ダンガンロンパリゾート   作:M.T.

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すいません。本編書くの楽しすぎてこっち出すの忘れてました。


番外編⑯ 日常編

アタシの名前は伏木野エカイラ。

『超高校級の死神』よ。

アタシの事は、気兼ねなくエカイラちゃんって呼んでね!

あ、死神っていうのはあくまでそう呼ばれてるだけね。

ホントは、ただの殺人鬼なんだケド。

…ちょっと。誰よ今アタシの事をオカマっつったの。

アタシはオカマじゃなくてオ・ネ・エ!!

何度も言わせないでちょうだい!!

…はぁ。

え?今アタシが何をしてるのかって?

うふふ、知りたぁい?

今はね、合宿の思い出作りのために、写真を撮ってるとこ!

なんでそんな事してるのかって?

…だって、このセカイはもうすぐ絶望で染まっちゃうんだもの。

せめて、最期の思い出くらいとっておきたいじゃナイ?

おっと、早速誰か来たわね。

 

「おい、エカイラ。そこで何やってんだ?」

「エカイラちゃんさん!」

「フッ。」

あら。ジェイムズちゃんに、ツラノリちゃん。…と、サトシちゃん?

珍しい組み合わせね。

「うふふ、ちょっと思い出作りに写真でも撮ろうと思ってね。せっかく合宿に来たんだもの、どうせなら思い出を形にしてとっておきたいじゃない?」

「成程、良いアイデアですね!」

「フッ。貴様がそんな事を考えていたとは…正直、少し意外だったぞ。」

「アラ。アタシだって、人並みの事を考える事もあるのよ。」

「そう、なのかなぁ。」

「アラ。サトシちゃん。何その目は。アタシの事を、珍獣を見るような目で見ないでちょうだい!」

「合宿初日でいきなり男を掘ったり追いかけ回したりする奴のどこが珍獣じゃないっていうんだ!!」

「ひどーい!あれは、アタシなりのスキンシップだったのに!」

「そんな怖いスキンシップあってたまるか!!」

「んもー!サトシちゃんのバッカァ!」

「気色悪いな。俺達は一体何を見せられているんだ。」

「さ、さぁ…」

「ちょっと!ジェイムズちゃん、ツラノリちゃん!アンタ達まで、汚物を見るような目で見ないで!!」

「いえ、汚物を見るような、というよりは…性別と年齢を弁えていらっしゃらない方を見ているような気分ですね。」

「ちょっとぉ!ジェイムズちゃん!それ、どういう意味!?てか、何そのムカつく遠回しな言い方!!ブリティッシュジョーク!?アンタ達、アタシの事をなんだと思ってるのよ!」

「…貴様は写真を撮りに来たんじゃなかったのか?何をこんなところで騒いでいるんだ。」

「あ、そうだったわね。…んー、でも、ただ写真を撮るだけだと何か物足りないし、みんなでお出かけでもしましょうよ!」

「お出かけっつっても、行動範囲はこの島しか無いけどな。」

「いいじゃない!ホラ、行きましょ!」

 

 

ー売店ー

 

「今日は、アタシが欲しい物を買ってあげるわ。何が欲しい?」

「そうだな…俺は…」

「皆さん、これ見てください!」

「ん?どうしたカークランド…ブフォッ!」

「おい、お前ら一体何やって…プッ!プクク…」

「んもう、アンタ達どうしたの…って、ジェイムズちゃん、アンタそれwww」

ジェイムズちゃんは、変なカツラとメガネをつけていたわ。

この子、せっかくかわいいのに、なんでこんなイロモノが好きなのかしら。

ホント、人の趣味って意外とわからないものね。

「うん、いいんじゃない?ジェイムズちゃんはそれが欲しいの?」

「いえ…私は、これが欲しいです。」

ジェイムズちゃんは、木刀を持っていたわ。

「え、アンタ、それ買うの?」

「はい!」

「…おい、カークランド。そういうのはな、割とどこ行っても売ってるものなんだぞ。修学旅行で木刀買って後悔するって、よくあるパターンだからな?やめておけ。」

「ツラノリちゃん、アンタも人の事言えないわよ。その、どっかで見た事あるような厨二…カッコいいネックレス、多分帰ってきてからでも買えるわよ?」

「うっ…」

全く、どいつもこいつもお土産選びのセンスが壊滅的ね。

なんでみんなマシなお土産を選べないのかしら。

 

