バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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特別編PART-Ⅱ【最高最善最強王!! オーマジオウ降臨】

「さぁさぁ、ケツアールの攻撃はどう受けますかぁ?」

 

ライフ目掛けて強襲を仕掛けるケツアール。現在烈我とシュウヤの場にはブロッカーと成るスピリットはライトブレイドラのみ。それに対し、シャドウの場にクリケッツとアタックしているケツアール、さらに分身の効果で出現した8体ものスピリット。

 

二人に残っているライフは4。どう足搔いても真正面からでは防ぎ切れない。

 

「「ライフで受ける」」

 

互いに相談するように顔を見合わせながら、二人は同時に宣言するとそのままケツアールによる突進がバリアを砕く。

 

「「ぐッ!!」」

「さぁ次ですよ! 分身スピリットでさらにアタック!」

「ライトブレイドラでブロック!」

 

受け止めようとライトブレイドラは体を張って前線へと立つが、分身スピリットのスピードを受け切れる訳はなく、そのまま跳ね飛ばされて破壊される。

 

「まだまだ! 次の分身スピリットでアタック!」

 

追い討ちをかける様に分身スピリットは鳴き声を上げて襲い掛かる、その攻撃に対し、シュウヤは打つ手がないのか「ライフで──」と、コールを言い掛けるがそれに対し。

 

「まだだぜ! フラッシュタイミングッ!」

「!」

「紫電と紅蓮を纏いし魔界の龍! 闘志に震える魂をもう一度呼び起こせッ! 魔界幻龍ジークフリードネクロ! 超星使徒スピッツァードラゴンに煌臨ッ! 

 

スピッツァーを包み込む黒き炎、さらに紫電を帯びながら影の中で新しき姿へと変貌を遂げると、そのまま炎を振り払いジークフリードネクロとなった姿を露にする。

 

「これが烈我のキースピリットっすか!」

「あぁ、自慢の一体だぜ! ネクロの煌臨時効果発揮! トラッシュにあるコスト0、1、3、6、9のスピリットを1体ずつ召喚できる!」

 

烈我のトラッシュには先程破壊されたコスト0のライトブレイドラと、神託によって破棄されたコスト1のレイニードル、二体は先にフィールドへと舞い戻るが、まだ効果は終わらない。烈我のトラッシュにはもう一体、ネクロと同じくキースピリットなるカードが。

 

「こいつを前に絶対はねぇッ! 鉄壁の壁だろうが無敵の相手だろうが一撃必中必殺の矢を叩き込めッ! 龍星の射手リュキオース、召喚ッ!!」

 

何かが駆け寄るその足音が戦場へと響く、そして獣の雄叫びと共に烈我達の後方に白獣に跨るリュキオースがその姿を現すと、そのままフィールドへと飛び降り、戦闘の意思を見せつける様に天を仰いで、大きく吠えて見せる。

 

「リュキオースの召喚時効果発揮! 龍射撃で、BP20000以下の相手スピリットを破壊! 分身スピリットを破壊するぜ!」

 

リュキオースは矢を構えながら狙いを定めると、そのまま矢に炎を纏わせ、そのまま分身スピリットに向けて射貫くと、炎の矢は分身スピリットを貫き、炎に焼き尽くされて四散する。

 

「まだまだ! 召喚によりアポローンにコア1個を神託。さらにリュキオースの【超祈願】でさらにコア3個をアポローンに追加!!」

「ッ! やりますねぇ」

「アタック中の分身スピリットはリュキオースでブロックさせる! さらにアポローンの【神技】発動!」

 

リュキオースの雄叫びにアポローンもまた恩恵を受ける様に力を上昇させ、自身もまたリュキオースに続くかのように矢を構えて見せる。

 

「アポローンのコア2個をボイドに送ってBP6000以下の相手スピリット、分身スピリットをさらに破壊するぜ!!」

 

飛び掛かる分身スピリットに向けてアポローンは一気に矢を射放ち、攻撃しようとしていた分身スピリットは慌てて真上に飛んで矢を避けるが、避けた矢はすぐ後ろにいた別の分身スピリットへと直撃し破壊され、難を逃れた分身スピリットは安心するようにホッ、と一息を零す。

だが油断した束の間、振り返ると何時の間にか自身と同じ高度まで飛び上がるリュキオースの姿が視界に映り込み、そして至近距離迄迫ったリュキオースは矢を使う事無く、そのまま直接火炎放射を吐き付け、その業火の前に力尽きた分身スピリットは爆発四散を起こす。

 

「どうだ! まだ続ける気か!」

「…………」

 

シャドウにとっては予想外の一手、だがそれ程大きく取り乱す事は無く、少しだけ考える様に腕を組みながら冷静にフィールドの状況を見据える。

 

「(相手のライフは残り3、ブロッカーは2体。対してこちらの攻撃可能なのはクリケッツと分身スピリットを合わせて5体。相手はもう一度アポローンの【神技】も使用可能である以上、このターンで決め切るのは不可能ですね)」

 

状況判断を終えると、「仕方ないですね」とこのターンでの決着を直ぐに諦め、ターンを終了する。

 

 

────第6ターン、シュウヤ、烈我side。

 

【シュウヤside】

[Reserve]5個。

[Hand]8枚。

[Field]仮面ライダークローズLv.3(5)BP10000、仮面ライダーゼロワンシャイニングホッパーLv.3(5)BP12000。

 

【烈我side】

[Reserve]6個。

[Hand]4枚。

[Field]魔界幻龍ジークフリードネクロLv.2(2)BP13000、龍星の射手リュキオースLv.1(1)BP6000、月桂竜ダプネドラゴンLv.1(1)BP4000、レイニードルLv.1(1)BP1000、ライトブレイドラLv.1(1)BP1000、創界神アポローンLv.1

 

