺女子の好みとかわかんねえからさ…」

「なんだよ、そんな事か。…じゃあよ、俺達でお前の彼女の誕生日会開くっていうのはどうだ?」

「いや、でもなんか悪いだろ…お前だって、暇じゃないだろ?」

「いいんだよ、俺の事は。ぶっちゃけ、俺がやりたいだけだからな。じゃあ、みんなに来れないかどうか聞いてみるわ。」

「え、でも迷惑じゃないのか?」

「人数は多い方がいいだろ。…お前、そんなに遠慮する奴だったか?」

菊池は、みんなに電話をかけ始めた。

みんなには関係ないのに呼びつけたみたいで、なんか申し訳ない気もするけど…

「今、確認取れたよ。15人来れるってさ。」

「15人!?そんなに!?」

「…ごめん、もしかして人数多すぎた?」

「いや、全然そんな事ねえんだけど…そんなに来てくれんのかよ!?」

「みんな、玉木の彼女の誕生日会なら喜んで準備を手伝うって言ってたぞ。良かったな。」

「…菊池…ありがとな!!」

「うおっ、おい、苦しいって。」

俺は、思わず菊池に抱きついた。

まさか、みんなが小美のために誕生日会を開いてくれるなんてな。

…やっぱり、持つべき物は親友だな!

「よっしゃ、そうと決まればパーティーの準備だ!俺達で必要なモン揃えるぞ!」

「だな、じゃあ俺は向こうの店で買い物してくるわ!」

「おう!」

俺と菊池は、パーティーのための買い物をした。

二人いるだけあって、必要なものはそれなりに揃えられた。

誕生日当日に、みんなが手伝いに来てくれるらしい。楽しみだな。

 

 

ー誕生日当日ー

 

「かつにいー!!」

「よお、玉木。」

菊池とあーちゃんが一番のりに俺の家に来た。

「二人とも、来てくれてありがとな。とりあえず、狭いとこだけど上がってくれ。」

「わーい!!あ、そうだカツにい!」

「なんだ?」

「あーちゃんねえ、ハルねえのプレゼント作ってきたの!」

「え、あーちゃんプレゼント持ってきてくれたのか!?ありがとな!」

「まあね!ジャジャジャーン!!」

あーちゃんは、透明のフィルムで包まれたCDを取り出した。

「これ、うぇすにゃんの新曲!」

「いいなそれ!アイツ、最近の曲とか好きだしきっと喜ぶよ!」

「…を、あーちゃんがカバーしたやつ!!」

「は!!?」

「へへーん、これを贈ればハルねえがあーちゃんのファンになる事間違いなしだよ〜!」

「おいアリス!!このクソガキテメェコラ!!それだけは絶対やめろ!!姫月の誕生日が命日になりかねんぞ!!」

「ふーんだ!脳ミソの大きさがショウジョウバエの目玉くらいしかない音楽IQ2のサトにいには、あーちゃんの歌声の素晴らしさはわからないですよーだ!!」

「うるせえ!いいからそのCD貸せ!」

「あ、ちょっと!何すんだよサトにい!」

「おりゃあ!!」

菊池は、あーちゃんのCDを両手で持つと、勢いよく膝で蹴り上げて割った。

「にゃああああああ!!!あーちゃんカバーver.黒猫の詰め合わせがぁあああああ!!サトにいの人でなし!悪魔!鬼軍曹!!」

「なんとでも言え。…これで諸悪の根源は消え去った。」

「うええええええん!カツにいー!サトにいがあーちゃんのCD割ったー!」

「…はいはい。」

…容赦ねえな菊池の奴。

 

ピンポーン

 

「お、誰か来たみたいだな。」

俺は、玄関のドアを開けた。

「やっほー!カッちゃん!」

「おはよう玉木君。」

「お早うございます、玉木様。」

「近藤に猫西に速瀬!来てくれてありがとな!」

「カッちゃん、パーティーの料理なら任せて!キッチン借りてもいいかな?」

「ああ、もちろん。狭いけど使いたければ遠慮せず使ってくれ。」

「じゃあ、使わせてもらうね〜!」

近藤は、キッチンに上がると早速料理を始めた。

「そうだなあ…やっぱり、定番はチキンとケーキかな〜。あ、そういえば小美ちゃんは和菓子が好きって言ってたし、和菓子にしよっと!あと、料理もそれに合う感じにしてみよっかな!どっかに蒸籠ないかな〜。…あったあった。早速作るぞー!」

