『ここだ……それじゃあ準備はいいか?』
スピリッツエデン、人ひとりいない荒野のど真ん中で何かを見つけた様に呟くバジュラ、後ろにいる烈我に視線を向けながら口角を上げる。
「おい、本当に大丈夫なんだよな?」
『何ビビってんだ、此処まで来といて』
「いや、そうだけどさ」
『男だろ? 腹括れッ!!』
やはりまだ不安に思えて仕方ない烈我だが、バジュラにもう引き返すという選択肢はある筈もなく、そのまま問答無用で空間の扉を開き始める。
『そら、行くぞ!!』
「ちょ、心の準備があああああああッ!!」
烈我を押し込む様に背中にタックルをかますと、そのまま二人とも空間の中へ押し入り、異世界へと足を延ばしたのであった。
異世界へと飛び込み、その感覚はまるで水の中へ飛び込むような感覚だろうか。一瞬、急な衝撃に視界が一瞬真っ暗となるが、徐々にそれに慣れるように視界が晴れて行き、そして広がるその光景を目に焼き付ける。
「……こ、ここが」
『あぁ、到着だ。間違いねぇ、ライトから聞いてた通り正に南の島だ!』
南国のビーチ広がる光景、ここが異世界のどのあたりなのかは定かではないが人がいないのなら好都合であることは違いない。
『ハッハァーッ! 今日は思う存分遊ぶぜぇッ! ストレス解消にはもってこいだぁッ!』
「相当暇持て余してたんだな」
物言いに物騒な所はあるが、その姿はまるでワンパクな子供の様に無邪気であり、それが可笑しくて思わず笑ってしまいそうになる。
「にしてもホント良さそうな所だな。今度光黄と一緒にここに……」
『オイ、まただらしねぇ顔してっぞ』
「!?」
つい妄想にふける烈我に注意を促すかのように顔を覗き込むバジュラ、それに慌てたように思わず身を引く。
「な、何だよバジュラ! 急に!」
『あのな、確かに次に光黄を誘うときの下調べになるって提案したのは俺だがよ、あんま浮かれすぎんのもどうかと思うぜ』
「お、俺は別に!」
『大方光黄と二人出来て、彼奴の水着姿でも想像してんだろ?』
「し、してねぇわ!! 一々変な釘差しに来るなよッ!」
『ハッ、どうだかな?』
烈我の肩に乗りって揶揄うような笑いを上げるが、瞬間、何か気配を感じるようにバジュラは突然表情を変える。
「バジュラ?」
『シッ、誰か来るぞ』
「えっ! おい、バジュラ!?」
バジュラはすぐさまカードの姿へ戻り、何事かと動揺する中で突然。
『オイ!』
「!!」
急な声、声の方角にはこちらに向かって歩く大柄な男の姿、だがその巨躯な体格以上に黒無地の上に白く「和」と書かれた一文字のTシャツが何より目立って仕方ない。
「お前、こんな所で何してる?」
「へっ!? い、嫌……海水浴というか」
「はぁ?」
「ッ!!」
大柄の男の圧に思わず肩が震える、何かおかしかっただろうかと思わず冷汗が流れる。明らかに目の前の男は自分達に対し不信感を抱くような目を向けている。
「(どうすればいいかな。というか、この人どこかで見たような……!)」
「オイッ!」
「はい!!」
威圧的な言葉に条件反射でつい返事を返す。前言撤回、こんな不良のような大男に会っていたら絶対忘れる訳がない。
『セト、あまり乱暴な物言いは控えてくださいよ』
「!!」
刹那、もう一人その場に歩み寄る人影、そのシルエットは男性と比べてか細く、見た目やその立ち振る舞いに身分の高さを感じさせられる女性。
「うるせぇバb……ッ! イシス」
セトと呼ばれた大柄な男は何かを言い掛けた瞬間、氷のように冷たく突き刺さる女性の視線にバツが悪そうに女性の名を呼び直す。
そしてイシスと呼ばれた女性はコホンと一息つく様に、セトと呼んだ大男を一瞥しつつ烈我に視線を向ける。
「まずは落ち着いて話をしましょう、貴方の名前は?」
「えっと、天上烈我です」
「では次に、この辺りでは見ない顔ですが貴方は編入生の方か何かですか?」
「え!? 編入生って学校じゃあるまいし」
烈我がそう言った瞬間、何かを怪しむように顔を見合わせるセトとイシス。そんな二人の様子に何かおかしなことでも言ったのかと不安が過る。
「失礼ですが、此処がどこか存じられてはいないのですか?」
「えっと、ただの無人島って認識ですけど」
「いえ、違います。ここは離島に建設されたれっきとした学園です」
「!!?」
耳を疑うようなイシスの言葉、彼女によればここはあまり人目に付かない島の裏側であり、もう少し中央に進めば自然と学園が目に入るとのこと。
「(どうなってんだよ、ここって無人島の筈だよな!?」
イシスからの情報により混乱する烈我、二人の話から頭の整理が追い付いてない様子だったが、それは話を聞いているバジュラも同じだった。
『(どういう事だ? 俺は間違いなくライトの痕跡を辿ってこの世界に来た、だから座標に間違いはねぇ筈)』
余談だが以前ライトは光黄や絵瑠を連れて異世界へ旅行した際に座標を間違えたというミスを犯したが、今回バジュラ自身に限っては間違いはないと絶対の自信があった。そして自分のミスでないとすれば、考えられる結論は唯一つ。
『(ライトの野郎、さてはこの世界のこの場所が端から無人島だって気付いてなかった。周辺だけ軽く様子見てガバな安全点検で終らせてやがんなッ!!)』
***
『は、ハクショイッ!!』
バジュラ達が騒動に巻き込まれているれている丁度同時刻、大きくクシャミ。
「どうしたんだ、風邪か?」
『いえご心配なく、光黄様の執事であるこの私が体調管理をおろそかにするはずがありませんともッ!』
「それならいいけど……って嫌、執事は雇ってないがな」
相変わらずのライトに若干呆れ気味に息を零す光黄。
『まぁ誰かが私の噂話でもしてるんでしょう、きっと私の方だから良い噂だと思いますが』
「お前がされるような噂って……嫌、別にお前が前向きに考えるなら何も言わないけど」
あくまでポジティブに考えているのなら余計な口出しは野暮だと思いあえて口は噤むが、彼女が思っていた通りその噂は決して良い噂などではなく。
***
「あの色欲魔がぁぁぁッ!!」
光黄の予想通り、ライトによる憤怒を声に出して叫ぶ烈我、疑いを晴らせずイシスとセトの二人にどこかに連れられる。
「あの……俺ってどこに連れられるんでしょうか?」
「とりあえず他にあって欲しい人がいます。話はそれからで」
「はぁ……」
どこに連れていかれるのか、そんな不安が過る中、今の烈我の心情に背とは何かを察しているように。
「別に逃げたって構わないんだぜ? 逃げれるならな」
手をパーにして、指の一つ一つの関節を鳴らしながら拳を握りしめるセト。逃げようものなら捕まってボコボコにされるのではとないかと背筋がぞわっと凍り付く。
「セト、あまり威圧しすぎない様に」
「言われなくてもわぁってるよ。別にこれぐらい普通だろうが」
「貴方の物言いは一々ドスが利いてて、普通に聞こえないんですよ」
烈我を囲うように彼の前後に立つセトとイシス。穏やかでない口論を中心で聞かされる烈我にとっては何とも居たたまれない。