まずはシュウヤからメインステップを開始し、コアを溜める様にシャイニングホッパーからコア1個をリザーブに戻してレベルダウンさせる。

 

「仮面ライダークウガマイティフォーム、仮面ライダーゼロワンフライングファルコンを連続召喚! フライングファルコンの召喚時効果でボイドからコア1個を自分のトラッシュに置き、さらにボイドからコア1個をこのスピリット以外の「仮面」を持つスピリットに置く。マイティフォームにコアを追加するっす!」

 

このターンで決めるつもりなのか、手数を揃えるように二体のライダースピリットを呼び出し、さらに続けて行く。

 

「バーストセット! さらにクローズをLv.2にダウンしてネクサス、マインディケイダーをLv.2で配置するっすよ!」

 

一気に場を整え、シュウヤと同じく烈我もまた勢い付くように手札を構える。

 

「俺はジークフリードネクロをLv.3に、さらにダプネドラゴンをLv.2にそれぞれアップ!」

 

レベルアップしたことによりさらに高まるように咆哮する二体の龍、だが当然烈我もそれだけでは終わらない。

 

「さらにダプネドラゴンを、太陽神龍アポロヴルムに煌臨させるぜッ!!」

「メインステップ中にだと!?」

 

ネクロの時は違い、アポロヴルムの煌臨するタイミングは自分のターンであれば任意のタイミングで行う事ができる。太陽の如く熱き炎がダプネドラゴンを身を包むが、その炎はより巨大な力を宿させ、アポローンの化神とされるアポロヴルムへと進化させる。

 

「アタックステップ行くっすよ! クローズの効果でトラッシュからコア1個ずつをマイティフォームとシャイニングホッパーへ追加し、それぞれLv.2とLv.3にアップ! この効果でクローズ以外にコアを置いた「仮面」スピリット1体につき、BP5000以下のスピリットを破壊。2体の分身スピリットを破壊っすよ!」

 

マイティフォームと、シャイニングホッパーの二人がそれぞれ別の分身スピリットに狙いを定めて、同時にライダーキックの体勢へと入ると、分身スピリットに直撃させ破壊する。

 

「今だ! アポロヴルムでアタック! アタック時効果! 最もBPの高い相手スピリットを破壊だぜ!!」

 

巨大な火球を作り上げると、それをケツアールに向けて撃ち放ち、太陽龍が撃ち放つその一撃はまさに太陽その物。自身の翼を矢の如く撃ち飛ばして迎撃するが、防ぎ切れるものではなく、そのまま火球に飲まれケツアールは破壊される。

 

「アポロヴルム、【界放:2】の効果発動! アポローンのコア2個をアポロヴルムに置くことで回復! さらにフラッシュ、マジック! ライジングフレイム!! 不足コストはレイニードルから確保させる!」

「!」

 

維持コストを失いレイニードルは消滅するものの、入れ違いになる様にライジングフレイムのカードがフィールドへと出現し、マジックによる炎が分身スピリット達に向けて放たれる。

 

「効果でBP合計8000まで好きなだけ相手スピリットを破壊、ライトブレイドラがいる事で1チャージ追加、合計BP9000まで、残った分身スピリットを全て破壊するぜぇッ!!!」

「!!!」

 

ライトブレイドラの【強化】、鳴き声を上げながらオーラを纏い、それに共鳴するかのように放たれるライジングフレイムはより火力を増し、三体の分身スピリットを一気に飲み込み、炎に焼かれたスピリット達は大爆発を起こす。

 

「これでブロッカーはクリケッツだけ! アポロヴルム、行っけぇーーッ!!」

 

勝負を決めようとアポロヴルムは突撃、手数は充分。このターンで決着を付けられると、シュウヤも烈我も同じことを思う。

だが突撃するアポロヴルムの姿に対し、シャドウは何故かその姿に目が昏れる事は無かった。彼の視線の先には破壊された分身スピリットの姿しか映っておらず、そして裏向きとなっていたカードは表向きとなりトラッシュへ送られるが。

 

「ハハハッハ!! 待ってましたよ!! この時を!!!」

「「!?」」

 

追い詰められ状況の中、全く顔色を変えないどころか寧ろ自身が勝ち誇るかの如く高らかに笑い、その言動に疑問が浮かぶ二人だが、ふとシュウヤが何かに気付いたように。

 

「あ、あれ!!」

「フフフ、気付きましたね。そう、このカードが出て来るのを待ってたんですよ。仮面ライダー、オーマジオウをね! フラッシュタイミングで天魔王降臨、発動!」

「「!!」」

「効果により自分のトラッシュにある紫か白を持つスピリットカードを手札に戻すことができる。オーマジオウは全能、その色は全色! よってこのカードに戻せます!」

 

シャドウにとって待ち望んでいた一枚、ようやくそのカードを手札に加えた事に喚起をしながら、自分の勝ちを確信していた。

 

「ぐっ! まさか初めからそれが狙いだったってことすか」

「嘘だろ、あれだけ大量に展開していた分身スピリット、それが破壊されることも想定内って事かよ!!」

 

「当然です。バトルも怪盗もあらゆるケースを想定してこそ一流。断言します、私に対処できないケースは存在しない!」

「「ッ!!」」

 

緻密に構成された戦略、此処まで全てシャドウの想定通りだとしたら自分達は完全に踊られていたにすぎない。

 

「でも、まだアポロヴルムの攻撃は継続!」

「フフ、茶番はもうたくさんですよ、さらにフラッシュ! 絶甲氷盾!!」

「なっ!?」

「攻撃はライフで受けます」

 

アポロヴルムは腕を振りかぶると、そのままバリアを一閃。振るわれた攻撃はバリアを溶かし、シャドウのライフを破壊するが、ライフが砕けたと同時に荒れ狂う猛吹雪。

アポロヴルムを吹き飛ばし、さらにこれ以上シャドウに近付かせない様に氷の壁が展開されていく。

 

