あの一件から俺の周りで起こったことは特になく、遂に一年の年月が過ぎた。
尺が短すぎるって?
しょーがねえだろ!早くしねえと魔界劇団が出せねえんだよ!
おっとおっと……作者の本音をぶちまけてしまった……
まあなんにもなかったのは本当だ。あったとすれば皆でキャンプしたり、ボーリングしたり、ゲームセンターに行ったり……結構色んなことやってたんだな俺たち。まあその辺の日常回は作者に任せよう
そして遂に榊遊矢とストロング石島のスペシャルデュエルの日程が組まれた
この次元に来てからセレナたちもアクションデュエルに興味を持って時々、こうした試合を観に行っているのだ。
そして榊遊矢とストロング石島の試合を見に行こうというと思ったがこのイベント主催の企業、LDSは家のグループと関わりを持たないため、予約のチケットが取れなかった。
ということもあってTVで観ることにした。
「そういえばシンゴ?私たち遊矢を見たことないんだけど、どんな奴なの?」
「そうだな……最近は会っていないが、親父さんが失踪したあの時はこれとないぐらい暗い性格だったが、最後に会った時には心から笑って、皆をデュエルで笑顔にしたいって言ってたな。まあ一言で言えば目の前しか見えていないけど何があっても挫けないバカだな!」
「フフッ、それはシンゴもじゃないの?」
「なっ!」
「それはそうだな!」
「セレナ……!お前らなぁ……」
確かに行き当たりばったりなとこも多いけどさ……
「しっかし、沢渡さんの家のTVはやっぱりデカイっすね!!」
「これで3Dっていうんだから最高っすよ!」
セレナとリンは当然いるが柿本たちも居座っている。ちなみにバレットは訓練指導中だ
「お前らなぁ……セレナとリンはともかく自分家にTVあるだろ……」
「そんな冷たいこと言わないでほしいっす!」
「折角の沢渡さんの幼馴染の晴れ舞台なんですから!」
「わーってるよ!冗談だ。っとその前にセレナ、リン」
「なに(なんだ)?」
「遊矢を見ても……驚くなよ」
「どういう意味(ことだ)?」
「始まりますよ!」
TVを見てみるとチャンピオンの石島が堂々とステージに立っていたが遊矢が未だに現れていないところを見て、観客からブーイングが巻き起こる
『親父のように逃げたのか!?』
『早く出てこい!!』
とてもじゃないが見ていて気持ちのいいものではなかった。
「酷いな……」
「うん……」
と観客が帰ろうとしたその時
「ん?なんだあれ……ピエロ?」
セレナがTVの奥のチャンピオンの後ろにいる物体に目を細めると
『チャンピオン!後ろ!』
観客が呼びかけたおかげでチャンピオンは後ろの変なピエロに気が付き、慌てて距離をとった
『おまえ!榊遊勝の息子だな!』
ピエロが衣装を脱ぎ捨てると
「え!?ユーゴ(ユーリ)!!?」
セレナとリンが信じられないものを見たかのように驚く
「「「え!!?同じ顔!!?」」」
柿本たちも声を揃えた後、リンたちと一緒に俺を見たので
「そうだ。アイツが榊遊矢だ。俺も驚いたがどうやら同じ顔の人間はセレナたちだけではなさそうだ」
俺の言葉に理解はできたが納得は出来なかったのか榊遊矢をマジマジと見ていた。
そしてチャンピオンと遊矢の戦いの幕が切って落とされた
『『デュエル!!』』
さーて……ストロング石島のデュエルか……正直アニメで見たことがあるのだが手札4枚消費して呼び出したのがバーバリアンキングだけなんだよな~セレナたちが落胆しないといいんだけど……
『先行は俺だ!俺は魔法カードトレードインを発動!』
は……?