「まぁ要はそいつが下手な真似すりゃすぐにすむ。話を聞かせてもらうだけだ」
「……もしかして事情聴取的な何かですか?」
「分かってんじゃねぇか。そんな所だ」
確かに異世界から来た烈我に不信感を持つのは当然だろう、だがなぜわざわざ場所を移すのかそんな疑問が頭に浮かぶが、その疑問に対してすぐにイシスが「何故場所を移すのか疑問にお思いでしょうが」と察しているかのように口を開く。
「少々私達の知り合いが厄介事に巻き込まれてまして」
「厄介事? それって俺と何の関係が?」
「悪いがその関係があるかないかを判断するのは俺達だ。お前じゃねぇ」
「……まぁ怪しいと言われればその通りですけど、だからってなんで場所移動?」
「どうせお前の話を聞くにしろ、お前の事情を話してもらうにしろ、そいつを交えなきゃならねぇから二度手間になんだよ。そいつのとこに言って説明すれば手間は足りる」
「それでは見えてきましたよ、あれが私達の学園です」
一旦足を止め、イシスの指差した先には無人島と呼べるような風景の中でひときわ目立つ学園、今更ながらなぜライトはこれを見逃していたのか心底疑問に思う。
「では参りましょうか」
「えっ、俺も中に入っていいの!?」
「構いやしねぇよ、どうせ今日は授業もねぇし誰もいねぇんだよ。バレても部活動の部のOBつっとけ」
「嫌、軽いなッ!!」
「まぁここでグダグダしてても話は進みませんからね。良心が咎めるでしょうが今は今回は異常事態、多少の事には目を瞑りましょう」
ツッコみの言葉が喉元迄差し掛かるが、イシスの一言にぐっと言葉を飲み込むほかない。何もともかく学園の中に入って少し進んだ先に部屋の前へと止まり、セトが先行して中へ入る。
「おぉ、やっぱまだいたか」
中に誰かいるのだろうか、教室の外で待つ烈我だがそんな彼を他所にセトの前には二人の男女の姿が。
「あぁ! ツバサ戻って来たよ!!」
「はぁ……早く帰りたかったのに」
セトに対して明るい声で返答するのは茶色のおさげをぴょんぴょんと弾ませながら語る少女、名前は都筑アンジュ。
もう一人はそんなアンジュとは正反対な様にどこか溜息をつくような気怠さで語る少年、その少年の名前は……。
「相変わらずだな、チキン」
「すみません。できれば名前で呼んで欲しいです」
「冗談だよ、ツバサ」
乱暴なセトの物言いに怖気づきながらも言い返して見せる中、「そんなことより」と話題を変える様に口を挟むアンジュ。
「例の件、手掛かりは見つかったんですか?」
意味深なアンジュからの質問、それに対してセトは「あぁ」と深く頷いて見せながら。
「オイ、入ってきていいぞ」
セトからの言葉に続いて廊下で待っていたイシスと烈我、烈我の姿にアンジュもツバサも不思議そうに疑問符を頭に浮かべている。
「えっと、この人は?」
「その前に、まずは私達の説明からした方がよさそうですね」
改めて面と向かって烈我と向き合うイシス達、挨拶してと言わんばかりに目で伝えると、最初に「じゃあ私から!」と楽し気に名乗りを上げる少女。
「一年の都筑アンジュです!」
「えっと、同じく一年の千鳥ツバサです」
アンジュに続いて、やや烈我を警戒する様に名乗るツバサという少年。二人して学年を名乗る辺り、この学園の生徒だろうか。
「えっと、天上烈我です」
「烈我さんって多分歳上ですよね? もしかして先輩ですか!?」
「えっ、嫌……俺は違くて!」
どう説明すべきか悩む中、それに助け舟を出す様に「その前に私達の紹介」からと手を上げるイシス。
「改めて自己紹介しますね、私はイシス。創界神エジット、イシスと申します」
「セト、同じくエジットの創界神が一人だ」
「!?」
改めてされる自己紹介、突然すぎる告白に動揺が真っ先に顔に出てしまうが、二人の表情を改めてみた瞬間、二人の顔は確かに自分の記憶する創界神のカードと一致していた。
「う、嘘!? セトにイシスって、創界神の!?」
口をパクパクさせながら二人を見る烈我だが、セトは「人をお化けみたいな反応すんじゃねぇ!」と軽くツッコミ。
「(創界神が実在する……嫌、何か前にも似たようなことがあったような)」
以前キキと会った時の事が記憶に蘇る。恐らく正確にはまた違う事情だとは思うがともかくひとまず自分なりに理解したように落ち着く。
「何か烈我さん、最初にここに来たばかりのツバサみたいだね」
「えっ、俺あんな感じじゃないと思うけど」
「はいはい、話を脱線させるな。続けるぞ」
手を叩いて脱線し掛けた会話を軌道修正させ、「さて」と再び烈我に視線を向ける。
「じゃあそろそろお前の自己紹介もしてもらおうか」
「!」
「お前にはこの場で洗い浚い全て吐いてもらう、お前がどうやってここに来たのか、お前は何者なのか、嘘偽りなくな!」
「……」
最後の言葉に力を込めて言い放つセト、要約すれば自分の潔白を今この場で説明しろという事だろう。自分の事についてどこまで話せしていいものかと一瞬頭に疑問が浮かぶが、それでもこちらを真っ直ぐ見つめる全員の視線に、上手くごまかしきれないと踏んだのか溜息をついて。
「……分かった。じゃぁ正直に答えるぜ、まず……信じてもらえないかもしれないけど、俺は異世界から、スピリッツエデンって言う場所から来た」
「「!!」」
「異世界」、突拍子もないワードに全員の顔色が変わる。
「……異世界って、急に壮大な話になりましたね」
「うん、というか異世界とか急に言われても」
素直なアンジュとツバサからの反応。無理もない、急にそんな話をされて直ぐに信じる方が難しいだろう、だがここまで話した以上今更変にごまかす訳にも行かない。
「タダの一般人じゃねぇとは思ってたが、これは想定以上だな」
「そうですね。異世界、俄かには信じがたいですが」
セトとイシスも顔を見合わせながらどうしたものかと顔を見合わせている。やはり言うべきではなかったかと一瞬、不安が頭を過るが。
「けどまぁ、この状況でいきなりそんな事を口にするって事は嘘じゃねぇらしいな」
「はい、私も彼が嘘をついてるようには見えませんしね。直ぐには信じられませんが、恐らく本当の事でしょう」
「じゃあ本当に異世界から来たって事? すごーーいッ!!」
「嫌々、何で皆すぐに受け入れられるの!? 異世界なんてそんな映画みたいな!!」
どこか納得した様なセトとイシス、アンジュもまたありのままの感想を口にしているが唯一ツバサだけはまだ受け入れがたいようなリアクション。寧ろ、それがまともな反応かもしれない。
「そんな事はどうでもいいんだよ」
決してどうでもよくはないと思うのだが、そんなツバサの疑問を一蹴しながらセトは烈我に鋭い視線を向けて。
「お前が異世界から来たとして、この世界には何の目的で、どうやって来た?」
「それは……!」
異世界から来た、その事以上にバジュラの事は話すべきかどうか悩ましい。一瞬言葉を詰まらせるが。
『……此処から俺が説明してやる』
「バジュラッ!?」
