バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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特別編 PART-Ⅲ【神王の裁き】

────第10ターン、チルside。

 

[Reserve]4個。

[Hand]7枚。

[Field]蛇龍王カースドラゴンLv.1(1)BP5000、アンクグリード態Lv.3(4)BP12000、風魔アマツバLv.1(1)BP2000、生還者コウロコーLv.1(1)BP3000、乙の白騎士アルパインピットLv.1(1)BP3000、白雲に茂る天翼樹Lv.1(0)、ヨクアルバトロサLv.1、創界神ディオニュソスLv.1

 

「私のターン! アンクグリード態をLv.1にダウン。そしてネクサス、朱に染まる六天城をLv.2で配置!」

「赤のネクサス!?」

「えぇ。しかしところがどっこい、このネクサスは紫としても扱えますちる!」

 

「相性は抜群ですよ」と補足すると、そのままさらに手札を見ながら。

 

「続けてバーストセット! そして残りのコアを全てドラちゃんに置いてLv.3にアップ!」

 

攻め込む戦力はもはや十分、一気に来るのかと警戒する様に構えるが。

 

「はい、チルはこれでターンエンド!」

「(攻めて、こない?)」

 

こちらのフィールドにはブロッカーもなくガラ空き状態にも関わらずまさかのチルからの宣言にツバサ達に疑問が浮かぶ。

当然何かを狙っての事だろうが、その意図を探る事は難しい。

 

「攻撃しなくてよかったのかい? チャンスに見えたけど」

「いいんですよ、これで! 何か文句ありますか?」

「さぁてね、まさかと思うけど臆病風に吹かれたんじゃ──」

 

ディオニュソスがそう口にした瞬間、言葉を掻き消す様にカースドラゴンは咆哮を上げ始め、耳を劈く程の声量に思わずツバサと烈我も手で両耳を塞ぎ、その咆哮は主に対して批判の言葉を放とうとするディオニュソスに対して「黙れ」と言わんばかりだった。

 

「ッ!!」

 

「失礼。ドラちゃんご機嫌斜めなようで、どっかの誰かさんのせいで」

「フム、我には見当もつかないねぇ~」

 

ディオニュソスの態度に軽く舌打ち、その様子にカースドラゴンは牙をディオニュソスに向けながらチルに「殺ります?」と許可を求めるように一瞬視線を配るが、その視線に対して首を横に振るとカースドラゴンは唸り声を上げながらも、一旦ディオニュソスに向けた牙を収める。

 

「向こうは仲違いって感じか、今がチャンスだぜツバサ!」

「そ、そうかな」

 

相棒であるホルスとは違い、今の状況を素直には好機と捕えられないツバサ。その判断は彼の性格故か、それとも的確なのか。どちらにせよ次にツバサのターンへとバトルは進む。

 

 

────第11ターン、ツバサside。

 

[Reserve]19個。

[Hand]5枚。

[Field]堕ちる煌星Lv.1(0)、創界神アポローンLv.1、創界神ホルスLv.1

 

「メインステップ! ゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラ召喚、召喚時効果でデッキから4枚オープン!」

 

再び自慢の歌声を披露しながらその効果を発揮させ、デッキからオープンされる4枚のカード。

カードは「天空翠凰ファラニクス」、「三十三代目風魔投手ヤタガライ」、「天空鳥ナイルバード」、「天空勇士セメンバード」。

 

「キジバトゥーラの効果でファラニクスを手札に! さらに緑の効果でデッキからオープンされたヤタガライのカードも手札に!

ホルスに神託。続けて、ファラニクスを召喚! 召喚時効果でボイドからコアをアルティメットに追加し、さらにLv.5にアップ!」

 

キジバトゥーラの歌声に呼び込まれるように現れるファラニクス、優美な翼をひけらかす様に魅せつけ、舞い踊るように現れる。

 

「まだ行きますよ! ヤタガライのアクセル発動! 効果で相手スピリットを3体疲労、対象はカースドラゴン、アンク、コウロコーの三体!」

 

フィールドに吹き荒れる強風に煽られたスピリットは疲労状態となってそのまま地面に伏してしまう。

 

「あぁっ! ドラちゃん!!」

「こちらのブロッカーを全て無力化されましたか!」

 

「さらにそのままヤタガライを召喚! 召喚時効果でボイドからコア2個を追加して、自動的にLv.2にアップ! アタックステップ!!」

 

チルとは違って今のツバサは攻める気満々で主力となるスピリット達が疲労している今、まさに絶好の好機。

 

「ヤタガライでアタック!」

「よしッ! 俺も続くぜ、アポローンの【神技】発揮! 効果でBP6000以下のアマツバを破壊だッ!」

 

ツバサの攻撃に烈我もまた宣言をコールすると、アポローンの矢がアマツバへ放たれ、炎の矢はアマツバを貫き、貫かれたアマツバは爆発四散し、破壊により烈我はカードをドロー。

 

「これでブロッカーはない! ヤタガライでのメインアタック!!」

 

「ライフで受けますよ!」

「ッ!! いい加減チルも覚悟決めますよ! 同じくライフで!!」

 

ヤタガライはそのままバリアに取り付くと、足の爪をバリアに突き立てバリアを握り潰すかの様に破壊。ライフが削られ、衝撃に後退るように足を引き摺るが。

 

「ライフ減少時でバースト発動! デスバースト!」

 

攻撃を受けることも狙い通りであるようにバースト発動を高らかに宣言し、弾け飛んだそのカードを掴み取る。

 

「デスバーストの効果発動! 疲労状態の相手スピリットを破壊! よってヤタガライを破壊ちる!!」

 

怨霊がヤタガライへと取り付き、そのまま冥府へ誘うように霊と共にヤタガライはその場から消滅。

 

「ッ! まだまだ! 今度はファラニクスでアタック!」

「まだチルの手は尽きてないですよ! さらにフラッシュ、デッドリィバランス(Rv)発動ッ!」

「!!?」

「効果によりチルはカースドラゴンを指定して破壊。効果で相手は自分のスピリットを破壊しますが、ソウルコアをコストにした場合、相手の指定対象はアルティメットに変更されますよ!」

「自分のキースピリットをッ!?」

 

 

デッドリィーバランスの効果によりカースドラゴンの身を紫の炎が焼き焦がすが、カースドラゴンは抵抗する事無く炎を受け入れそのまま倒れるが、タダでは死なない。死霊の如くカースドラゴンの魂がそのまま迫るファラニクスへと取り付くと、道連れにする様にそのままファラニクスを冥府の狭間へ引き摺り込み、共に消滅する。

 

「さぁ、もうこれで終わりですか?」

「……まだスピリットは残ってる! キジバトゥーラでアタック!」

「それも折り込み済み。さらにこちらフラッシュでスケープゴート発動! トラッシュから紫のスピリット一体をノーコスト召喚!」

「!」

「対象は当然カースドラゴン! ドラちゃん、もう一度出番ですよ!!」

 

沼のように広がる紫の渦、這い出るように再び渦よりカースドラゴンが姿を現すと、キジバトゥーラの前に立ち塞がる。

 

「フフフ! ドラちゃんは何度でも蘇るのです! しかも召喚によりディオニュソスに神託。そしていざ、その攻撃、ドラちゃんでブロック!」

 

キジバトゥーラは突然目の前に現れたカースドラゴンにたじろぐ様に、翼をバサバサと羽ばたかせて慌てて急停止するがもはや手遅れ。

そのままキジバトゥーラに喰らい付いて地面へ投げつけ、地面に叩きつけられたキジバトゥーラは力尽き、破壊されてしまう。

 

「くッ!」

「スケープゴートで召喚したスピリットは残念ながらバトル終了時に破壊、うぅっ……ドラちゃん! ありがとうちる!」

 

演技臭さを感じさせるかのような涙を流し、どこからか取り出したハンカチを手にカースドラゴンを見送り、カースドラゴンはそんな主人との別れを惜しむ様に悲しげな鳴き声を上げるが、ふと隣にいるディオニュソスに視線を向けると。

 

”シャアアアアアアァァァァァッ!!”

 

ディオニュソスに対しては全力で威嚇するかのように咆哮、咆哮による音圧にディオニュソスのローブが靡く。

 

「我、相当嫌われてない?」

「ドラちゃんはどっかの誰かさんと違って、主人想いの良い子ですからね! ちるーん!」

 

「主人に対して何かしたら殺す」、まるでそう言いたげに再度ディオニュソスに向かって咆哮し、そのままフィールドから消滅するカースドラゴン。

 

「さてともかくこれで相手の攻撃は全部凌いで……うん!?」

 

防ぎ切ったと安堵するチルだが、爆風が晴れ始めると共に何か影が映り始め、目を凝らしてそれに視線を向け、爆風が晴れるとそこには構える様に腕を翳すホルスの姿があり。

 

「!?」

「さっきのバトルの直前のフラッシュで! ホルスの【神技】を発揮! Lv.2になったホルスはターンに1度コア1個をボイドに置けば、その効果を発動できる!!」

「ホルスの効果は確か……!」

「そう、デッキから3枚オープンしてその中に系統「爪鳥」を持つカードがあれば1コストを支払う事で場に出せる! そしてこの効果でオープンされたのは!!」

 

三枚のカードが開かれ、開かれたカードにはホルスの化神である「天空鳳凰ホル=アクティ」のカードが。

 

「あの日見た太陽へ向けて、決して焼けない翼と、鉄の勇気を共にして──舞い上がれっ! 天空鳳凰ホル=アクティ! 召喚!!」

 

フィールド全体を照らす程の眩い光、まさに太陽とも思えるその光を受けてその翼は紅の如く輝やかせながらフィールドへと飛来する究極(アルティメット)

 