 

ー教会ー

 

「この教会、木造建築で、日がよく当たっていていいですよね!」

「フッ、貴様はここが好きなのか?」

「はい、大好きです。」

「確かに、窓から風が吹いて気持ちいいわねぇ。」

「そうですよね?私も、日曜日はここに来るようにしてるんですよ。」

そういえば、ジェイムズちゃんってクリスチャンだっけ。意外ね。

…まあ、ツラノリちゃんの事を師匠って呼んでるくらいだしね。

案外、そういうの信じやすいタイプの子なのかしら。

「さてと、そろそろ移動しようか。次はどこ行く?」

「そうねえ。海とかどう?」

「良いですね。」

「フッ、悪くないな。」

「…え゛?海…?」

「…サトシちゃん、何その嫌そうな顔。泳げないからって、露骨に嫌そうな顔しないでちょうだい。別に、競泳したりとかしないわよ。思い出作りのために、ちょっと歩くだけよ。」

「…ならいいんだが。」

この子、そういえば中学時代は全く泳げなかったって言ってたわね。

1年で恥ずかしくないくらいのレベルにまで漕ぎ着けた努力は評価するけど、やっぱりまだ泳ぐ事に対してはネガティブ思考なのね。

 

 

ー海岸ー

 

「ホント、今日は潮風が気持ちいいわねぇ。そう思わない?」

「私もそう思います。」

「フッ、悪くない眺めだ。」

「…。」

「サトシちゃん、顔真っ青よ?大丈夫?」

「…大丈夫だ。問題ない。」

ホントかしら?

どんだけ海が苦手なのよ。

「そうだ。せっかくだし、ここでみんなで写真を撮りましょうよ!」

「え、ここで?」

「アラ。嫌なの?サトシちゃん。」

「別に嫌ってわけじゃないが…」

「じゃあ決まりね!撮っちゃいましょ!」

「はい!」

「フンッ。」

「え、ちょっと待って…ちょっ、ジェイムズ!お前、風で髪がこっちに流れて邪魔…」

「はい、チーズ!」

 

カシャッ

 

「え、おい!撮ったのかよ!このタイミングで!?酷くねえか!?」

「いいじゃない!…アラ。サトシちゃん、アンタひどい顔ね!」

「本当ですね。」

「フンッ、お世辞にもいい顔とは言えんな。」

「エカイラ!お前が勝手に撮るからだろ!消せ!」

「あら。やですよーだ。」

「あ、おい!待てコラ!!」

この日は、サトシちゃんに追いかけられながら海岸沿いを走ったわ。

風が気持ちよかったわねえ。

たまにはこういうランニングも悪くないわね。

 

 

ー翌日ー

 

うーん、今日も天気がいいわね。

ホント、あと数日でこのセカイが終わるなんて信じられない♡

ま、セカイの終焉をこの目で見られなかったのは残念ダケド。

みんなでこの島でずーっと暮らすのも、アリよりのアリなのかしらん?

「よお、エカイラ!」

「アラ、ゴンゾウちゃん。今日も元気ねぇ。どうしたの?」

「なあ、この後夏美と理御と一緒に島を回るんだが…エカイラも一緒にどうだ?」

「アラ。アタシも誘ってくれるの?」

「だって、エカイラ、思い出づくりがしたいって言ってただろ?」

「アラ、知ってたのね。ありがとう。じゃ、ご一緒しちゃおうかしら!」

「おう!」

 

 

ーホテル前ー

 

「悪い、みんな待たせた。」

「もう、郷間っち遅いよ…って!なんで伏木野っちも一緒なの!?」

「チッ、おいデカブツ!誰がクソカマを連れてきていいって言った!?」

「ちょっとぉ!リオンちゃん!アタシはオカマじゃなくてオネエだっつってんでしょお!!」

「うるせェ!んな事どうでもいいんだよ!んな事より、下の名前で呼ぶのやめろっつってんだろうが!!」

「ちょっと、やめてよ2人とも!ケンカするために集まったわけじゃないでしょ!」

「そうだぞ。お前ら、兄弟喧嘩はやめて一旦落ち着け。」

「…チッ。」

「フンッ!」

ホンット、リオンちゃんって、怒りっぽくて話になんないわよね!