「「「!?」」」」
その場に響くバジュラの声、ツバサ達は突然の声に一瞬聞き間違いかと辺りを見回すが、次の瞬間、烈我のデッキから一枚のカードが飛び出すとそれはツバサ達の目の前で実体化し始め。
「な、何だこのトカゲ!?」
『誰がトカゲだ! テメェッ!!』
「ひぇ、ごめんなさい!!」
バジュラの姿に思わず驚き突拍子に出た言葉に思わず良かったのか噛み付かん勢い。
「ストップ!」と慌てて烈我はバジュラを抑える。
『俺様の見た目はどう見ても恐竜だろうが! それなのにこの俺をトカゲとはいい度胸してやがるッ!!』
「いや、怒るところそこかい! というか初対面の人に何勝手に姿晒してんだよッ!」
『テメェが困ってそうだから代わりに事情の説明してやろうと思ったんだよ!!』
「お前が出てきたら余計ややこしくなるだろ!!」
『あぁ!?』
あまりにもバジュラの過激な登場に呆気に取られるツバサ達、見たことも無い生物がいきなり目の前で口論を始めるのだからそうなるのも無理はない。
「あー、何だお前のそれ」
『ソレ呼ばわりはやめろ! 俺の名はバジュラだ!』
「じゃあバジュラ、てめえは……その、一体何だ?」
『七罪竜が内の一体、憤怒のバジュラ。それが俺だ!』
「七罪竜?」
セトと話すバジュラだが、七罪竜という言葉等創界神であるセトも全く聞き覚えはなく、それは当然イシスやツバサ達も同じ。
『ともかく全て俺から話してやるよ』と目の前の恐竜はどこか喧嘩腰のような口調ながらも、自分達が何者なのか、どうやってこの世界に来たのか、自分達の事情について、烈我も補足を付け加えながら彼等に説明していく。
***
「という訳で、偶然この世界に来た訳で」
『要するに好きな奴とのデートスポット選びにここを下見に来た訳だ!』
「テメッ!! 余計な事まで言うんじゃねえ!」
『あぁ? ホントの事だろうがよ!』
「まあまあ2人共一旦落ち着いて、それにしても烈我さん好きな人いるんだ」
「すんません、恥ずかしいんで今そこ掘り下げないでもらっていいですか」
また口論を宥めつつ、恋バナを連想させる烈我に興味深そうなアンジュだが、烈我としては他人からその話題に触れられるのは少し恥ずかしい。
恋愛経験はあまり無いとはいえ同じ男子であるツバサも少なからず羞恥心を感じる理由は理解出来る。
「成程な。事情は分かった、だけどスピリッツエデン、んなの聞いたことはねえな」
「はい、大戦時の記憶を振り返っても聞き覚えはありませんね」
『んだよ、疑う気か!!』
口を開け、牙を曝け出しながら何故かその視線はツバサに向けて睨みつけ、「何で俺なの?!」とバジュラからすぐに距離を置く。
「オイ! バジュラ」
『フンッ!』
「とりあえず話を進めんぞ。お前等はあくまで偶然この世界で来ただけ。それで間違いないな?」
「え、えっと……はい」
セトの質問にゆっくり頷く烈我、だがその言葉にバジュラは何か引っかかる様に反応して見せ。
『オイ、さっきから……俺達に何を吐かせようとしてんだ?』
「!」
「おい、どうしたんだよバジュラ」
『お前は黙ってろ。何となく会話を聞いてる限りどうも俺達を嫌疑してるっていうべきか。
最初は異世界から来た俺達を警戒してるだけだと思ったんだが、どうも別の疑いを掛けられてるような気がしてならねぇ』
『そうなんだろ?』目で訴えるバジュラに、イシスは静かに首を横に振りその様子に対し、セトもアンジュも静かにツバサの方に視線を向ける。
「…………」
「ツバサ、さん?」
気まずいように声を掛けるが、そこへ突然。
『そろそろ隠しきるのも無理みたいだな』
「ホルス!?」
物陰からひょっこり顔を見せる一人の人物、ホルスと呼ばれたその人物に烈我も見覚えがある。間違いなく彼も創界神の一人に違いない。
「どうして出て来たんだよ、ホルス!?」
「別に。まぁ事情については此奴等あんま知らなさそうだし、隠れる理由もないかなって」
「いや、だからって!」
「あ、あのどういう……?」
突然のホルスの登場、そしてどこか慌てたようなツバサの態度、事情にまるで訳が分からない様子の烈我だが、その様子に対してセト達は軽く頭を掻き、ツバサは
「えっと、事情について全部お話しします。実は、今朝……こんなものが」
ツバサの手には一枚の紙が握られ、それを烈我へと差し出すとバジュラと共にその紙に書かれた内容を目に通し、次のように書かれていた。
『明日この世界のお宝、創界神ホルスを頂きに上がります。
怪盗Sより』
「怪盗!? この世界にそんなのいるの!?」
「嫌、普通にいないですよ!? 怪盗なんて」
「まぁただのイタズラかと思ったんだが、念の為、他の奴にも相談したんだが」
ちらりとホルスがアンジュに視線を配ると、その視線深く頷く。
「はい、確かに怪盗なんて聞いた覚えはありませんけど、でも万が一があったら怖いから私から皆にも相談したんです。そしたらセトさんも快く協力してくれて」
「ただ暇だっただけだよ。ガイは忙しいみたいだから俺だけ引き受けてやったが」
事情を聞いた所、一応の警戒としてホルスは出来る限り姿を隠すようにし、そして事前に怪盗を名乗るその男の足掛かりだけでも掴めないかと、イシスとセトはこの島の見回りを行っていたらしい。
そしてその見回りに丁度烈我達が運悪く火掛かってしまったという所だろう。
「……まぁこのタイミングで異世界から来た奴なんて確かに疑われても仕方ないか」
「まぁでももう誰も烈我さん達を疑ってないですよ。私達についてもあまり知らなさそうでしたし」
「あぁ、オレも。何だか此奴らそんなに悪い奴には見えなさそうだし。なっ、ツバサもそう思うだろ」
烈我達に対して警戒心も解けた様子でホルスは自分の相棒である翼に視線を向け、急に話を振られ少し戸惑いながらも。
「まぁ……確かに悪い人には見えないと思う。そのバジュラっていうのは怖いけど」
『あぁ!? 何が怖ってんだァ!?』
「ひぇっ、そういうとこです!」
「だからやめろっての!」
ツバサに平謝りしながらバジュラを引き下がらせる烈我、ツバサからしてみればいい迷惑である。
「ホントにすみません。此奴が失礼しました」
「えっと、まぁその……その手の相手には慣れてるんでまぁ大丈夫です」
ちらっとセトを一瞥し、向けられた視線にセトは「何の事だ?」と言わんばかりの表情を浮かべているがあくまでスルー。
「まぁでも結局怪盗の手掛かりはなしか。烈我さん達の世界でも怪盗とかっていないんですか?」
「嫌、俺の世界も割と普通だしそれを言うならバジュラの世界にこそ」
『ハッ、んなものスピリッツエデンにもいる訳が────!』
そこまで言葉を言い掛けた瞬間、何か言気付いたように顔色を変え、その様子に烈我もまた何かを思い出し。
自分達は知っていた。怪盗を名乗る者と出会っていた事を。
「『あーーーッ!!!』」
***
「さてさて、予告上を送ったのは良いものの今回のお宝は余程難易度が高そうですね」
