バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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第7話【怠惰の樹龍】

 

 

無人の荒野に佇む王宮、罪狩猟団の砦となる王宮内部の大広間にて。

 

「さて報告を聞こうか」

 

玉座に腰掛けながら笑顔で話すルディアの姿。ドレイクにミコ、そして高台にはガイトともう一人女性の姿、4名それぞれルディアに忠誠心を見せる様に片膝をついている。

 

「これまでに部下からの報告で判明した七罪竜は3体。憤怒を司るバジュラブレイズ、色欲を司るライトボルディグス、そして傲慢を司るキラーバイザークの3体。まだ見つかってないのは残り4体。報告は以上になります」

 

開口一番に報告を述べたのはガイト。報告に対し、耳を傾けるように頷きながら聞いている。

 

「成程成程、既に3体も判明した、残り4体、中々いいペースじゃないか。ガイトは情報が早くて助かるよ」

「ハッ、お褒めの言葉、光栄です」

 

「(いい気な物じゃ、情報伝達は部下任せで自分は動いておらん癖に。ドレイクもそう思うじゃろ?)」

「(知るか、俺には関係ねぇ)」

 

ガイトに対して嫌悪感を持つようにミコは小声で想いを語るが、無関心な様に返事を返す。一方でガイトの報告を聞きつつ、「ところで」と報告を中断するように一言。

 

「今後の対策の人員は大丈夫なの?」

「そ、それは勿論。何でそんな事を?」

「嫌、心配になってさ。だって部下の切り捨てが激しいと思ったから、いざというときに人員を動かせるのかと思ってさ」

「!」

「部下は大切にね」

「……はい」

 

見透かした様なルディア、釘を刺すかのような一言に冷や汗が流れる。空気が変わったように数秒流れる沈黙の間が流れるが、ルディアはまたにこやかに笑うと。

 

「まっ、前も言った通り、対策は君達に一任してる訳だからとやかく言わないよ。ガイト君、それにドレイクやみんなの活躍に期待してるよ」

 

笑顔で言い放つ一言、だがたったその一言だけでその場の全員が重いプレッシャーの様なものを感じ取っていた。

 

「それともう一つ、また新たな七罪竜の反応が出た」

「「!!」」

 

新たな七罪竜という言葉に全員の顔色が変わる。そして次に、また新しく奥から誰かが歩くような音が聞こえ始めたかと思うと。

 

「その、七罪竜は俺の獲物、だろ?」

「やぁヴァン君、久々だね。来てくれると思ってたよ」

「そりゃ来るしかねぇだろう、他ならねぇあいつの情報を渡されたらな」

「ハハハ、やっぱ拘ってるね。それほどヴァン君には大事って訳だ」

「るせぇ、全部分かってる癖に今更言うんじゃねぇ」

 

揶揄うようなルディアの言葉に、ヴァンと呼ばれた男性はそれが癪に障った様に苛立ちながらに答える。

 

「テメェ! ルディア様に何て口聞きやがる!!」

「黙ってろ。ルディアに尻尾振ってる犬が、お前等に指図される言われはねぇ」

「犬だと!? テメェ、誰に物言ってやがる!!!」

「そこまで!」

 

ガイトとヴァンの言い争いの最中に大きく手を叩き、呆気に取られたように二人共一瞬静粛してしまう。

 

「折角帝騎全員が揃ってるんだから、言い争いは無しにしてね」

 

ヴァンが今この場に含める事は帝騎全てが揃った事を意味する。ドレイク、ミコ、ガイト、ヴァン、そしてもう一人の女性、それが帝騎のメンバー全員を指す。

 

「ハッ、罪狩猟団に入る当初から言い続けてた筈だ。俺がここに居る理由があくまで利害の一致。目的を達成したら、俺はすぐに罪狩猟団を抜ける」

「テメェ、んな真似できるとでも!」

「待って、その約束は僕とヴァン君、二人で了承した約束だよ」

「!」

「だからね、口を挟むのは許さないよ?」

 

ガイトに掛けられる穏やかな言葉、だがその言葉を聞いた瞬間、背筋を凍るような感覚が過る。

 

「ッ!! 分かり、ました」

「それと、ヴァン君もあくまで目的を達成したら、だよね?」

「誰に物言ってやがる! 楽勝だ!」

 

自信に満ちた態度でルディアに言い切り、振り返ってその場を後にしようとするが、「それに」と小声で小さく呟く。

 

「(どの道テメェみたいな化け物と縁切るにも、あいつの力がねぇ限りは無理だろうが)」

 

小声でそんな事を呟きながら、先程のいざこざもありガイトは恨みを込める様にその後姿を睨みつけるが、ドレイクは立ち去るヴァンに気を駆けながらも気になることがあるように視線をルディアに向ける。

 

「ボス、新たな七罪竜について、まだ詳細を聞いてませんが?」

「ん? あぁ、まだ言ってなかったね。新しい七罪竜に関してはヴァン君の管轄だから気にしなくていい。あくまで皆に情報共有で伝えただけさ」

「管轄とは? どういう事でしょうか?」

 

事情を知らないドレイクにとってはルディアの言葉が気に掛かる。隣で聞いているミコも同じように

 

「そっか、確かドレイク君とミコちゃんは帝騎に入ってまだ日は浅い方だから知らなかったけ?」

「何を、ですか?」

「他でもない。彼こそ、かつて七罪竜を手にしていた男」

「「!!」」

 

ルディアの言葉に一瞬ミコもドレイクも顔を見合わせて自分達の耳を疑った。だがその言葉は、リーダーであるルディアの言葉である以上、信じるしかない。

 

 

***

 

 

「じゃあ行くぜ! リュキオースでアタック!」

「はいはい、グリードッグでブロックっと」

 

今日はバトルフィールドではなく、適当な台の上で対戦するミナトと烈我。その様子を近くから光黄も観戦し、三人とも特に何事もなく平和に過ごしていた。

 

「メビウスドラゴンでアタック!!」

「ライフ。俺の負けだね」

「よっしゃぁッ!!」

 

バトルが進んで結果は烈我の勝利、負けた事に対し少しだけ悔しがるように溜息をつくミナトに対し、烈我はVサインを掲げる。

 

「それじゃあ次は……!」

 

観戦している光黄に視線を向け、当然次の対戦相手としてして指名しようとするがそこへ。

 

「あの、よかったら対戦お願いしてもいいですか?」

 

隣から声を駆けられ、振り返ると緑髪で中性的な顔立ちの人物。

 