『トレードインで手札のバーバリンキングを捨てて2枚ドロー!そしてカードを一枚伏せる。そしてアクションマジック奇跡を手札に加え、更に手札抹殺を発動!お互いのプレイヤーは全ての手札を捨てて、同じ枚数をドローする!俺はアクションマジックを含めた手札を捨てて4枚ドロー!』
「なるほど、手札交換とアクションマジックを利用したコンボか。中々やるではないか」
『更に俺は伏せていた蛮族の狂宴LV5を発動!俺は墓地からバーバリアン1号とバーバリアン2号を特殊召喚する!そしてこれらを素材にオーバーレイネットワークを構築!』
え……ちょっとちょっと……どうなってんの?
『天空の天使よ!現世に降り立ち、原始の力を奮え!エクシーズ召喚!始祖の守護者ティラス!』
『チャンピオン石島!!いきなりエクシーズ召喚を成功させたぁー!!しかも2ターンの間効果破壊されず、戦闘を行ったバトルフェイズに相手モンスターを破壊する強力エクシーズモンスターだ!!』
『次に手札から死者蘇生を発動!墓地のバーバリアンキングを蘇生させる!更にクリバンデッドを通常召喚!そしてカードを1枚伏せて、エンドフェイズにクリバンデッドをリリースしてデッキから5枚を表向きにしてその中から1枚、魔法カードを手札に加える!俺が手札に加えるのは蛮族の狂宴LV5だ!そして残り4枚を墓地に!これでターンエンドだ』
ストロング石島LP4000手札3枚
バーバリアンキング
レべル8攻撃力3000
始祖の守護者ティラス
ランク4攻撃力2600
ORU2
VS
榊遊矢LP4000手札5枚
「なるほど、今墓地に送ったモンスターを利用する気か」
「そして効果破壊されない攻撃力2600のモンスターと攻撃力3000のモンスターを並べて次のターンに繋げる……すごいわね」
なんだこのタクティクス……OCGの視点から見れば、まだまだだがアニメ視点で見れば信じられないほどのタクティクスだ。
しかもただモンスターを出すだけではなく、後続に繋げるための蛮族の狂宴を手札に加えて、墓地も増やした。次のターンで蛮族の狂宴を発動させれば攻撃力3000の3回攻撃モンスターが出来上がる。
こいつが本当にあの石島なのか?
柿本たちは俺が魔改造したからわかるのだが……まあ、アニメと全く同じ世界じゃないって可能性もあるしな……
っと!遊矢のターンだ。
『俺のターン!俺は手札からEMディスカバーヒッポを召喚!』
遊矢が飛び降りた先にピンクのカバが召喚された
『そしてEMの召喚に成功した時、手札からEMヘルプリンセスは特殊召喚できる!』
『更にヒッポが特殊召喚されたターンに俺は通常召喚とは別に手札からレベル7以上のモンスターをアドバンス召喚できる!俺はヘルプリンセスとディスカバーヒッポをリリースしてアドバンス召喚!さぁー皆様!拍手でお出迎えください!世にも珍しき二色の眼の竜!オッドアイズ・ドラゴン!』
ヘルプリンセスとヒッポがリリースされると二色の眼を持つ竜、オッドアイズドラゴンが現れた。
そして遊矢がその上に乗ってフィールドを駆け巡ってアクションマジックを手札に加えると、そのカードを発動させた
『俺は永続魔法、ワンダーバルーンを発動!アクションマジックともう一枚の手札を捨てて相手モンスターの攻撃力を600ポイントダウンさせる!』
「なるほど、これでバーバリアンキングの攻撃力を上回ったというわけか」
「遊矢やるわね」
そして遊矢は間髪入れず次のカードを手札に加える
『ladies and gentlemen!これから奇跡の大逆転劇をお見せいたしましょう!』
「榊のやつ、ここからどうやって決める気だ?」
『このターンで俺を倒す……か。拾ったそのカードはハイダイブ……それに、後ろのカードはワンダーチャンス……だがそれだけでは倒せない……となるとモンスター効果か』
『流石チャンピオン!その通りでございます!オッドアイズ・ドラゴンが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与えます!』
『成程……口だけではないようだな。確かにハイダイブとワンダーチャンスの攻撃力を上げた二回攻撃でティラスとバーバリアンキングを破壊されれば戦闘ダメージ1500と1100の合計に加えて、効果ダメージ1300と1500で俺は負ける……だがそれで倒せると思ったのなら甘い!手札のエフェクト・ヴェーラーを捨てて効果発動!』
