バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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コラボ編【×バトルスピリッツ スリーアロウズ】
特別編PART-Ⅰ 【異世界修行】


「よっしゃぁッ! 今日もバトル頼むぜ、光黄!」

「構わないが、負けても喚くなよ」

「見縊んなよ! 俺はもうだいぶ成長した! デッキだってかなり構築見直して誰にもお前にだって負けない! 今日こそ勝たせてもらうぜ!!」

「へぇ、それは楽しみだな」

 

周囲に人目のないとある河川敷、その場にデッキを片手に持ちながら既に面識があるように河合を交わす一組の男女。女性に向かって高らかに勝利宣言を述べる茶髪の男、名前は天上烈我。そして烈我の言葉に対し、余裕の表情で答える女性の名は黄空光黄。

 

幼馴染である彼等二人、昔からこうしてずっとバトスピで競う仲であり、今日こそはと常に彼女に勝つ事を目標としている烈我。

 

「今日こそ勝つ! そしたら……!!」

 

大きく息を吸う様に、間を置き。

 

「俺と付き合ってくれ! 今日こそ勝ってお前に告白だ!!」

「はいはい、俺に勝てたらな」

 

勝ったら告白、第三者が聞けば頭に疑問符が浮かびそうだが、二人にとってはもはや当たり前のやり取りで日常茶飯事。手慣れたように烈我に対し返事を返す彼女。

 

『フン、何が告白ですか! このライト! 光黄様の執事として貴方みたいな馬の骨に勝たせる訳がありませんから!』

『ハッ、「勝たせる訳がありません」だァ? つー事は何か? 俺が相手でも負ける訳がない、そう言う事か?』

 

そんな彼等二人の会話に加わるように顔を出すのは翼竜と恐竜のような見た目をした異質な二体の生物。その正体は七罪竜と呼ばれる異世界のスピリットであり、七体集めればどんな願いをも叶えるという伝説を持ち、七罪竜はそれぞれが七罪に数えられし罪を司り、憤怒の罪を司るのが恐竜のような見た目をしたバジュラブレイズ。もう一体は色欲を司る翼竜の見た目をしたライトボルディグス。

互いに仲が悪いのか、睨み合う様にバチバチと火花を散らす。

 

『当然、だって私と光黄様の最強コンビですよ? バジュラ、貴方相手でも負ける気がしませんよ』

『上等。今日こそテメェのその生意気な鼻っ柱へし折ってやんよッ!!』

『やれるもんならやってみやがれです!』

 

挑発するライトとそれに怒りを燃やすバジュラ、戦う前から既にやる気は充分。

 

「行くぜバジュラ! 絶対今日こそ勝つぜ!」

『任せな、あの色欲魔ぶっ飛ばしてやるよッ!』

 

「ライト、手加減抜きで行くぞ」

『お任せください! 返り討ちにしてやりますとも!』

 

パートナーである烈我達の言葉にバジュラとライトはカードの状態へと切り替わると、烈我と光黄の手に収まり、二人はそのカードを互いのデッキへと差し込んで行く。

 

「それじゃあ始めるぜ!」

 

特殊なデバイスツールを手に持つとそれを二人の間に投げ込む烈我。その機械は特殊なバトルフィールドの空間を形成するための装置であり、七罪竜をあまり人目に晒す訳には行かない故の処置。

機械を設置し、そして準備を終えると互いに開始を告げる為の宣言をコールする。

 

「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」

 

合言葉と共に二人の姿はその場から消え、バトルフィールドへと舞台を移していく。

 

 

「それじゃ行くぜ! 光黄!!」

 

絶対に勝つという自信と共に光黄へと挑む烈我。バトルの幕は上がり、そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「負けたぁーーッ!!!」

 

暫くして決着がついたようにバトルフィールドに帰還する烈我と光黄。結果は見て分かる通り烈我の敗北で終わり、頭を抱えながら落ち込む。

 

『フフーン! 思い知りましたか! やはり私と光黄様の相手ではありませんでしたね! これに懲りたら光黄様に告白なんて身分不相応だと悔い改める事です! 光黄様に相応しいのは執事であるこの私だけですから』

「うるさいぞライト。後お前みたいな執事は雇ってない」

 

落ち込む烈我にここぞとばかり煽るライトと、それに呆れた様子の光黄。これもいつものやり取り。

 

『ッ!! またこの俺があの色欲魔に負けただとォッ!!』

 

一方で負けた事が、何よりライトに敗れた事が余程不服なのか表情から見て分かるように腸を煮え繰り返した様子のバジュラ。

 

『やーいやーい! だから言ったじゃないですか。貴方相手でも負ける気がしないって!』

『ッ!! クソ色欲魔がァッ!! 次は絶対ェぶっ飛ばすッ!!!』

『ハン! おととい来やがれくださいッ!!』

 

「ライトいい加減にしろ! 一々お前は煽るな」

 

ライトに嫉妬しながら言動を窘める光黄、一方で烈我の方へ視線を向けて。

 