一方で今回の事件の当事者であるシャドウ、木の上に腰掛け周囲の様子を探る様にその手には望遠鏡、もう片手には何かを調べているように端末が握られている。
「まっ、難易度が低すぎてもつまらないだけですからね、苦労が多い方が宝の価値も上がるというもの。それに手ならありますからね」
端末に映る各創界神の情報、それを見ながら彼は静かに口角を上げた。
***
再び舞台は烈我達に戻り、彼らはシャドウの事について、以前シュウヤと共に彼と戦った事等、その事情について説明していた。
「無関係じゃねぇとは思ってたが、まさか彼奴とがっつり接点があったとは。しかも前に戦ってたなんて」
「あぁ。前に俺ともう一人、シュウヤって人と漸く倒せた奴なんだけど、まさか彼奴まだ懲りてなかったなんて」
後で聞いた話だがその時もシャドウはお宝の為、シュウヤ達の世界にも訪れ、だとすれば今度はホルスというお宝を奪う為にこの世界にも来ていたとしても何ら不思議ではない。
「彼奴が関わってるなら、俺も協力するぜ!! 嫌、寧ろ協力させてくれ!」
「い、嫌、そこまでしてもらわなくても」
「何言ってんの! 相棒が狙われてて犯人の手掛かりは何もない状況、そんな事言ってる場合じゃないじゃん!」
叱咤するようにアンジュからの一言、「でも」とまだ申し訳なさそうな様子のツバサ、というより彼の本心としてはあまり騒動に巻き込まれたくないと言うのが本音である。
「まぁまぁ、オレは構わないぜ。協力してくれるなら有難く手を借りたいな」
「ホルスまで、そんな事言って……!」
「でも面白そうだぜ、此奴等。一緒に戦ってくれるなら心強そうだと思うし」
「(いっそこの人たちに全部お任せしようかな)」
一瞬そんな考えが頭を過る。だが、自分の隣で笑うホルスを見てすぐにその考えはこれまで消える。まだ短い期間ではあるが、相棒としてそれなりに過ごして来て、今回その回答が自分を相棒を狙っているのだ、だとすればやはり他人任せにするという訳には行かない。
「はぁ~……」
大きな溜息が思わず零れる。「どうしたの?」と声を掛けるアンジュに対し、「別に何でも」と答える。
『すみません、遅くなりました!!』
そこへまた新たに教室に駆け込む声、現れたその人物は長い黒髪とタレ目の女生徒、大人しそうでどこか儚げな雰囲気、そんな印象だった。
「マミさん!」
「あの人は?」
「えっと二年の目黒マミ先輩、人手が足りなくてセトさん達と一緒で彼女にも頼んでて」
面識のない彼女について口添えするように答えるアンジュ、逆に烈我のことを知らないマミにはツバサから事情を説明。
「異世界から……何だか壮大すぎて実感湧かないや」
「大丈夫です。俺も同じなんで。それよりマミさんにも手伝わせてて申し訳ないです」
「あぁ、大丈夫だよ。お店の手伝い合間になっちゃったけど」
「いえ、協力してくれるだけで助かります」
まだ犯人については見つかってはいないもののここまで協力してくれている事に素直な感謝を伝えるが、彼女はどこか俯きながら。
「あの、実はちょっと聞きたい事があるんだけど、うちの……ディオニュソス見かけなかった?」
「え? 嫌、見てないですけど」
どこか落ち着かない様子で尋ねるマミ、質問に答えるツバサの隣で何故かホルスは先程まで笑っていた表情を途端に険しくさせる。
「アイツがどうかしたのか?」
「え、っと……その……最初のうちは一緒に探してたかなって思って、気付いたらいつの間にか何処にもいなくて」
「アイツ……!」
そう呟いたホルスは静かに拳を握りしめ、その様子に烈我達は唯ならぬ空気を感じていた。
「ディオニュソスって創界神の?」
「うん。だけどまあ……あれは何と言っていいのか」
烈我に対してどう説明したものか、言葉を選び難いように頭を悩めるツバサ。一方でマミは「ホントにごめんなさい」と両手を付いて謝る。
「私がもっと見張ってれば……今度は鍋で1発ドーン!ってすれば良かったです!」
「嫌、それはやめておこう」
「え? 鍋?」
一瞬彼女が何を言ってるのか理解出来てないように思わず疑問が声に出るが、ツバサ達は気まずそうに目線を伏せ、「(気持ちは分かる)」と心の中で静かに呟く。
「フライパンよりかは……嫌、一緒だわ。とにかくそれも今後やめとこっか」
「???」
ホルスから出たフライパンというワードに益々烈我の頭に浮かぶ疑問。処理落ちしたパソコンのように暫くフリーズ状態になってしまう中、そんな中でホルスは表情を切り替え、「にしても」とまだ何か腑に落ちないように。
「こんな状況下で、よりにもよってアイツが単独……絶対嫌な予感しかしねえ」
これから起きる事に悪寒を感じるホルス、そして彼の直感は後に確信へと変わり……。
***
「ふふふ~ん、さぁて始めますかね?」
丁度同時刻、見晴らしの良い高台の上に腰掛けるチル。ノート型の端末デバイスを取り出しながら何かをカタカタと触ってる。
「あれ? 何か変なアクセス記録が……この端末部下に貸しましたっけ?」
端末を起動してすぐ違和感を感じるチルだが、まぁいいかとすぐに気にする事無く続けて端末を触り始める。
「この世界についての記録は前もって調査済み。そして……ほいっと!」
カタカタと端末を叩きながら最後にキーを入力すると、デバイスの画面に各創界神についての聖遺物やそれに関連する神、そしてその所持者の情報が正確に表示されていた。
「フフフ、この情報を組織に提供するだけでも十分な成果なんですけど、生憎今回チルの来た目的はそれじゃないんですよね~♪」
楽しそうに笑いながら呟く彼女。その言葉通り、彼女の目的はあくまで情報ではなく、実際に創界神を手にする事にこそある。
「この中からチルにうってつけの創界神を選んで手に入れられればもう実力的には帝騎として認めてもらえる筈! そうなったらディスト先輩にこき使われなくて済みますからね~。上手くいけばディスト先輩より上の立場にちる~んっと昇進できるかも!」
そうなったら今度は自分が言い用に組織にふんぞり返れる。そんな野望の実現こそチルの目的であり、今回の作戦の狙いだった。
「この作戦が上手く行けば今までこき使われた分、たっぷりお返ししてやりますよ~! ちるちるちる♪」
小悪魔のような笑みを浮かべながら夢見るように作戦達成後の未来を思い描くチルだが、その背後に。
『フフフ、何やら面白そうな催しを企むじゃないか?』
「ぴゃあああああ!!?」
不意打ちの声に思わず寄声が零れる、慌てて後退りしながらも振り返ると、振り返った先には貴族のようなジャケットを着た一人の人物が。
「あ、貴方は」
「やぁ初めまして。異世界からの来訪者さん、我の自己紹介は必要かな?」
「ッ!!」
息を呑みながらその人物を見据えるチル、初対面である筈のその人物だが何故か彼女はその表情は何故か全く油断できない様に警戒するように強張らせており。
「……いいえ、不要ですよ。色取り取りの神様の中で最も異質な存在、ディオニュソスさん、であってますよね」