なんなのこの子!もう、アタシ嫌い!

 

 

ー港ー

 

港には、アタシ達が乗ってきたクルーザーの他に、小さなボートが停泊していたわ。

「アラ、可愛らしいボートねえ。1、2、3、4、5、6…これ、全員乗れるんじゃナイ?」

「そうだねえ。」

全員で、リオンちゃんの方を見たわ。

「…何だよ。」

「あーあ、どこかにこのボートを操縦できる人はいないかしらー!もしいたら、ちょっとこのボートに乗って潮風に当たりたいんだけどなー!」

「だよねだよねー!そういえば、ウチらの中に『超高校級の操縦士』の才能を持ってる人がいるはずだよねー?その人に操縦してもらえるとすっごく嬉しいんだけどなー!!」

「おう、そうだな!俺も、ソイツの才能には期待してるぜ!」

「チッ、あーうざってェな!!テメェら、揃いも揃って何がしてェんだ!!気色悪い!!聞いててイライラしかしねェから、そのムカツク喋り方を今すぐやめろ!!」

「アラ。ご不満?じゃあ、どうしたらいいのかしら?」

「…チッ、ああもう!漕げばいいんだろ漕げば!!」

「わーい!狗上っち太っ腹ー!」

「ウフフ、ありがとリオンちゃん。あ、写真撮りたいから、あんまり速くは漕がないでね?」

「うるせェ!!文句があんなら叩き落とすぞコラァ!!」

「キャー怖い!」

アタシ達は、リオンちゃんの操縦するボートに乗ったわ。

「まあ、風が気持ちいいわねぇ。」

「ホント、サイコー!!」

「ああ、帰ったら弟達にも乗せてやりてぇな!」

「クッソ…ふざけんな…なんで俺がこんな事を…」

「アラ。速度が落ちてるわよ。ちょうどいいスピードで漕いでちょうだい。」

「…ふざっけんな、絶対後で海に落としてやる…」

リオンちゃんがぶつくさ文句言っててうるさいわねえ。

ま、写真撮れたからいいわ。

アタシ達は、その後展望台に行ったわ。

 

 

ー展望台ー

 

「うわぁ…結構高いなぁ。」

「クソチビ、前見て登りやがれ。お前が手を滑らせて落ちでもしたら、俺達まで怪我すんだぞ。」

「ちょっとぉ…!狗上っち、なんで登ってる時に落ちるとか言うの!?」ホント怖いからやめて!」

「アラ。大丈夫よナツミちゃん。もし落っこちたら、アタシが受け止めてあげるわ。」

「…郷間っち、ウチの後ろに登ってくれない?もしウチが落ちそうになったら、支えてくれるかな?」

「おう、任せとけ!」

ちょっとぉ!

ナツミちゃん、それどういう事!?

アタシに助けてもらいたくなんかないって事ね!?酷いわ!!