天空鳳凰ホル=アクティの降臨である。

 

「ホルアクティ来てくれたな! 今日も頼むぜ!」

 

ホルスが最も信頼を寄せる化神のアルティメット、その期待に応えんとばかりにホル=アクティは高らかに鳴き声を上げた。

 

「ま、まさか!! この状況で……!!」

「防御の詰めが甘かったね。それにホルスの操る鳥達の本領は奇襲性、決して最後まで油断はできないんだよ?」

 

チルに対して助言するように口添えするが、その言葉にホルスは不機嫌そうに「うるせぇ!」と顔を歪める。

 

「お前が俺達を語るんじゃねぇ! それに操ってる訳じゃねぇ、俺にとって天空鳥達は仲間だ。間違ってもお前の操り人形と一緒にするな!」

「結局は君の指示に従うんだろう? そう表現しても差し支えないと思うけどねぇ」

「お前……ッ!!」

 

やはり真っ向からこの創界神(ディオニュソス)とは心底語り合えない、そもそも相手がまともに話すつもりがないのだからどうあっても分かり合う事は不可能に近いと思う。

 

「ディオニュソスさん、その話後にしてもらっていいです?」

「おや、どうしてだい?」

「まだバトル中、というかそれ以前に貴方の口から操ってるとか言われたら何だかチル迄流れ弾当てられてる気がするんですよ、口車に乗せられてるって点で!」

「おやおや、乗せられてる自覚でもあったのかい?」

「思いたくはないですけどね!」

 

こんな状況でもなお険悪舌様子の二人、シャドウはもはや突っ込む素振りさえないがともかくツバサにしてもバトルを続けて欲しいという点ではチルと同意だ。

気を取り直して、ホル=アクティのカードに手を添え、指示を下す。

 

「ホル=アクティでアタック! ホル=アクティのアタック時効果、できから3枚オープン! その中の爪鳥を持つスピリットか、アルティメットを1コスト支払って召喚!」

 

オープンしたカードは「天空勇士ハルシエシス」、「古の神皇神鳥ガルダーラ」、「天空神皇パッジーペセド」

 

「ホル=アクティの効果でハルシエシスを1コスト支払って召喚!」

 

ホル=アクティは再び鳴き声を上げ、共鳴するかのように空に響く声、黒と紅の羽で彩られたその気高き翼を広げながら舞い降りるもう一羽の究極、ハルシエシス。

 

「折角倒したのにまたアルティメット!? どんだけ出るんですか!」

「これぐらいじゃホル=アクティの効果は終わらない! さらにホル=アクティの効果でアルティメットを召喚した時、相手のライフをリザーブに送る!!」

「なっ!?」

 

そのままホル=アクティは翼を広げ、羽を銃の如く撃ち出したかと思うと、バリアへ深々と突き刺さる羽はバリアを簡単に破壊する。

 

「ぐッ!」

「ッ!!」

 

「まだホル=アクティの効果は続いてる! ホルスからのコア3個を置くことでこのアルティメットは回復!!」

「か、回復まで!?」

「そしてメインアタック! この攻撃で相手ライフを減らしたのなら、ハルシエシスの効果でもう一つライフをリザーブに送れる!!」

「ッ!!」

 

現在チル達の残りライフは5。メインアタックを通してしまえばハルシエシスの効果と合わせてさらに二点が吹き飛ぶ。まだブロッカーにはアマツバが残っているが、状況から鑑みて、とてもそれだけでは防ぎ切れない。

 

「(このターンで、ゲームエンド迄持ち込まれる!!?)」

 

追詰められた状況下を瞬時に理解、打つ手はなく焦りが表情に出るチルだが一方で、彼女のもう一人のタッグパートナーであるシャドウはまるで毅然としており。

 

「……どうやら、切り札を見せるしかないみたいですね!」

「!」

 

シャドウの零す一言に、ツバサ達にも衝撃が走る。

 

「しゃ、シャドウさん!? まだ手があるんですか!」

「当然。私は怪盗ですよ、あらゆる事態を想定し、そして対処できてこそ!!」

「!!」

 

「ククク、切り札か。ま、お手並み拝見と行こうじゃないか」

「えぇ、ならあなたもしっかり刮目する事ですねッ!」

 

煽る様なディオニュソスに対しても自信あり気に豪語して見せながら、手札に持つカードに手を掛ける。

 

「行きますよ、アンクグリード態を煌臨ッ!」

「!?」

「頂点の座に相応しい程に雄々しく! 七色の虹の様に鮮やかに! その美しき神の翼を今こそ空に広げろッ!! 天帝ホウオウガ(Rv)、煌臨ッ!」

 

アンクは自身の持つその紅の翼をより鮮やかに、より巨大に変化させ始めたかと思うと、そのメダルで構成された体は浄化され、真の肉体を持つ新しき体へと生まれ変わり、光の中でその体は巨大化し始めたかと思うと、神の名を持つ最強の一角──天帝ホウオウガが舞い降りる。

 

「凄い! これがシャドウさんの切り札!!」

「えぇ。アンクがエースなら、ホウオウガはまさに私にとってジョーカー! さてホウオウガ! 全ての敵を圧倒せよッ!! 煌臨時効果により【旋風】発揮!!」

「!!」

 

ホウオウガはゆっくりとそれでいて力強くその翼を羽ばたかせ始めたかと思うと、その羽ばたきによって巻き起こされる風、否、嵐の如く吹き荒れる緑の旋風。

 

「かつてのホウオウガが備えていた【暴風】、その能力もまたホウオウガ自身と共に進化を果たし、どんな敵をも吹き飛ばす嵐となった!

この能力を前には、何者も為す術はない! それが例えアルティメットであろうとね!」

 

シャドウの言葉通り、吹き荒れる緑の嵐を前にハルシエシスとホル=アクティは吹き飛ばされまいと踏ん張るが、風は容赦なく二体の力を奪い去り、ハルシエシスは地面に倒れ伏し、起き上がる事もできず、ホル=アクティもまた嵐に飛び続けられずその場に降り立ってしまう。

しかしホル=アクティだけはせめてこの攻撃だけはと、意地を貫く様に地面に降り立ちながらもその場で翼を振り上げ、目の前のバリアに翼を叩きつけて破壊し、それによりハルシエシスの効果も発揮され、さらにシャドウ達のライフを砕く。

 

「ぐぅッ!! 流石に強力……ですが、もうこれ以上の攻撃はできないですよねぇ?」

「ッ!」

 

ホル=アクティもこれ以上は一歩も動けず、ホルスも今は【神技】を発揮できるだけのコアがなく、思わず歯噛みしてしまう。

 

「いやぁ~、ホウオウガの【旋風】お見事です!! この天才美少女も素直に褒めちゃいます! ちるーん!」

「はいはい、恐縮です」

「所でホウオウガ、この子は何とお呼びすればいいですかね?」

「ちょっとッ! 人のキースピリットにまでニックネームつけようとするのやめてもらっていいですか……ッ!!」

 

チルの言葉に思わず叫んでしまうが、叫んだ後でこういうのは自分のキャラじゃないと気を取り直す様にコホンと一息。

 

「貴方といるとついこっちのペースまで乱されそうです」

「それチルのせいだけじゃないと思いますけど」

「……今更なのでノーコメント。それより次は私のターン、もらっていいですよね?」

 

「……」

 

ツバサに許可を求める様に言葉を投げ、それに対し悔しさはありながらもうこれ以上打つ手はなく、重くシャドウの問いに頷くしかなかった。

 

 

 

────第12ターン、シャドウside。

 

[Reserve]10個。

[Hand]2枚。

[Field]天帝ホウオウガLv.3(4)BP22000、風魔アマツバLv.1(1)BP2000、生還者コウロコーLv.1(1)BP3000、朱に染まる六天城Lv.2(1)、白雲に茂る天翼樹Lv.1(0)、ヨクアルバトロサLv.1、創界神ディオニュソスLv.1

 

「……来ましたねぇ!」

「!!」

 

このターン引いたカードにシャドウの目付きが変わる、待ち望んでいたカードを引き当てたのか口角を上げてそのカードを構える。

 

「コウロコー、アマツバ、そして白雲茂る天翼樹をLv.2! マジック、スピードスターを使用! このターン、自分のスピリットが相手ライフを減らしたのならボイドからコア2個をリザーブに置ける!」

「またコアブースト!?」

「スゥクレ、私がその程度の戦略で終るとお思いですか?」

「えっ!?」

 

ツバサに対して意味深に言葉で答えて見せたかと思うと、不敵な笑みと共にアタックステップと宣言する。

 

「天帝ホウオウガ、アタック!」

 

ホウオウガは鳴き声を上げながら空へと飛び立つと、そのまま烈我とツバサの二人を見定めると、そのままゆっくりと二人に迫って行く。

 

「ホウオウガの煌臨時によるアタック時効果! フラッシュでコア1個をボイドに送れば、ホウオウガは回復するッ!」

「何ッ!?」

 

ホウオウガの身が光り輝くと回復状態となりその翼を大きく広げながら、烈我達に向けて自身の羽を射出していき。雨のように降り注ぐその羽の矢に展開されたバリアはいとも簡単に破壊される。

 

「がああッ!!」

「ライフの破壊に伴いスピードスターの効果、ボイドからコア2個をリザーブに追加!」

「ッ! それじゃあコアの続く限り……嫌、ホウオウガの攻撃が成立すれば何度でも!!」

「エグザクトゥモン!! ブロッカーもいないこの状況でならホウオウガは無限アタッカーと化す!! 残るライフ根こそぎ奪い取りますよッ!!」

 

全てのライフを奪い取るべく、鳳凰が再び攻撃に備える様に構えて吠え上がるが。

 