「えっと、バトルなら受けて立つけど、あんたは?」

「急にごめんなさい、僕は緑仙星七って言います。いつも烈我さん達のバトル見てたので、バトル挑みたくて」

「俺の事知ってるの?」

「はい、だってこの辺りで光黄さんと絵瑠さん、あと烈我さんは有名ですよ?」

「マジ!? なんか恥ずかしいな」

 

「二人は実力的な意味でだけど、お前の場合は違うだろ? 告白バトルとか目立つ理由はそれだろ?」

 

最初は照れ臭そうにしながらも満更でもないように頭を掻くが、ミナトの言葉に対し、星七と名乗る人物は答え辛そうに苦笑いで返し、何となくその様子に察し、恥ずかしさだけが残る。

 

「で、ちなみに俺の事は?」

「……えっと、あの、ごめんなさい」

「まじか」

 

また苦笑いで返す星七に対し、どうやら周知はされていないらしい。少しだけ肩を落とす。

 

「ミナトはそもそも大会にもそんな出場しないだろ?」

「結果は残してるはずなんだが、ちょっと傷つく」

「あの、ごめんなさい」

「別に気にしないでいいって、多分此奴も気にしてないだろうし。それより早速バトルしようぜ!」

「はい! お願いします!」

 

早速バトルを開始し、対戦する二人。数分後に結局は着いた。

 

「よし! 俺の勝ち!!」

「負けました。もう一度お願いしてもいいですか?」

「おぉ! 何度だって受けて立つぜ!」

 

もう一度対戦する二人、今度は先程よりも少し時間が長引いたかと思うと、戦局は少しずつ烈我が押され始めていた。

 

「ガヤートリーフォックスでアタック!」

「ライフで受ける。俺の、負けだ」

 

最初の内は烈我こそ買っていたが数戦繰り返すうちに徐々に烈我に黒星が付き始め、その様子に対して光黄とミナトも興味深そうに眺めてる。

 

「じゃあ次は俺とバトルしない?」

「はい、お願いします」

 

烈我と交代するように、今度はミナトが挑む。最初の内は烈我と同じくミナトの連勝だったが、数戦の内、次第に黒星が付き始める。

 

「……さすがに強ぇな」

「いえ、ミナトさんでしたっけ? ミナトさんこそ、すっごく強かったです」

「負けたのにそういわれると逆に傷つくんだが」

「あ、あのでも僕も最初は全然勝てなかったし」

 

「次は俺ともバトルをお願いしても?」

「!」

 

星七に対し、興味深そうにデッキを構える光黄。彼女の言葉に星七は嬉しそうに首を縦に振る。

 

「是非お願いします!」

 

対戦する二人だったが、流石に光黄との勝負はそう簡単にはいかないのか苦戦することは多々あれ、数戦バトルを繰り返しても中々光黄に勝つ事はできなかった。

 

「……やっぱ光黄さんは流石ですね」

「嫌、いい勝負だったよ。ありがとう」

「またバトル、お願いしたいです」

「別にいつでもいいよ。俺に何度も挑んでくるのは他にもいるし」

 

軽く笑いながら烈我に視線を向け、それには星七も気付いているのか同じくおかしそうに笑う。

 

「今日はバトルありがとうございました。僕はそろそろこの辺りで」

「えっと、星七だっけ。またバトルすることがあったらよろしくな」

「はい、こちらこそ」

 

差し伸べる烈我の手を取り握手を交わしながら、最後に光黄に視線を向ける。

 

「光黄さんにも今度は勝てるようもっと強くなります!」

「そう、じゃあ楽しみにしてる」

「また樹龍様に特訓してもらわないと」

「樹龍様?」

「! すみません、何でもないです!! 忘れてください!」

 

無意識に出した言葉、それを指摘されたことに少しだけ慌てた様な素振りを見せたかと思うと、そのまま急ぐようにその場を立ち去り、星七の様子に少しだけ不審に感じる。

 

『おい、烈我。あいつを追え』

「!」

 

瞬間、頭に語り掛ける様にバジュラの声が聞こえたかと思うと、同じくミナトや光黄にもバジュラと同じようにキラーとライトから同様に語り掛けられる。

 

「おい、バジュラ。どういう意味だよ?」

『説明は後だ。確かめたい事がある、とにかく行け!』

「……分かったよ!」

 

尾行することに後ろめたさを感じながらもバジュラの言葉を信じ、星七の後を追い駆ける3人。

 

***

 

後を追い駆け、大分人目から離れた場所に移動すると、周囲を警戒するように辺りを見渡す星七の姿があり、明らかにその様子を怪しく感じるが、暫くして突如その場に空間の穴が現れる。

 

「!」

 

空間の穴は間違いなくスピリッツエデンの入り口に間違いない。何故転送もなしに開くのか動揺と疑問が浮かぶが、一方で星七は空間の穴に迷う事無く、そこへ飛び込む。

 

「あいつ!!」

「……ライト達と確実に何か関りがありそうだな。どうする?」

「どうするって、ここまできたら追い駆けるしかないだろ!」

「あぁ、そうだな」

 

三人も同じくその空間の穴へ飛び込み、三人が飛び込むと同時に空間の穴は消失する。

 

 

***

 

 

空間の穴へと消え、次に視界に映った景色はまるで森林地帯のような場所。ここならば当然警戒必要はなく、キラー、ライト、バジュラの三体はそれぞれ実体化し、烈我達の肩の上に乗る。

 

「なぁバジュラ、星七がさっき言ってた樹龍様って」

『あぁ、察してると思うが俺達の同類だ』

「やっぱり!」

『気配は向こうからだ、行くぞ』

 

付いて来いと言わんばかりに飛び出すバジュラ、すぐ後を追い駆け深く森の中に入ると、そこに星七の姿があった。

 

「樹龍様、今日も来ました! また特訓お願いします!」

 

森の中で一人、誰かに向かってそう叫ぶと木々が揺れ始めると一枚のカードが落ち、星七はすぐに両手を差し出してカードを手に平に乗せると、次の瞬間、そのカードはバジュラ達と同じく、生物の姿に実体化する。

 

『来たか、星七』

「はい、今日もお願いします!」

『そうじゃな、それもいいがその前に……』

 

樹龍と呼ばれたそれは何かの気配を察しているかのようにバジュラ達のいる方向へ視線を向ける。

 

「樹龍様?」

『気にするな、少し知り合いの気配がするだけじゃ。そこにいるんだろ?』

 