「…ふぅ。なんとか登り終わったぁ。」

「大丈夫か?」

「うん、なんとかね。」

「チッ、塔登るだけでいちいちうるせェんだよクソチビが。」

「狗上っちは、なんでそういう意地悪な事ばっかり言うの?」

「…よいしょっと。こーら!みんな、ケンカしちゃダメでしょ!」

「うっせェ!!」

アラ酷い。

…と、これで全員登ったわね。

「ふぅ。やっぱり風が気持ちいいわねえ!ホント、絶景だわぁ!」

「そうかな…ウチは、高くて怖いんだけどな…」

「アラ。ナツミちゃん、高いの苦手なの?」

「うん、ちょっとね。」

「だったら、飛ばされないようにアタシが抱きしめててあげるわよぉ!」

「…遠慮しとくわ。」

「えぇ!?ひっどぉい!アタシ泣いちゃう!」

「キモッ」

「ちょっとぉ!リオンちゃん!?聞こえたわよ!?誰がキモいですって!?」

「お前だよお前!!お前以外いねえだろうがよ!このオカマゴリラが!!」

「言ったわねェエエエエ!!?このクサレDQNが!!」

「おい、いちいちケンカすんなって。エカイラ、お前は写真撮りに来たんだろ?」

「アラ、そうだったわね。じゃ、撮りましょっか。ほら、みんな入って!」

「ああ。」

「うん、これで良し。」

「…チッ。」

「じゃ、いくわよー?ハイ、チーズ!」

 

パシャッ

 

「撮れた?」

「ええ、バッチリよ。」

「ホント?見せて!」

「ハイ。」

「おお、これは絶景だな!」

「…カッタリィ。」

うん、撮れ具合は完璧ね!

さてと、思い出も作った事だし、今日はもうホテルに戻りましょうか。

 

 

ー翌日ー

 

うーん、昨日は楽しかったわぁ。

今日は誰と思い出作りをしましょうか?

アラ?あそこにいるのは…ユミちゃんとアヤカちゃんとシオンちゃんね!

女三人寄れば姦しいとはまさにこの事ね!

ちょっと突撃しちゃおーっと!

「みんな、何やってるのかーしらん?」

「伏木野君!」

「エカイラ先輩。」

「…。」

ユミちゃんは、アタシが来た事で明らかに引いてたわね。

「ちょっと、ユミちゃん!アタシが来たからって、なんなのその顔は!!」

「…別に。ただ、空気読めよって思っただけ。」

うわぁ!辛辣!結構刺さるわね!

「あはは、すごい言われようだね、伏木野君…」

「笑い事じゃないわよアヤカちゃん!来ただけで空気読めって言われるって…なんなの!?」

「そのまんまの意味よ。…あんたの場合、存在そのものが異端だから。」

うっわぁ!それ、もう何を直したらいいのかわかんないじゃない!ひどいわ!みんな、アタシの事そんな風に思ってたのね!

「まあまあ、射場山先輩…何も、そこまで言う事ないじゃないっスか。…あ、そうだ。自分達、この後島を回ろうと思ってるんスけど…先輩も一緒にどうっスか?」

「アラ、いいの?」

「はい、自分は、人数が増えるなら大歓迎っス!」

「確かに、普段そんなに伏木野君と話す機会無いもんね…うん、一緒に行こう!ね、いいでしょ射場山さん!」

「…え、ちょっと待って。私、ホントにコイツとの接し方がわからないんだけど…」

「んもう、ユミちゃんったら、かーわーいーいー!」

「…黙れ。」

うわぁ。こっわ。

なんでこの子、アタシには強く当たるのかしら?

 

 

ーハイキングコースー

 