「へえ〜、知ってたんだね。でも知っているならあんなに驚かなくてもよかったんじゃないか?」
「嫌、知ってる知らない以前に後ろから声かけられたらビビるでしょうが!! それもアンタみたいな怪しさ千パーセントゴッドならなおさら!!」
「我への認識の偏見が酷くないかい?」
「いいえ、妥当です!」
この世界の事前の情報を調べる上で勿論ディオニュソスという存在も彼女は掴んでいた。一見目の前にいる神を前にしても対等に話しているかのように見えるが、実際チルは会話の口調とは別に一切警戒は解いておらず、彼は彼で警戒されている事を気にも留めてないのか、不敵に口元を緩ませながら彼女と向き合う。
「というか何でチルの居場所、特定されてんですかね?」
「簡単だよ。偶々君等がこの世界に出入りする瞬間を目撃しちゃったね」
「君、等?」
「そう、君の他に後2人。この世界にほぼ同じタイミングで来るのを見てしまったね。そしてその後を追うだけで君の元へ辿り着くだけさ」
「ちょっ! まさかチルの事ストーカーしてたって事です!?」
「まぁ言い方は悪いが、結果を捕えるならそうなってしまうんだろうかな」
「キモッ!!! そりゃチルはどこの世界でも通用する超絶美少女ですけど、だからってやっていい事と悪い事があるでしょ! 警察呼ばれたいんですか!」
「随分な物言いだね。警察って、人間の法を適用する気かい? 神に当てはまるのかは疑問だけど」
さながら毛並みを逆立てて威嚇する猫の様に警戒するチルだが、どんな言葉ものれんに腕押し。まるで物動じないディオニュソス、気を許せば簡単に相手のペースに乗せられてしまうだろう。
「ッ! まどろっこしい言い回しはなしします! 端的に答えってもらっていいです? 何で私の後を付けたんですか?」
「……まぁ質問の前にとりあえず女性の後を付けたことについては謝るよ。そして理由するなら君が一番面白そう、だったからかな?」
「え!?」
「ちょっと失礼するよ」
「!?」
次の瞬間、一瞬でディオニュソスが視界から外れたかと思うと、何時の間にか彼女の背後に現れ、「失礼」と台詞を吐いた後に彼女の懐にあったデッキケースを手に取り、「成程」と一言を添えながらデッキの内容を確認する。
「ハッ!? ちょ、ちょっといつの間に!? 返してください!! やっていい事と悪い事があるでしょ!」
「ハハハ、ごめんごめん、返すよ」
得体のしれない不気味さを感じる彼女だが、それを歯牙にもかけず平然と笑ってデッキを彼女の前へと差し出し、手早く差し出された自分のデッキをやや強引気味に取り返す。
「そう怒らないでほしいな、別に盗るつもりはなかったよ?」
「ッ!! ホント情報通り胡散臭さしかない神様ですね! チルもビックリですよ!! 謝る気あります?」
「勿論、その証拠に」
「え!?」
ディオニュソスの零す台詞に一瞬呆気に取られる中、突如彼の手に光の粒子が集い始め、それは一枚のカードを形成したかと思うと、それは自身の絵が描かれた創界神のカードであった。
「な、何を!?」
「まぁこれが我のなりの誠意って奴だよ。さっき創界神を手に入れられればって言っていたね。なら我を使役してみるかい? 力を、望んでたんだろ?」
「……どうして、何を企んでるんです?」
「我なりの誠心誠意の謝罪、って言っても信じてはくれなさそうだね」
「当たり前です」
ジト目で即答するチルだが、それでも動じずに「フフフ」と笑いながら彼は続ける。
「なら本心を語ろうか。異世界からの来訪、その中で我は君が一番面白そうだと感じたんだ。理由はない、強いて言えば直観かな。
生憎君と我のデッキ相性も悪くはなさそうだからね」
「…………ッ!」
「まぁ、それでも信用できないというなら無理強いはしない。大人しく我はこのまま消えるよ」
「ま、待って!!」
差し出した手を下ろそうとした瞬間、彼女は慌ててその腕を掴み、その様子にディオニュソスはゆっくりと口角を上げる。
「どうしたのかな? 我の事、信用できないんだろう?」
「……ッ! そりゃ、そうですけど」
今自分が手を取ろうとしている相手が一体誰なのか、そのリスクは重々承知していた。容易に取っていい手ではない筈なのに、それでも。
「いいですよ。信用、しますよ!」
リスクに見合うだけの、否それ以上のリターン、即ち力。それが今目の前にある。どんなリスクであれ、望んだ物が目の前にある以上、それを拒む事は彼女にはできなかった。
ディオニュソスが差し出した創界神のカードに手を伸ばして、彼女はそのカードを手に取る。
「どうやら、取引は成立だね」
「フン、掌で転がされてるみたいで若干嫌なんですけど……というか貴方他に契約してるパートナーいますよね? その人はどうする気ですか?」
「あの子の事まで知ってる当たり流石だね。けど、別にパートナーを切り替えたって構わないよ。君が我をより楽しませてくれると、証明してくれるならね?」
微笑を浮かべるディオニュソスにチルは何かを察する。
「証明……戦えとでも?」
「理解が早い。そうだね、お互いの相性が本当にいいのか最終確認としてね、我を扱いこなした暁には異世界の向こう側でもどこでも、君に付き合ったって構わない」
「ハァー、こんな美少女をナンパしときながら、挙句証明しろってどんだけ図々しんですか!」
「フフフ、ならやめるかい?」
「……ッ! やりますってば!! 一々確認しないでもらえます!?」
「フフ、決まりだね」
「ハイハイ、所でバトルって、具体的には誰と戦えばいいんですか?」
「そうだね~」
此処から先はどうしようか、と悩む素振りを見せつつもその表情は期待を膨らませているように笑みが見て取れるが、そこへ。
『バトルなら丁度いい舞台をご用意できますが?』
「「!」」
チルでもディオニュソスでもない第三者の声、笑みを浮かべながら振り替えるディオニュソスの視界の先にはチルと同じもう一人の異世界からの来訪者であるシャドウの姿だった。
「あ、貴方は!?」
「ボンジュール。組織の技術部所属のチル、でしたよね?」
「しゃ、シャドウさん!!? 何でここに……というか、貴方ルディア様から粛清されたんじゃ?」
「粛清、ねぇ……生憎あれぐらいで私が諦めるとでもお思いですかぁ?」
「うわぁ〜……懲りないですね」
「メルシー。怪盗にとってそれはただの褒め言葉ですよ」
「さて」と、チルへの挨拶は済んだように視線を彼女の背後にいるディオニュソスへと移す。
「彼が創界神の一角、ですよね。お初にお目に掛かります」
「そう言う君は二人目の異世界の来訪者だったね。中々に君も面白そうだ」
「今は……褒め言葉と受け取っておきますよ」
微笑しながら語る神と怪盗、ディオニュソス程では無いが何を考えているか分からない得体の知れなさはシャドウもまた同じだろう。
「チルを無視しないでもらっていいですん!! 一体怪盗がこの美少女に何用ですかねぇ?」
「噂通りの自信家……嫌、余計な会話は不要ですね。用としてはさっきも言った通り、そこの創界神を試すならうってつけのバトルを用意出来ると」