その言葉に物陰から飛び出すバジュラ達、それに続いてすぐに烈我達も同じように星七の前に姿を見せる。

 

「烈我さん!? それに皆さんも?」

「ご、ごめん。ちょっと気になってさ」

「どうして皆さんがここに?」

「まぁこっちにも色々あって。それよりあれって」

 

当然烈我達も樹龍と呼ばれたそれが気に掛かっているが、だがそれは星七も同じ様子でバジュラ達の姿が気になっている様子だった。

 

「烈我さん、あれって?」

「あぁ、バジュラ達の事? 何ていうか、まぁ俺の相棒みたいなもんだよ」

「樹龍様は知り合いって言ってたけど、もしかして」

「あぁ、バジュラ達と同じ七罪竜、そうだろ、バジュラ!」

 

烈我の言葉にバジュラは頷きながら、また樹龍に視線を向ける。

 

『まさかテメェもとっくにパトーナー選んでたとはな』

『星七の事か? あの子はそんなんじゃないさ。お前達の方はそうでもなさそうだがな』

 

『まっ、見所があるって意味で面白そうな奴をな』

『俺様のとこも一緒だ』

『私は一番のパートナーを見つけられましたけどね。まさに運命!』

『お主等は相変わらずじゃの。けど儂のそうでもない。少なくとも、今はまだ、な』

『?』

 

不思議に思いながらも一方で烈我達は樹龍とは別に、星七に対しても気がかりが残る。

 

「なぁ、星七だっけ。よかったらどういう事か教えてくれないか? 俺等も知ってることでよければ話すからさ」

「はい、僕もそこまで詳しい訳じゃないですけど知ってる事でよければ」

 

その言葉に頷くと、互いに知ってる事情について共有し星七も自分の事情について詳しく話す。

 

「元々樹龍様と出会ったのは数週間前です。僕が来た場所、あそこで偶然出入りしている所を見ちゃって」

『そう、儂の方から他言無用である事を頼んで、聞き入れてくれるなら望むお願いを一つ叶えてやろうと思ったんじゃ。そしたらな』

「バトスピで強くさせてください。そうお願いしたんです」

 

「それって?」

「恥ずかしい話、あんまり人に声を掛けるのも苦手で、バトルを挑もうにも僕弱いから自信持てなくて遠くから見てばかりでした」

「……」

「だからせめて強くなったら自分にも自信が持てるんじゃないかって、そう思ってずっと強くなりたかったんです」

「強くなりたいか、分かる気がするな」

「お前の場合、動機が違うけどな」

「るせぇ、それは今言わなくていいんだよ」

「ははは、まぁ事情は以上です」

「何で、樹龍様って呼んでるんだ?」

「最初見たとき、もしかしたら神様なんじゃないかって思って」

「神様……ねぇ」

 

バジュラに視線を向け、神様と言う言葉はバジュラには全く無縁に思うので苦笑い。

 

「まぁ樹龍様にも否定されたんですけど、他にどう呼んでいいか分からなくて」

「星七は七罪竜については?」

「いえ、七罪竜って言葉自体も初めてで。とても凄い存在だって事は思ってましたが」

「俺は未だにそんな凄い存在には思えないけどな。それにしてもこれで4体目の七罪竜か」

「聞いた話ではそれぞれ七罪を司る龍という事ですよね?」

「そう、バジュラは「憤怒」、ライトは「色欲」、キラーは「傲慢」。樹龍様って言ってたけど、どんな罪を持ってるか」

 

「そいつの罪は「怠惰」だ」

「「!!」」

 

疑問を代弁するかのような突然の声、咄嗟に振り返った瞬間、視線の先には一人の男性の姿があった。

 

「ようやく見つけたぜ、エヴォル」

 

エヴォルと呼ぶ視線の先には樹龍の姿。

 

「テメェを探す為に随分苦労したもんだが、それもようやく終わりだ」

『ヴァン、お前も本当に懲りない奴じゃの』

 

樹龍の事をエヴォルと呼ぶ男性に対し、エヴォルもまた見知った相手のように男性の事をヴァンと呼びながら視線を向ける。

 

「知ってるのか? それにあいつ、今怠惰って」

『あぁ、奴は……以前儂と組んでいたバトラーだ』

「「!!」」

 

エヴォルの口から話す言葉に衝撃が走る。だがその言葉を肯定するようにヴァンと呼ばれた男性は頷きながら続けて行く。

 

「あぁそうだ、なのに、俺を裏切りやがって……ッ!!」

『前にも忠告した筈じゃぞ、力に溺れるなと。ただ力だけを頼るお主のやり方にはついて行けなくなった。だから手を切った、それだけだ』

「ふざけんな! テメェを一番に使いこなせるのは俺だ! テメェの力を失う訳には行かねぇんだよ!!」

 

「いいから戻って来い」とそのままエヴォルに歩み寄るヴァンだが、その行く手を阻むように前に出る烈我の姿。

 

「あぁ? 何だテメェ等?」

「何だって聞くのはこっちだ。どういう事情があるのか知らないけど、彼奴を無理やり奪うつもりかよ!」

「だとしたら何だ?」

「力づくで止めるだけだ!」

 

デッキを構える烈我に対し、バジュラも同じく戦うように烈我に寄り添うが、バジュラの姿に気付くと、何かを思い出したように口角を上げる。

 

「へえー、バジュラブレイズ。誰かと思ったが、そうか。お前らがルディアが言ってた他の七罪竜所持者か」

「ルディア!? お前、罪狩猟団の仲間か!」

「……まっ、帝騎として奴の下に就いてる」

「!!」

 

「あくまで形式上はだがな」と付け足すが、帝騎と聞いただけで俄然警戒心が強くなるが、ヴァンは気にする様子はなく「それがどうした?」と問い返す。

 

「罪狩猟団の仲間って言うならなおさら引き下がる気は訳はねぇッ!」

「面倒だな。生憎俺が求めるのはエヴォルだけだ、他の奴等どうでもいい」

「お前にはどうでもよくても、こっちはそう行かねぇんだ! お前らのボスの事や色々聞きたい事だってある!」

 

互いに引き下がる様子はなく一発触発の様子だが、そんあ二人の様子に対し、「待て!!」と引き留める様に強く言い放つエヴォル。

 

『バジュラのパートナーさん。悪いがここは引き下がってくれるか? 儂の問題なのでな、お主等を巻き込む訳には行かない』

「でも……!」

 