「うーん、キツいなぁ…この道歩いてると、結構運動になるね。」

「そうっスね。結構キツいっス。」

「ふんふーんっと。」

「…。」

「え、ちょっと待って!?嘘でしょ!?射場山先輩も、エカイラ先輩も歩くの速くないっスか!?」

「…別に。これくらい余裕。」

まあ、アタシも、殺人鬼になるためにこれの千倍くらいキツい事を毎日やってたものね。

これくらい、近くのコンビニに行くくらい簡単だわ。

「なんか、楽しくなってきちゃった。ちょっと走っちゃおーっと。」

「あはは、やっぱ運動出来る人は違うねえ。ちょっと待ってよ2人とも!」

「ウフフ、早く来ないと置いてっちゃうわよぉー!」

「そんなぁ、ちょっと休ませてくださいよ!せんぱーい!!」

そんなこんなで、アヤカちゃんとシオンちゃんをいじめて遊んでたら、遺跡についたわ。

「アラ。ここの景色、結構ステキね。撮っときましょ。」

アタシは、遺跡周辺の写真を撮ったわ。

「…それにしても、いつ見ても不思議な場所よねぇ。」

「…ん。」

「はぁああ、疲れたぁ…」

「ひぃ、ひぃ…ホントに死ぬかと思ったっス…」

「んもう、最近の子は、これくらいで音を上げるんだから!もうちょっと体力つけなさい!」

「えぇええ!?ちょ、これ以上は死んじゃうっス!」

「あはは、伏木野君もなかなかスパルタだねぇ…」

「ウフフ、可愛い女の子をいじめるのは楽しいわね!」

「…。」

うわっ!

ユミちゃん、なにその目!

メッチャ怖いんだけど!

「…じょ、冗談よぉ。」

「…ん。」

…ビックリしたぁ。

何、今の。殺気?

殺人鬼のアタシもびっくりくりくり栗きんとんよ。

どっと冷や汗が湧き出たわ…

「…気持ち悪い事言ってないで、早く入りな。」

「は、ハイ…」

思わず敬語になっちゃったわ。

この子、殺人鬼でもないのに纏うオーラが怖すぎんのよ。

 

 

ー遺跡内部ー

 

「ホント、いつ見ても思うけど、どこもかしこも石ばっかりね。」

「遺跡って普通どこもそんな感じじゃないの?」

「自分も、そのイメージが強いっスけどね。」

そんな話をしてると、遺跡の一番奥の部屋にたどり着いたわ。

「…よいしょっと。この扉、ちょっと重いわね。」

石造りの扉を開けると、そこには誰の物かはわかんないけど、お墓があったわ。

「何これ…お墓?」

「そうみたいっスね。」

「すごい気になるわね…ちょっとだけなら触ってもバチは当たらないでしょ!」

「…やめな。」

「…ごめんなさい。」

アタシは、ユミちゃんに睨まれて、部屋をベタベタ触るのをやめたわ。

…この子、マジで怖いからあんまり逆らわない方が良さそうね。

「あれ?そういえば、エカイラ先輩、写真は撮らないんスか?」

「…まあね。こんなところで軽々しく写真を撮るなんて、それこそ死者への冒涜デショ。」

「うわぁ…なんか、伏木野君がまともな事言ってるのって、すごいレアだね…」

「何よ!アタシが普段からまともじゃない事しかしてないみたいな言い方しないでちょうだい!!」

「…アンタ、本業は殺人鬼でしょ?」

うっ…確かに、それは否定できないわ。

「じゃあ、ここじゃあんまり写真撮るっていうフンイキじゃないし…外出てみんなで写真撮りましょ?」

「それがいいっスね。」

「…ん。」

みんなで、遺跡の外の道で写真を撮ったわ。

こうして見ると、みんな可愛いわねえ。

ユミちゃんは今すぐ消せって言ってたけど…これは永久保存版よぉ!

 

 

ー翌日ー

 

昨日は楽しかったわぁ。

さーてと。

今日は特に用事とか無いし、たまにはスポーツセンターにでも行きましょうかねえ。

 

 

ースポーツセンターー

 

アラ。既に先客がいたわね。

あれは、カツトシちゃんと…ケンタロウちゃん?

珍しいわね。正直、すっごい意外だったわ。

「…おい、嘘だろ織田。この距離で届かねえのか…」

「う、うるさいであります玉木氏!!元々、吾輩はインドア派!!それなのに、無理矢理スポーツをさせようという発想自体が狂っているのですぞ!」

「いやいや、お前は動かなさすぎだ。たまにはこうやって運動した方が身体にいいんだぞ。」

「嫌でありますー!!吾輩は、運動などしなくてもピンピンしておりますぞ!!」

「カツトシちゃん、ケンタロウちゃん!」

「お、エカイラ!どうした?」

「いや、2人の姿が見えたから呼んでみただけよ。ねえ、何やってんの?2人とも。」

「ああ、これか。織田が普段あまりにも動かなさすぎるからさ。ちょっと運動不足を解消してやろうと思って。色んなスポーツやらせてたんだよ。今は、バスケだな。シュートの練習をさせてるところだ。」