「へえ〜、シャドウさんが相手してくれると?」
「まさか。ルディアには借りはあるけど、君個人に恨みは無い。
元味方同士、しかも女性に不躾なバトルを挑む程礼儀知らずではないよ。まあ君を倒してお宝が手に入るとしたら、吝かでは無いのかもしれないけど」
「!」
一瞬視線をチルからディオニュソスに切り替えた事にからもこの創界神を狙っているのではと警戒するが、それを察してか「心配しないで」と一言。
「流石にその創界神は私の手にも余ります。それに、狙いは別にある」
「別の狙い?」
「分かりやすく言うなら、君と争う必要は無いってだけさ。それより私の話に乗るかい?」
「……」
「いいんじゃないかい?」
「!?」
話に乗るか否かすぐには決めかねないチルだったが代わりにその答えを代弁するディオニュソスに動揺を隠しきれない。
「ちょ、何を勝手に!」
「だって構わないじゃないか、彼の提案に乗るのもまた面白そうだしね。彼が僕等を利用するつもりであれ、それが自分達にとっての障害でないなら無問題、だろ?」
「チル達の障害でないと、何を根拠に!」
「さあ? ただそんな気がしただけだよ」
シャドウに微笑むディオニュソス、口では知らないような物言いをしておきながらその実、間違いなくこの神はシャドウの思惑でさえも周知している事を確信した。
何処までも油断ならないようにシャドウも冷や汗を書きそうになるが、それでも油断出来ない相手と言えど利用出来るのなら利用する、それがシャドウの性分である。
「どうやら話は決まりのようですね?」
「何言ってんですか! この私がそう簡単に貴方と手を組めると思ってます? その気になればいつでもあなたの情報をリークしたって構わないんですよ!?」
「ハハ、それは困る。けれど、それは君も同じですよね?」
「はい?」
「今私に構って下手に情報を伝えれば必ずここに第三者の介入がある。そうしたら、君が態々この世界に一人で来た苦労も水の泡、だよね?」
「ッッッ!!」
全てを見透かした様なシャドウの一言、それを聞いた瞬間に彼女は言葉を詰まらせ、ここぞとばかりに彼は口角を上げて言葉を続けて行く。
「それじゃあ協力してもらえますか、チルさん」
「……ハイ、分かりましたよ。怪しさMAXですけどチルも腹括りますよ。どの道、無収穫で帰る訳には行かないですし」
「決まりだね」
誰も知らない秘密の密会、彼等2人のやり取りに邪神と呼ぶべき創界神は微笑を浮かべた。
***
「それじゃあすみません、今日1日厄介になります」
『ハハハ、邪魔すんぜ』
「はい、どうぞ」
再び舞台は烈我達に戻り、何故かバジュラと共に今彼等はツバサの寮に厄介になっていた。
何故こんな状況になったのか、説明するならばあの後結局日も落ちかけており、来た道を辿って元の世界に帰るにしても、薄暗い森の中を歩いて元の道を辿るのは難しく、危険でもある。
今日はどこかで泊まったら?と提案を受け、やむ無くそれに甘んじるしかなかった。
しかし流石に女性の家にお世話になる訳にも行かず、セトの相棒であるガイさんにお世話になろうかと考えもしたが本人不在の中で決めるのも失礼であり、また何となく似た者通しの雰囲気を感じるセトとバジュラ、2人が喧嘩したら手が付けられないのではとそんな不安もあり、消去法でツバサにお願いするしかなかった。
結局厄介事に巻き込まれてしまっているのでは?とそんな事を考えるツバサであったが、流石に事情もあって断りきれず、というよりは睨みを効かせるバジュラの前でとても断りの言葉を言えず、半ば押し切られてしまったというのが本当の所である。
ちなみに寮でツバサが利用している部屋には三年の雪谷リョウというルームメイトがいるが、今は別部屋で席を外してもらっている。
というのもホルスから今回の事情に説明してもらい、その話に多少リアクションしつつも、落ち着いた様子で話を聞き終え。
「それなら私のスペースを使ってもらっていいですよ? 丁度1人で集中したい仕事がありましたし、私は空き部屋を使わせてもらいます」
との事だった。生徒会という立場に属しており仕事というのも恐らくそれに関連しているのだろう。感謝の気持ちを伝えつつ、やはり生徒会は大変なんだなとしみじみそんな事を思う。
「ホントに色々迷惑かけてごめん」
「まあ気にしないでください。面倒事は今日に限った事じゃないし」
ちらっと後ろに視線を向けると、相棒であるホルスはバジュラと共に呑気にトランプで遊んでおり、その様子により溜息が零れる。
「よし! 俺の勝ちだな」
『あァ? もう1回だ!! こんなんじゃイライラして寝れねえ!! ツバサつったけ? 次はお前も参加でやろうぜ!』
「すみません、色々限界なので寝かせてください」
何だかんだ言いつつ結局付き合わされいつもより就寝時間をかなりズラす羽目になったのは言うまでもなく。
『おーい、ツバサいる?』
「……ふぁああ……はーい」
寝不足の為、いつもより気怠そうな声で起き上がりながら声の主に返事を返し、その声に烈我達も眠い目を擦りながら起き上がる。
『寝みぃ……完全寝不足じゃねえか』
「嫌、お前のせいだろ! ツバサ、本当に迷惑掛けっぱなしでごめん!!」
「うん、いいですよ。もう慣れた」
笑っていない目で「ハハハ」と口にしながら答えるツバサ。
朝からそんなやり取りをしつつ、部屋の前で待つ人物を応対すべくドアを開けると。
「あれ、タイキさん!?」
ツバサに対して「おはよー」と溌剌としたハイトーンボイスで掛けられる挨拶の声、黒髪で学生らしい爽やかな印象を感じさせる。
「どうしたんですか? こんな朝早くから」
「嫌〜、実はさ、バトスピ部の今後の活動で打ち合わせがあるんだけど、それも兼ねて見てもらいたいものがあってさ!」
「見てもらいたいもの? あの……ガイさん達は?」
「ん……あぁ、彼奴らも後から来るよ!」
ふとツバサの後ろにいる烈我の姿にも気付き、幸いバジュラはいち早くカードの状態となって身を隠している。
「見かけない顔だね、もしかして新入生? 嫌、今の時期なら編入生か?」
「えっと、タイキさん、あの人は……」
「まあまあ端まで言わない! 良かったら君も来てくれよ、退屈はさせないからさ!」
「お、俺も行っていいんですか?!」
「勿論、新人でも誰でも、寧ろぜひ来て欲しい」
部の勧誘のつもりなのだろうか、説明しようとしたツバサをスルーし、半ば強引に嗾けるように二人を連れて移動するタイキ。
「(タイキさん、何かいつもと違う?)」
普段と様子の違うタイキにどこか不信感を抱きつつも、そんな事を言うのは失礼かと思い、ふと隣の烈我に視線を向けるが彼も彼でタイキの誘いにワクワクと期待に満ちた表情で、それに口を挟むのは野暮かと言葉を飲み込み、そのままタイキの後に続く形で先へ進む2人だが。
「タイキさん、何処まで行く気ですか?」
「……」