『心配するな』とそのままヴァンの方へ視線を向け、烈我も言われるがままその場から一旦離れる。

 

「観念したって事か?」

『いいや、ただ言葉だけでお主が引き下がらない事は分かっておるからの』

「じゃあどうする気だ?」

『無論バトルじゃ、お主が勝ったらお前の所持品にでも何でもやってやるわい』

「バトルだと? お前に俺以外の使用者がいるのか?」

『あぁ』

「!」

 

そう言って星七に視線を向けて名を呼び、それを不思議に思いながらも前に出る星七。

 

「樹龍様?」

「おい、エヴォル何の真似だ? まさかそいつが?」

『あぁそうじゃ。このバトル、星七にお前の相手をしてもらう』

「!?」

 

突然のエヴォルの言葉、その言葉に誰よりも動揺したのは他でもない星七だった。突然の指名に困惑を隠せない。

 

「樹龍様、何で僕を?」

『巻き込んですまないが、ここは一つ儂を助けると思ってバトルしてもらえないか?』

「……分かりました。僕でよければ」

『ありがとう。お陰で、このバトルでようやく見極められる』

「?」

 

最後に小さく呟くエヴォルの言葉の意味に疑問が浮かぶが、一方でヴァンは不服そうに舌打つ。

 

「どういうつもりだ? そんなどこの馬の骨か分からない奴を代理に立てる気か?」

『……さぁな、だがこの子は強い。お主もよりも、な」

「あぁ!?」

 

エヴォルの言葉が逆撫でするように感情に響いたのか、星七を睨みつけ、怒りを露にする様に声を荒げる。

 

「後悔するなよ! まとめてこのバトルでぶっ潰してやる! その上でテメェを引き摺り戻してやるよッ!!!」

 

苛立ったようなヴァンの言葉に一瞬威圧されるように怯んでしまうが、それでも星七もまた引き下がれないようにデッキを構え、ヴァンを睨み返す。

 

「負けません! エヴォル、樹龍様が僕を信じてくれるなら、精一杯戦います!!」

『決まったようだな』

 

目を瞑り、静かに笑いながらそう呟くとエヴォルはカードとなり、星七の手に収まる。

 

「樹進超龍エヴォルグランド、これが……七罪竜」

「ハッ、テメェには過ぎたカードだ。使ったところでみじめに負けるだけだ」

「……負けません。僕は、あなたなんかに、樹龍様は絶対渡さない!」

「そいつは俺のもんだつってんだろ! そうまでして俺の邪魔をするって言うなら、容赦はしねぇ!」

 

両者デッキを構え、ヴァンはキューブのような機械を足元に投げる。

 

「「ゲートオープンッ! 界放ッ!!」」

 

光に包まれ、バトルフィールドへと舞台を移す両者。二人の様子を烈我達はただ静かにその行方を見守る。

 

 

────第1ターン、ヴァンside。

 

[Reserve]4個。

[Hand]5枚。

 

「最速のビートを刻め! 神速の勇者ソニックワスプ召喚!」

 

開始早々呼び出したのはXレア級のスピリット、ソニックワスプ。エメラルドが砕け得ると同時に光の速さでフィールドを駆け廻り、フィールドへ降り立って行く。

 

「ターンエンドだ」

 

 

────第2ターン、星七side。

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

 

「僕のターン、ソウルコアを使用してエイプウィップを召喚! 召喚時効果でボイドからコア1個をこのスピリットに、さらにソウルコアを召喚コストにした事でボイドからコア2個をトラッシュに追加!」

「3コアブーストか」

「アタックはしません。これでターンエンドです」

 

 

────第3ターン、ヴァンside。

 

[Reserve]4個。

[Hand]5枚。

[Field]神速の勇者ソニックワスプLv.1(1)BP3000。

 

「ネクサス、アレスの甲殻神殿を配置! その配置時効果でボイドからコアを置く!」

 

後方に出現される甲殻神殿。まるで巨大なハチの巣のような見た目だが、配置時効果によりボイドからリザーブにコアが齎され、さらにソニックワスプも緑のオーラを纏う。

 

「まだ効果は続く! 自分の場に系統「殻人」を持つ自分のスピリットがいれば、さらにボイドからコア1個をそのスピリットに置ける! それにより、自動的にLv.2にアップだ!」

「コアブースト、同じ戦略って訳ですか」

「ここまではな、テメェがやる戦略なんざ、簡単に真似できんだよ!! ソニックワスプでアタックだ! アタック時効果でさらにボイドからコア1個をこのスピリットに追加だ!」

 

常に宙に浮いている為、常時羽を振動させているが、羽の振動をより早く加速させると、そのままスピードを上げて閃光の如く、フィールドを飛び抜け、蹴りの体勢となり、そのまま飛び蹴りをバリアに打ち込む。

 

「ぐぅッ!!」

 

衝撃に体が後ろに後退してしまう。しかし気持ちは負けていない意思を示す様にソニックワスピを強く睨み返している。

 

「ふん、ソニックワスプはバトル終了時、手札に戻る。これでターンエンドだ」

 

ソニックワスプはその場から姿を消したかと思うと、ソニックワスプのカードを手に取り、ターンを終える。

 

「エイプウィップで3コア増やしたかと思ったら、あのヴァンって奴もソニックワスプとネクサスで同じ数だけコアブースト。やるな」

「あぁ、しかもソニックワスプは手札に戻ってるから実質消費手札は1枚」

 

冷静に状況を分析しながら語るミナトと光黄、二人にとって帝騎の実力を見るのはこれが初めてだが既にヴァンの実力が並みでない事を感じ取っていた。

 

 

────第4ターン、星七side。

 

[Reserve]9個。

[Hand]5枚。

[Filed]エイプウィップLv.1(1)BP1000。

 

「創界神サラスヴァティーを配置! 効果により神託!」

 

星七の後方に出現するサラスヴァティーの姿、手に持った三味線を弾くと、神託によりデッキからオープンされる3枚のカード、その三枚は「己の跳獣皇ライオビット」、「タヌグリン」、「英雄獣の爪牙」。

 

「神託対象で2コア追加。さらに英雄獣の爪牙の効果でさらにコア1個を追加しこのカードを手札に加え、さらに行きます! 樹龍様!!」

「来るか!」

 

樹龍と呼ぶ星七の言葉に、何が来るかはヴァンにとっては予測できていた。また烈我達もこれから来る何かに息を飲んで見守る。

 