「まだ負ける訳には行かねぇ! ライフ減少時でバースト発動! 絶甲氷盾ッ!!」

「!」

「効果でボイドからコアをライフに追加! さらにコストを支払ってアタック捨てプを強制終了させる!」

 

得意げに笑って見せながら烈我は自身のバーストを発動させると、効果によって吹き荒れる吹雪がホウオウガを退け、そして一瞬にして氷の壁が行く手を阻む様に出現する。

 

「烈我、助かったよ」

「おぉ、タッグバトルだからな。俺だって頼りっぱなしって訳には行かないからな!」

 

互いに励まし合いながらバトルに臨む二人、このターンでの無限アタックを封じられた事に流石にシャドウも難しい顔色を浮かべるがすぐに落ち着くように表情を柔らかくさせる。

 

「このターンで止められたのは残念。ですが、コアはすでに十分! 次のターンまで来ればホウオウガで残りのライフを削り切るには充分。

私はこれでターンエンドです」

 

 

 

 

────第13ターン、烈我side。

 

[Reserve]21個。

[Hand]4枚。

[Field](重疲労状態)天空勇士ハルシエシスLv.2(3)BP13000、(重疲労状態)天空鳳凰ホルアクティLv.4(4)BP16000、堕ちる煌星Lv.1(0)、創界神アポローンLv.1、創界神ホルスLv.1

 

「俺のターン……!」

 

烈我もまたこのターン引いたカードに目を輝かせ、手札に加えた一枚にフィールド空気が変わる。

 

「もう一度バーストセット! そして堕ちる煌星をLv.2にアップ、行くぜバジュラ!」

『待ってたぜ、烈我ァッ!』

 

待ちに待った自分自身の出番、それに興奮が抑えきれないバジュラの声が頭の中に響く。

 

「ここで出てきますか、憤怒を持つ七罪竜!!」

「な、何かヤバそうな雰囲気ッ!」

 

シャドウとチルはこれから出て来るであろうそのスピリットに備え、ツバサもまた、まだ見ぬバジュラの真の姿に「ついに来るのか」と静かに息を呑む。

 

「罪を背負いし怒りの竜! 憤怒の炎、烈火で地獄さえも焼き尽くせ! 爆我炎龍バジュラブレイズ、召喚ッ!!」

 

呼び出されるバジュラブレイズ、そのカードが盤面にスタンバイされると共に空は暁に染まり、天を裂いて降り注ぐ流星。

地面を抉る様に撃ち込まれる流星は、ステージのような土台を作り上げ、そのステージに一際巨大な火球が降り注ぐと、炎の中に輝く赤き眼光。

 

『さぁ、俺を怒りのままに暴れさせろォッ!!』

 

炎を吹き消す程の咆哮を上げる紅蓮の龍──バジュラブレイズの真の姿である。

 

「こ、これがバジュラブレイズ」

『あぁ、そうだ。これが俺の本当の姿よ。まさかと思うが、ビビってはねぇだろうな? チキン?』

「び、ビビってないです」

 

本当は若干バジュラの迫力に気圧されてる様子だが、そんな様子を察してるのか可笑しそうに『あぁそうかよ』と笑いながらも前を向き直る。

 

「バジュラ、味方に揶揄うような真似はやめろよな! あのディオニュソスって奴と一緒だぞ?」

『あぁ!? 俺がアレと一緒だと? ざけんじゃねぇぞコラァッ!!』

 

「本人を前に随分な言い用だね?」

「正当な反応ではないかとチルは思います」

「私も」

 

味方サイドからも同様の意見でディオニュソスは「勘弁してもらいたいね」と少し困ったような素振りで口にする。最も、本人はそのイメージを改善する気等毛頭ないのだが。

 

『まぁいい、とっとと始めようぜ! 俺は暴れたくてうずうずしてんだよッ!!』

「あぁ、任せたぜ! バジュラでアタック!!

アタック時効果、【火力推進(ヒートアップ)】発動ッ!! BP+5000し、さらに手札1枚を破棄する事で相手スピリットは必ずブロックしてもらうぜ!」

 

『グルアアアアアアァァァァァッ!!!』

 

さらに荒れ狂う様に雄叫びを上げながら、体に炎を纏わせると、そのまま一気にシャドウ達へと突っ込んで行き、ホウオウガはバジュラに対し威嚇するように鳴き声を上げる。

 

『天帝、相手にとって不足はねぇなァッ! 存分に怒りをぶつけさせてもらうぜぇッ!!』

「愚かな、ホウオウガ! 望み通り相手になってやりなさい!」

 

ホウオウガは鳴き声を上げながらバジュラに向かって足爪を掲げて上空からバジュラへと強襲。バジュラも真っ向から攻撃を受け止め、多少後退するように地面に足を引きづらせるが両手で足を掴み、攻撃をガッシリと受け止める。

攻撃を受け止め、そのまま逃がさない様に掴んだまま口に炎を溜め込むが、ホウオウガはその場で反転して無理矢理バジュラの手を引き剥がし、バジュラはすぐさま火炎放射を吐き付けるが、ホウオウガは翼を羽ばたかせ、巻き起こすその強風で炎を掻き消す。

 

「ホウオウガのBPは22000、バジュラブレイズはアタック時効果を合わせてもBP17000、ホウオウガには及びませんよ!」

「だったらフラッシュ!」

「!!」

「マジック! ソウルオーラ! 効果でソウルコアが乗っているバジュラブレイズをBP+6000」

「ッ!?」

「これでバジュラのBPは23000! これで決まりだぁッ!!」

 

ホウオウガはバジュラに向かって羽の矢を飛ばして行くが、拳の連打で撃ち出された羽を全て叩き落し、それならばとホウオウガは再び翼を羽ばたかせて巨大な竜巻を巻き起こすが、バジュラは怯む事無くその竜巻の中へと飛び込む。

 

『しゃぁッ!! 行くぜ行くぜェッ!!!』

 

そのまま竜巻を利用するかのように風に乗ってバジュラは空高く飛び上がると、ホウオウガの頭上を取り、驚くように声を上げるホウオウガだが、必死に抵抗を見せる様に上空のバジュラに今一度羽を撃ち出して迎撃。

バジュラも拳に炎を灯し、炎拳のラッシュで羽を弾き飛ばしながらホウオウガへと迫る。

 

『往生、しやがれぇぇぇぇッッッ!!!』

 

そのままホウオウガの頭に炎拳を叩き込むと、ホウオウガはそのまま真っ逆様に地面へと墜落し、大爆発を起こす。

 

「ば、バカな!? ホウオウガ!!」

 

自分のキースピリットの破壊、それはこれまで余裕を見せていたシャドウも思わず動揺を隠せなかった。

そしてバジュラブレイズは爆炎の中、さらに勢い付く様に咆哮。

 

「【火力推進】の効果、相手スピリットを破壊した時、バジュラは回復!!」

『オラァッ! もっともっともっと俺を熱く滾らせろォッ!!』

 

「す、すごい……これがバジュラの効果!」

「まだまだバジュラの力はこんなもんじゃないぜ! さぁバジュラ、もう一度アタック! 【火力推進】の効果で手札を破棄だッ!」

 

ツバサに対して得意げに笑いながら、再度バジュラにアタック指示。

 

「くッ! 生還者コウロコーでブロック!」

 

コウロコーは臆する事無くバジュラへと向かって行くが、勝負の結果は日を見るように明らか。コウロコーを払いのけ、弾き飛ばされたコウロコーはそのまま破壊されて消滅。

 

「再度バジュラは回復! そしてもう一度アタックし、このターン! バジュラブレイズが3回以上アタックした事で【超爆火力(オーバーヒート)】発動!! 手札を1枚ドローし、このターンの間BP+5000、最後にバジュラブレイズは回復ッ!」

『さぁ俺はもう止まらねぇぞ!! 止めれるもんなら止めてみやがれッ!!』

 

「ぐっ! アマツバでブロック!!」

 

バジュラを止めようと向かって行くアマツバだが、バジュラは即座に火炎放射を吐き付けると、炎に焼かれてアマツバは爆発四散。

 

「このまま一気に決める!! バジュラでアタック! 【超爆火力】の効果でデッキから1枚ドロー、回復!」

「ら、ライフで受けますちる!」

「えぇ、こちらもライフです!」

 

打つ手はないのかその場からバジュラは大きく飛び上がると、二人に迫り構えた炎拳をそのままバリアへぶち込んで粉々に破壊する。

 

「「ッ!!!」」

「絶体絶命、どうやらここまでかな?」

 

バジュラの姿にディオニュソスは味方を気遣う素振りは一切なく寧ろ薄情なまでに終わりを見据えた一言、それに対しシャドウは歯噛みするが。

 

「残りライフは2! バジュラ、一気に決めろォッ!!」

『任せなッ!!!』

 

紅蓮に染まった拳を構え、再びバジュラは相手へと突っ込んで行く。

 

「ッ! まだ、まだまだ負ける訳には行かないんですよ! フラッシュタイミング! マジック、シシャノショドリームッ!!」

「!?」

 

突然展開されるバリアの前にオーロラが重なるように現れるが、『しゃらくせぇッ!』と構う事無くバジュラは炎を込めた拳を打ち込むが、その拳はバリアに弾かれる。

 

『あァッ!!?』

「シシャノショドリームの効果、この効果はコスト4以上の相手スピリット、並びにアルティメットの攻撃ではライフは1以下にならない。よってこれ以上はバジュラの攻撃も意味をなさないですよ?」

「ッ! ターンエンド」

 

ライフを削れない以上、これ以上の攻撃は意味を為さない。ターンエンドをコールするしかなく、バジュラも苛立ちを感じるが素直に受け入れるしかなかった。

 