「絶甲氷盾の効果でアタックステップは終了です」

「(しまった! バーストセットしなかったのは、スピッツァーを警戒してだったのか)」

 

完全にしてやられ、アタックステップを終了された事でこれ以上できる事は無い。悔しさに拳を握りしめながらも、そのままターンをシャドウに明け渡す以外の選択肢はない。

 

 

────第7ターン、シャドウside。

 

[Reserve]27個。

[Hand]4枚。

[Field]邪神官クリケッツLv.2(3)BP10000、巻き上がるダンガロ山脈Lv.1(0)。

 

「さぁ、いよいよ真打の登場ですよ!!」

「「!」」

 

シャドウの手に加わった一枚、何かが来るかは当然二人も分かっているが、分かっているからこそこれから来るであろうそれに、今までにない戦慄とプレッシャーを感じていた。

 

「さて、手札のこのカードを召喚する場合、お互いのフィールドにあるカード1枚につき、このカードのコストを-3。私の場にはクリケッツとダンガロ山脈、そしてそちらのスピリット達を含めて、上限一杯であるコスト18までを軽減し、コスト2でこのスピリットを召喚できる!」

「上限までって事は元々のコストは20!?」

「察しが良くて助かります。それでは最大のお宝、お披露目としましょうか!!」

 

烈我の言葉に応えながら、まるでアピールするように手札にあるそのカードを構える。

 

「頂点超王に全てが平伏す! 次元を超えた最強見せし時! 仮面ライダーオーマジオウ、召喚ッ!!」

 

漆黒へと染まる空に轟雷が降り注ぐ。

 

≪祝福の時!!≫

≪最高! 最善!! 最大!!!≫

≪最強王!!!≫

 

轟雷の中で響き渡る電子音、そして雷の注ぐ光の中にゆっくり歩み寄る一体の戦士、否、全てを滅ぼす超越無二の存在、時空を統べる最強のライダーにして、魔王──オーマジオウ。

 

「こ、これが……オーマジオウ!」

「……実際目にしてみてよく分かるっす。かなりやべぇって事が!」

 

「ハハッハハハ!! セシボーンッ! トレビアンッ!! まさに最強に相応しい姿だ。まさに最高のお宝だ!!!!」

 

降臨するオーマジオウの姿に心の底で歓喜の声を上げるシャドウ、だが烈我とシュウヤ達はその姿に対しただただ圧倒されるように言葉を失っていた。

 

「オーマジオウ、Lv.3……BP50000、だと!?」

「あり得ねぇ数値、無茶苦茶じゃないっすか!」

 

たじろぐ二人に対し、シャドウは容赦なくバトルを続行させて行く。

 

「本番はこれから、と言いたい所だが、もう満足です。君たちはここで終ってもらいますよ」

「「!!」」

「オーマジオウの召喚時効果発揮! コスト20以下の相手スピリット1体を破壊する!!」

「コスト20以下だと!?」

「太陽神星龍アポロヴルムを破壊です!」

 

コスト20以下、ほぼ全てスピリットはその対象から逃れることはできない。オーマジオウはゆっくりと左手を上げ、そして腕をアポロヴルムへ翳した瞬間、巻き起こる大爆発にアポロヴルムは破壊される。

 

「そ、そんな!!」

「さて、次はアタックステップに参りますが、よろしいですか?」

 

オーマジオウのカードに手を添え、そして不敵な笑みを浮かべと。

 

「オーマジオウでアタック! クリケッツの効果により、オーマジオウの召喚時効果をアタック時効果としてもう一度使用! 今度は魔界幻龍ジークフリードネクロを破壊!」

 

今度はネクロに向けて再び腕を翳すと、巻き起こる大爆発と共にネクロは吹き飛ばされ、破壊される。

 

「ネクロッ!」

「キースピリットの心配をしてる間はありませんよ! オーマジオウの効果はまだ終わってませんからねぇッ!!」

「!?」

「オーマジオウのフラッシュ効果、1コストを支払うことで、手札にある【チェンジ】を持つカードを使用する事ができる!」

「【チェンジ】だと!?」

「ハイ、私が使用するカードは、仮面ライダービルドハザードフォーム」

「「!!」」

 

オーマジオウはその場で立ち止まり片手を天に向けて翳すと、まるで呼び寄せるかのようにオーマジオウの前に現れる黒きライダー、漆黒の鎧を身に纏う狂戦士──仮面ライダービルドハザードフォーム。

 

「このカードのチェンジの効果、相手のBP14000以下のスピリット、全てを破壊します!」

「「何ッ!!?」」

 

≪MAX・HAZARDON≫

 

電信音と共にクローズの時と同様、ハザードはベルトのレバーを回し、自分の前に立つ全てのスピリット達を視界に補足していく。

 

≪READY・GO!!≫

≪OVERFLOW・YABEE!!!≫

 

大きく空へと飛び上がりライダーキックの体勢へと入り、スピリット達は危険信号を本能で察するようにそれぞれ防御姿勢を取るが。

 

≪HAZARD・FINISH!!≫

 

悪魔の声の如く響く電子音と共にハザードの放つその一撃、全てを破壊する程の強大な爆発共に全てのスピリット達は爆風に飲まれ、そしてフィールドは焦土と化し、その中にただ一騎、燃え盛る大地の上で立つハザードの姿。

 

「お、俺達のスピリットが……!」

「全滅、すか」

 

「この効果でチェンジを使用した時一枚ドロー、さてこれでフィニッシュです」

 

焦土と化したフィールドに佇むハザード、役目を終えた様にハザードもまたその場から消滅するが、ハザードのすぐ後ろに続いていたオーマジオウは燃え盛る大地の上をまるで散歩でもするかのように平然と歩きながら烈我達へと近づいていく。

 