「へえ、ケンタロウちゃんにスポーツ、ねぇ。ププッ…」

「エカイラ氏!!一体何が面白くて笑っているのでありますか!!吾輩の醜態を見て楽しんでいるのでありますか!?ひどいであります!!」

「いやいや、全然そんなつもりはないのよ。…ねえ、ちょっとアタシもやってみていいかしら?」

「おう、いいぞ。織田に手本を見せてやってくれ。」

「ウフフ、お安い御用よ!さあケンタロウちゃん!ちゃんと見ておきなさい!」

「待ってくだされ!吾輩のハードルを上げないでくだされ!」

「さーてと、カッコ悪い所は見せられないものね、ここはサクッと3ポイントシュートでもキメちゃいましょっか。そーれっ!」

アタシが投げたボールは、放物線を描きながらゴールリングの中に入っていったわ。

「おお、さすがエカイラだな。」

「ふふ、ありがと。さ、ケンタロウちゃんもやってごらんなさい。」

「はぁああああああああああああ!!?エカイラ氏!?何を言っているのでありますか!?今のを、吾輩がやれと!?無理に決まっているではありませぬか!!大体、エカイラ氏のような筋肉おばけと、吾輩のような貧弱な男子はそもそも運動能力のキャパシティが違うんでありますから、比べないでくだされ!!吾輩にはこんな化け物じみた芸当、100年修行してもできませぬぞ!!」

「100年修行する気もないくせによく言うわ。ホラ、文句ばっか言ってないでちゃちゃっと投げちゃいなさいよ。」

「だ・か・ら!!無理だと言っているではありませぬか!!吾輩をいじめて楽しいのでありますか!?」

「別にそんなつもりはないわよ。…あ、ねえケンタロウちゃん。もし1発で3ポイントシュート決めたら、可愛い女の子紹介してあげるわよ。」

「ふぁ!!?な、なんですと!?そ、その方は、どんな方なのでありますか!?」

「うーんっと、とにかく巨乳で超美人ちゃんね。料理が上手で、全然顔で判断しないタイプの子よ。漫画が大好きで、将来は漫画家と結婚するのが夢なんですって。ケンタロウちゃんのファンだって言ってたわよ。あの子、絶対ケンタロウちゃんの事気に入るだろうから、うまくいったら付き合えるかもよ?」

ま、今アタシが適当に考えた設定なんだケド。

「ほ、ホントでありますか!?」

「ま、アンタがシュート決めたらの話だけど。とりあえず、頑張れるだけ頑張ってみなさい。」

「うぉおおおおおおおお!!!なんか燃えてきましたぞ!!」

「…おい、エカイラ。お前、性格悪いな。」

「いいじゃナイ。何事も、きっかけが大事なのよ。ほら、ケンタロウちゃんが投げようとしてるわよ。」

「名前も知らぬ君…見ていてくだされ!これが、吾輩の勇姿ですぞ!!やぁあーーーーーっ!!」

 

ボンッ

 

ケンタロウちゃんの投げた球は、思いっきり横の壁にぶつかったわ。

そして…

 

ゴシャンヌ

 

「ぐほぁっ!!」

 

思いっきりボールが顔にぶつかって、ケンタロウちゃんは落としたミカンみたいな顔になったわ。

アラ、シャッターチャンス!

今のうちに、撮れるだけ撮っちゃいましょ!

 

パシャパシャパシャパシャ

 

「…も、もう…スポーツも恋もこりごりでありま…す…」

あーあ、完全に灰になっちゃったわね。

アタシは十分楽しませてもらったし、この子達の写真はこれくらいで十分かしらね?

そろそろ明日の準備しましょーっと。

 

 

ー翌日ー

 

うーん、今日もいい天気ねェ。

今日はどこ行こうかしら?