「ハハハ。ここに来て、粘るとは思ってたよりやるじゃないか! けど、どうやらそれまでらしいね」

「ッ!!」

 

ディオニュソスからの言葉に舌打つシャドウ、攻撃を防ぎはしたもののシシャノショドリームはシャドウに残る最後の手、それを消費した事で彼の手札はもう尽きていた。

 

「ちょっとディオニュソスさん! アンタ本当にチル達の味方なんですよね!?」

「おっと、そうだったね。これは失礼」

「さっきからずっと煽ってばっかり、本当に協力する気あるんでしょうね?」

「勿論。その為に我は君と手を組んだんだからね、そんなに心配しなくてもその証拠ならすぐに見せられると思うよ?」

「はい?」

 

不敵に笑うディオニュソスの言葉に意味が分からないチルだったが。

 

 

 

────第14ターン、チルside。

 

「私の番ですね! 朱の染まる六天城、Lv.2の効果でデッキから2枚ドローし、その後1枚破棄です!」

 

自分のターンを迎え、ネクサスの効果により2枚のカードを手にするが、引いたカードに一瞬チルは表情を強張らせる。

 

「これって……!」

「フフフ、引いたようだね」

「……」

 

「チル?」

 

チルの様子に不信感を覚える様に声を掛けるが、チルは終始無言のままディオニュソスに視線を配る。

 

「(何で、これがチルのデッキに!?)」

 

引いたカードは、他でもないディオニュソスの化神であるカヴァリエーレバッカスのカード。自分のデッキに加えた覚えのないそのカードに当然疑問が脳裏を過る。

 

「(……まさか、あの時に?)」

 

唯一思い当たるとすれば最初にディオニュソスと会ったあの時、彼が不意にチルのデッキの中を視察を行っていた正にあの時。考えられるとすれば、恐らくその時にカードをデッキに仕込んでいたのだろう。

 

「フフフ、これが我の誠意さ。さぁどうする?」

「…………朱に染まる六天城の効果でネクロマンシーを破棄」

 

邪悪な微笑を浮かべる神、この状況を例えるなら悪魔との取引というべきだろうか。素直に乗るべきか考えながらもバトルを続行して行く。

 

 

[Reserve]16個。

[Hand]4枚。

[Field]朱に染まる六天城Lv.2(1)、白雲に茂る天翼樹Lv.1(3)、ヨクアルバトロサLv.1、創界神ディオニュソスLv.1

 

「メインステップ! 全てのネクサスをレベルダウン。そしてボーントプスを召喚。ボーントプス召喚時により1枚ドロー! さらにボーントプスは朱に染まる六天城の赤シンボルがある事で【連鎖】の効果! 堕ちる煌星を破壊ですちる!」

「!」

 

ボーントプスは自身の角を振動させ超音波を起こし始めると、紫の怪音波に堕ちる煌星はその場から消滅。

 

「まだですよ? 無魔を持つスピリットが召喚された事によりディオニュソスに神託」

 

一体何を狙っているのか、着実に手札を補充し準備を終えたように彼女は口元を緩ませて。

 

「これで下準備はおしまい! じゃあ真打と行きますか!」

「どうやら、君も覚悟を決めたようだね?」

「えぇ。こうなったらとことん貴方の口車に乗ってやりますよ! 勝つ為なら、悪魔の手だって喜んで借りますちる!!」

 

ついに腹を括ったかのようにディオニュソスに言葉を返すと、手札の一枚を力強く掲げて、そして叫ぶ。

 

「混沌の闇を体現しせし神の現身! 災禍の剣を振り下ろせッ!! 冥府神王カヴァリエーレヴァッカス、召喚ッ!!」

 

深淵とも思える冥府の闇がフィールド中央に広がり始めたかと思うと、その冥府より姿見せる王、異形な四本の腕に中世を感じさせる鎧に身を包みしスピリット、ディオニュソスの化神たるカヴァリエーレバッカスの降臨である。

 

「ディオニュソスに神託。さらにディオニュソスの【神域】の効果! 冥府を持つ自分のスピリット全てはLv.1コストを0にする!! これでカヴァリエーレバッカスの維持コストを支払う必要はないですよ!」

「維持コストがいらないってマジかよ!?」

 

ディオニュソスの体に紫の光が灯り、同じ光を化神であるカヴァリエーレバッカスも身に纏い、その効果に烈我は驚くように声を上げる。

無理もない、ツバサも初めてその効果を聞いた時は今の烈我同様に驚かずにはいられなかった。

 

「しかもカヴァリエーレバッカスは自身のコアが0の場合、相手のどんな効果も受けないですよ!」

「何でもありかよ! あの化神!?」

「ありですとも。そしてここからこの天才美少女の真の底力お見せしてやりますとも! さらにもう1枚、最強のブレイヴ今こそ見せますよ!」

「!」

 

彼女の手札にあるのはカヴァリエーレバッカスだけに留まらない。最強と豪語しながら次に彼女はその1枚をフィールドへと呼び出す。

 

「手札1枚を破棄する事で召喚! 古より語られ続けた神の大剣! 永き眠りで錆び付いたその刀身に再び神の輝きを灯せッ!! 裁きの神剣リジェネシス、召喚ッ!!!」

 

突如として巨大な地響きと共に大地が裂け始めたかと思うと、封印から解放されるように裂け目より出現する巨大な大剣。

その剣は神が咎人を断罪すべく生み出されし伝説の剣、故にその剣は名の通り「裁きの神剣」と。

 

「さあ裁きの神剣リジェネシスをカヴァリエーレバッカスにブレイヴ!」

 

神の現身であるカヴァリエーレバッカスがその剣に触れた途端、黄金の鎧と紫の体は灼熱の業火の如く赤くその身を染め、絶大となったその力を示すように雄叫びを上げ、その声はフィールドの大気を大地を、あらゆる全てを揺るがす程。

もはや神の現身という次元ではない、目の前にいるバッカスの力はもはや神そのもの、その姿に烈我達も思わず圧倒されるように言葉を失ってしまう。

 

「どうやら言葉も出ないようですね!! これがチルの本気! 恐れ入ったでしょう?」

「ッ!!」

 

「トレビアーン! 裁きの神剣、まさか君がそれ程のお宝を持っていたなんてね!」

 

紅蓮の神に握りしめられた裁きの剣、それに目の色を輝かせて語るシャドウ。

 

「ちょっとシャドウさん、狙わないでくださいよ?」

「分かってますよ。欲しくないと言えば嘘になりますが、今更狙ったお宝の変更はしません。それも怪盗の流儀ですから。

それに今は、君の手腕を見せて欲しい、それだけです」

「!……フフフ、そこまで言うならもっと驚く物を見せてやりますとも!!」

 

チルの残る手札は1枚、しかし彼女の勢いは決して止まらない。

 

「骨孩児、Lv.2で召喚です!」

「それって確か!?」

「はい! お察しの通り、召喚時でさらに手札が3枚になるようドロー!」

 

骨孩児の召喚で丁度彼女の手札は0枚、よって3枚のカードを一気に手札に加え、ピースを揃えたかのように「来た!」とこれまでで1番大きな笑みを見せる。

 

「無魔を持つスピリットの召喚でディオニュソスにコアを追加。そして、これが最後の仕上げです! マジック、ネオアグレッシブレイジ! 効果でカヴァリエーレバッカスをBP+3000し、真激突を与えますよ!」

「(ここに来て激突の効果?)」

 

どういう意図があるのか分からないものの、決して油断ならない事だけは確か。そしてその予感通りに彼女は「アタックステップッ!」と力強くコール。

 

「カヴァリエーレバッカスでアタック! バジュラブレイズには強制ブロックしてもらいますよ?」

 

今のカヴァリエーレバッカスのBPは23000、バジュラのBPを遥かに凌駕している。

 

「ッ! バジュラを確実に破壊する気かよ!!」

「……フフ、果たしてそれだけで済むかな?」

「何ッ!?」

 

烈我に対して、チルが何を狙っているのかディオニュソスは全てを把握してるかのように一言。その言葉が腑に落ちないように引っ掛かるがそれでも今はブロックする以外の選択肢は残されていない。

 

『烈我指示を出せ! 向こうがわざわざ喧嘩吹っ掛けて来てんだ。退く訳には行かねえだろ?』

「ぐッ! バジュラ、頼むッ!!」

 

苦汁を飲まされながらも決断するしかない。迫るカヴァリエーレバッカスにバジュラでのブロック指示を送り、ぶつかり合う二体。

カヴァリエーレバッカスが振るう剣に対し、バジュラブレイズは拳で迎撃するが、力の差は歴然。振るったバジュラの拳は簡単に弾き返される。

 

『チッ! クソがッ!!』

 

今度は自身の剣ではなく、裁きの神剣を構えてバジュラへと振りかざす。

 

「バジュラッ!!」

『ッ!!!』

 

裁きの神剣による一撃、何物をも破壊する神の剣は巨大なクレーターを作る程に地面を抉り取り、周囲には塵も残らない程だった。

跡形もないその光景に勝負は付いたと、カヴァリエーレバッカスは剣を引き始めるが。

 

『何処見てんだ、この骸骨野郎』

「!!」

 

突然響くバジュラの声、その声に反応する様にカヴァリエーレバッカスは視線を向けると、そこには攻撃を間一髪避けていたのか、頭上に飛び上がるバジュラの姿が。

 

『大した力だったぜデカブツ! だが最期にそのツラに一発ぶち込んでやる!!』

 

バジュラは火炎放射を吐き付け、カヴァリエーレバッカスは剣を振り払い炎後とバジュラを斬り裂こうとするが、炎はあくまでも目くらまし。

そのまま頭下に降り立つと、顔面に向かって拳を突き出すが。

 