「ま、まだっすよ!! まだ終わらないっす!! 相手による自分のスピリット破壊後でバースト発動! ディケイドイリュージョン!」

「!」

「効果でデッキの上から3枚オープン! その中にあるディケイドを含むスピリットカード1枚をノーコスト召喚出来るっす!」

 

すぐさまデッキの上からオープンされるカード、カードは上から「仮面ライダービルドラビットタンクフォーム」、「ダイナバースト」、そして「仮面ライダーディケイド激情態」。

 

「来たっす! 仮面ライダーディケイド激情態をLv.3で召喚!」

 

マゼンタの装甲を身に纏いし、仮面ライダーにして全てを壊す破壊者、その名はディケイド。

 

「仮面ライダーディケイド激情態でブロックさせるっす!」

「そのライダーじゃ、オーマジオウには遠く及びませんよ?」

「構わないっす! ディケイド激情態のブロック時効果! 手札にある仮面ライダージオウビルドフォームの【チェンジ】を発動!」

「!」

「チェンジの効果はコスト6以下の「仮面」を持つスピリットと入れ替える効果っすが対象はない。その代わり、ディケイド激情態の効果で発揮した【チェンジ】を持つスピリットはそのままノーコストで召喚できる!」

 

激情態に並んで立つジオウビルドフォーム、そしてこちら向けて歩み寄る魔王(オーマジオウ)を迎え撃つべく、破壊者(ディケイド)はその前へと立ち下がる。

 

≪ATTACKRIDE・GIGANT≫

 

一枚のカードをベルトに差し込むと、電子音と共に出現するは4連装のミサイルを取り付けた大型の重火器兵器──ギガント。

そのミサイルを躊躇なく全弾オーマジオウへと撃ち込み、放たれたミサイル全てオーマジオウを捕え命中。

 

 

────だが。

 

激しい爆風の中に未だ歩み続ける人影、ミサイルによる攻撃さえも物ともせず、爆風を平然と歩き出るオーマジオウ。それならばとディケイドは、剣型の武器であるライドブッカーを構えオーマジオウへと向かって行く。

 

「それで防いだとでも? フラッシュタイミング、マジックでタフネスリカバリーを使用! 効果でオーマジオウをさらにBP+2000し、回復させます!」

「!!」

 

ライドブッカーをオーマジオウへと振り下ろすが、オーマジオウは片腕を構えたかと思うと、振り下ろされた剣の一撃を僅か指一本で受け止めてしまう。

たかが指一本、されどディケイドはどんなに力を込めても剣はまるで固定されたかのようにビクとも動く事は無く、そしてオーマジオウは空いたもう片腕を構えると、そのまま拳を突き出し、その正拳の一撃はディケイドをはるか上空へと吹っ飛ばし、そのまま上空でディケイドは力尽き消滅。

 

「さて悪あがきはこれで終わりですかね?」

 

圧倒的なオーマジオウを前に敗北の二文字が二人の脳裏を過る。ここまでなのか、と俯くシュウヤ達の表情にシャドウは笑いながら。

 

「では最後です! オーマジオウでアタック!」

 

オーマジオウは再び二人へと近づき、腕を構えた瞬間、天より降り注ぐ轟雷と地面より噴き上げる轟炎が展開されたバリアに容赦なく襲い掛かる。

 

「「うわあああああッ!!!」」

 

残るライフはあと一つ、そしてその止めを刺そうとクリケッツが構える。

 

「クリケッツでアタック! フィーナーレです!!」

「絶対負ける訳には行かないっす! フラッシュタイミング! デルタバリア!!」

「!」

「効果でコスト4以上のスピリットとアルティメットじゃライフは0にできないっすよ!」

 

最後の希望となるマジック、クリケッツは止めを刺そうとシュウヤ達へ飛び掛かるが、展開されるバリアはより多重に構築されると、クリケッツの突進はバリアに皹を入れる事すら叶わず、そのまま弾き返される。

 

「くっ! まだそんなマジックを持っていたとは……!!」

「シュウヤ、助かったぜ!」

「へへ、けど生憎これが最後の防御マジックだったたすけどね」

 

苦笑いしながら烈我へ答え、防がれる事は想定していなかったのか少しだけ悔しそうに拳を構える素振りを見せるが、あくまでも冷静にするのが自身の心情であり、ハッとしたようにすぐに構えた拳を隠す様に下ろす。

 

「ま、まぁ次で決めればいいだけの事ですから問題はありません! ターン終了としましょう!」

 

 

────第8ターン、シュウヤ、烈我side。

 

【シュウヤside】

[Reserve]20個。

[Hand]3枚。

[Field]マシンディケイダーLv.1(0)。

 

【烈我side】

[Reserve]17個。

[Hand]3枚。

[Field]創界神アポローンLv.1。

 

「何とか首の皮一枚繋がったっすけど、このままじゃ……!」

 

絶体絶命の状況に不安が声に出る、だがそんなシュウヤに対し烈我は。

 

「相手は確かにとんでもないかもしれない。けど、俺達は負けられない、だろ?」

「!」

 

烈我の言葉に対し、シュウヤもまた「そうっすね!」と力強くうなずいて返事を返すと再び前を向き、闘志を燃やして行く。

 

「俺のターン! 仮面ライダーディケイド ライドブッカー装備をLv.3で召喚!」

「こっちはライトブレイドラを召喚!」

 

再び場に現れる小型のライトブレイドラ、だがそれだけで終わる筈はなくもう一枚、烈我にとって一番の相棒を構える。

 

「罪を背負いし怒りの竜! 憤怒の炎、烈火で地獄さえも焼き尽くせ! 爆我炎龍バジュラブレイズ、召喚ッ!!!」

 

大気は震え、空は一瞬にして暁に染まる。そして空より降り注ぐ無数の流星群、ある一帯を除いて流星は地面を抉る様に砕き、まるでステージのような土台を作り上げると、土台の上に注ぐ巨大な火球、炎より眼光を輝かせてバジュラブレイズがその姿を見せる。