「烈我、惜しかったな。いい勝負だったぞ」

「……でも勝てなかった。まだまだこんなんじゃ光黄に勝てそうにないぜ」

「まぁやるからには俺もそう簡単に負けるつもりはないからな」

「……よし決めた!」

「?」

「今日は帰って特訓だ! デッキ構築見直して次こそお前に勝つ!! だからまた改めて挑戦させてくれ!!」

「お、おい烈我」

「それじゃあ!」

 

次に彼女が何かを言う前に既に烈我はその場を走り去り、何も言えないまま唯その後姿を見送るしかなかった。

 

『やれやれ、あの方も本当凝りませんね。何度やろうが私と光黄様の前には敵う訳ないって言うのに。ねー! 光黄様!』

「……」

『光黄様?』

 

ライトの言葉に無反応な様子の彼女、烈我の後ろ姿を見送るその表情はどこか寂しげに見えた。

 

「(バカ烈。もう少し……付き合ってやってもよかったのに)」

『光黄様?』

「!」

 

小声でそんな事を呟く彼女の表情を不思議そうに覗き込むライト、それに気付くとハッとしたように動揺しつつすぐにまた冷静な表情に戻る。

 

『あの光黄様、どうかされました?』

「別に。何でもない」

 

落ち着いて冷静に返事を返す彼女、烈我が彼女を想う様に本当は彼女もまた烈我の事を想っているのだが、今はまだそれは彼女だけの秘密である。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

『オイ烈我』

「はい」

『俺の言いてえ事、お前なら分かるよな?』

 

帰宅し自室で正座するように固まる烈我とまるで説教でもしているかのように前に立つバジュラ。帰宅してからも終始イライラしている様子でその理由は勿論明白であり。

 

『この俺が、よりにもよってあの色欲魔相手に連戦連敗ってのはどういう事だァッ!!!』

 

光黄に、正確には彼女のパートナーであるライトに負けたという事がバジュラの中では何よりも看過できない要因であり。

 

「(今日はまた随分荒れてるな)」

 

ライトに負けたのはこれで初めてではない。負ければ毎度の如く煽られ、煽り耐性ゼロの上に憤怒の罪を持つバジュラにとって我慢出来る訳がなく、当然といえば当然なのだが。

 

『百歩、嫌千……数万歩譲って俺と彼奴が互角だってのは分かるが、だからって俺がこう何度も遅れを取る筈がねえ!! そうだよな! そうだと言いやがれコラッ!』

 

烈我に詰め寄りもはや言動はヤンキーのそれに近い。

 

「分かってるよ! 光黄に勝てないのはお前じゃなくて俺の力不足だ。だから対策練って鍛えて次こそは……!」

『……足りねえ』

「えっ?」

 

小さく呟いたバジュラの言葉に、思わず聞き返す列我だがバジュラはまた血相を変えて烈我を睨み。

 

『んな生半可なやり方じゃ足りねえって言ってんだよッ!! やんなら徹底的に! 武者修行すんだよ!!』

「修行って何かどっかで聞いたな」

 

いつか前に異世界から来訪した少年少女達、修行の為に自分達の世界に現れた彼等とバトルを繰り広げ、そしてバトルを通じて友情を築き、互いに目標達成すると約束したのが記憶に新しい。

 

『だから俺等もそうすんだよ! 言うなりゃ異世界修行だ!』

「おいおい、異世界修行って一体どこの世界行くつもりだよ!」

『何処だっていい! 強ぇ奴がいるなら何処だってなぁッ!!』

「ちょ、バジュラ!?」

『つべこべ言わずに来い!! 早速修行すんぞコラ!!』

「待てって……ってか力強ッ!?」

 

袖に噛み付いて引っ張るバジュラ。見た目は小さなぬいぐるみだというのにも関わらず、半ば強引に引き摺られ連れて行かれる烈我。そして。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「で? 一体何処に行くつもりなんだよ」

 

舞台は変わり、スピリッツエデンまで移動したバジュラと烈我。当然この先は何処に行くのかだが、それはバジュラ次第。

 

「またあの無人島の学園? それともまた怪盗とかとやり合うのかよ」

 

スピリッツエデン、さらにはそれ以外の世界での移動した事もある烈我達。時にはとある少年達と共にチルやシャドウ達に挑んだり、とにかく色んな事を経験しているが。

 

『とにかく構えろ、どこに行くか! 行先で蛇が出るか鬼が出るか!!』

「おいつまり、それって!!」

『腹ァ括りやがれェッ!!!』

 

何もない筈の場所に牙を突き立てると、瞬間、開かれる空間の裂け目。

 

『さぁ行くぜ! 烈我!!』

「おい、俺にだって心の準備が!?」

『まだ四の五の言うか!! 強くなって勝って告白するんだろうが!』

「ッ!!」

 

バジュラの一言に烈我の顔付きが変わる。

 

「……そうだな。俺はもっと強くなりたい! 勝って俺は光黄と──!」

「決まりだ。つー訳で行って来い!」

「オイ、まだ台詞途中!?」

 