『……ッ!!』

 

刹那、バジュラの拳がカヴァリエーレバッカスに届くまさにその瞬間、バジュラの動きがピタリと止まる。

 

『あァ!?』

「バジュラッ!!」

 

烈我の呼びかけに対しても全く体を動かせず、目に見えない腕に体を掴まれているそんな感覚、そしてその違和感に対し何かに気付いたのかバジュラもカヴァリエーレバッカスもある一点に向けて視線を向け、その視線の先には。

 

「困るな~ァ、我の化神。あまり傷つけないでもらえるかい?」

『テメエエエエェェェェ……ッ!!』

 

バジュラに向けて腕を翳すディオニュソス、その表情は邪悪を感じる愉悦の笑み。

 

「フラッシュにより、ディオニュソスの【神技】の効果、この創界神のコア6個をボイドに送る事でブロックしたスピリットを破壊! そして、このバトルはブロックされなかったものとして扱う」

「『なっ!?』」

 

ディオニュソスは翳した腕を徐々に閉じて行くと、バジュラを束縛する力はそれに比例して強くなっていく。

 

『ガアアアアアアァァァァァァッ!!!』

「バジュラッ!!」

 

「アッハハハハハハハ!! 七罪竜、そんな大物を倒せるとはこれは名誉だねぇ

ッ!!」

『クソガアアアァッ!!!』

 

怒り滾る憤怒の目をディオニュソスへと向けるが、どれ程の怒りを向けられようが決して態度を変える事は無い。今は虫を弄ぶ子供のようにバジュラに手を下すべく、その手を。

 

『……ッ!』

 

その手が下される直前、カヴァリエーレバッカスの剣がバジュラへと突き刺さり、瞬間ディオニュソスが手を下す前にバジュラは爆発四散する。

 

「バジュラ!!」

「おや、どういうつもりかな?」

 

カヴァリエーレバッカスの行動、それが余程意外だったのか不思議そうな顔を浮かべる。しかしバッカスにしてみれば折角の強者との戦いの場に水を差されたのだ。

興覚めだと言いたげに、ディオニュソスに対し文句言いたげな表情を見せるが、それでもカースドラゴンと違い、実際に手を上げないのは彼がディオニュソスの化神であるが故だろう。不満はあれど今はバトル中、止むを得ない様に烈我達へ剣を向ける。

 

「ッ!」

 

「フフ、君あのドラゴンが余程気に入ってたんだね。それは悪かった、でも今はバトル中だよ? 私欲は控えて戦いに集中してもらわないと」

「貴方がそれを言いますか? とにかくカヴァリエーレバッカス! メインアタック続けてください!」

 

ディオニュソスにではなく、チルの指示にカヴァリエーレバッカスは頷いて反応を返すと、そのまま二本の剣とリジェネシスを構え、三刀の剣をバリアへ降り下ろす。

 

「「うわあああああああッ!!!」」

 

カヴァリエーレバッカスによる一撃はライフを一気に4つ削り取り、残るライフを1にまで追い詰めてしまう。

 

「ぐッ! ツバサ、大丈夫かよ?」

「な、何とか……烈我は?」

「俺も大丈夫! 最後まで、諦めてられっかよ!! ライフ減少時でバースト発動! マジック、裂光閃刃!」

「!!」

「効果でBP3000以下の相手スピリット全て破壊だ!」

 

閃光の刃が放たれると、その刃はボーントプスを吹き飛ばして破壊するが骨孩児はBP4000、閃光の刃を弾き返して見せる。

 

「一手及びませんよ、これで勝負は決まりですね!」

「まだだ! 最後の最後まで俺は勝負を諦めねぇ! コストを支払い、裂光閃刃の効果を使用! バジュラを俺の手札に戻す!」

「!」

 

再び烈我の元に戻るキーカード、それに一瞬驚くように反応するが、今それに構ってる場合ではない。

 

「今更キースピリットを戻した所で無駄な足搔きです! これで決めてあげますよ! 骨孩児!!」

 

両端に刃を携えた剣を手慣れた様に回しながら骨孩児はフィールドを駆け、止めを刺すべく飛び上がって武器振りかぶる。

 

「負けてたまるかぁッ!! マジック、デルタバリア!!」

「なっ!!? ここで防御マジック!」

「効果でコスト4以上のスピリットじゃ、ライフは0に出来ねぇッ!!」

 

渾身の力を込めて刃をで一閃、だが攻撃を受けてなおバリアは砕けず今だ残るライフは輝き続けている。

 

「た、耐えきった!! 凄い!」

「ッ!! ターンエンドですよ!」

 

歓喜するツバサとは対照的に決め切れない事に歯噛みするチル、しかし追い詰められた状況には変わりない。バジュラブレイズを手札に戻せたとはいえ、今の彼にもう防御札に成り得るカードはなく、恐らく次に烈我の番まで回るのは難しい。

 

「ツバサ、多分俺に出来るのはここまでだ」

「!」

「多分、次が俺達にとってのラストターン! だから、お前が決めてくれ!!」

「そ、そんな事言われても!」

 

プレッシャーは重大、決め切れるのかと不安が過る。

 

『ケッ、だらしねぇな』

「バジュラ!」

 

先程破壊されたとはいえ、今手札に戻り何も変わってない様ケロっとした様子でSDサイズとなってツバサの前に現れる。

 

『本当は俺が決めてのに止むを得ねぇからテメェに任せてんだ。今更グダグダ言ってんじゃねぇ。テメェにとっての相棒を!』

「!!」

 

ツバサに対して喝を入れるかのようなバジュラの言葉、それに対し翼は静かにホルスに視線を向けるが、ホルスもまたじっと自分の使い手であるツバサも見る。

 

「ホルス」

「大丈夫、必ず勝つって強い気持ち! コイツ等みたいにそういうとこ皆割らなきゃ勝てるもんも勝てないぜ?」

「そんなの、ただの精神論じゃん」

「まぁそうだけどな、でも! まず気持ちで負けてちゃ何も始まらないだろう?」

「うっ!」

 

ホルスからの正論、それに返す言葉が出ないように言葉を詰まらせるが、ホルスはその様子に笑いながら、「まぁ心配するなよ」と声を掛ける。

 

「烈我達だけじゃない、俺も同じ、お前と全力で戦う。それで負けたとしたらその時はその時だ。ただ、俺は正直、お前とこれでコンビ解消なんてしたくないけどな」

「ホルス……!」

「それと、あの野郎(ディオニュソス)に負けるのだけは、絶対御免だ!」

「……コンビどうこうよりホルスにとって、一番大事なのってそっちなの?」

「両方! あの野郎に負けたくない気持ちも、お前と一緒に戦いたいって思うのも両方同じくらい俺には大切だ」

「……」

 

ホルスの言葉に対し、ツバサもまたクスッと可笑しそうに笑う。

 

「……そこまで言われたら今更諦められる訳ないじゃん!」

「おぉ! そう言ってくれるの、待ってたぜ!!」

「すっかり乗せられたよ。まぁでも! 確かに後には引けないし、全力で、本気でやるよ!!」

 

もうプレッシャーに押されるような気持ちは微塵もなく、少しだけ勇気をもらったように強い眼差しで自分のターンを迎える。

 

 

 

 

────第15ターン、ツバサside。

 

[Rerseve]27個。

[Hand]5枚。

[Field](疲労状態)天空鳳凰ホルアクティLv.4(4)BP16000、創界神アポローンLv.1、創界神ホルスLv.1

 

ツバサのターン、しかしフィールドにいるキーカードたるホルアクティは未だ疲労状態、このままではバトルができる状態ではないが。

 

「風より速く、雲より高く! 共に天を征く翡翠の友! 天空神皇ゲイルフェニックスホルス! Lv3で召喚!」

 

ここに来てツバサにとってもう一枚のキーカードにして、ホル=アクティに並ぶもう一体の化神。黄金の装飾を携えし緑の神皇、フェニックスの名を冠する不死鳥が天より舞い降りて威風堂々たる鳴き声を上げ、ホル=アクティと並らび立つその姿はまさに壮観の一言。

 

「もう一体、さらに天空勇士アイビージャを召喚! 召喚時効果でゲイルフェニックスホルスにボイドからコアを追加! そしてこの効果でコアを追加した時、自分のスピリットかアルティメットを回復。

当然指定するのは、ホル=アクティ!」

「!……これは、私の時の」

「はい、真似させて貰いました!」

 

再び回復によって力を取り戻したように立ち上がるホル=アクティ。

その光景は間違いなくシャドウの時と同様。相手のバトルスタイルですら自分の成長の糧としているツバサの姿にホルスは感服するように口元を緩ませる。

 

「さあツバサ、行こうぜ! こっからが勝負だ!」

「分かってるってば! このターン出来る事、全部出し尽くすよッ!」

 

「チル、私も今の状態では打つ手はありません。このターン、全て貴方に任せますよ」

「ッ!! 言われなくとも!」

 

シャドウの手札は既に0、ツバサの攻撃に自分ではもうどうする事も出来ないのは理解している。だからこそ、後は全てチルに託すのみ。

 

「ホル=アクティでアタック! アタック時効果発揮!!」

 

ホル=アクティは何かを呼び込むように眼光を輝かせると、デッキから弾け飛ぶ三枚のカード、その内の一枚を掴み取ると。

 

「歴戦の天空勇士アクヴァルチャー! 1コストを支払い、Lv.5で召喚!」

「!」

「アルティメットの召喚により、相手ライフを1つをリザーブ送りだ!!」

 

ホルアクティはそのまま電光石火の如くチル達へ突っ込み、バリアに翼を叩きつけると、ライフを破壊。

 

「これでそっちのライフも残り1! さらにアルティメットの召喚によりホルスに神託。その後、ホル=アクティの追加効果は、使用しない!」

「使用しない!?」

 

ホルスのコア3個をホル=アクティに移す事で、再びホル=アクティは回復するが何故かその発動宣言は行う事は無く、一瞬疑問に浮かべるが。

 

「フッ、回復するまでもないって事ですか? 甘い! 甘い!! 甘いんですよ!!! フラッシュタイミングでリゲインを使用!」

「!