「数万年の時より生きし伝説! 怠惰なる龍! あらゆる環境、困難さえも己が進化する糧としろ! 樹進超龍エヴォルグランド! 召喚ッ!」 

 

途端、地響きと共に大地が揺れ、地面に巨大な亀裂を走らせる。そして地面が大きく盛り上がり始めたかと思うと、ソレは生物の背、まるで島のような甲殻を持つ巨大な龍の姿、怠惰を司る七罪竜にして、その名をエヴォルグランド。

 

「待ってたぜぇ、エヴォルッ! お前のその姿、もう一度見れる時を待ってた!」

『儂はそうでもないがの。少なくとも昔からちっとも変わってくれんお主とはな』

「煩ぇ、変わらない事の何が悪い! 俺が望むのは今も昔もテメェの力だ!」

『儂の力か、昔も言うた筈じゃ。力だけに拘るお主のやり方はもはや目に余ると』

「爺臭ぇ説教は沢山だ。どの道このバトルに勝てば、俺はもう一度お前を手に入れられる!」

 

「……樹龍様」

『案するな。星七、お主が気にする事は無い。気にせず好きなようにやれ』

「はい!」

「来るか?」

「……いいえ、アタックはしないです。ターン終了」

「あぁ?」

 

 

────第5ターン、ヴァンside。

 

[Reserve]9個。

[Hand]6枚。

[Field]アレスの甲殻神殿Lv.1(0)。

 

「攻撃しないとは拍子抜けだな。まぁいい俺の目的はエヴォルを取り戻す事だけ! お前に恨みはないが、遠慮なく潰れてもらう!!」

「!」

 

星七を指指しながら、自身の欲望を語るヴァン。エヴォルの姿を前にしても怯む様子はなく、むしろその逆、以前エヴォルを所持していた彼にとってはもう一度手に入れたい欲望の対象、圧倒的な七罪竜は恐怖を感じる様子は微塵もない。

 

「さあ出て来い! 海の化け物! 異魔神ブレイヴ、海魔神! 召喚ッ!」

 

フィールドに海面が広がると同時に逆巻く激流、激流を打ち払い現れるは異魔神ブレイヴ、海魔神。

 

「海魔神の召喚時効果、手札の異合と殻人を持つスピリットをそれぞれノーコストで召喚できる! さぁ出番だお前等! 一体目、アビスシャーク来い!」

 

広がる海面から飛び出すアビスシャーク、出現と共に大きく吠える。

 

「二体目! 来なッ、緑の旋風で敵を平伏させろ! 王の前に跪かねぇ奴はその鋭き矛で刺し穿てッ! 蜂王フォンニード!!」

 

出現するエメラルド、旋風と稲妻を収束させるようにエメラルドが取り込み砕けると共に眼光を輝かせ、蜂の針を模した槍を振うフォンニード。

 

「一気に二体!」

『構えろ、星七。彼奴は勝負決めに掛かる気じゃぞ!』

「ったりめぇだ! 潰すって言ってんだろうがぁッ! フォンニードの召喚時効果発揮、ボイドからコア3個をフォンニードに追加。よって自動的にレベルアップ!」

「!」

「まだだ! 海魔神、フォンニードとアビスシャークに合体しろッ!」

 

左腕の触手と右腕の手をアビスシャークとフォンニードに翳し、波動を飛ばして己とリンクし、合体状態となり、二体とも咆哮を上げる。

 

「フォンニードにコアをさらに3個追加し、アタックステップ! フォンニード、やれッ!」

 

羽を激しく振動させながら槍を構えると、一気に飛び出し、宙を駆けながら槍を矛先をエヴォルへと向ける。

「アタック時効果発揮! BP合計10000まで相手スピリットを疲労させられる!!」

 

「まずい! 星七のブロッカーはエヴォルグランドだけ!!」

「残りのライフは4、ブロッカーを疲労されればそのままゲームエンドされかねない」

 

これで勝負が決まってしまうのかと見守る烈我達にも緊張が走る。そしてフォンニードは矛先に旋風を集わせ、そのままエヴォルに向けて放出し、緑の風が強風となってエヴォルへと襲い掛かる。

 

「エヴォルグランドの効果! 【進化(エヴォリューション)】発揮!」

「!」

「フォンニードの効果が適用される前に、このスピリットはアルティメットとなります!!」

 

強風を真っ向から受けてなお、地面を強く踏み締めると、エヴォルグランドの体が金色に輝き、その場で前足を大きく浮かせ、もう地面を強く踏み付け、地響きと衝撃が吹き荒れる旋風を打ち消す。

 

「フォンニードの効果が、効いてない!?」

「アルティメットとして扱うって言ったな、あれが奴の能力か?」

 

光黄の言葉にライト達は静かに頷く。

 

『怠惰を司るエヴォル、奴の能力は一言で言えば適応力。相手の効果を受ける際、自身のBPアップや即席のコアブースト、そして自身をアルティメット化する事ができ、そうする事でさっき見たく相手の効果を回避できます』

『あぁ、奴の罪は怠惰。だがその罪は決してただのんびりするだけじゃねぇ』

「どういう事だ?」

 

バジュラの言葉が気になるように不思議そうに尋ねるが、烈我の問いに今度はキラーが面白そうに口角を上げる、

 

『考えてみろ? のんびりするだけの罪が俺達の罪に並ぶと思うか?』

「違うのか?」

『ただ生きるだけなら俺たち七罪竜自体が全員怠惰になる。だがそうじゃねぇ、怠惰の真骨頂は適応。何年も生きる為に、嫌、生きやすくする為にどんな環境にも適応し進化し続ける』

「それが?」

『人間を始め、様々な生物は環境に適応する為に進化する。けどそれは生きる為、そうしなければ滅ぶと生物的な本能が告げているからだ』

「だから意味が分からねぇって!」

『分かりやすく教えてやる、全生物が何世代も生きる為に使う進化を、エヴォルは唯、住み易くする為、己一人の為だけに進化を行う。これを罪と言わずに何と呼べる? それが怠惰だ』

 

『俺様には及ばねぇがな』とだけ付け足すが、烈我達にとっては怠惰という存在について改めて再認識させられる。

 

「おい、忘れてねぇか、エヴォルを手に入れたのは俺が最初だ。それぐらいでビビると思ってるか?」

「!」

「フォンニードの効果が通用しないのは了承済み、だが、BPならどうだ?」

「ぐっ! エヴォルグランドのBPは」

「そう、エヴォルのBPは10000、フォンニードのBPは15000、超えられねぇだろ?」

「それなら、マジック! 英雄獣の爪牙!! フォンニードを重疲労状態に!」」

 