お決まりの台詞を言い切らせる前に烈我を空間の裂け目へ押し込み突っ込ませるとすぐに自分もその後に続いて空間の裂け目へ飛び込んで行き。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねぇアラタ君、明日ヒマかい?』

『はい突然どうしたんです?』

 

とある異世界、とは言っても高層ビルが立ち並ぶ都会の中心。今の日本の風景何ら変わらないその世界にあるビルの屋上で会話する二人の人物。

 

一人は十代ぐらいの少年。だがもう一人は龍を思わせる仮面に赤いマントを被った人物。何かの撮影か、そうでなければ不審者に思える格好。だが彼の名はジークフリード仮面と呼ばれ、この世界のチャンピオンであり、この世界の住民であるならば知らない者はいない程の知名度。であるからこそ彼の恰好もチャンピオンとしての正装と言えるだろう。

 

「実は明日、私の……というよりはハンドレックスのチームで行うイベントでね。より大会を盛り上げる為に、前日イベントの企画を頼まれてね」

「へぇー、それって何時なんですか?」

「前日イベントは明日、本番は明後日さ」

「うわー、計画性のないスケジュール」

 

歯に衣を着せぬ物言い、仮面の男性も「あはは…。」と仮面越しに苦笑いするように頬を掻く仕草を見せる。

 

「まぁそう言わないであげてくれ。運営側もイベントがマンネリ化しない様に常に頑張ってくれてるんだから」

「そうですね。その努力は評価すべきですね」

「君は相変わらず上からだね」

 

まぁそれより、と一息整えるように仮面の男性は気を取り直して。

 

「それでどうだろう? 前日イベント、私は是非君にお願いしたいのだが」

「はい、お断りします」

「即答!!?」

 

介入の余地なしと言わんばかりに首を横に振るアラタ。普段は冷静なジークフリード仮面も思わず声を荒げてしまう。

 

「大体僕じゃなくてもいいじゃないですか。チャンピオンなんだから顔は広いでしょ?」

「そうだけども、急な都合で中々スケジュール合わせられる人がいなくてね。それに君達スリーアロウズの面々は話題になってるし、君と私は知らない仲じゃないし是非お願いしたかったんだが」

「断固として拒否します。明日は休みでのんびりするつもりですし、第一今日あったのも偶々でしょ?」

「いやまぁそうなんだけど」

 

事前に待ち合わせしていた訳でもなくアラタの言う通り今日あったのは本当に偶然。とはいえチャンピオンからの頼みなら普通二つ返事で引き受けそうなものだが。

 

「ともかくノーギャラでの仕事は御免なので」

「はぁー、全く君は──」

 

そう言い掛けた正にその瞬間。

 

”グオオオオオオォォォォォォォ────ッ!”

 

「「!!!」」

 

突然の咆哮、続け様に響く人々の悲鳴。騒ぎの咆哮へ視線を向けると、遠目から視線に映るのは龍の様な姿をした異形な怪人。

 

「スピリット化!! こんな時に!?」

「わぁー、なんかもう見慣れた光景ですね」

「嫌々見慣れるもんじゃないよ! ともかく早く行かないと!!」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

『どいつもこいつも……この俺に指図しやがって! 殺されたいかァ!!』

 

龍のような怪人は怒りの怒号を響かせ、周囲の物を破壊して行き、周りの人々は恐怖にパニックになりながら逃げ惑うが。

 

「ひ、ひぃぃぃッ!!」

 

一人逃げ遅れた少年に怪人の視線が向けられる。その視線に少年は動けずただ脅え固まってしまうがそこへ。

 

『!』

「うわあああッ!! どいてどいてぇッ!!!」

 

突然龍怪人の頭上に開く空間の裂け目、そこから落ちてくる一人と一匹の影。烈我とバジュラの姿であり、それに気づいたのも束の間、回避する暇もなく怪人の男は落ちて来た烈我達の下敷きになる。

 

「ぐっ……痛てて、何なんだよ一体。おいバジュラ! 変なとこに入り口作んなよ!!」

『あぁん、しょうがねぇだろ!!! どこに出るかなんて俺にだって分かりゃしねぇんだから!!!』

 

降り立って早速烈我と、もう一匹恐竜の様な見た目をしたバジュラが口論を始め、それを見ていた少年は一瞬呆気に取られながらも、すぐに我に返り慌ててその場から逃げ出すが。

 

「何だ貴様等ッ!! どけぇッ!!!」

 

先程から下敷きにされていた怪人は烈我を押し退け、言うまでも激怒した表情。

 

「ご、ごめんな……って化け物ッ!!?」

『何だ、来て早速招待してくれるのは怪物か。退屈しなくていいぜ』

「言ってる場合か!! こんなのどう対処する気だ」

 

「何なんだ貴様等は一体、特にそっちの生物!」

 

バジュラを指差す怪人に対し、口角を上げて見せると。

 

『ハン、俺の名はバジュラ。テメェと同類……嫌、上位種って言った方がいいか』

「『!?』」

 

怪人の姿に対し、意味深な台詞を吐き捨てるバジュラ。

 