近藤の独り言が聞こえてくる。

聞いているだけで腹が減るな。

…アイツの手料理か。楽しみだな。

「玉木君、お邪魔するね。」

「お邪魔します。」

「おう。…って、2人ともその荷物どうした?」

猫西と速瀬は大量の荷物を抱えていた。

「ああ、これですか。パーティーの為の機材等ですよ。必要な物はこちらで用意させていただきました。」

「マジかよ…」

できる女子は違うな…

「昨日、2人で買い物行ったんだよ。じゃあ私は飾り付けとかしてくるね!」

「では、私も準備を進めましょう。玉木様、このお部屋を使っても宜しいですか?」

「あ、いいぞ。自由に使ってくれ。何か不都合があったら、すぐに俺に言ってくれよな。」

「畏まりました。」

速瀬は、テキパキと持ってきた荷物の中身を取り出してセッティングし始めた。

メジャーとかを使って正確に計りながら、それでいてスピーディーに作業を進めていく。

…さすがは『超高校級の秘書』…パーティーの準備においても完璧超人だな。

「よいしょっと。玉木君、そっち引っ張って。」

「おう。…こんな感じか?」

「うん、そんな感じ。」

 

「あっ!」

猫西は、脚立から落ちた。

「危ない!!」

俺は、猫西のもとへ駆けつけようとした。

「…よっと。」

菊池が猫西を受け止めた。

「…おっと、俺の出る幕じゃなかったか。大丈夫か2人とも?」

「ああ、俺はなんとかな。…大丈夫か猫西?」

「あ、うん。私は平気。ごめんね菊池君。受け止めてくれてありがとね。」

「い、いいってことよ。」

菊池の奴、平然を装ってるけど腕プルプル震えてんな。

普段鍛えてないのに急に人を抱えたから腕が痺れたのか?

「あー!サトにいのハンザイシャヨビグン!うぇすにゃん、ここはあーちゃんに任せてこのヘンタイから逃げて!あーちゃんがフルボッコにしておさわりまんにツーホーするから!」

「…それを言うならおまわりさんだよね。おさわりまんだとむしろヤバい人になっちゃうよ。」

「そーともゆー!…とにかく、早くヘンタイから逃げて!」

「誰が変態だコラ。つべこべ言ってないで早く俺達も準備進めるぞ。」

「ぶー。」

…あはは、なんなんだアイツらは。

 

 

ピンポーン

 