マジックの効果によって、自身が発生させたものとは別の風がフォンニードを襲い、重疲労状態にさせられてしまうが、カードの使用と同時にヴァンの口角が上がる。

 

「(そうだ、テメェの打つ手はそれしかねぇ筈だ)」

 

英雄獣の爪牙が手札に加わった事は当然ヴァンも周知している。だからこそこの局面で使うしかないことを確信していた。

 

「だったら俺はアビスシャークのフラッシュ効果、このスピリットを疲労させて、エイプウィップを破壊! さらに緑シンボルを条件に【連鎖(ラッシュ)】発揮! ボイドからコア1個をこのスピリットに追加!」

 

突っ込むフォンニードに乗じる様に、海面から飛び出しエイプウィップに飛び掛かり、喰らい付くアビスシャーク。そのまま牙を突き刺してエイプウィップを破壊し、フォンニードもまた重疲労状態と言えどその攻撃は継続している。

 

「ライフで受ける!」

 

宣言に対し、展開されたバリアを矛で一刺、風穴を開け、そのままバリアを突き砕く。

 

「がぁっ!!」

 

吹き飛ばされるほどの衝撃。フォンニードは攻撃を終え、フィールドへ戻るが依然気力が残っていないのか片膝をついたままそれ以上は動こうとしない。

 

「(さてライフを減らした事でフォンニードを回復させられるが、一段階回復した所でこのターンの再アタックは不可能。どうするべきか)」

 

フォンニードはアタックで相手ライフを減らした時にコア3個をトラッシュに送れば回復できる。だが現在フォンニードは疲労よりもさらに上の重疲労状態。

 

「回復させようがさせまいが、このターンでの再アタックは無理みたいですね」

「だがテメェに英雄獣の爪牙を使わせられれば上々だ」

 

互いに手の読み合い、だが星七にとってキースピリットはフィールドにいるエヴォルグラウンド。それは間違いない、だがエヴォル主軸としたバトルなら、その手を読む事はヴァンにとっては容易。

 

「あのヴァンって男、相当やりにくい相手だな」

「エヴォルを一度手にしていたあいつの実力、本物だ。ただ単に所持していたってだけじゃない、元々それを持つにふさわしい実力だって事かな」

「でもまだ勝負は終わってない。バトルはこれからだ!」

 

ただ見守る事しかできないのはとても歯痒かった。しかしそれでも星七が勝つ事信じて、続く星七のターンを見守る。

 

 

────第6ターン、星七side。

 

[Reserve]11個。

[Hand]4枚。

[Field]超樹進龍エヴォルグランドLv.2(2)BP10000、創界神サラスヴァティーLv.2。

 

「エヴォルグランドをLv.3にアップ、さらにバーストセット!」

「バースト?」

「アタックはしません。これでターンエンド」

 

 

────第7ターン、ヴァンside。

 

[Reerve]12個。

[Hand]4枚。

[Field](海魔神合体中)フォンニードLv.1(1)BP11000、(海魔神合体中)アビスシャークLv.1(1)BP8000、アレスの甲殻神殿Lv.1(0)。

 

「(バースト。あれをカウンターと見るべきか、それとも)」

 

顔色を窺うように星七を睨み、そのまま数秒。互いに冷静に睨み合う中、暫くしてまた口角を上げる。

 

「(考えるまでもなかった。あいつも所詮同じ穴の狢、戦略はあくまでエヴォルを主体としたデッキ。だったらあのバーストはブラフと見るのがセオリー!)」

 

リフレッシュステップでアビスシャークは起き上がっているものの、重疲労状態となっていたフォンニードは未だ片膝をついたまま回復する様子はない。

しかしそれでも、ヴァンの余裕に変わりはない。

 

「マジック! ストームアタックッ!」

「!」

「フォンニードを回復させ、エヴォルグランドを疲労させるぜ!」

「【進化】の効果でエヴォルをアルティメットに! スピリットを対象にした効果は受けなくなります!」

「だがフォンニードはこれで完全に回復だ!」

 

エヴォルグランドは自身の効果で再び周囲に吹き荒れる強風を打ち払うが、フォンニードは逆に風を受け、力を取り戻したように再び立ち上がる。

 

「フォンニードとアビスシャークをLv.2にアップし、アタックステップだ!!」

「何処からでも、どうぞ!」

「餓鬼の癖に強気じゃねぇか。だったら容赦なく行ってやるよ! フォンニード、行って来いッ!!!」

 

羽音を激しく立てて飛び出すと槍を構え、星七とエヴォルを見定めながら果敢に突っ込んで行く。

 

「ライフは既に残り2、ブロックするしかねぇだろ?」

「はいそうです! エヴォルグランドで、ブロック!」

 

ヴァンの言う通り残るライフを守るためにはそれしか手がない。フォンニードが繰り出す槍をエヴォルは自身の硬い甲羅のような体で受け止める。

 

 

「エヴォルグランドとフォンニード、どちらもBPは15000」

「このままじゃ相打ちだ!」

 

烈我の言葉に対し、それを聞いているのかヴァンは余裕を見せるかのようにまた同じように口角を上げて、笑って見せた。

 

「相打ちには終わらせねぇ、もう既に勝ちのピースは揃ってんだよ!」

「フラッシュでマジック、ワイルドライド! 効果でフォンニードをBP+3000、これでフォンニードのBPは18000だぁッ!」

 

フォンニードの周囲に集う旋風がさらに力を増大させ、槍に力を籠めそのまま押し込んで行く。次第にエヴォルは足を地面に減り込ませ、引き摺られるように後ろへと下がり始めてしまう。

 

「ワイルドライドを使用してバトルに勝利すればスピリットは回復できる。つまりエヴォル、テメェをぶっ倒して、そのままフィニッシュだ!」

『そこまでするとは、お主は容赦がないのう』

「あぁ、ここでテメェを破壊するのは俺を裏切った事への制裁! 敗北を刻んでから、テメェを手に入れてやるよ!!」

『やれやれ、お主の怒りも相当な物じゃの。だがのぅ、ヴァン一つだけ忠告しとくぞ? 怒りで冷静さを欠くな。一つの物事に囚われれば、その本質に気付けなくなる』

「何の話だ?」

『分からんか? 儂をもう一度手に入れる。お主の考えは良くも悪くもその一点。だが、それ故にこのバトルでの戦局を見誤る! 星七!!』

 