「おいバジュラ、同類って?」

『此奴からは半分スピリットの気配がしやがる。どっかで似たような気配を感じた事があるがまぁそれはいい。とにかくわかりやすく言えばこいつは半分スピリットって訳さ』

「スピリット!? 人間なんだよな?」

『よくは知らんが、まぁもう半分は人間で間違いねぇだろう。ともかくこんなのが相手なら態々俺も正体を隠す必要はねぇだろ』

 

『何をごちゃごちゃと……それよりも貴様! 今俺を見下したのか?』

「!」

 

バジュラの一言に元々怒りに表情を歪めていた怪人の顔付きがより一層険しくなる。

 

『誰かは知らんがこの俺を怒らせるとはいい度胸だ!! 叩き潰してやるッ!!!』

 

声高らかにデッキを構え出して見せる怪人の男。

 

『ハン、この俺に怒りを語りやがるか? 上等だ、烈我!! 早速いい修行相手が見つかったぜ!!!』

「何かよく分からないけど、バトルなら受けて立つぜ!!」

 

烈我もまたデッキを構えると、バジュラの姿はカードとなりカードとなったバジュラをデッキに差し込む。

 

「カードになった、だと!? 面白い、貴様をぶっ倒し、そのカード奪い取ってくれるわ!!」

「やらせるかよ!! バトルなら負ける気はしねぇぜ!」

 

怪人の形相に怯む事無く受けて立つ気満々の烈我だが、二人がデッキを構えた瞬間、共鳴するようにデッキが光り輝き。

 

「!?」

「さぁコールしろ、早速始めるぞ!! ゲートオープン!」

「ッ! ゲートオープン!!」

「「界放ッ!!」」

 

バトル開始を示す宣言と共に、二人の姿はバトルフィールドへと移動する二人。

 

 

 

 

「!……間に合わなかったか。それにしても、あの少年は一体!?」

 

一方でその場の近くまで駆けつけていたアラタとジークフリード仮面。彼等の直前のやり取りを目にしていた彼等は間に合わなかった事に後悔しながらも、先程怪人と対峙していた少年の姿に疑問を浮かべ。

 

「あの見慣れない生き物。彼等は一体?」

「まぁまぁ、ともかくこれで僕達の手間が省けるから良かったじゃないですか」

「嫌々、楽観視が過ぎるね!?」

 

アラタの一言に思わず突っ込まずにはいられないジークフリード仮面。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

舞台は変わりバトルフィールドへと戦いの場を移す龍怪人と烈我とのバトル。自分達の世界やスピリッツエデンとはまた一味違うバトルフィールドの風景に周囲を見渡す烈我。

 

「ここが、この世界でのバトル……スピリッツエデンの時みたいにわざわざ機械を使う必要もないのか」

『(色々と興味はあるが、まずは奴だ。俺等の力見せてやれ!)』

「あぁ、分かってる!」

 

頭の中に響くバジュラの声に応答を返す烈我、それに対し対戦相手である龍怪人は壬王立ちで構えながら。

 

「フン、先行はくれてやる。だがこの俺を見縊った事、必ず後悔させてやる。覚悟しろ!」

「いいぜ! よく分かんねぇけど、勝つのは俺だ!!」

 

意気込みと共に烈我の先行からバトルの幕が上がる。

 

 

 

 

────第1ターン、烈我side。

 

[Reserve]4個。

[Hand]5枚。

 

「俺のターン! まずはオリン円錐山を配置! これでターンエンド!」

 

 

 

────第2ターン、龍怪人。

 

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

 

「メインステップ、まずはマジック、ジュライドローを使う! 効果でデッキから2枚ドロー!! 俺の場に必要な赤のシンボルは無い為、追加ドローはなし。これでターン終了だ」

 

『(何だ、悍ましい見た目の割りにはやる事は随分単調だな)』

「確かにな」

 

頭の中に響くバジュラの声に肯定するように呟く烈我。だがここは異世界、目の前の人がいきなり怪人の姿に成ったり既にイレギュラーな光景が起きているが、それはバトルも同様。何が起きても不思議ではなく、故に油断は出来ない様に警戒を解かず自分のバトルを進めて行く。

 

 

 

 

────第3ターン、烈我side。

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

[Field]オリン円錐山Lv.1(1)。

 

「俺のターン! 煌星第五使徒テティスを二体、それぞれLv.1で召喚!」

 

フィールドに現れる二体のテティス、鳴き声を上げ、目の前にいる異形な怪人の男を前にしても臆さずに睨み付ける。

 

「アタックステップ! 二体のテティスで一気にアタック! アタック時効果でそれぞれ1枚ドロー!」

「どちらもライフで受けてやる!」

 

怪人の男に攻撃を止めるスピリットはなく代わりにプレイヤーを守るように展開されるバリアの壁。二体のテティスはバリアに向かって拳が打ち付けると、怪人男のライフが二つ連続で砕けて行くが。

 

「……ッ! フン、こんなものか!」

「!?」

 

流石に龍の様な見た目は伊達ではないのか、ライフを砕かれてなお耐えきって見せる怪人男。思わず烈我達にも動揺が走る。

 