「お、また誰か来たのか?」

今度は、小川、射場山、床前が来た。

「先輩、こんちわっス。」

「…ん。」

「こんにちは玉木さん。お邪魔しますね。」

「お前ら、来てくれてありがとな!狭いとこだけど、上がってくれ!」

「では、お言葉に甘えて…」

「あれ?小川、背中のそれ、なんだ?」

「ああ、バイオリンっスよ。パーティーで演奏しようと思ってるんスけど…」

「そうなのか?それは楽しみだな。」

「あ、玉木先輩。」

「おう、なんだ?」

「ちょっと、部屋の響き具合とか確認しておきたいんで、一部屋使っていいっスか?」

「いいぞ。2階の奥の部屋が空いてるから使ってくれ。」

「ありがとうございます。じゃあ、早速使わせてもらうっス。」

小川は、階段を登っていった。

「うっは〜!玉木先輩の家、広いっスね〜!羨ましいっス!…奥の部屋っと。ここっスかね?お邪魔しまーす!」

小川は、部屋に入って演奏を始めたようだ。

上の階から、綺麗な音色が聞こえてくる。

…さすがは『超高校級の演奏家』だな。演奏の腕はプロ顔負けだな。

「あ、射場山さんに床前さん!二人ともいらっしゃい!」

「…いらっしゃいって、あんたの家じゃないよね?」

「まあ、そうなんだけどさ…」

「あら?猫西さん、菊池さんも来ていらっしゃるんですか?」

「え、うん。そうだけど…あ、本人が来たよ。」

「射場山、床前。お前らも来たのか。」

「…ん。」

「菊池さん、こんにちは。私、お手伝いしますね。」

「お、手伝ってくれんのか?悪いな。じゃあここ切ってくれるか?」

「はい!」

「…なんなのアイツ。床前って、あんなキャラだったっけ?」

「あはは、あの子、菊池君の前だと態度変わるよね。ねえ射場山さん。ちょっと向こう手伝ってくれないかな?」

「…ん。」

射場山は、俺の隣に来て色紙で飾りを作り始めた。

俺も、射場山と一緒に飾りを作った。

「こんな感じでどうだ?」

「…いいんじゃない?」

「よし、じゃあこれはダイニングの壁につけよっかな。射場山、お前はどんなの作った?」

「…ん。」

射場山は、うさぎと月の飾りを作っていた。

「…かわいいな。でも、なんでうさぎと月?」

「…姫『月』だから。」

「ああ、なるほど…いいな、そういうの!かわいいし、アイツも喜びそうだ!」

「…ん。」

射場山は、少し微笑んでいた。

コイツ、意外と普通に笑ったりとかするんだな。

…しかし、射場山がこんなにかわいい飾りを作るとはな。

俺も頑張ってパーティーの準備進めないと…

って、菊池と床前は何やってんだ?

「…と、こんな感じでどうですか?菊池さん。」

「それはいいけど、なんかお前近くね?」

「近い?あ、これちょっとくっつけすぎちゃいましたかね…もうちょっと距離おかないと…」

「そうじゃなくて、お前がだよ。なんでパーティーの飾りの準備をするのにそんなにべったりくっつくんだよ。」

「そうですか?普通、人との距離感ってこんな感じじゃありません?」

「どう考えたって近いだろ。手を動かすのに邪魔だからもう少し離れてくれないか?」

「ええ、でも私…」

「…はあ、じゃあ俺が離れるわ。」

「♪」

「…なんでわざわざ距離置いたのに詰めるんだよ。」

「なんとなくですっ」

「はあ、こんなんじゃいつまで経っても終わらねえぞ。とにかく、早く離れ…」

 

バンッ

 

射場山が、いきなり机を叩いた。

…完全に怒ってる。

コイツ、怒るとメチャクチャ怖いんだよな。

「…菊池、床前。あんた達ふざけてんの?姫月が来る前に終わらせなきゃなんないんだから、真面目にやんな。」

「…はい、すみません…」

菊池は、縮こまりながら作業を続けた。

…俺も真面目にやんないと怒られるな。さーてと、飾り作りも終わったし、これを部屋につけよっかな?

 

 

ピンポーン

 

また誰か来たのか?

俺は玄関のドアを開けた。

今度は、ジェイムズ、郷間、森万、織田が来ていた。

「こんにちは玉木さん。私達も、パーティーの準備をお手伝いしますね。」

「よお、勝利!彼女の誕生日なんだってな。俺達にも祝わせてくれ!」

「フン、俺様がパーティーを盛り上げてやろう。」

「ムフフ、姫月氏はかなりの美少女だと小耳に挟んでおりますぞ…お会いするのが楽しみであります!!」

「…織田。一応言っとくが、俺の彼女だからな。あんまり変な事考えんなよ。お前ら、中ですでに菊池達が準備してるから、遠慮せず上がってくれ。」

「はい、ではお言葉に甘えさせて頂きます!」

「ムフフ、時にカークランド氏に森万氏。君達は、姫月氏に会った事があると聞きましたが…」

「ええ、お会いした事はありますよ。確か、森万さんとCDショップで買い物をしている時でしたかね。とても端麗で、清楚な雰囲気の方でしたよ。」

ジェイムズは、スマホの画面を見せた。

「ブヒャー!!噂通りの美少女であります!!玉木氏め、羨ましいですぞチクショー!!」

「人の彼女をいやらしい目見んな、織田。…ジェイムズも、コイツに余計な事教えなくていいから。」

「あ、申し訳ございません…」

「フン、貴様ら。いつまでそこで道草を食っている。早く準備を始めるぞ。ほとんど時間がないのだからな。」

「おう、そうだな羅象。なあ、勝利。俺は何をしたらいいか?」

「…そうだな、庭をパーティー仕様にしてくれないか?」

「…庭仕事は好きじゃねえけど…パーティー仕様だな、任せとけ!」

郷間は庭に向かった。

「私達は私達で準備を進めましょうか。森万さん、一緒に準備しましょうね。」

「フッ。…ところでカークランド。貴様、その鞄の中には何が入ってるんだ。」

「ああ、これですか。姫月さんへのプレゼントです。」

ジェイムズは、花束を取り出した。

「え、いや、お前それ…普通、お前がやるもんじゃないだろ。よりによって、赤いバラって…プロポーズするわけじゃないんだし…」

「安心してください。これは本物の花ではありません。ソープフラワーです。」

「そういう問題じゃないだろ…なんかこう…絵的に…」

「そうですか?最近流行りで、女性にも人気のプレゼントなんですよ〜。」

ジェイムズの奴、流行りとか気にすんのか。

「…そうなのか。まあいいや、とにかく俺達も準備するぞ。」

「了解です!…ところで、森万さんは姫月さんの誕生日のサプライズは、何にするおつもりですか?」

「フッ、いい質問だな。俺は、サイキックショーをしようと思っている。」

「それは素晴らしい考えですね!私もお手伝いします!」

ジェイムズと森万はショーの準備か。

あいつら、何をするのかな?楽しみだな。

 