 

『グルアアアアアァァァァァッ!!!』

「すっげぇっ!! これが烈我の相棒っすか!! こんなの見た事ねぇっす!!!」

 

赤き龍の咆哮がフィールド中に轟く。その姿にシュウヤも先程の不安な思考はすっかり吹っ飛ぶように歓喜し、敵であるシャドウもまたバジュラの姿に魅入っていた。

 

「それが七罪竜の一体! 実にトレビアン!! ルディアが欲しがるのも分かる気がするよ! 是非とも手に入れたい!!」

『ハッハ、悪ぃな怪盗野郎! 俺の用事はテメェの『物』になる事じゃねぇ。俺の怒りをテメェにぶつける! それだけだ!!』

 

あくまでシャドウの物になる事は願い下げだ、シャドウにその意思を示しながら烈我達に視線を向ける。

 

『さぁ烈我! こっからだぁッ!! それにシュウヤつったか? テメェにも俺の力を見せてやるから、目ん玉引ん剥いてよく見てなッ!!』

「はは、すっごく頼りになるっすね!」

「あぁ、口が悪いのが傷だけどな」

 

笑いながらシュウヤに言いつつ、バトルに意識を切り替えさらに続けて行く。

 

「さらにまだ行くぜ! マジックでフォースブライトドロー! 効果で4枚になるよう手札からドロー!」

 

一気に手札を増やし、手札に加えたカードに目を輝かせる。

 

「聖蓮神剣リグヴェーダをバジュラブレイズに直接合体!」

 

天より降り注ぐ神剣──リグヴェーダ。赤きその剣にバジュラは片腕を突き出して剣を掴み取り、力を見せつける様に剣を振るいながら雄叫びを上げる。

 

「さぁ行くぜ! アタックステップ!! バジュラブレイズでアタック! アタック時効果、【火力推進】発動!! このスピリットをBP+5000、さらに手札を一枚破棄する事で相手スピリットは可能なら必ずブロックをしてもらう!」

「ふふ、ですが私の場は全て疲労状態。おまけにオーマジオウはバジュラのBPを大きく上回りますし、クリケッツはアルティメットだからバジュラ効果は受けません!」

「だからリグヴェーダを付けたのさ!」

「!」

「聖蓮神剣リグヴェーダの効果! アタック時、相手のスピリットかアルティメットを指定して攻撃できる! よってクリケッツに指定アタックだぜ!」

「そういう事でしたか、仕方ない! クリケッツ、ブロックです!!」

 

シャドウの指示にクリケッツは眼光を輝かせ、竜巻を巻き起こしてバジュラへと飛ばすが、握りしめたリグヴェーダを力限り振るって竜巻を掻き消す。

そのままリグヴェーダに自身の炎を纏わせ手構えると、居合いの如く鋭き一閃でクリケッツを斬り裂き、破壊される。

 

「バトルで相手のスピリットかアルティメットを破壊した時、バジュラブレイズは回復だ!!」

『オラァッ! もう一丁行くぞッ!!』

「あぁ頼んだぜバジュラ! バジュラブレイズで再アタック! 【火力推進】の効果で手札を破棄!」

「また指定アタックする気ですか?」

「いいや、フラッシュでリブートコードを使用! 不足コスト確保でライトブレイドラを破壊!」

「!」

 

自身の赤いオーラとは別にマジックによる白い光がバジュラに灯り、その光は合体スピリットであるバジュラブレイズの再アタックを可能とさせる。

 

「(次でアタックすれば【超爆火力】の効果まで繋げられる! そうすれば……!!)」

「スゥクレ」

「!?」

 

静かにシャドウはそう一言、烈我に向けて呟くと目を開きながら手札を構える。

 

「フラッシュタイミング! リゲイン発動!! 効果でオーマジオウをBP+5000し、さらにこのターン、疲労ブロッカーとなります!!」

「なっ!?」

「言った筈ですよ、怪盗を名乗るからには常に相手の想像を超えて行かなければならないと!!」

 

突っ込むバジュラの前に立つオーマジオウ、その姿はまさしく強大で最強の壁。

 

「(駄目だ、バジュラじゃ……勝てない!)」

「七罪竜貰いますよ! オーマジオウでブロック!!」

 

オーマジオウのBPは55000、圧倒的な力の差にここまでか、と思いが込み上げるが。

 

「諦めるんじゃないっすよ!! フラッシュタイミング!!」

「「!!」」

 

喝を入れる入れるかのように叫ぶシュウヤ、その声に烈我も俯きかけていた顔を上げる。

 

「俺が憧れるヒーローは最後の最後まで絶対に諦めない! だから俺も、絶対に諦めねぇっす!!!」

「シュウヤ!!」

「世界を巡り、全てのライダーの力その身に収め、コンプリートせよ! 仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム、煌臨ッ!!!」

 

一枚のカードをディケイドの上へ重ねると、それに共鳴されるかのようにディケイド手の上にケータッチと呼ばれる機械が出現し、それの使用法を熟知しているのか、ケータッチに描かれたマークを指でスライドさせていく。

 

≪KUUGA・AGITO・RYUKI・555・BLADE・HIBIKI・DEN-O・KIVA≫

≪FINAL KAMEN RIDE・DECADE≫

 

描かれたマークを示すライダー達のカードがディケイドの装甲に浮かび上がり、全てを仮面ライダーの世界を巡りそのメモリーを収め、極めた姿こそ即ちディケイドコンプリートフォーム。

 

「コンプリートフォームの煌臨時効果発動、デッキの上からカードを5枚オープン、その中から「仮面」を持つスピリット達を全てノーコストで召喚するっす!!」

「何だと!?」

 

出来の上から捲られる五枚のカード、まず5枚の内、2枚が先にオープンされカードは「マシンディケイダー」と「ディメンションキック」の為、2枚のカードは消失するが。

 