「やっぱ油断ならねぇな。ターンエンド」

 

 

 

 

────第4ターン、龍怪人。

 

[Reserve]8個。

[Hand]7枚。

 

「俺のターンだ、まずはリザドエッジ(Rv)二体をそれぞれLv.2、Lv.1で召喚! さらにもう一体ワイズドラゴンをLv.2で召喚だ!」

 

背に刃を備えた小型の爬虫類の姿をしたリザドエッジともう一体、杖を片手に持つ魔術師の様な龍、ワイズドラゴン。

 

「ワイズドラゴンの召喚時効果で相手ネクサス一つを破壊だ!」

「!」

 

杖をオリン円錐山に向けて翳した瞬間、杖は光り輝き始めるとオリン円錐山は突如として炎に包まれ、炎上しフィールドから消失。

 

「アタックステップ! ステップ開始時、ワイズドラゴンの効果でトラッシュのコア3個をワイズドラゴンの上に乗せ、Lv.3にアップ!」

 

自動的にレベルが上がり手に持つ杖を振り回しながら力強く吠えるワイズドラゴン。

 

「さぁ行け! ワイズドラゴン!! 奴のライフを削り返せッ!」

 

杖を構え、構えた先端に光弾が作り出されそれを烈我に向けて撃ち出す。

 

「ぐッ!」

 

バリアが展開されて行きこれから来るであろう衝撃に備える烈我。そして光弾はバリアへ直撃し爆発を起こしながらライフが砕けて行き。

 

『(チィッ!!)』

「バジュラ!?」

 

烈我自身にライフが砕けた衝撃はまるで感じる事は無く、その痛みはバジュラへと伝わっていた。

 

『(ここのダメージはテメェにゃ荷が重い、俺が肩代わりしてやる)』

「肩代わりって、お前は大丈夫なのかよ!?」

『(るせぇ、これぐらいどうって事ねぇんだよ! いいからお前はバトルに集中しやがれ)』

 

「さっきから何をごちゃごちゃやっている? 俺のターンは終了。次はお前の番だぞ?」

「ッ! 言われなくても分かってるよ!!」

 

 

 

────第5ターン、烈我side。

 

[Reserve]5個。

[Hand]6枚。

[Field]煌星の第五使徒テティスLv.1(1)BP3000、煌星の第五使徒テティスLv.1(1)BP3000。

 

「メインステップ! 創界神アポローンを配置!! 効果でデッキから3枚神託!」

 

フィールドに出現するアポローンの幻影、そしてアポローンが腕を振るうとデッキから3枚オープンされ、一枚目は「ガンマレイバーストドラゴン」、二枚目は「太陽神龍アポロヴルム」、三枚目は「龍星の射手リュキオース」。

 

 

「よし! 神託対象は3枚! よってアポローンに3コアを追加し、さらに煌星竜コメットヴルムLv.2で召喚!」

 

翼を広げて現れるコメットヴルム、星竜を持つスピリットが召喚された為、再び自動的にアポローンにコアが追加されて行く。

 

「アタックステップ! コメットヴルムでアタックだ!! アタック時効果でデッキから3枚オープンし、その中に「煌臨」を持つカードがあれば俺の手札に!」

「!」

 

果敢に飛び出しながら怪人に向かって行くコメットヴルム。自身の効果によって烈我のデッキから3枚のカードが捲られ、一枚は「アドベントドロー」、二枚目は「魔界皇龍ダークヴルムレガリア」

 

そして最後にオープンされた三枚目は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「爆我炎龍バジュラブレイズ」のカード。

 

『(烈我、テメェッ!! 俺のカード落としやがったなッ!!)』

「ああああッ! しょうがねぇだろ!! 落ちちゃったんだから!」

『(ざけんじゃねぇッ!! 俺の出番が無くなるだろうがッ!!)』

 

効果により仕方がないとはいえ、バジュラにしてみればバトルに負けた訳でもないのにトラッシュへ送られるなど不服で仕方がない。烈我の脳内にバジュラの怒声が響く程。

 

「分かったから。後でフォローするから!!」

『(言ったな? 嘘だったら俺の怒り、収まらねぇと思っとけよ!)』

「(……お前の怒りは何時もの事だろ)」

 

脳内に響くバジュラの声にうんざりしながらもどうにか宥め、再び気を取り直してバトルに集中していく烈我達。

 

「バジュラブレイズ? 何だそのカード? まぁいい、トラッシュにあるならわざわざ警戒する必要はない。それよりとっとと来い!」

「だから言われるまでもねぇっての!! 続けるぜ、コメットヴルムの効果で【煌臨】の効果を持つダークヴルムレガリアを俺の手札に! そしてダークヴルムレガリアはコスト3か4のスピリットに【煌臨】する場合、ソウルコアをコストに支払う必要はない!」

「何ッ!?」

「行くぜ、コメットブルムを魔界皇龍ダークヴルムレガリアに【煌臨】ッ!!」

 