織田は、リュックを漁っている。

「織田、お前も何か持ってきてくれたのか?」

「ムフフ…実は、姫月氏のために、玉木氏を主人公にした漫画を描いてきたのであります!」

「え、そうなのか?俺が主人公か…ちょっとだけ見せてくれるか?」

「むむ…汚さないように気をつけなされ。」

「わかってるって。どれどれ…?」

俺は、漫画を読み始めた。

…さすがは『超高校級の漫画家』だな。

ストーリーも面白いし、絵も綺麗だ。

…ただ、

「なあ、お前…自分を美化しすぎじゃね?」

「気のせいであります!」

「まあいいけど…あれ?これ、小美か?」

「左様であります!想像で描かせていただきました!」

…想像で描いたのかこれ。

めっちゃ似てんだけど…偶然ってすごいな。

「ありがとな織田。小美もきっと喜ぶよ。」

「ムフフ…それは良かったであります。では、吾輩は仕上げの作業がありますので…」

「おう、頑張れよ!」

 

 

ピンポーン

 

「お、今度は誰かな?」

今度の来客は、エカイラ、神城、狗上、リタの4人だった。

「あら〜!カツトシちゃ〜ん!おはよ〜!」

「ふははははははははは!!!神が来てやったぞ!!感謝しろ!!」

「…チッ。」

「ふわぁ…」

「お前ら、来てくれてありがとな。狭いとこだけど、まあ遠慮せず上がってくれ。」

「うふふ、じゃあお邪魔しちゃうわよぉ〜!」

エカイラは、紙袋を持っている。

「お前、それ何が入ってんだ?」

「ああ、コスメよコスメ!女の子なら、こういうの喜ぶと思って!」

「そうなのか…」

エカイラは、化粧セットを見せてきた。

…うわあ。色がドス黒いなあ…

なんで毒々しい色の化粧品しか入ってないんだよ。

こんなの、絶対女子が引く色だろ…

だけど、せっかく小美のために持ってきてくれたんだし、気持ち悪いって言っちゃダメだよな。

俺は、できる限りの愛想笑いを浮かべた。

「あ、ありがとう…小美もきっと喜ぶよ…」

「あら、カツトシちゃん。お顔引きつってるわよ。大丈夫?」

「ソ…ソンナコトネエヨ?キノセイジャネエカ?」

「いや、棒読みだし…まあいいわ、アタシもパーティーの準備手伝ってこようかしらねぇ〜。」

「フン、オカマの奴、プレゼントのセンス悪すぎんだろ!!ダッセェ!」

エカイラのプレゼントを近くで見ていた神城が笑っていた。

「そういうお前も、何か持ってきてくれたみたいだな。」

「フン、当然だ!!私は女神のように優しい…っていうか女神だからな!!コハルって奴のプレゼントを持ってきてやったぞ!!」

神城は、ラッピングされた箱を取り出した。

「それ、中に何が入ってんだ?」

「フン、いい質問だな!!褒めて遣わす!!…これは、私が調合した神の発明品だ!!顔につけただけでニキビやシミが根こそぎ消え去る美容パックだ!!どうだ、凄いだろう!?ふははははははは!!!」

神城の奴、意外とこういうところで気が利くんだよな。

「ちなみに、これは愚民向けに販売もしているんだ。今なら、二箱買えば私について書かれた聖典がついてくるぞ!!」

「聖典って…もしかして、自分で書いたのか?」

「そうだが?…どうだ?欲しくなっただろう!?ふははははははは!!!」

い、いらねぇ〜!!!

絶対それ二箱以上は売れないだろうな…

「あ、ありがとう神城。」

「フン、もっと感謝してもいいんだぞ!!さてと、特別に神が貴様の家に上がってやろう!!この私を盛大にもてなせ!!」

コイツ、今日の集まりの意味わかってんのかなぁ…

相変わらずブッ飛んでるみたいで逆に安心したよ。

 

「よっしゃ、できたぞ!」

庭の方から郷間の声が聞こえてきた。

…アイツ、もう終わったのか?