…あ、そうだ。

クレハちゃんのところにでも行ってあげましょっと。

あの子、この前新薬ができたとか言ってはしゃいでたもんね。

 

 

ー診療所ー

 

「やっほー、クレハちゃんいるぅ?」

「あぁ!?なんだ、貴様かオカマ!!」

「んもうっ!クレハちゃん!アタシはオカマじゃなくてオネエだっつってんでしょ!?」

「ハッ、どうでも良すぎて鼻毛燃えるわ!で!?一体何の用だ!?」

「アンタ、この前新薬ができたって言ってたでしょ?どんな感じかちょっと見たくってね。」

「なんだ貴様!!私の神の発明に興味があるのか!まあ、それは当然なんだがな!今日、私はすこぶる機嫌がいい!特別に、貴様に私の神の発明品を見せてやろう!!見ろ!これこそ、バカを治す薬、クレハノールFだ!!」

バカを治す薬って…これはまたすごい発明したわね。

「はっはっは!どうだ、すごいだろう!?なぜこんな素晴らしい発明ができるのかって!?それは、私が神だからだ!!はーっはっはっはははははははははははははは!!!」

はいはい、すごいすごい。

凡人には到底成し遂げられない、偉大な発明ですこと。

 

「…ふわぁ。」

 

あら。リタちゃんが来たわね。

なんか、すっごい眠そうじゃナイ?…あ、眠そうなのはいつもの事か。

どうしたのかしらん?

「おい居眠り!!貴様、神域に無断で立ち入りおって…何の用だ!!この鼻垂れ貧乳乳首レーズンガバガバ●●●女が!!」

クレハちゃん、アンタ口悪すぎよ。もうそれ放送禁止用語だから。

さすがのアタシでも引くわよ。

「…くぅ。」

あら、寝ちゃった。

「はぁああああああ!!?おい、テメェ何勝手に寝てんだコラァ!!乳首捻り切んぞクソビッチが!!」

ビッチはむしろアンタでしょ。てか乳首って単語好きねこの子。

「…すぅ。」

グイッ

「のわぁあっ!!?」

「アラ。」

リタちゃんは、クレハちゃんの腕を引っ張って、抱き枕にしちゃったわ。

「むにゃ…」

「オイ!!何してんだテメェ!!離せコラァ!!神を冒涜した罪で、天罰が下るぞ!!っていうか下すぞ!!」

「…。」

「オイ、クソカマ!!テメェもそこで突っ立ってないで、早く私を助けろ!!」

キャー!

なんて可愛いのかしら!

女の子同士のベッドシーンなんて…これだけでご飯100杯はイケちゃうわね!

こんなエモい展開、撮らずにいられるもんですか!

激写!激写よぉ!

 

パシャパシャパシャパシャ

 

 

 

ー談話室ー

 

あー、いい物撮れたわ。

アラ。あそこにいるのは、フブキちゃんとタカヒロちゃん。

…と、隣のクラスの子達ね。

「速瀬ちゃん、キミやっぱ仕事早いね。尊敬しちゃうなー。」

「いえ、私等まだまだです。もっと、皆様のお役に立てる様、努力しなければ。」

「うーん、痺れるねェ。ボク、キミのそういう所、カッコ良くて好きだよ。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ、ボクお茶淹れてくるね。」

わかるわぁー、タカヒロちゃん!フブキちゃんって、ホントにクールでカッコいいわよね!

アタシも、ビリビリきちゃった。

「…何か御用ですか?伏木野様。」

「アラ。気づいてたのね。いや、実はね。今思い出作りのために、クラスのみんなの写真を集めてるとこなの!フブキちゃんも、写真に写ってくれないかしら?」

「私は構いませんが…」

「ホント!?ありがと!」

「写真の撮影用に服装を整えて参りますので、少々お時間を戴いても宜しいでしょうか?」

「あ、そのままでいいわよ。アタシ、出来るだけ自然体で撮りたい主義なのよ。」

「左様ですか。では、具体的にどの様なポーズが良いか等のご希望はございますか?」

「普通に、そのまま仕事しててよ。そこ撮るから。」

「畏まりました。」

そこへ、ちょうどタカヒロちゃんが戻ってきたわ。

「速瀬ちゃん!お待たせ。はいお茶。」

「ありがとうございます、嫌嶋様。」

お、いい構図じゃない。

今よ!