≪RYUKI・SURVIVE≫

 

ケータッチにある龍騎を示すマークをタッチすると電子音性と共に3枚の内の一枚が消え、フィールドに龍騎サバイブフォームが出現する。

 

≪555・BLASTER≫

 

今度は555を示すマークをタッチすると、またオープンされたカードの一枚が消え、フィールドには仮面ライダー555・ブラスターモードが出現する。

 

≪KABUTO・HYPER≫

 

最後の三枚目、カブトを示すマークタッチし、フィールドへと立つ仮面ライダーカブト・ハイパーフォーム。

 

「龍騎サバイブ、555ブラスター、カブトハイパー、全てLv.2で召喚っす!」

「こ、これがライダースピリット」

『壮観だな』

 

ディケイドに呼び出された三人の仮面ライダー達、その迫力には思わずシャドウも一瞬動揺に固まってしまうが、すぐに冷静さを取り戻す。

 

「何のつもりかは知らないが! 並べた所で所詮BPはオーマジオウの足元には及ばない!」

「確かに一体だけじゃオーマジオウには到底かなわないっすね。けど!」

「!!」

「ヒーローは一人で戦ってるんじゃない! 仲間と、皆の力で戦ってる! それを今証明するっす! フラッシュタイミング! キズナブレード発動ッ!!」

「!!!?」

「この効果で龍騎サバイブ、555ブラスター、カブトハイパーを疲労させ、その合計BPをバジュラブレイズ加算させるっす! ディケイドコンプリトフォームのLv.2の効果で仮面を持つスピリットは全てBP+5000してるので、その分も上乗せするっすよ!!」

「つ、つまりその合計は……!!」

 

烈我とシュウヤは顔を見合わせながら。

 

「「合計BP70000!!」」

「アンポッシーブル!!?」

 

≪SHOOT・VENT≫

 

龍騎サバイブが仕掛ける様にカードを手に持つドラグバイザーにセットさせると、自身と契約するモンスターであるドラグレッダーが飛び出し、オーマジオウに向けてドラグバイザーとドラグレッダーによる火球の攻撃がオーマジオウへと直撃し、巻き起こる激しい爆風。

 

だが魔王の名は伊達ではない、咄嗟に腕を構えて防御姿勢を取っており一撃程度ではビクともしないが。

 

≪EXCEED CAHRGE!!≫

 

左からファイズブラスターを構えるファイズ、そしてさらに。

 

≪KABUTO・ZABEE・DRAKE・SASWORD・POWER!!≫

≪ALL・ZECTER・COMBIND!!!≫

≪MAXIMUM・HYPER・CYCLONE≫

 

右からはパーフェクトゼクターを構えるカブト、両二名それぞれ自身の武器にエネルギーを収束させそのままオーマジオウに必殺技となるその一撃を撃ち放っていき、流石に立て続けに強力な攻撃を受け続け切られず、激しい爆発と共に防御姿勢が崩れ、その瞬間にバジュラは前へと出る。

 

『オラァッ!!!』

 

リグヴェーダを投げ捨て、両拳に渾身の炎を纏わせたその一撃を魔王へと叩きこみ、無防備となった身への一撃にオーマジオウは大きく後ろに吹っ飛ばされる。

 

吹き飛ばされながらもオーマジオウはすぐに起き上がり、ベルトを構えると自身も本気となったことを示す様に構え。

 

≪終焉の時!!≫

 

ベルトを起動させ、迸る粒子のエネルギーを両足に灯して行き、そして空へと飛び上がる。

 

≪オーマジオウ・ヒッサツゲキ!!!≫

 

魔王による最高最大最強の攻撃、繰り出されるその攻撃が生み出す結末はまさしく終焉に相応しいだろう。だがその攻撃に対してもライダー、そしてバジュラは一切退く気はない。

 

『魔王!! ここまで滾る相手は記憶にねぇ!! 存分に、俺の怒り全てをぶつけてやるぜぇッ!!!!』

 

バジュラの身に纏う炎はより熱く燃え滾る、そして三人のライダー達もまた飛び上がりそれぞれライダーキックの体勢に入ると、トリプルライダーキックによる攻撃がオーマジオウの必殺技と激しく火花を散らしながらぶつかり合う。

フィールド全体に迸る激しい稲妻、それには思わずシャドウもたじろいでいるがシュウヤと烈我は少しも怯む事無く。

 

「バジュラ!! 行っけぇーーッ!!!」

『任せろぉぉぉぉおおおおおッ!!!』

 

大きく地面を蹴り上げながら宙へと飛び出すと、そのまま紅蓮の業火をより強大に腕を込めて行く。

 

『魔王、俺の罪は! テメェの先を行くぜぇぇぇぇええええッ!!!!」

 

そのまま炎の拳をオーマジオウへとぶつけると、4体からの攻撃にオーマジオウは相殺しきれず、そのままバジュラの拳が魔王を捕え、そして互いに技を繰り出し、地面へ降り立つが、オーマジオウはゆっくりと地に伏し、遂に魔王はフィールドから去り行くように消滅する。

 

「ば、馬鹿なぁッ!!! オーマジオウが!!」

「これで決まりだ! バジュラブレイズ回復! そして再アタックし、三回以上のアタックを条件に【超爆火力】発揮! 一枚ドローしてさらに回復!!」

「ライフで、受ける!!」

 

そのままリグヴェーダを拾い上げて、シャドウに向けて勢いよく投げつけると、バリアに大きく風穴を開け、ライフを砕く。

 

「がああああッ!!」

 

「これで残るライフは3っすね!」

「あぁシュウヤ、決めるぜ!!」

「はい!!」

 

並び立つバジュラと、仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム。

 

「仮面ライダーディケイドで!」「バジュラブレイズで!」

「「アタック!!!」」

 