「郷間、お前の方はどうなって…」

!!!

…なんだこれは。

ちょっとパーティー仕様にしてくれって頼んだだけなのに、俺の想像をはるかに越えてきた。

木にデコレーションが施されてるだけじゃなくて、レンガでできた調理台とか、ハンモックまであるし…

一体どうやったらこんな風に仕上がるんだよ。劇的ビフ●アフターじゃねえか。

…さすがは『超高校級の庭師』、そんなに好きじゃないって言っていたとは思えないクオリティだ。

これは、プロも認めるわけだ。

「悪いな。ちょっと凝りすぎて時間かかっちまった。こんな感じでいいか?」

時間かかったって…まだ小一時間しか経ってないぞ!?

そんな短時間でこの出来栄え…まさに神業だな。

「すげえなお前!!ここまでいい感じになってるとは思わなかったぞ!ありがとな!!」

「おう!」

みんなすごい張り切ってるな。

…って、小美の誕生日パーティーなんだから、俺が一番張り切らなきゃダメだろ。

俺も、家の中を豪華に飾り付けなきゃな!

「…よっと。」

狗上が外に出て、鞄を床に下ろした。

そして、中からドローンを取り出した。

狗上は、ドローンを動かし始めた。

「…うし、問題無さそうだな。」

「何してんだ?」

「あ?ンだよ、急に話しかけんじゃねえよ。」

「あ、悪い…ちょっと気になってよ。」

「見ての通りだよ。ちゃんとドローンが計算通りに動くかチェックしてんだよ。」

「え、ドローンを!?もしかして、小美の誕生日プレゼント…」

「バッカ、ンなワケねえだろ。コイツは、俺の愛用ドローンだ。誰にもやらねえよ。」

「そうなのか。…じゃあ、なんで飛ばしてんだ?」

「まあ見てろ。」

狗上は、リモコンを操作してスイッチを押した。

すると、ドローンから紙テープと紙吹雪が出てきた。

「これは…」

「明日、テメェの彼女が来たらこれで出迎えんだよ。俺、女の好みとか全然わかんねえけど、こういうので盛り上がったりとかしねえかなって思ってよ。」

「いいアイデアだな!小美も絶対喜ぶぞ!!…狗上、お前がこんなサプライズを思いつくなんて意外だよ!」

「うるせェ。一言余計なんだよテメェ。」

「悪い悪い。…でも、ホントありがとな狗上。」

「チッ…別に、テメェらのためにやってんじゃねえかんな。」

狗上は、照れ臭そうに言った。

褒められ慣れてないのかな、コイツ。

俺は、家の中に戻った。

 

「さてと、俺も飾り付けしないとな…」

「ふわぁ、玉木ぃ。僕も手伝いますよぉお…」

あくびをしながら話しかけてきたのはリタだった。

「リタ、ありがとな。じゃあ、ここを持って引っ張ってくれ。」

「ふわぁ…了解ですぅ…」

まあ、ヒモ持ってるだけだから大した仕事じゃないんだけど…

…ん?なんかズレてきてないか?

ちゃんとリタがヒモを持ってくれてるはずなんだけど…

「…くぅ。」

寝てる!!?

ああ、クッソ。そうだった。コイツは目を離すとすぐ寝ちまうんだった。

「おい、起きろリタ!」

まだ眠りが浅かったからか、意外と起こすのにてこずらなかった。

「はっ、ユーギュポ!!」

一体何語なんだそれは。

「…ふわあ、ごめんなしゃあい…寝ちゃいましたぁ。」

「…じゃあ、あそこにある折り紙で紙吹雪を作ってくれないか?菊池達も一緒にいるし…」

「ふわぁい…」

菊池達がいれば安心かな…

さてと、俺の方は…

 

バサッ

 

…何の音だ?