後ろに視線を向け、呼びかけに答える様に頷く。

 

「フラッシュ! くの一女郎を【神速】召喚!!」

「!?」

 

フォンニードの真上に突如として出現するエメラルド、砕けたエメラルドからは展開される蜘蛛の糸、そして宙吊りのようにぶら下がるスピリット、くノ一ジョロウ。

 

「召喚時効果、フォンニードを海魔神から強制分離!」

「何だと!?」

 

海魔神の腕に向けて糸を飛ばし、片腕を糸で縛ると、自身とフォンニードを繋いでいたリンクが切れ、海魔神の合体が解除された事で、力の供給も完全に止まる。

 

「(しまった、合体解除した事で今のフォンニードのBPは13000……ッ!!)」

「エヴォル!!」

『おぉッ!!』

 

力の差が逆転したことで、エヴォルは吠え立てながら前進するように足を踏み出し、フォンニードが繰り出した槍を徐々に押し返し始める。

 

「舐めんじゃねぇッ!! こっちもソニックワスプを【神速】で召喚だぁッ!」

 

くノ一ジョロウと同じく【神速】で閃光の如く現れるソニックワスプ。そのまま空中に留まり、フォンニードの様子を静観するように上空から見下ろす。

一方でバトルでは、そのままフォンニードの槍を弾き返し、四足歩行の体勢から前足を上げて体大きく起き上がらせると、そのままフォンニードの足に噛み付き、そのままフォンニードを地面に引き摺り下ろす。

地面に仰向けに倒され、抵抗するように槍を突き出すが前足で槍を跳ね除けてそのまま体をさらに大きく浮かび上がらせる。

 

『往生せぇやああああッ!!』

 

咆哮を上げるとエヴォルの体は一瞬にして何倍にも大きく巨大化し始めると、浮かび上がらせた体を元の体勢に戻し始め、フォンニードごと地面に向けて足を踏み下ろす。それはさながら山が迫り来るかのような迫力、フォンニードは両手を突き出して防ぐような体制を取るが無駄な事。巨大化した体躯でフォンニードへと圧し掛かると、激しい地響きと衝撃を与えながらそのままフォンニードをプレス機の如く圧し潰す。

 

「フォンニード撃破!」

「ハッ、だからどうした? 勝つのは、俺だ! ソニックワスプッ!!」

 

キースピリットを破壊されてなおヴァンの態度は変わらない。多少の動揺こそあれ、彼にとってはこのバトルに勝つ事が全て。合図を送るように名を呼ぶと、ソニックワスプはその意図を理解しているのか即座に、星七へと飛び掛かって行く。

 

「ソニックワスプのアタック時効果でボイドからコア1個を追加。エヴォルに制裁を加えられないのは残念だが、このバトルに勝てば問題ねぇんだよ!!」

「いいえ、絶対に負けない! 攻撃はくノ一ジョロウでブロック!!」

 

身を挺して守るようにくノ一ジョロウが飛び出し、くノ一ジョロウの姿にソニックワスプは空中で飛び蹴りの体勢に入ると、さらに自身の速度を上げて、くノ一ジョロウの体に蹴りを叩き込み、そのまま勢い良く地面に叩き落されて破壊される。

 

「相手による自分のスピリット破壊後でバースト発動!」

「!」

「バースト効果で相手のスピリット2体を疲労させられる。対象はアビスシャーク!!」

 

強風に煽られ、アビスシャークはそのまま地面に項垂れ疲労してしまう。

 

「さらにコア8個以上ならこのスピリットを召喚できる! 風を操りし緑の王! 風の覇王ドルクスウシワカをバースト召喚!!」

 

突如として発生する竜巻、その中心に出現するエメラルドは竜巻の中で砕けると、翼を大きく広げて竜巻を振り払い、ドルクスウシワカがその姿を見せる。

 

「アビスシャークは疲労、これでアタックもフラッシュ効果も使えない!」

「チィッ! ソニックワスプのバトルは終了。よって自身の効果で手札に戻す。これで俺のターンは終了だ」

 

 

────第8ターン、星七side。

 

[Reserve]9個。

[Hand]3枚。

[Field]樹進超龍エヴォルグランドLv.3(4)BP15000、風の覇王ドルクスウシワカLv.1(1)BP4000、創界神サラスヴァティーLv.2。

 

『さぁ星七、反撃の開始の時じゃぞ!』

「はい、メインステップ開始時にエヴォルグランドの効果発揮! このターンの間、このスピリットに好きな系統を一つ追加できる!」

「!」

「遊精を指定。よってエヴォルグラウンドはこのターン、遊精を持つスピリットとして扱います! そしてドルクスウシワカをLv.3にアップ!」

 

ドルクスとエヴォルはほぼ同時に吼え、戦闘態勢に入る。

 

「ドルクスウシワカでアタック!」

「ライフだ!!」

 

一番手はドルクス、上空へと飛び上がり翼を羽ばたかせて風を巻き起こし、そのまま収束させると、巨大な風の塊をそのままヴァン目掛けて撃ち込み、衝撃にライフが破壊される。

 

「ぐぁッ!!」

「バトル終了時効果、ドルクスウシワカを手札に戻して、エヴォルグランドのBPを+3000! そのままエヴォルグランドでアタックし、もう一度ドルクスウシワカをLv.3で神速召喚ッ!」

 

再び竜巻と共に出現するドルクス、風の様にではなく風と共に颯爽と現れ、フィールドへと降り立ち、一方でエヴォルは体を起き上がらせると、そのまま地面を強く踏みつけ、地響き共に衝撃を与えた影響か地面より突き出す岩壁、岩はまるでレールのように一直線上に次々と飛び出し始め、そのまま展開されたバリアに隆起する岩壁が突き刺さる。

 

「うぐぅッ!!」

「バトル終了時でサラスヴァティーの効果発揮、この創界神のコア3個をボイドに送る事で「遊精」を持つスピリット1体を回復。効果によってエヴォルグラウンドの系統は「遊精」、よって回復ッ!!」

「まだ来るつもりか……ッ!」

「はい、全力で僕も勝ちに行きます! ドルクスウシワカでアタック!」

「ライフだぁッ!!」

 

飛び掛かり、展開されたバリアに組み付くと、ドルクスは二本の角に光を纏わせて、直接風を光線の如く撃ち込み、ライフ破壊する。

 