「!!!」

 

≪FINAL ATTACK RIDE≫

≪DE・DE・DE・DECADE!!≫

 

カードをベルトに差し込み、発動するディケイドの必殺技。まるで必殺技までの道程を示すかのようにカードが光となってロードを作る。

 

『ハッハ! 俺も一丁真似てみるかッ!!』

 

ディケイドと共にバジュラも宙に飛び上がり、ディケイドを真似る様にバジュラもライダーキックの体勢へ入ると、そのまま光へと飛び込みシャドウへとその攻撃を放つ。

 

「うわああああああああああッ!!!」

 

二体のライダーキック、その一撃はシャドウのライフを全て砕き、勝負の幕を下ろす。

 

「「やったぜーーっ!!」」

 

互いにハイタッチを交わす烈我とシュウヤ。お互いの実力を健闘し、勝利を喜びながら二人は元の場所へと戻って行く。

 

 

***

 

 

「オーマジオウ! 取り返せたっすよ!!」

「やったな! シュウヤ!!」

「ありがとうっす! 烈我! 烈我のお陰で勝てたっすよ!」

「それを言うならシュウヤのお陰だって、ライダースピリットカッコよかったぜ!」

「烈我のスピリットこそ、それにバジュラも!」

『ハハハ、当然だぜ!』

 

「ぐっ! 全く予想外の連続でしたよ」

 

一方で流石に元帝騎だけあって、バトル慣れしているのか、痛みを受けてなおすぐに起き上がり、パンパンと汚れを払いながら落ち着いた様子だった。

 

「ま、まだやる気っすか」

「……フム、正直言って手放しがたいお宝ではあったんだが」

 

名残惜しそうにオーマジオウに視線を向け、その視線から隠す様にオーマジオウを抱え込むシュウヤだが。

 

「フッ、まぁ勝負は勝負。今日は君たちの勝利に免じて大人しく引き上げようじゃないか!」

「何で上からなんすか!」

「ともかくオーマジオウのカード、強力だったが存分に扱えて満足したよ。それに狙うべきお宝は他にもありそうだしね」

 

オーマジオウから視線を外し、今度はバジュラに視線を向けて笑うと、バジュラは悪寒を感じる様に背筋を震わせる。

 

「お前まだ!!」

「おっと、今日はこの辺で。失礼させてもらいますよ!!」

 

再び煙球を地面へ叩きつけ、視界が煙に覆われる中、シャドウはバルーンを使って上空へと飛び上がる。

 

「ケホッケホッ! あっ!! あいつ!!!」

「それではまたいつの日か! オ・ルボワール! ごきげんよう!!

 

再びどこかの方角に向けて飛び立つシャドウ、「あいつめ!」と府に落ちない気持ちを感じるシュウヤ達だが、すぐに顔を見合わせ苦笑いを浮かべる。

 

「ま、まぁとにかく一件落着って事でいいんすかね?」

「だな。戻ろうぜ!」

 

 

***

 

 

ヘルの元へと戻る烈我とシュウヤの二人、ヘルは機械を使って元の世界の場所を開く。

 

「あれ、烈我は一緒に行かないんすか?」

「嫌、住んでる街が違うから」

「あぁ、確かにそうっすね。でも今度俺の街にも遊びに来て欲しいっす」

 

「機会があればな、そっちこそ今度是非俺達の街に来てくれよ」

『あぁ、もしお前が来るなら此奴が好きな奴の事も紹介できるからな』

「えっ! 初耳っすよ!? もしかして彼女!?」

「バジュラ余計な事言うな! それにまだ彼女じゃないし!!」

 

シュウヤと、後ろで聞いてるヘルもニヤニヤと笑みを浮かべそんな様子に顔を赤くしながら声を荒げる烈我。そんな他愛もないやり取りもしているが、「行かなくていいのかい?」と忠告するようなヘルの一言に我へと戻る。

 

「そうだった! もう遅いし、帰るっすよ! 色々ありがとうございました」

「おぉ、また今度シュウヤともバトルしてみたいぜ!」

「いいっすよ、負けないっすけどね!」

「俺だって負けないぜ!」

 

互いにいつか戦う事を約束しながら、そしてシュウヤは見慣れた元の世界の景色が映る空間へ視線を向けるように振り返り。

 

「それじゃあ!」

「あぁ、また会おうぜ!」

 

最後にそう言葉を交わすとそのまま空間の中へ飛び込み、真っ白に染まる視界の中、再び見慣れた元の世界の光景が映る。

 

「帰って来たんすね!」

 

無事元の世界へ帰り、時間にしてみれば数時間程の出来事でまだ夜も空けていないが、それでもシュウヤにとってはとても長く、見慣れた自分音街の景色ですら感慨深く感じてしまうが。

 

「あっ!」

 

何か思い出したように突然声を上げたかと思うと。

 

「そう言えば烈我達、どこの街に住んでるかとか全然聞いてなかったっす!」

 

またバトルしようと約束したにも関わらず、聞いておけばよかったと思いながらも既に手遅れ。後悔するように暫く悔やむが、それほど深刻には考えてないのかすぐまた前を向き。

 

「まぁでも! いつかバトスピを続けてればきっと、また会えるっすよね!」

 

後ろで腕を組みながら呑気にそんな事を呟く。だがその言葉は決して楽観的なものではなく、シュウヤの中では確信に近いものを感じていた。

根拠等はない、それでも、たとえ根拠はなくともいつかまた戦える、その日が来る事を心の底から信じていた。その日に向けてどんなデッキで戦うか、早くもそんな事を考えながら彼は帰路へ向けて歩き出す。

 

 

***

 

 

「やれやれ、オーマジオウ。惜しいお宝でしたね」

 

数ある仮拠点の一つ、そこに降り立って今回の事についてまだ未練がましく呟きながらも、また口元を緩ませると。

 