空より降り注ぐ紫電の落雷がコメットヴルムへ撃ち込まれるが、その身に紫電の雷を迸らせながらその身を輝かせると自身の身体をより大きく変化させ、漆黒の身体を持つダークヴルムレガリアへと進化を果たす。

 

「神託対象の煌臨を行った事で再びアポローンにコアを追加! そしてダークヴルムレガリアの煌臨時効果! 相手のコア1個のスピリット、アルティメットを全て破壊し、破壊した数だけ1枚ドロー!!」

「!」

 

今怪人男の場にいる二体のリザドエッジの内、一体はLv.1でコアは1個。レガリアの効果の射程圏内であり、レガリアはリザドエッジに向けて雷撃を撃ち放ち、直撃を受けたリザドエッジは爆散。

 

「まだだ! 今のアポローンはLv.2、【神域(グランフィールド)】の効果発揮!! 系統:「星竜」を持つスピリットが相手スピリットだけを破壊した時、いてライフのコア1個をリザーブに送る!」

 

ダークヴルムレガリアの系統は星竜、条件を満たしたことによってアポローンは手に持つ弓の弦を引いて矢に炎を込めて行くと、怪人男に向けて炎の矢を射放つ。

 

「ッ!!!」

 

撃ち放たれた矢は真っ直ぐ展開されたバリアを正確に捕え、ライフが破壊されるがあくまでもアポローンに効果ダメージ。本命であるレガリアの攻撃は継続している。

 

「今度はアポローンの【神技(グランスキル)】を使わせてもらうぜ! アポローンのコア2個ボイドに送り、相手のBP6000以下のスピリットを破壊する事で1枚ドロー! もう一体のリザドエッジ、討ち取るッ!」

 

今度はリザドエッジを標的に定め再び放たれるアポローンの矢、正確無比にリザドエッジを射抜くと爆発四散し、効果により烈我はデッキから1枚ドローして行く。

 

「お前の残りライフは2つ! このまま決め切るぜ!!」

「そうはさせん! フラッシュタイミング、マジック! シャットアウト!!」

「!?」

「不足コストはワイズドラゴンから確保。シャットアウトの効果により、このバトルが終了した時、アタックステップを終わらせる! メインのアタックはライフで受けてやる!」

 

レベルダウンし項垂れるワイズドラゴン。だがダークヴルムは構う事無くバリアへと一気に迫ると、超至近距離で電撃を吐き付けライフを破壊する。

 

「ッ!! だがこれで貴様のアタックステップは終了だ!」

「ぐッ!」

 

ライフを砕いた直後、目に見えない障壁がレガリアを突き飛ばし、烈我の場まで押し戻されてしまい、待機しているテティス達も同様にこれ以上の動きを止められてしまう。

 

「……ターンエンド」

 

 

 

 

────第6ターン、龍怪人。

 

[Reserve]9個。

[Hand]4枚。

[Field]ワイズドラゴンLv.2(2)BP6000。

 

「俺のターンだ、三体目のリザドエッジ(Rv)を召喚!」

 

再び場に現れ、小さく鳴き声を上げるリザドエッジ。だが怪人男の雰囲気からこれだけで終る訳がないと充分察知している烈我。

 

「そろそろ俺の本気を見せてやるぞ!! 絢爛たる八首の王よ、来い! 魔王八岐大蛇を召喚ッ!!!」

「!!」

 

大地を揺らす地響き、そして次の瞬間、大地を突き破る様に噴き出る八つの火柱、火柱を振り払いその正体は八つの首を持つ巨大な龍、神話に言い伝えれし怪物、否、魔王八岐大蛇(ヤマタノオロチ)

 

「一気に蹴散らしてくれる! 魔王八岐大蛇の召喚時効果発揮!! 聞いて驚くな! 此奴は、相手のBP6000以下のスピリット8体、並びにネクサス8つを焼き払う効果を持つ!!!」

「!!?」

 

烈我の場に向けて、八つの龍の首が一気に火炎を吐き付け、レガリアは間一髪上空へ飛んで避けるが、逃げ遅れたテティスは轟炎に焼き払われ爆散してしまう。

 

「ワイズドラゴンLv.2の効果、本来のコストが5以上の自分のスピリットの「ネクサス破壊効果」は系統「起幻」を持たない創界神も対象に出来、尚且つ、魔王八岐大蛇のコストは8!」

「って事はつまり!?」

「そうだ、貴様の創界神アポローンも破壊する!!」

 

全方位にも及ぶ八岐大蛇の攻撃からはアポローンさえも逃れる事は出来ない。幻影に向けて八首全てが火炎を吐き付けると、炎に飲まれアポローンは大爆発を起こす。

 

「アポローンまで!?」

「まだ俺のターンは終わってないぞ! ワイズドラゴンをLv.1に、そして魔王八岐大蛇はLv.3にアップ!」

 

レベルが上がった事でBPは一気に上昇し、これまで出たどのスピリット達とも比較にならない程、強大な咆哮を上げる八岐大蛇。

 

「このまま魔王八岐大蛇でアタックだ!! アタック時効果! BP8000以上の相手スピリットを破壊!」

「なッ!?」

「お前の場など殲滅してくれる! レガリアを破壊だ!!」

 