「効果でカヴァリエーレバッカスをBP+5000、そしてこのターンの間疲労ブロッカーとします!」

 

迫るホルアクティを迎え撃つ様に剣を構えると、真っ向からホルアクティと睨み合うカヴァリエーレバッカスの姿。

 

「ブロックです! カヴァリエーレバッカス!!」

 

3つの剣から撃ち出す斬撃の雨、だがホル=アクティは空を自在に舞いながら斬撃波を避わし、さらに自分自身の速度をぶっちぎって、そのままカヴァリエーレバッカスへと突っ込む。

その攻撃にカヴァリエーレバッカスは自分の剣を捨て、四本の腕でリジェネシスを握りしめると最大限の力を込めて、その剣を振り下ろす。

 

猛スピードから繰り出される翼の刃と、リジェネシスによる一撃が同時に相手へと繰り出され、 そのまま勢い余るようにカヴァリエーレバッカスを通過するホルス、だがその翼はリジェネシスにより切り裂かれ、飛ぶ力を失ったホル=アクティは空中で力尽きて大爆発を起こす。

 

「今のカヴァリエーレバッカスはもはや最強!! 誰であろうと倒せる者なんて、いないんですよッ!!!」

「……チル?」

 

バトルによる勝利に唸るカヴァリエーレバッカス、その様子にチルもまた滾るように声を荒らげ、その様子には流石にシャドウも違和感を感じている程だった。

しかし、それを前にしてもツバサは躊躇う事はなく、次のカードに手を掛ける。

 

「まだ終わってない! 最後までやり切らせてもらうよ!! 天空勇士アイビージャでアタック!」

「無駄なんですよ!! どれだけ攻めようが、カヴァリエーレバッカスで全部受け止めてあげますよ!! ブロックですッ!」

 

アイビージャは無謀とも思えるようにカヴァリエーレバッカスへと特攻をしかけ、向かってくる標的に容赦なく剣を構えてみせるが。

 

「ホルスの【神技】発揮! Lv2効果でターンに1回ホルスの【神技】の使用コストを1に変更し、その効果を使う! デッキから3枚オープンしてその中の爪鳥を持つカードを召喚!」

 

オープンされる3枚のカードはそれぞれ、「天空鳥ナイルバード」、「天空勇姫ネフェルス」、「天空戦艦ピラミッドウイング」のカード。

 

「……オープンしたカードはそのまま召喚はしない」

「(召喚はしないって、どう言うつもりなんだ?)」

 

アルティメットの展開を狙ってる訳では無いのか、そのままホルスの効果での召喚を見送ると、彼は再度フラッシュの声高らかにコール。

 

 

「もう一度、ホルスの効果を使用! コア4個をボイドに送って、再度デッキから3枚オープン!!」

「まだ続ける気ですか?」

「勿論! 柄じゃないけど、諦める訳には行かなくなったしね!」

 

強い眼差しでカードをオープン、そして開かれたそのカードは。

 

「来てくれた! 2体目のホル=アクティ、召喚!!」

「!!!」

 

再び黄金の光を纏ってフィールドを舞い降りるホル=アクティ、カヴァリエーレバッカスは剣を振り下ろしてアイビージャを破壊し、バトルを終えると再び姿を現したホル=アクティに視線を向ける。

 

「無駄だって言ってるじゃないですか! どんな子が出た所で、カヴァリエーレバッカスは無敵なんですよ!!」

「確かにその化神はどう足掻いても自分じゃ倒せない……けど、プレイヤーは無敵じゃないよね?」

「!」

 

ツバサからの言葉にハッとするように何かに気付くチル。

 

「ま、まさか……!」

「ホル=アクティの効果はアタック時効果でアルティメットを召喚出来れば、相手ライフを破壊できる! 残りのライフは1つ、それで決まりだ!」

「ッ!!」

 

例えカヴァリエーレバッカスが無敵に近い強さでもそれを扱うチル達はそうではない、彼の狙いはあくまでライフただ1つ。

 

「ま、まだ! アルティメットが出るって決まった訳じゃ!!」

「確かにその通り。もしアルティメットが出なかったらホル=アクティは破壊されてもう打つ手はない。だから所謂大博打だよ!」

「……ッ! 来る訳が……そんなコケ脅しにビビる訳ないです!!」

 

来るなら来いと言わんばかりに構えるチルとカヴァリエーレバッカス。

アルティメットが出るか否か、それで決着が決まる。まさに最後の大勝負、ホルスやバジュラ、烈我も彼を信じるように見守り、ツバサは息を整えるように深呼吸するとホル=アクティのカードを構えて。

 

「ホル=アクティ! アタックッ!!」

 

攻撃指示を受けると即座に翼を羽ばたかせフィールドを突っ切るホル=アクティ、と同時にそのアタック時効果を発動させ、ツバサのデッキから弾き飛ぶ3枚のカード。

 

「来る訳ない!! 勝つのは、チル達なんです!!」

 

彼女もまた意地があるように想いを強く叫び、その叫びに応えるようにカヴァリエーレバッカスはまだ指示を受けていないにも関わらず、ホル=アクティを迎え撃つように飛び出して行く。

 

「1枚目、ウツボクイナ!」

 

スピリットカード、アルティメットではない。

カヴァリエーレバッカスは斬撃波を撃ち飛ばして行くが、ホル=アクティは旋回するように回転し、斬撃波の雨を突き抜けて行く。

 

「2枚目、小凰ニックス!」

 

またしてもアルティメットではない。ハラハラと緊張が募り、烈我達だけでなく、シャドウもまた固唾を呑んで行方を見守る中、カヴァリエーレバッカスは2本の剣をホル=アクティへと投げつけるが、翼を振るい、その剣を弾き飛ばす。

 

「ラスト、3枚目!!!」

 

勝負の結果を決める3枚目、そのカードが開かれようとする瞬間、カヴァリエーレバッカスはホル=アクティに向けて駆け出し、リジェネシスによる突きを繰り出し、攻撃繰り出されるのと同タイミングでカードがオープンされ、全員息を呑んで、そのカードを視線に捕らえる。

 

「「「「!!」」」」

 

オープンされたそのカードは、「天空神鳥ハロエリス」、そしてそのカードは勿論。

 

「ハロエリス召喚! そしてアルティメットの召喚により相手ライフを砕く! これで終わりです!!」

「そ、そんなぁッ!!」

 

ホル=アクティと同等、もしくはそれ以上に感じる程の巨大な翼を広げ舞い降りるハロエリス。

カヴァリエーレバッカスは構うこと無くそのままリジェネシスでホル=アクティへと突き出すが、その攻撃に対しフィールドにいるゲイルフェニックスホルス、ハロエリスは味方を鼓舞するように鳴き声を上げる。

彼らからの声援にホル=アクティは眼光を輝かせ、より力強く羽ばたいて飛び上がると突きによる攻撃を避け、そのままカヴァリエーレバッカスの頭を踏み台にして一気に飛び越え、チル達へ迫る。

 

「ま、まさか! チルが!! この天才美少女の私が負けるなんて、そんなの……絶対絶対絶対有り得ないです!!!!」

「チル、覚悟を。どうやら私達の負けです」

「ッ!!」

 

受け入れ難いようにディオニュソスに視線を向けるが、彼は静かに鼻で笑ったかと思うと、お手上げと言わんばかりに手を上げて見せるだけだった。

 

「い、嫌ッ! 負けたくない!! 折角、帝騎に上り詰めるチャンスを手にしたのに!!」

「ホル=アクティ、決めて!」

 

翼を振り上げ、そのままチルとシャドウの2人を眼前に捉えると、振り上げた翼をそのまま振り下ろし、最後の一撃を下す。

 

「うわああああああッ!!」

「ッ!!!」

 

ライフが0となり、衝撃に弾き飛ばされる2人。そして勝利に喜ぶように爪鳥達の勇ましい声がフィールド中に響き渡る。

 

 

***

 

 

「よっしゃぁッ!! 無事勝利!」

「ありがとう、勝てたのは烈我のお陰だよ」

「何言ってんだ、決めたのはツバサだろ? もっと自信持てって!」

「嫌、俺なんか……まぁでも一緒に戦ってくれてありがとう!」

「おぉ!!」

 

無事バトルフィールドへと戻り、ハイタッチを交わすツバサと烈我、そして一方でバトルに負けたチル達はと言うと。

 

「ッ!! 何で、この私が……あんな奴等に……ッ!!」

 

苛立ち気味に表情を険しくさせるがそんなチルの前に立つディオニュソスの姿。

 

「ッ!」

「残念だったね。君なら我を楽しませてくれる、そう期待してたんだけど」

「ふ、ふざけないでください!! 貴方がもっと協力的だったなら、こんな事には!」

「おやおや、すっかり頭に血が昇ってるようだね。少し落ち着いてくれよ?」

 

不敵に笑いながらチルに対して彼はパチンと指を鳴らすと、途端に急に力が抜けたようにその場に座り込むチル。

 

「あ、あれ……? わ、私」

「チル!? 貴方、何の真似を!」

 

「別に。ただ我は彼女をリラックスさせてあげただけだよ」

「何……!?」

 

シャドウの問いに、平然と答えるディオニュソスだがその手にはチルのデッキに入っていたカヴァリエーレバッカスが握られていた。

 