振り返ると、リタが紙吹雪を被っていた。

「ふわぁああ…ごめんなしゃあい…ドジっちゃいましたぁあ…」

「ったく、あんたね…せっかく私達が作ったのに…」

「まあ射場山、そんなに怒るなよ。リタだって、悪気があったわけじゃないんだし。みんなで一緒に拾おうぜ。」

「…ん。」

…大丈夫かなぁ、アイツら。

 

「できたー!!」

小一時間後、パーティーの準備が終わった。

途中不安要素もあったけど、なんとかパーティーを開そうだな。

あとは小美を呼ぶだけだ。

「もしもし?小美?いきなりで悪いんだけど、今すぐ俺の家に来てくれないか?うん、すぐだ。ごめんな。じゃあな。」

俺は、電話で小美を呼んだ。

「…呼んできたよ。あとは本人を待つだけだな。」

 

ピンポーン

 

インターホンが聞こえた。

「…おい、お前の彼女だぞ。行けよ。」

パソコンで玄関の映像を見ていた狗上が俺の背中を押した。

「お、おう。」

俺は、狗上に急かされて玄関のドアを開けた。

「勝利さん!いきなり家に来いって、何かあったんですか?…そういえば、この前もなんか様子がおかしかったし…」

「…小美。」

「は、はい。なんでしょうか…?」

 

「…誕生日おめでとう!!」

俺と狗上のドローンが同時にクラッカーを鳴らした。

「…はぇ!?」

突然の事に、小美は混乱している様子だった。

「あ、あの…勝利さん、これは一体どういう…」

「さーさ、入った入った!主役は中でご馳走でも食ってゆっくりしようぜ!」

「は、はあ…」

俺は、小美の手を引っ張って家の中に上げた。

 

「小美ちゃんお誕生日おめでとー!!!」

みんなが、一斉に小美の誕生日を祝った。

「あ、あの…勝利さん…この方達は?」

小美は、目をパチクリさせながら俺に聞いた。

「ああ、紹介するよ。俺のクラスメイト達!みんな、お前の誕生日パーティーのために来てくれたんだぞ!実は、最近ちょっとお前にそっけなく接してたのは、このパーティーのためだったんだよ。ごめんな。」

「それは全然構わないのですが…勝利さんのご学友の方々でしたのね…わ、私の誕生日を祝ってくださって、ありがとうございます…」

小美はまだ混乱した様子だったが、嬉しそうにしていた。

「そんな事より、ご馳走食べよう!!」

机の上には、近藤が作った料理が並んでいた。

「美味しそうですね!あの、これはあなたが?」

「そうだよ!ウチが作ったの!どんどん食べて!」

「では、いただきます…」

小美は、ご馳走を食べた。

「美味しいですね!こちらのお料理も、あちらのお料理も全部美味しいです!」

「良かったー!!まだまだあるからどんどん食べてね!」

みんなで近藤のご馳走を食べた。

『超高校級のパティシエ』とだけあって、料理はどれも星が3つ以上つく味だった。

食事の後は、森万のサイキックショーと小川のバイオリン演奏の時間だった。

小美は、森万の超能力や小川の演奏に感動していた。

ショーと演奏の後は、庭に出てお菓子とプレゼントが置かれたテーブルをみんなで囲んで歌った。

「ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデーディアコハルー♫ハッピーバースデートゥーユー♪」

「…皆様、ありがとうございます…!」

「小美、みんながプレゼントを持ってきてくれたぞ。開けてみろ。」

「はい…!…わぁ、どれも素晴らしい物ばかりですわ!こんなに頂いちゃって、いいのかしら…?」

みんなからのプレゼントに、小美は大喜びしていた。

 

「小美、俺からもプレゼントがあるんだ。受け取ってくれ。」

俺は、小美にプレゼントを渡した。

「…!…勝利さん、これは…」

俺は、小美にプレゼントとして手作りの弁当箱を贈った。

「俺、そんなに器用じゃねえけど、お前の喜ぶ顔が見たくて頑張って作ったんだ。」

「…。」

小美は、いきなり泣き出した。

「どうした?気に入らなかったか?」

「…いえ、私…こんなに素晴らしい誕生日を過ごしたのは初めてで…とても、嬉しくて…本当はこういう時、大喜びしなければいけないのでしょうけど…すみません…」

「おい、泣くなよ。来年はもっとすげえ誕生日会にするからよ!」

「…ほ、本当ですか…?」

「ああ!絶対だ!来年を楽しみにしてろよ!!」

「…はい!ありがとうございます…!」

小美は、満面の笑みを浮かべた。

 

プレゼントを一通り渡し終えた後は、解散となった。

俺は、みんながいなくなった後の家を片付けながら考え事をした。

来年の小美の誕生日会は、もっとすごいパーティーにしよう。

…そうなると、もっと人を呼ばなきゃだな。

って、俺が楽しみにしてどうすんだよw

 

 

 

ーだが、それが叶う事はなかった。

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