 

パシャッ

 

アラ、いい写真。

ウフフ、みんな食べちゃいたいくらい可愛いわねえ。

「え、ちょっと!エカイラクン、今ボクの事も撮ったでしょ!?」

「撮ったわよ〜♬それが何か?」

「何か、じゃないよ!不意打ちなんて卑怯だぞ!恥ずかしいから消して!」

「嫌ですよーだ。」

ウッフフ、恥ずかしがるタカヒロちゃんもカワイイわねえ。

さーてと、タカヒロちゃんのカワイイ写真も撮れた事だし、次はどこ行こうかしらん?

 

 

ー美術館ー

 

うーん、この絵、何度見ても飽きないわねえ。

ホント綺麗だわ。

でも、ただ絵を見てるだけだと暇だし、誰かいないか探してみようかしらん?

 

ドンッ

 

「きゃっ!ちょっと、誰よぉ!いったいわねえ!!どこに目ェつけてんのよ!」

「それはこちらの台詞ですよエカイラさん。ちゃんと前を見て歩いてください。」

下を見ると、ナギサちゃんが立ってたわ。

「アラ、アンタいたのね。」

「後から来たくせに、随分と態度が大きいですね。」

「…アンタ、ホント生意気ね。」

「…まあいいです。私は、今鑑賞中なので、邪魔しないでくれませんか?」

「鑑賞って…絵?」

「絵もいいですが…もっといい物です。」

ナギサちゃんの視線の先には…

 

「サトにい!!見てこの絵!!めっちゃばっちくない!?」

「偉大な画家の作品に対してなんて事言ってんだお前。」

「まるでウンコ踏ん付けたみたい!にゃははは!!きったねー!!」

「うるさい。美術館の中では静かにしろ。」

「なんだと!?サトにいは、あーちゃんのビセーを聴きたくないってのか!?」

「全くもってその通りだ。頼む、恥ずかしいから静かにしてくれ。」

「なんだとー!?サトにいのヴァーカ!!このクサレ銀杏が!!」

 

…あれは、あーちゃんとサトシちゃんね。

ホント、仲良さそうで羨ましいわ。

「ハァハァ、えへへへ…論さぁん…今日も素敵ですぅ…あなたの黒髪と銀の瞳の美しいコントラストが、最っ高に私の胸を躍らせてくれますぅ…ああもう、アリスさん!そこどいてください!論さんの美しい腰回りが見えないじゃないですか!」

気持ち悪っ。

なにこの子。興奮のせいで鼻からありえない量の血流してるし…

アタシでも引くレベルでヤバいんですけど。

もう、『超高校級の幸運』じゃなくて『超高校級の変態』って名乗った方がいいんじゃナイ?

っていうか、もう通報しちゃおうかしら?

その方が絶対世のためよね…

あ、そうだ。いい事思い付いたわ。

 

パシャッ

 

ストーカーの証拠確保っと。

これでいつでも突き出せるわね。

 

あー、ホント、楽しい数日間だったわねえ。

()()に、クラスのみんなと仲良くなれてよかったわ。




よく番外編で神城ちゃんを抱き枕にするちゃんリタ(これで3回目)ですが、神城ちゃんがよく狙われるのは、一番抱き心地が良いからです。
ちなみにちゃんリタ曰く、抱き心地が良い順はこんな感じだそうです。
神城>床前>近藤>小川>射場山>猫西>速瀬>菊池>森万>ジェイムズ>玉木>エカイラ>狗上>郷間>アリス
やっぱり、女の子が上位に来てますね。
森万君以降の男共はデカくてゴツいので、あまり抱きたくないそうです。
あーちゃんはとにかく寝相が悪いので、とにかく抱き枕には不向きだそうです。
ちなみに、織田君はそもそもキモいという理由で抱かれないのでランク外です。
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