『なんだって!?』
『オッドアイズ・ドラゴンの効果をこのターンの間無効にする!』
上手い。絶妙なタイミングで効果発動をするのを見たところ、観客を沸かせる技量も相当のものだ
『ぐっ……だが破壊はさせてもらう!バトルだ!オッドアイズ・ドラゴンで始祖のティラスを攻撃!そしてこの時、ハイダイブを発動!攻撃力を1000ポイント上げる!』
『ふっ……受けてやろう』
ティラスは抵抗虚しく破壊されたがオッドアイズドラゴンの効果でダメージを与えることができなかった遊矢にとってはかなり厳しい状況だ
石島LP4000→2500
『更にアクションマジックワンダーチャンスを発動!もう一度攻撃できる!行け!オッドアイズ!バーバリアンキングを撃破しろ!』
『それを通すわけにはいかねえな。墓地のネクロガードナーの効果発動!除外して攻撃を無効にする!』
『くっ……!これで俺はターンエンドだ』
またアクションマジックを探しに行く遊矢
「遊矢の奴は……悪く言えばアクションマジックに頼りきりだな」
「そうっすね……」
「確かに間違ってはいないっスけど……」
セレナが厳しいことを仰るが、まあ間違ってはいないな……
「俺のターン!俺は貪欲な壺を発動!墓地の5体のモンスターをデッキに戻して2枚ドローする!そして蛮族の狂宴LV5を発動!墓地からバーバリアン1号、バーバリアン2号を特殊召喚する!更に攻撃力2000以上のモンスターがいることにより手札のオーバーレイブースターを特殊召喚する。更に手札から光属性を指定して幻惑の巻物を発動!バーバリアン2号を光属性にする!そしてオーバーレイブースターと光属性となったバーバリアン2号でオーバーレイネットワークを構築!星々の光よ、今大地を震わせ降臨せよ。エクシーズ召喚!現れよセイクリッド・プレアデス!』
ハァァァァ!!?プレアデスぅぅ!!?なんでアンタがそのカードを使っているのよぉぉぉ!!?北斗くんのアイデンティティは!!?
『チャンピオン!!またしてもエクシーズモンスターを降臨させたぁー!!その効果は1ターンに1度、オーバーレイユニットを使って相手カードをバウンスさせるという強力無比な効果だぁー!!』
『俺はセイクリッド・プレアデスの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使ってワンダーバルーンをバウンスさせる!』
『なっ!!?くっ……!!』
『更に永続罠オープン!バーバリアンレイジ!これで俺のバーバリアンキングの攻撃力は1000ポイントアップだ!……後ろのハイダイブを使ってカウンターを仕掛けようとの魂胆だろうが……そのような小細工は通用せん!更にバーバリアン1号をリリースしてこのターン、バーバリアンキングに2回攻撃の能力を与える!』
バーバリアンキング攻撃力3000→4000
『行け!バトルだ!バーバリアンキングでオッドアイズを攻撃!』
『くっ……!アクションマジックハイダイブを発動!オッドアイズの攻撃力を1000ポイントアップさせる!』
『だがバーバリアンキングの攻撃力の方が上だ!やれ!』
バーバリアンキングがその拳を振るうと遊矢が吹き飛ばされた。
『バーバリアンレイジの効果を受けたバーバリアンキングと戦闘を行ったモンスターは破壊されず、手札に戻る。だがこれで止めだ!バーバリアンキングの二回目の攻撃!』
その攻撃が遊矢に当たろうとした時、
『アクションマジック!回避!攻撃を無効にする!』
なるほど。吹き飛ばされた先に落ちていたのか。危機一髪だな
『むっ!凌いだか……ならばセイクリッド・プレアデスで攻撃!』
再びアクションマジックを探そうとするがオッドアイズを失った今ではその速度はやはり違うようで攻撃をまともに食らってしまった。
『うあー!!』
遊矢LP4000→1000
バーバリアンキングの戦闘ダメージ500とセイクリッド・プレアデスの直接攻撃のダメージ2500の合計で遊矢のライフは一気に刈り取られてしまった。
「この勝負……決まったか」
おいおいおい……!?まさか遊矢がペンデュラムを生み出せないまま終わるんじゃないのか……!?