今度は上空のレガリアに狙いを定めたかと思うと、再び八首から一斉に放たれる火炎の嵐。レガリアも雷撃を放ち迎撃するが、八首から放たれる攻撃全てを受け切れる筈もなく、攻撃の嵐に避ける事すら叶わず炎に飲まれ大爆発を起こす。

 

「喰らえ! ダブルシンボルのアタックだ!!」

「ぐぅッ!! ライフで受ける!」

 

バリアへとそれぞれ狙いを定めると、一斉に火炎放射を放ちバリアを焼き焦がし、焦げたバリアに八つの内の一つが頭突きを喰らわせ、バリアを破壊する。

 

『(グオオオオオッ!!?)』

「バジュラ!! 大丈夫か!!」

 

烈我には依然としてダメージがない。ダメージ全ては肩代わりしているバジュラへ、しかし大型のスピリットによる攻撃は流石に負担が大きいのか声を荒げるバジュラに心配するように呼び掛けるが。

 

『(……効いたぜ、あの大トカゲ野郎)』

「バジュラ?」

『(オイ、烈我。あのトカゲ野郎は絶対ぶっ潰す。じゃなきゃ俺の気が収まらねぇッ!!)』

「!」

『(だから絶対俺を呼び出せ!! あのオオトカゲをぶっ潰すのは他の誰でもねぇ、この俺だッ!!)』

 

だがその痛みはバジュラにとっては憤怒の感情を昂らせるだけの糧に過ぎない。そんなバジュラの様子に「あぁ!」と強く返事を返しながら、自分のターンを迎えていく。

 

 

 

 

────第7ターン、烈我side。

 

[Reserve]10個。

[Hand]6枚。

[Field]なし。

 

「俺のターン! 行くぜ、ドラグノ祈祷師を召喚!!」

「!」

 

フィールドに現れる竜人のスピリット、フィールドへと呼び出されると即座に携えたその杖を地面へと振り下ろしていく。

 

「ドラグノ祈祷師の召喚時効果! トラッシュにあるスピリットカード一枚を手札に。ソウルコアを支払って召喚したなら代わりにトラッシュの系統「古竜」を持つスピリットをノーコストで召喚!!」

「トラッシュの古竜だと!?」

「あぁ! そして俺が呼び出すのは此奴だァッ!!」

 

呼び出すべきはただ一体、高らかな宣言と共に烈我は叫ぶ。

 

「罪を背負いし怒りの竜! 憤怒の炎、烈火で地獄さえも焼き尽くせ! 爆我炎龍バジュラブレイズ、召喚ッ!!」

 

大地に降り注ぐ無数の流星、地面を砕き真っ赤に大地を染め上げ最後に一際巨大な隕石が地面へ激突すると天に向かって激しく炎を巻き上げ、そして炎の中に光る眼光、刹那、炎を拳で掻き消し移る龍の姿、憤怒を司りし七罪竜、バジュラブレイズの姿である。

 

『ハッハァッ! 漸くだ。随分と痛め付けてくれた礼、倍にして返してやるぜェッ!』

「ッ!! 何だそれは!? そんなカード見た事ないぞ!? お前一体!?」

『俺の事はどうだっていい、今はただテメェをぶっ飛ばす!! それだけだ!」

 

ここまで喰らったダメージを怒りに変えて怪人の男を睨むバジュラ、言うまでもなくその形相は怒りに燃えていた。

 

「決めるぜバジュラ! 手札からもう一枚、聖蓮神剣リグヴェーダをバジュラに直接合体し、合体スピリットをLv.2へ!」

 

空を裂きながら降り落ちる一本の聖剣、リグヴェーダ。地に突き刺さる前より早く聖剣を掴み取ると合体スピリットとなった事でより荒々しく咆哮を響かせ、ドラグノ祈祷師は不足コスト確保の為、役目を終えたようにその場から消滅。

 

「アタックステップ! バジュラでアタック!! アタック時効果!【火力推進(ヒートアップ)】、合体スピリットをBP+5000し、さらに手札を一枚破棄!」

「!」

「続けてリグヴェーダの効果、相手スピリットかアルティメットに指定アタック!」

 

『しゃあッ! 大トカゲ野郎! ぶった斬りにさせてもらうぞォ!!」

「おのれ!! 魔王八岐大蛇でブロック!」

 

リグヴェーダを構え突っ込むバジュラ、八岐大蛇は行手を阻む為、八首が一斉にバジュラに向かって火炎放射を吐き出すが、リグヴェーダを握り締め豪快な一閃で放たれた炎を全て切り裂き打ち消してしまう。

さらにそれだけでは終わらない、リグヴェーダを担いで大きく飛び上がると一瞬で八岐大蛇の頭上を取り、八首全てがその姿を見上げる中、肩に担いだリグヴェーダを今度は両腕で握り締めて。

 

『これで終いだあああああああああッ!!!』

 

リグヴェーダを一気に振り下ろし八岐大蛇を一刀両断。バジュラが地面に降り立つと同時に八岐大蛇は絶命し、その巨大な体は大爆発を起こす。

 