学園から離れてそれでもまだ先へ進むタイキに段々と違和感が募る。思わず疑問を投げるが、本人は何も答えずにただ黙って進むだけ。
「タイキ、さん?」
「……そろそろ、か」
「?」
不信感を抱く中、一言ボソッと呟くと広げた場所へと出てそこでタイキは足を止め、それに続くように烈我とツバサの二人も足を止めるが、周囲はあまりにも殺風景でなぜこんな場所まで来たのかと未だ疑問が浮かぶばかり。
「あのこんな所で、一体何を?」
「……案外察しが悪いですね」
「「!?」」
タイキからの一言に動揺するように構える2人。
『烈我、離れろ!』
瞬間、その場に飛び出す様に現れるバジュラ。
「バジュラ!?」
『此奴の気配……これは!!』
「どうやら舞台セッティングは完了したみたいですね!」
気配の方向に視線を向けるとそこに現れる二つの人影、一人は見慣れない女性の姿、だが次に彼女の後ろから顔を見せたその人物に思わずツバサは「何で!?」と真っ先に疑問を声に出してその人物を指差し、彼が指すその人物は唯一人。
「やあ、こんな所で会うなんて奇遇だねぇ~。何という偶然か! とても驚きを隠せないよ!!」
驚くツバサだが、彼が言葉を発する前に彼の前へと出るホルス、その場に顔を見せるなり視界に移るディオニュソスを力一杯睨みながら。
「少しはマシな演技が出来ないのか? 如何にも企んでますって顔しやがって、一体何の用だ?」
「会って開口一番いきなりな物言いだね。我も随分嫌われたものだ」
「妥当な評価だ!!」
「おやおや、デジャブかな?」
「そりゃそうでしょ」と言いたげな目をディオニュソスへと向けるが本人にとっては所詮聞き流す程度にしか聞いておらず、ツッコむだけ無駄かと呆れたように一息零すが、すぐに気を取り直してツバサ達を見る。
「茶番はそれまで! まずは自己紹介から!! まずは罪狩猟団所属で技術部門担当──」
七罪竜を奪う為、烈我達を狙い戦ってきた組織の名前、「罪狩猟団ッ!?」と目の色を変え警戒して構える烈我だか、チルは口角を上げてさらに言葉を続け。
「そして組織の華にして、最強無敵の最可愛ヒロインのチル! どうぞ宜しくお願いしまちる〜ん!」
「「ち、ちるーん?」」
いきなりの強烈な挨拶にツバサもホルス、先程まで警戒していたはずの烈我まで何を言っているのかと、困惑気味な表情。
「チル、明るいのは結構ですがあまり過度なアピールは控えて」
「はいはい、分かってますよ。それより早くそっちも名乗りを上げたらどうですか?」
「はいはい、言われなくとも」
すると突然タイキは自分の顔をつまみ出しかと思う、次の瞬間、顔に似せた分厚いマスクを脱ぎ捨てて、自分の本当の顔を晒し、その顔に烈我達の表情が変わる。
「お前は……!!」
「サフェロントン。オーマジオウの時以来、ですねぇ!」
「……ッ!! シャドウ!!」
「シャドウ!? って事はこの人が!!」
「えぇ。その通り、貴方とホルスに向けて予告上を送らせてもらいましたシャドウ、怪盗シャドウ。どうぞお見知りおきを」
紳士的な笑みを見せるシャドウだが、ディオニュソスまでとはいかなくても彼もまた充分油断できない。
「お前等の狙いは何なんだ?」
「私の狙いは予告した通り、その創界神であるホルス! 強力な力を持つ正にお宝、欲しがらない理由がない!」
「生憎俺の相棒は決まってるんだがな」
「そう言われて素直に諦めるくらいなら怪盗は努めてませんよ。どんなものであれ手に入れる、それが私のポリシーです」
「やなポリシーだな」
怪訝そうな表情でシャドウを見据えるホルス、一方でバジュラ達はチルの方に視線を向け。
『テメェは何が狙いなんだ? わざわざこの世界まで来やがって、そこまで俺が欲しいか?』
「別に今回の狙いは貴方じゃないですよー! チルはチルで、自分に相応しい創界神が欲しいだけ。そして、その力を試す必要があるってだけですよ」
「相応しい創界神、それってまさか……!!」
チルの言葉にツバサとホルスの視線が向けられ、「正解!」と指を鳴らしながらディオニュソスは楽し気に答える。
「そうさ。力を欲しがっていたからねこのまま、だったら我の力を試してみないかと売り込んだのさ」
「テメェ、何考えてやがる!!」
「別に。ただ彼女はもしかしたら今の我の主以上に楽しませてくれるのではないかと思ってね。もしそうなら彼女をパートナーにするのも悪くないって考えてね」
「まっ、そう言う事です! このバトルでチルの力を存分に見せれば彼は私と組む事を了承するって事らしいです」
「嫌、ちょっと待てよ。組むって……よりにもよって此奴とかお前正気か?」
そう言ったホルスの表情は動揺ではなく、「マジでこれと組むのか?」と信じられないように確認の意味を込めての質問。
「あー、まぁ確かに言ってる事はチルも納得できるんですけど。けど……! そうは言ってもチルにも後はないから背に腹は代えられないんですよ!!」
「チル、おふざけはその辺で」
話が逸れる前に一言シャドウが口にすると、空気を換える様にコホンと咳払いしながら烈我達を見る。
「無用のお喋りはここまで。早くお宝を手に入れさせてもらいますよ?」
「チルもとっととこの創界神に私の力を認めさせて、組織の幹部としての花道! ちるっと手に入れさせてもらいますよ!!」
互いの欲望を語りながらデッキを取り出す二人、此処まで来た以上もう後戻りはできない。
「ツバサ、やるぞ!」
「ッ! 本当に俺もやらなきゃ駄目ですか?」
まだバトル自体にはあまり気乗りのしないツバサだが、その様子にバジュラは大きく口を広げて。
『何言ってやがる!! 要するに俺等喧嘩売られてんだぞ!? やるしかねぇだろうがァッ!!』
「は、はいッ!! 分かりましたよ!!!」
まるで鬼教官の様に勝負を嗾けるバジュラの迫力にツバサも従うしかなかった。その様子にホルスは、「(あいつがいれば今後ツバサをバトルさせるのが楽そうだ)」と一瞬考えるが、目の前の二人に集中し直す。
「何にせよ話は決まった様ですね。それじゃあ始めましょうか?」
「チルッと私達の踏み台になってくださいね」
「誰が踏み台になるかよ! 絶対に勝つ!!」
「……ハァ、ここまで来たらもう覚悟決めますよ」
バトルは二対二のタッグバトル形式、四人ともデッキを構えると共にチルと車道はそれぞれソウルコアを構える。
「どうせやるならこの世界でのやり方に則るとしましょうか!」
「フフフ、この世界のバトルも天才のチルちゃんは難なくリサーチ済ですよ!!」
「烈我さんはこの世界でのバトルは初めて、ですよね?」
「まぁそうだけど、似たようなことなら経験あるぜ!」
別の世界での経験、シャドウ達を見る限り恐らくやり方その時の者と同じなのだろう。烈我の言葉に安心するように「なら説明はいらないですよね。それじゃ行きますよ?」と声を掛け、頷いて返事を返すと4人は試合開始の合図を宣言する。
「「「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」」」