『逃げずに俺と戦ったことは褒めてやろう。だがお前にはまだ早いステージだったようだな。カードを1枚伏せてターンエンドだ』
『俺は……まだ負けてない!勝負はここからだ!』
『ならば来い!』
『俺の……俺の……ターン!よし!俺も魔法カード貪欲な壺を発動!墓地のモンスターを5体デッキに戻して2枚ドロー!更に手札断殺を発動!手札に加えたアクションマジックとワンダーバルーンを捨てて2枚ドロー!ッ!まだだ!強欲で貪欲な壺を発動!デッキから10枚を裏側表示で除外して2枚………………ドローォ!!』
とその時遊矢のカードが光りだした
『なんだ!?なにが起こってる!?』
そして遊矢が
『俺は!スケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師で!Pスケールをセッティング!』
「何だなんだぁ!!?」
『これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ……!魂のペンデュラム……!天空に描け光のアーク!P召喚!現れよ!我が僕のモンスターたちよ!EMウィップバイパー!EMドラミングコング!そして……!二色の眼持つ竜!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!』
遊矢LP1000手札1枚
(スケール1)星読みの魔術師
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
レベル7攻撃力2500
EMドラミングコング
レベル5攻撃力1600
EMウィップバイパー
レベル4攻撃力1700
(スケール8)時読みの魔術師
VS
ストロング石島LP2500
バーバリアンキング
レベル8攻撃力4000
セイクリッド・プレアデス
ランク5攻撃力2500
『なんだなんだー!!?榊選手!一気に3体のモンスターを召喚したぁー!!』
「これは……!!?」
「すげぇ……」
そしてストロング石島は動揺するものの眼の前の戦いに意識を戻す
『セイクリッド・プレアデスの効果発動!ORUを使ってオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に戻す!』
『その効果に対して俺は速攻魔法禁じられた聖杯を発動!攻撃力を400ポイント上げて効果を無効にする!』
セイクリッド・プレアデス攻撃力2500→2900
『ウィップバイパーのモンスター効果!相手モンスターの攻撃力と守備力の数値を入れ替える!』
『なにっ!?』
バーバリアンキング攻撃力4000→1100
『そしてバトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでバーバリアンキングを攻撃!螺旋のストライクフォース!そしてこの時、ドラミングコングの効果で攻撃力を600ポイントアップ!』
『なら俺はアクションマジック回避を”ビーッ!ビーッ!”なに!?発動できない!?』
『天空を見定める星読みの魔術師よ!その深淵なる力であだなす敵を封じよ!ホロスコープ・ディビネイション!星読みの魔術師のP効果!俺のPモンスターの戦闘時、相手はダメージステップ終了まで魔法カードを発動できない!』
『なら俺は罠カードバーバリアンハウリングを”ビーッ!ビーッ!”なに!?これも!?』
『時空を見定める時読みの魔術師よ!その緻密なる力で我を守護せよ!インバース・ギアヴィス!Pモンスターの戦闘時!相手は罠カードを発動できない!』
『なんだと!?だが俺のライフは500で耐える……次のターンで……!』
『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが相手モンスターとバトルする時!戦闘ダメージが2倍となる!リアクションフォース!』
『なにっ!?バカなァァァ!!』
石島LP2500→ー1500
『決まりました……勝者は……誰が予想したでしょう……!大逆転を収めた……榊遊矢ぁー!!』
おーおー……原作とは違う形だが勝ったな……
「遊矢も中々見事だったな」
「そうね。最後まで諦めなかったから勝てたのよね」
「俺……感動したっす……!」
「俺も……!!」
「しっかしP召喚か……すげえのが出たなぁ……新たな召喚法だろ?」
そうだな……ここにはバレットがいないし断片的なデュエルしか見ていないセレナは俺がP召喚を使えることを知らない
ま、そのうち話しますか。だが……
俺は画面に映っている遊矢を見て、物語が加速すると感じた。