「そのカード!」

「フフフ、我の化神たるこのカード、並みの者じゃ扱い切れはしない。下手をすれば力を呑まれるからね、彼女は少なからずその影響を受けていたって訳さ」

「!」

 

終盤に差し掛かったあたりからチルの様子、最初は勝負の熱に当てられたせいかと思っていたが、彼の言葉から合点がいた。何時の間にか、彼を操るつもりがその逆。化神というカードを通じて、彼に操られかけていたのだ。

そんな彼の発言に、初めてシャドウは背筋がぞっとするように恐怖を感じずにはいられなかった。

 

「ッ! ディオニュソスさん、最初からチルの事を乗っ取る気でしたか?」

 

そんなディオニュソスに対し、チルからも投げられる問い。体に力はいらないまでも、その視線だけはディオニュソスに強く向けられている。

 

「まさか、そこまで考えてはいないよ。それに君は、なかなかいい線行っていたよ。並のカードバトラーなら自我さえ保てない筈なのに、バトル中、終始君の意識は確かにあっただろ?」

「…………」

「だが、呑まれかけたという事は君は残念ながらそれまでだ。やはり我を扱えるのはあの子しかいないのかなァ?」

 

初めはディオニュソスを手に入れる為なら悪魔と契約してもいいと思ったが、その表現ではとても足りない。今この状況で初めて自分の手に余るとようやく理解できた。

 

「(ホント、彼のパートナーさんには今じゃ同情しちゃいますよ)」

 

溜息をつきながら小声で呟くチル、一方でディオニュソスはチルから背を向けてさようならと言わんばかり手を振って見せる。

 

「あぁそれからなるべくさっきの話はオフレコでお願いしてもいいかな? 特に、彼等(ツバサ達)にはね」

 

邪悪な笑みを浮かべてお願いというよりは忠告にも聞き取れる一言。彼らの会話はツバサ達の距離からは聞き取れないが、邪悪な笑みを見せるディオニュソスには何故かツバサは悪寒を感じずにはいられなかったが、ディオニュソスはディオニュソスでまるで何事もなかったかのようにツバサ達の方へと戻って行く。

 

『お前……!』

「やれやれ、そう睨まないでくれよ。我はもう何もしないさ、余興は終わり。もう大人しくする事にするよ」

 

そう言った言動には全く悪びれる様子が微塵も感じられず、ホルスもバジュラも文句を言ってやりたい気持ちで一杯だったが、少なくともこの中で一番ディオニュソスという存在を知っているホルスは、歯を喰いしばりながらも「こういう奴だからな」と諦め気味にそのやり場のない怒りを抑えるしかなかった。

 

「さてバトルは俺達の勝ちだ! どうする? まだやる気か?」

「……自分はもう疲れたので、正直これで引いてもらえると助かります」

 

再戦も辞さない烈我に対し、対照的にツバサはもう勘弁してくれという様子で言葉を投げかけ、それに対しチル達は。

 

「はぁ~~……、流石にチルも疲れました。もうあんな神と組むのは懲り懲りです。シャドウさんは如何します?」

「同じですよ。敗れた以上、大人しく去るのもまた怪盗の流儀」

 

「ですが」と含みのある様に、言葉を続け。

 

「今回は諦めますが、また何れお宝を巡って貴方達とどこかで会うかもしれませんね。その時は、今日のような失態は犯しません。

では、その時まで! オルボワール!」

「ちょ、シャドウさん! チルを置いてかないでくださいよッ!!」

 

「ごきげんよう」という言葉を残し、その場立ち去るシャドウ。おいて行かれまいと慌ててその後を追い駆けるチル、彼等に対しまた何れ戦うことになるのかとツバサにしてみれば「それは勘弁」と溜息が零れるが。

 

「とにかくこれで一件落着って、事でいいのかな?」

「まっ、そうだな! お疲れ様!」

 

顔を見合わせながら笑い合う烈我やツバサ、だがホルスとバジュラだけはまだ何かが気に入らない様に難しい顔を浮かべている。

それもその筈。実質今回の黒幕とも言っていいディオニュソスが平然と自分達の隣に立っているのだから。

 

「今回は楽しかったよ、ホルス。礼を言っておくよ、勿論そこの恐竜君にもね」

 

『ハッ、全然懲りてねぇな! こんなのいるとはテメェ等の世界には同情するぜ、ホルス』

「あぁそうだな、俺もそうだと思うよ」

 

「フォローしてほしいんだがね?」

「うるせぇ、お前とはいつか絶対決着を付けてやるからな」

「怖いね〜ェ、我は充分楽しんだし今はその時が来ないことを祈ってるよ」

 

どの口がと、拳を握り締めそうになるが正直、先程の戦いの後でまたこの創界神とやり合う気力はもうホルスもバジュラも到底ない。それに折角の勝利に喧嘩して潰すのも野暮だろう。

 

言いたい事だけは言い切った様に、少し表情を柔らかくさせ、癪ではあるがディオニュソスと共に烈我達の輪に加わっていくのだった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「烈我さん、ツバサさん! うちの創界神が迷惑かけて、ホント御免なさい!」

 

バトルを終え、何時の間にかマミとも合流し今回の事情についてはツバサからありのまま聞き、ディオニュソスの使い手として申し訳ない気持ちで一杯になる様に二人に頭を下げる。

 

「マミさん、顔上げて。もう解決した事だし」

「そうだぜ、マミさんは悪くないじゃんか」

 

二人の言葉に顔を上げるマミだが、それはそれとしてキッ!と力強く睨むような視線をその隣にいるディオニュソスに向け、「反省してくださいね!」とキツくしかるように一言。

 

「ははは。あぁ善処するよ」

「もう勝手なことはホント止めてくださいよ! 次やったら──!」

「またフライパンで殴る気かい?」

「一々言わないでください!」

 

手に持っていた鞄を叩きつけるようにディオニュソスへ振るうが、「おっと!」と紙一重で避ける。

 

「やれやれ、怖い怖い。こんな事ならまだあの子の元に行ってる方が良かったのかな?」

 

小声での一言、「何か言いましたか?」と睨むような視線を向けながら尋ねるマミに対し、「別に」と相槌を返す。

 

「マミさん、それぐらいに」

「はい、そうですね」

 

ツバサの一言に気を取り直すように再び穏やかな表情で烈我を見る。

 

「烈我さん、色々ありましたがよければ今度、ウチの店に来てくださいね。美味しい料理サービスしますから。勿論バジュラさんも」

「ありがとう、マミさん」

『ハハ、あの美食龍って訳じゃねぇが、上手い飯なら是非ご馳走してもらいたいぜ』

 

上機嫌に答えるバジュラ、一方で烈我はまたツバサの方へ視線を向ける。

 

「えっと、色々あったけど何か世話になったし本当にありがとう」

「いえいえ、助られたのはこっちも同じだし。俺からも、ありがとう」

「おぉ! 今回は色々あったけど、もし次来る機会があったらその時はバトルでもしようぜ!」

『あぁ、テメェとホルス! その相手にすんのも面白そうだ』

 

ホルスは「おっ、いいぜ!」と歓迎しているがツバサにしていれば、バジュラのようなおっかないスピリットを相手にするのは正直抵抗がある。

 

「あんまりバトルは得意じゃないんだけど……けど、玉に気晴らし程度でいいのなら、その時はやってもいいかな」

「じゃあ約束だぜ!」

「うん、さようなら!」

「おぉ!! また会おうぜ!」

 

最後の挨拶を交わし、また会おうと告げて烈我とバジュラの二人は来た道を通じて、自分達の世界へと帰って行くのだった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

スピリッツエデンの世界にて、何もない荒野の場所に空間の穴が開いたかと思うと、その穴を通じて帰還する烈我とバジュラの二人。

 

「ふぅー、ようやく帰って来た……って光黄!?」

 

そんな彼らを出迎える様に烈我の前には、光黄の姿があった。

 

「こ、光黄!? 何でこんな所に!?」

「それはこっちの台詞だ、昨日から何の連絡も無し。ヘルさんもお前の所在が分からないって言うから」

「もしかして、俺の事心配してくれて」

「当たり前だろう。友達なんだから」

「そ、そっか。ありがとう」

 

好きな相手から「友達」と言われる事に複雑な心境だったが、それでも自分を心配してくれている気持ちは素直に嬉しかった。

 

「ごめん、こっちも色々あって。にしてもよくここが分かったな」

「ライトがバジュラの痕跡を辿ってくれたお陰でな」

 

隣にいるライトに視線を向けるが、一方でライトは少しだけ不機嫌そうな様子だった。

 

『やっぱりアンタ等、向こう側の世界に行ってたんですね! 折角光黄様と私専用のプライベートビーチにする予定でしたのに!』

「そんな予定はない」

 

ライトの言葉に呆れ気味にツッコミ。だがライトと同様、バジュラもまた苛立ち気味の様子で。

 

『テメェ何がプライべートビーチだ! お前が無人島って言うから気軽に来たのに、滅茶苦茶大変だったぞコラァ! 一発ぶん殴らせろ!」

『はい、何の話ですか!?』

『るせぇ、問答無用じゃ!!』

『ギャアッ!! 「殴る」って言いながら噛み付くんじゃねぇですよこのバカ恐竜!!』

『痛って!! 羽叩き付けんじゃねぇよ! 色翼竜ッ!!』

 

ぎゃあぎゃあと騒がしいまでに喧嘩するバジュラとライト、何時もの事とは言え、騒がしい彼等に烈我も光黄も溜息を零す。

 

「その様子だと、色々あったらしいな」

「まぁそんな感じかな。とにかく、色々……あってさ」

「烈我!?」

 

少し目が虚ろ気味でフラつく烈我を咄嗟に受け止める。

 