「ですが! 今回はオーマジオウの他にも収穫がありますからね!」

 

懐から取り出す一冊のカードファイル、そこには大量のライダースピリットが収められており、オーマジオウだけではなく、ビルドハザードフォームと言い他にも多くのライダースピリットを手に入れていたのだろう。

 

「ライダースピリット、極めれば強力な力となります! そして今度は七罪竜を!!」

『そうはいかないなぁ!』

「!!」

 

自分しかいない筈の場所に突然の声、そして視界を向けた先にはシャドウにとって忘れる事の出来ない相手。

 

「る、ルディア……何故あなたがここに!!」

「久々だね。シャドウ君!」

 

罪狩猟団のトップであるルディアの姿、そしてルディアが姿を現した事でそれに続く様に、シャドウのすぐ背後から顔を見せるドレイク、ミコ、ガイトの三名。

 

「ギャハッハハ、テメェか! 罪狩猟団を抜けた元幹部ってのは!」

「!」

「まぁ組織の裏切りって事で処罰させてもらうぜ! 元帝騎よぉ!」

 

「(ガイトがやるなら、妾達来る必要なかったのではないかの? なぁドレイク)」

「余計なお喋りはするな、とっとと片付けるぞ!」

 

挑発気味に言葉を掛けるガイトと、ミコに注意を促すドレイクの二人はシャドウに敵対意思を見せる様にデッキを構え、それに対してシャドウも二人を警戒しつつルディアへと視線を配り。

 

「私が所属していた頃は見なかった顔ですね。ディストとヴァンは元気ですか?」

「うん、二人共元気だよ。実力も昔以上に、ね」

「成程、で? 今回いらっしゃったのは先程あちらの人が言ってた通り、処罰だと?」

「処罰だなんてそう大げさにするつもりはないよ、ただ僕らは新しい力が欲しい。君の持つそれが、ね!」

「なっ!? どこでそれを!!」

「君の知らない可愛い情報屋の提供だよ」

 

笑ってそう言いながらルディアもまたデッキを構えると。

 

「ガイト、ドレイク、手を出さなくていいよ。僕がやる」

「!!」

「久々にやろうか、シャドウ」

 

無邪気な子供のような笑顔、だがそれには一際不気味さと底知れない威圧感をシャドウは感じ取っていた。避けられない戦いに自身もデッキを構えるが……。

 

 

***

 

 

「お、おのれ……!」

 

数時間後、バトルフィールドから帰還する二人。決着は見ての通りであり、シャドウは気を失うようにその場に倒れ、そして勝者となったルディアは勝者の証と言わんばかりに、シャドウの所持していたカードファイルを拾い上げる。

 

「ルディア様、やりましたね!」

「ボス、おめでとうございます」

「お、おめでとうございますなのじゃ!」

 

ルディアに対し労うように声を掛ける三人だが、三人にとってバトルの結果など初めからルディアの勝利で終わる事を確信していた。部下としての信頼ではない、ただ圧倒的な強者である事、その事を理解していたからである。

 

「ふふ、これでライダースピリットが手に入った。この世界全体に存在を広めれば、今以上にもっと多くライダースピリットが出回るようにもなるだろう。そして罪狩猟団の存在もまた大きくアピールできる事にも繋がる」

「その役目、俺にお任せください!」

「任せたよ、ガイト」

「ハッ!」

 

カードを受け取り先にその場を後にするガイト、そしてドレイクとミコは倒れているシャドウが気になるように視線を向けるが。

 

「ボス、此奴はどうするつもりですか? やはり処分で?」

「不要だよ。シャドウ君にはこれから先の罪狩猟団として活動は荷が重いだろうからね」

 

見下すような一言、そして「僕等も行こうか」と平然としてその場を後にし、ミコとドレイクはその後姿を見ながら。

 

「相変わらず、ボスのバトルは規格外すぎるのじゃ」

「あぁ、まさに化け物だよ。あの人は……けど!」

 

ルディアの強さを改めて実感しながらも、何を想うのか静かに拳を握りしめ。

 

「ドレイク……?」

「何でもねぇ。俺等も戻るぞ」

「あ、待って欲しいのじゃ!」

 

ルディアの後に続く様に歩き出すドレイクとミコ、七罪竜を巡って繰り広げられる烈我達と罪狩猟団との戦い、それはさらに激化と波乱を呼ぶ騒動となるのだが今はまだ、それは未来の話。

ただし、そう遠くない未来の。

 

 

 

 

特別編 【バトルスピリッツ-7Guilt-×バトルスピリッツ獄炎外伝】

END

 

 

────To Be NEXT STORY。

 

 




どうもブラストです!
後編パート! これにてひとまず合作小説完結です!!

今回コラボしてくださった置き物様!
シュウヤ君を使わせていただいて、誠にありがとうございました!


今回の話を読んで面白いと思った方、是非とも置き物さんが書いてる
バトルスピリッツ獄炎外伝も絶賛公開中なので、読んでみてください!


そしてここからは余談ですが、今回仮面ライダーというジャンルをスピリットとして架空バトスピに登場させてそれを書くのは初めてで正直滅茶苦茶緊張しました。

今回のバトルを通して、仮面ライダーとしてのカッコよさを表現しつつ、バトルスピリッツと言うバトルの中での見せ方! それを意識し、実現できたかどうかはまた別問題ですがともかく今回書けて本当に楽しいの一言でした。


今回登場したキャラのシャドウさん、実は意外と好評貰いましてまだ存命してますのでまた登場させてみようかなと思ったり思わなかったり←

そしてコラボ自体もまたやりたいと強く願ってます!
またコラボだけでなく、今後7-Guilt-の本編も面白く読んでいただけるよう頑張りますので、宜しくお願いします!

それでは最後に呼んでいただいた読者の皆々様とコラボしてくださった置き物さん!
誠にありがとうございました!!!
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