4人ともそれぞれバトルアーマーが装着され、ツバサとシャドウは緑、烈我は赤、チルは紫とそれぞれの色を象徴するカラーリングが施されている。
この世界のバトルが初めてである烈我は高揚感を感じながらも幕を開けるバトルに意識を切り替える。
────第1ターン、烈我side。
[Reserve]4個
[Hand]5枚。
「俺からスタートか。気合い入れてくぜ! メインステップでまずは堕ちる煌星を配置!」
一番手、手札から配置されしネクサス、後方に太陽の如き球体がフィールドを赤く照らす。
「烈我、星龍デッキなんだ」
「おぉ! 赤デッキだしな! 攻撃なら任せてくれよッ!」
────第2ターン、チルside。
[Reserve]5個。
[Hand]5枚。
「じゃあ行きますよ! チルのターン! 早速出番と行きますか?」
『フフフ、早速我を使役するか?』
「はい! お任せしますよ! 創界神ディオニソスを配置ですよーッ!」
意気揚々と配置されしディオニュソスのカード、普段は幻影の様に現れる創界神だが、この世界においてはハッキリと実体化しており、瘴気の中、体を包むローブを翻しながらディオニュソスはフィールドへと降り立つ。
「初めから我を出してくれるとはね! さぁお互い、存分に我を楽しませてくれたまえ!」
「ちょっと、お互いにって、今はチルサイドですよね!?」
「ククク、分かっているとも」
目を細めながら手を口元に添え笑いを零すディオニュソス、その邪悪な笑みが決して油断ならない事を思うのはチルやシャドウ、そして相対するツバサや烈我も同じ気持ちだった。
────第3ターン、ツバサside。
[Reserve]5個。
[Hand]5枚。
[Field] 煌星の第五使徒テティスLv.1(1)BP3000。
「メインステップ、ゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラ召喚」
金と翠の装飾を纏いし一羽の鳥、楽し気に歌声を披露しながらフィールドへと舞い降りて行く。
「召喚時効果でデッキから4枚オープン! その中にある創界神ホルスと系統「界渡」、「化神」を持つ緑のスピリット、又はアルティメット! さらに「界渡」を持つブレイヴをそれぞれ手札に加えられる!」
オープンされた4枚、それは「英雄獣の爪牙」、「天空勇士ジェトイーグル」、「ウツボクイナ」、そして「創界神ホルス」の4枚。
「良し! ジェトイーグル、さらにホルスはキジバトゥーラの効果で手札! さらに英雄獣の爪牙は緑の効果でオープンされたのなら手札に加えられる!」
「フフフ、かなりのアドバンテージですねぇ。そして手札に加えたホルス……早速来ますか?」
「……!」
ホルスがツバサの手札に入るなりその先の行動を見透かした様に語るシャドウ。その言葉に一瞬躊躇いはしたが、それでもそうしない手はない。
「……創界神ホルス、配置!」
ディオニュソスに並んでツバサの場にも現れし創界神、エジットを代表するリーダー、ホルスの登場である。
「早速お出ましだねぇ。ホルス!」
早々に登場するホルス、それを待っていたようにディオニュソスは笑って声を掛けるが、露骨に嫌気を示すように舌打ちながらホルスもまた早退するディオニュソスを睨む。
「あぁ、またバトルフィールドでお前と向き合わなきゃならないなんて酷い悪夢だ」
「悪夢、か。我はそう思ってないよ? きっと楽しませてくれるようないい夢になるだろうさ」
「楽しいと思うのはお前だけだろうが!」
以前もこのバトルフィールドで戦った事のある二人、ディオニュソスに対して因縁浅からぬ関係のホルスだが、何を言った所でニヤニヤと笑みを浮かべるあの目の前の創界神は決して意にも介さないだろう。
そのことは以前戦った上で重々承知している。一言文句言ってやりたい気持ちはあるが、今はまだ舌打ち程度に留め、自分の使い手であるツバサにターンシークエンスを進めるよう促す。
「ターン終了」
***
────第4ターン、シャドウside。
[Reserve]6個。
[Hand]5枚。
「さて私のターンですね、まずは森林のセッコーキジを召喚、さらに白雲に茂る天翼樹、配置です」
フィールドに現れるはキジバトゥーラよりも少し小柄なセッコーキジ、パタパタと小さな翼を羽ばたかせながら空から舞い降り始め、丁度セッコーキジが下りて来るタイミングに合わせて配置したネクサスが足場の様に生え育つと、セッコーキジはその天翼樹を止まり木にして降り立つ。
「ネクサス配置時の効果、ボイドからコア1個をリザーブに。さらに私の場に系統「爪鳥」を持つスピリットがいればさらにボイドからコアを追加!」
「俺と同じ爪鳥!?」
「えぇ、基本ベースは。ですが怪盗は手の内を晒さないもの。安易なデッキとは思わない様に!」
ツバサに対して忠告するかのような言葉を送ると共に、手札の一枚に手を掛ける。
「さぁまだ序盤ですが、私も盛り上げていきましょうかね? 創界神、ヨクアルバトロサ、配置!!」
「「!!」」」
呼び出されし一枚のカード、吹き荒れる緑の突風がフィールドに吹き荒れると共にシャドウの背後に現れるのは緑の鎧を纏いし一人の少年。
かつて異世界にて勇者となって邪神王と戦った者、その者こそ──ヨクアルバトロサ。
「(見慣れない創界神、一体どんなデッキなんだ)」
「……ッ! あのチルって奴もだけど、此奴もまた油断できねぇ!!」
警戒する様に構える二人、一方で呼び出されたヨクの姿には味方であるチル達もまた驚いていた。
「シャドウさん、あなたこんなカード何時の間に!?」
「これはこれは……どうやら彼女だけでなく君もまた我を楽しませてくれそうだ」
「メルシー、楽しんでいただけるのならそれも結構。怪盗として本気のバトル、是非見届けてください」
そう、シャドウが狙いしはツバサの持つ創界神ホルスのカード。それを手に入れる為に危険な相手と分かっていても協力する事を望んのだ。
「必ず手に入れますよ、過去最高のお宝を!! 怪盗としての名誉にかけて!」
全員が第1ターンを終え、次にバトルはどんな展開を迎えて行くのか。序章を終え、バトルは第二幕が始まろうとしていた。
更新長らく止まってて申し訳ありません!
LoBrisさんとのコラボ本編第1話!! ようやく書き上げました!!
まさかのチル&シャドウ&ディオニュソスというトリプルコンビ!!
しかもシャドウが使うは創界神であるヨクアルバトロサ。
キキに続いて、アニメの創界神を出したのはこれで2枚目ですね。
他にももっと書きたいと思いつつ、中々かけてない(泣)
更新までかなり時間がかかってしまって、それに見合う内容かどうか。
どうか読者の皆様、何よりコラボを受けてくださったLoBris様、温かい目で読んでいただければ幸いです。
続く本編第2話も早めに更新できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。