「ご、ごめん。何だか向こうから帰って、すぐ光黄の顔見れて、何だか……安心、しきっちゃって……さ」

「お、オイ! 烈我!」

 

そのまま光黄に自分の体重を預ける様に凭れこみ、寝息を建てながら目を瞑り、その表情はとても安らかだった。

異世界にいる間は必死だったのでつい意識していなかったが、あれ程壮絶なバトルを繰り広げたのだから烈我もまた相当に疲労が溜まっていたのだろう。

 

「烈我!」と何度か彼女が呼び掛けるが、それでも既に熟睡状態で起きる様子はない。

 

「全く、このバカ烈。本当に世話が焼ける」

 

呆れ果てた様子でまた溜息を零すが、それでも少しだけ笑うと、そのまま烈我を背負って。

 

『光黄様、何して!!』

「しょ、しょうがないだろ。このまま置き去りにしていく訳にもいかないし!」

『ですが!! くッ、何てうらやま……いえ、光黄様に世話を焼かせやがって!』

「此奴に世話を焼かされる事ぐらいもう慣れっ子だよ。だから気にするな」

 

ヤキモチを感じるライト、そんなライトからの指摘に少しだけ光黄も恥ずかしそうに頬を赤く染めているが、実の所、それ程嫌とは感じておらず、寧ろ。

 

『全く、この程度で寝落ちとは俺の相棒もまだまだだな。結局お前は何があったのか烈我から聞きたかったんじゃないのか?』

「この調子じゃ聞けないだろ。また後日にするさ」

『そうかい、所で一つ聞くが、お前……何か嬉しそうに見えるのは気のせいか?』

「お、俺は別に……!」

 

わざわざ烈我を背負う羽目になり大変な筈なのにと思ってるからこそ率直なバジュラからの質問。決して表情に出している訳ではないが、何となく今の光黄の心情を察知されているのか、彼女本人は慌てた様に否定。

 

『バジュラ、光黄様に変なこと聞かないでくれます? この方に世話を焼くのはただ光黄様が天使の様にお優しい人だから! つまりただの! 親切心!! ですよね、光黄様!』

「……そ、そうだけど、一々大袈裟な言い方するな」

 

恥ずかしさを感じる様にライトの最後の言葉にだけ同意しつつ、そのまま話題を反らす様に「いいから、さっさと帰るぞ」とその場を早足で歩き出す。

 

『光黄様! 待ってくださいってば!!』

 

直ぐにライトも追い駆ける様に飛ぶ中、バジュラは静かに光黄と烈我の後ろ姿を見つめると。

 

『(アイツ等、何だかんだ言いつつお似合いかもな。烈我の奴はいつ、あの女に勝てるのやら)』

 

小声でそんな事を呟きながら、ニィッと口角を上げると。

 

『まっ、少なくともテメェがあの組織の奴もぶっ倒して、他の七罪竜を集め切るぐらい強くなったらお前の望む願いを叶えてやるぜ、烈我!』

 

自分の相棒に期待の意味を込めての言葉、だが口元を緩ませ、軽く鼻で笑うと。

 

『まっ、お前が望めば、だけどな』

 

最後にそう言ってバジュラもまた烈我達の後を追う、果たして今後彼らにどんな運命が待っているのか。

 

 

***

 

 

「何とか無事、解決しましたね」

 

烈我を見送って今回は無事一件落着、達成感と共にどっと疲労が込み上げ、疲れ切った様子でそんな台詞を呟く。

 

「お疲れさまでした、ツバサ君。ツバサ君にもウチの創界神が迷惑をかけて、ホントごめんね」

「おやおや、あくまでただの余興じゃないか」

「もう! 貴方って人は……っ!!」

 

今回の一連の事件を「余興」と片付けるディオニュソスにわなわなと拳を握りしめるマミ、その様子にホルスは自分の羽を何枚かマミに渡すと、「ありがとう」と受け取ると即座にダーツの要領でその羽をディオニュソスへと投げつける。

 

「一度ぐらい! 猛省してください!! このこのこのッ!!」

「恐ろしく物騒な物を投げつけるじゃないか。こんなことなら本当に相棒を乗り換えてもよかったかもしれないねぇ~」

「貴方って本当に反省してくれませんねッ!!」

「おっと、これ以上は不味そうだ。今日の所は帰らせてもらうよ」

「ちょっと待ちなさい!!」

 

ディオニュソスを追ってその場を後にするマミ達。

ディオニュソスを懲らしめるのにホルスも便乗しようかと考えるも、彼の相棒である今のツバサは怒る気力もない程、脱力気味でその場に座り込んでいる。

 

「よぉツバサ、改めてお疲れ様。普段より気合の入った良いバトルだったぜ」

「まぁ今回はホルスが掛かってたし、負ける訳にはいかないでしょ」

「お前にそう言ってもらえるなら、相棒としては嬉しいね!

 

「ほら」と手を差し伸べると、その手を掴んでツバサも立ち上がる。

 

「じゃあ帰ろうぜ、相棒!」

「今更そんな事言わなくてもいいよ。とりあえず……帰って早く寝たい」

「はいはい。お疲れ様、あとこれからもよろしくな」

「ん」

 

そんなやり取りを交わしながら、寮へと帰宅するツバサ達。

 

 

一方でその様子を眺める二つの影。

 

「さて、今回の作戦は失敗。私達も引き上げるとしましょうか」

「……」

 

物陰からツバサ達を眺めるシャドウとチルの二人。バトルに敗れた以上、今回の狙いについてはきっぱりと諦め、自分達もまた元の世界に帰る事を進言するが。

 

「嫌です」

「はい?」

「だから嫌なんですってば!! 結局今回の成果は何も無し! 創界神を手に入れて帝騎に昇進する計画もパァーッ!! このまま手ぶらで戻ったら絶対ディスト先輩からお仕置きもんじゃないですか!!」

 

余程お仕置きが怖いのか、その目には涙が篭っている。

 

「あぁ、そう言えば貴方ってディストの直属でしたね。お気の毒に」

「ハッ、哀れみなんて結構ですよ! シャドウさんはいいですよね? もう組織辞めた身だから失敗なんて関係なし! また次のターゲットを決めればいいだけですし!! はぁ~、こんなことになったのも全部シャドウさんと組んだせいですよ!」

「ちょっと、もしかして全責任、私ですか?」

「フンだ! もうどうでもいいですちる!」

 

すっかりヘソを曲げた様にシャドウからそっぽを向けるチル、そんな彼女の様子に困り果てた様に頭を掻きながらも。「じゃあ」と彼は言葉を続け。

 

「そんなに戻るのが嫌なら、私と一緒に来ますか?」

「ちる?」

 

突然のシャドウからの提案、その言葉に一瞬呆気に取られたような反応。

 

「お詫び、という訳じゃないですけど。丁度これからの活動にアシスタントが欲しかったですし」

「な、何で私を?」

「……」

 

その質問に対し、どう答えるか悩むような素振りを見せるが、一息ついて間を置きながら。

 

「まぁ実を言うと今回貴方と組んでみてそれなり私も楽しかったんですよ。少なくとも、今回限りが惜しいと思う程には」

「もしかして、チルの事評価してくれてます?」

「どう受け取るかはお好きな様に」

 

シャドウの言葉に対し、照れ臭さを感じながらも「そうですか」と嬉しそうに自然と明るい笑みが浮かぶ。

 

「でも、あの怪しさ千パーセントゴッドに続いて、今度は怪盗からのスカウトなんて、胡散臭さマックスなんですけど?」

「だから私をアレと一緒にしないでください!」

「はいはい、冗談ですよ。そこまでこの天才美少女の事を評価してくれるなら、手を貸してあげてもいいですよ!!」

「全く、どこまでも自信家ですね。けどまぁ、これからよろしくお願いしますよ、チル」

「はいはい! ちるーんと役立ってあげますよ!」

 

負けたというのに先程迄のどんよりした様子が嘘のように陽気な会話を交わすチル達。罪狩猟団を抜ける事を決意すると、彼等もまたスピリッツエデンへと帰還して行く。

コンビとなった彼等がこれからどんなお宝を狙うのか、それはまた別のお話。




更新長らくお待たせしました!
LoBrisさんの書く「バトルスピリッツOver the Rainbow」とのコラボ、
今回遂に最終編でございました!!!


最初に今回の反省として、全体を通してはっちゃけすぎました。
チルもディオニュソスも自由すぎる!! 今回正直今まで一番大変だったかもしれない。

ですがその分、本当に生き生きとしたキャラ達が書けて、拙い感想ですが「最高!」の一言に尽きます!!


ぶっちゃけると作者はあまり無魔デッキをまわしたことがないので、かなりチルのデッキは無理がある様な気がしてますが、それでも回してみれば意外と形になったのではないかと。
今回のバトル、フラッシュとバトルのタイミングが少しおかしかったりしますが、そこは演出として目を瞑っていただければ幸いです。


LoBris様、今回コラボ了承してくださり誠にありがとうございました。
気になる点があればお気軽にご指摘ください。

LoBris様の作品でも、うちとの「7-Guilt」とのコラボ小説を書いてくださっているので、今回の話を読んでくれてる方はそちらも読みに行って欲しいです!

そしてLoBris様の作品は私を遥かに凌駕しているお方であると断言します!←



そして本編に触れますが、最後で罪狩猟団を抜け、これからはシャドウと共に行動を共にすることとなったチル。自由なキャラ達なので、彼ら二人の活躍もまたどこかの機会で書きたいですね。


勿論本編も進めて行きますので何卒宜しくお願いします!!
かなり長文になてしまいましたが、最後に今回のコラボ付き合ってくれたLobris様、そして読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございます!!!







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