「うわあああッ! 大蛇が……俺の大蛇があああ!!?」

 

キースピリットの破壊、そして圧倒的なバジュラの姿に思わず狼狽える怪人。だが、まだ烈我とバジュラの攻撃は終わってない。

 

「【火力推進】の効果、バトルした相手スピリット、アルティメットを破壊した時、バジュラは回復!!」

「何ぃぃぃぃっ!!?」

「バジュラブレイズでもう一度アタック! 【火力推進】の効果でBP+5000、手札を破棄して、今度はワイズドラゴンに指定アタックだぜ!!」

 

『今度はテメエの番、だなァ!』

 

バジュラの視線が今度はワイズドラゴンへと向けられる。その視線と殺気にワイズドラゴンは怯えからか、冷静さを失い咄嗟に杖を構えて光弾を作り出すと、ブロック指示を受ける前からバジュラに向かって光弾を撃ち放って行く。

 

『しゃらくせェんだよォッ!!』

 

光弾を前に、バジュラは手に持ったリグヴェーダを構えると振りかぶるように、構えたリグヴェーダを投擲の如く力一杯投げ付け、投げ付けたリグヴェーダは撃ち出された光弾を突き破りながら直線を描き、そしてワイズドラゴンをも捉え、その一閃がワイズドラゴンを貫き、爆散。

 

「ば、馬鹿な!? 俺のスピリットが!!?」

「効果でバジュラは回復! これで最後だ、バジュラブレイズでアタック!!」

 

『決めてやるよ最後の一撃、ド派手になァッ!!』

 

地面を蹴って空を舞うかのような大ジャンプ、プレイヤーを守るべくバリアが展開されるのとほぼ同時に、空中で拳を構え、その拳に炎を込めて。

 

『これが俺の怒りだ!! その身で全部受け止めてみやがれえええええッ!!!』

 

怒りの咆哮と共にバリアに拳を叩き込むと、轟音を立てながらバリアを木っ端微塵に砕く。

 

「うぎゃああああああああッ!!!」

 

怪人の叫びと共にライフは破壊され、勝負は決着となる。

 

 

 

 

「よっしゃぁッ!! 勝ったぜ!!!」

 

バトルを終え元の場所へと帰還する烈我達だが。

 

『動くな!!』

「『!』」

 

帰還した烈我達を取り囲むのは、数台のパトカーと青い制服に身を包んだ警官達。今度は怪人ではなく本物の人間の姿に、これは不味いとバジュラは慌てて身を隠す様に烈我の服の中へ隠れて、一方で訳が分からないまま烈我は手を上げるしかないが。

 

『ちょっと待って!!』

 

突然警官と自分達の間に割って入る仮面姿の人物、ジークフリード仮面の姿。

 

「!?」

「彼は今回の事件を収めたくれた功労者だ。誤解しないで上げてくれ」

 

『(何だあの不審者?)』

「(シッ!)」

 

小声で呟くバジュラを咄嗟に制止させ、状況を見守る烈我。どうやら誤解は解け、警官達の警戒も解け、そして仮面の男性は烈我達の方へ振り向くと。

 

「まずは被害にあった人達に代わって礼を言うよ。騒ぎを解決してくれてありがとう」

「は、はぁ……あの、所であなたは?」

「あれ、君私の事知らない!!?」

 

繰り返し言うが彼の事をこの世界で知らない者はいない。本人もその事を自覚しており、むしろ自分の事を知らない人の方が珍しいぐらいだろう。

 

「えっと、何かすみません」

「いや……謝らないでいいよ。僕の事を知らないこれで二人目だし」

「二人目……?」

「あぁ。噂すればほら」

 

視線を向けた先には遅れてやってくるもう一人の人物、烈我と年代の変わらない少年、アラタの姿である。

 

「アラタ君、遅かったね」

「嫌、もう解決してると思って急ぐ必要ないかなって」

「だから楽観しすぎないかい!? 嫌、実際その通りだったからいいんだけど」

 

ジークフリード仮面とやり取りするアラタだが、その姿に烈我はどこか見覚えがあるように。

 

「アンタ……何処かで会った?」

「?……さぁ、多分ないんじゃないですか。貴方みたいなリア充臭のする人知らないし、仲良くした記憶もないです」

「はい!!?」

 

異世界から来た烈我と、この世界での主人公アラタとの出会いであった。

 

 




どうも皆さまブラストです!!
この度、長らく企画しておりましたおぞーに様の書く「バトルスピリッツ スリーアロウズ」とコラボ回!その第一話を更新いたしました!!!

長らく更新遅れておりまして申し訳ありません。

スリーアロウズについて、まだ読まれてない読者様は是非下記リンクから読まれることをお勧めします!バトル、ストーリー含め全てにおいて7guilt以上である作品であることを保証いたします!←ォィ
https://syosetu.org/novel/250461/


コラボ回は前編後編を予定してて次回は後編!
早めに更新するよう頑張ってまいりますので、是非次回もよろしくお願いします!!
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