「がぁぁぁッ!!」

「最後のライフ、決めます! エヴォルグランドでアタック!!」

「まだ俺にはブロッカーが残ってんだよ! ソニックワスプを神速召喚!」

 

前進するエヴォルの前に、三度出現するソニックワスプ。エヴォルの周りに囲むように飛び回り始める。

 

「ソニックワスプでブロック! ブロック時でボイドからコアをこのスピリットに追加だ!」

 

このターンで星七の攻撃はエヴォルの攻撃で最後。ならばこの攻撃さえ耐えれば次のターンで確実に勝てる、ヴァンにとってはそれを確信していた。それはまた星七も同じ、凌がれれば確実に次で負けることは分かっている。だが、だからこそ、このターンで勝ちに行くしかない。

 

「フラッシュ! ワイルドライドッ!!」

「なっ!!? テメェもだと!?」

「エヴォルグランドをBP+3000!! ぶちかましてください!!」

 

周囲を飛び回るソニックワスプは徐々にその速度を上げ始め、あまりのスピードに無数の残像を生み出し、その残像は次第に繋がって完全な円を描く。

目では負いきれない程のスピード、そして次の瞬間、円は形を変えて一気にエヴォルへと突っ込むと、閃光はエヴォルへとぶつかって行き、怒涛の如く連撃を浴びせるが、エヴォルは硬い体でどっしりと構え、幾度の連撃を受けてなおまるでビクともしない。

それならばと一度距離を取るようにフィールド後方まで下がり始めると、すぐに引き返し、さらに速度を上げてトップスピードで、エヴォルへと特攻する様に突っ込み、音速の速度で迫るソニックワスプの姿はまさに砲弾、対してエヴォルは地面を強く踏みしめ、口を大きく開くと、真っ直ぐ突っ込むソニックワスプに対し、渾身の力を込めて破壊光線を放つ。

光線は突っ込むソニックワスプを一瞬にして飲み込み、その威力はとても耐えきれる物ではなく、光の中で消滅し、大爆発を起こす。

 

「ワイルドライドの効果でエヴォルグランドはバトルに勝ったことで回復、つまり」

「はい、僕の勝ちです!」

 

ヴァンにもう打つ手はなかった。歯を喰い縛り、怒りを込めながらエヴォルを睨む。

 

「何故だ、何故だエヴォル!! 何で俺じゃ駄目なんだよッ!!! 俺は、俺にはテメェの力が必要なんだよ!!! なのに何故、テメェは俺を受け入れちゃくれねぇんだよッ!!!」」

『言った筈だ、力に拘るお主のやり方は目に余る。力だけが全てじゃない、本当の強さ学んで欲しかった』

「また説教のつもりか! カードバトラーが力を求めて何が悪い!! テメェが選んだそいつも結局はお前の力頼りだろうがッ!!」

『儂の力はあの子が前に進むきっかけにすぎない。あの子は、本当はお前よりも強い子だ』

「あぁ?」

『儂を信じ、儂もあの子も信じて強くなろうと思う。そう思わせてくれた。今回戦ってみて分かった。儂は、儂はあの子をパートナーとして選ぶ!』

「ぼ、僕を!?」

「て、テメェ! 完全に俺と手を切るって言うのかよ!!」

『そうじゃな。別にお主の事が嫌いな訳ではない。けどすまない、儂はもう、自分が気に入るパートナーを見つけたんじゃ』

「ふざけんなぁッ!! テメェの力は俺の物だ!! 絶対に認めねぇぞぉッ!!!」

 

我を忘れた様に怒りのまま叫ぶヴァンに対し、エヴォルは静かに星七に視線を送り、その意図に察しているのか星七も静かに頷く。

 

「これで決めます! エヴォルグランドでアタック!!」

「ッ!!!」

 

尻尾を地面に叩きつけ、反動で飛び上がるとそのまま全体重を込めてのボディプレス。ミシミシと嫌な音を立てながらバリアに亀裂が走る。

 

「がぁッ!! 何でだよッ!! どうして俺じゃ、駄目だったんだよ!! エヴォルッ!!!」

『……もし、儂とお前が互いを信じ合えていたなら結果は変わっていただろうな』

「ざけるな!! 信じるとか、んな臭ぇ台詞吐くなんて……御免だ!!」

『では聞くが何故力に拘る? 初めて会った頃、お主が求めていたのは決してそれだけじゃなかったはずだ!』

「うるせぇ! うるせぇッ!!!」

『力を求めて何をしたいか、思い出してくれ』

「黙れぇぇッ!! 俺は、絶対、諦めねぇぞおおおおおおおッ!!!」

 

痛みに耐えながらもなおも強く叫ぶ。だがその叫びも虚しく、バリアは砕けバトルに決着となる。

 

 

***

 

 

「星七ッ!! やったじゃん!!! すげーバトルだったぜ!」

「烈我さん、ありがとうございます」

 

バトルが終わり、星七の元へ駆け寄る烈我達。照れ臭そうにしながらも星七にとってもこの勝利はとても誇らしかった。だがもう一つ、結果よりも気になっていることが一つあった。

 

「樹龍様、さっきのバトルで言ってくれた事、本当ですか?」

『パトーナーって言った事か。あぁそうじゃな、儂はのんびり屋だが、努力して少しずつ強くなろうとするお主と、過ごしてる内に気に入ってしまった。だからどうだろうか?』

 

星七の手の上に乗り、そして目を見ながら静かに問いかけるエヴォルに対し、戸惑いながら。

 

「僕でいいんですか?」

『そうだな、お主がもし邪な考えに走ったら儂は遠慮なく切る。それでも、いいなら、な』

「はい! よろしくお願いします!!」

『それと儂の事は樹龍様じゃなく、エヴォルと呼ぶ事。畏まった呼び名はもう無し。それでいいな?』

「はい!!」

 

『まさかお前が、パートナーを選ぶとはな』

『バジュラか、まっ、これまでずっとのんびりして来たんじゃ。そろそろ変化があってもいいだろて』

『ハッ、そうだな。むしろはテメェは変化が遅すぎんだよ。爺さん』

『生まれた時はお主等と同じじゃ』

 

『ようやく「怠惰」も参戦か。まっ、誰が誰を選ぼうがどの道最強は俺様だがな』

『いいえ、最強は私と光黄様だけですね』

『へぇー、俺様とやる気か?』

『相手になるならいつでも?』

『ははっはは、ライトもキラーも相変わらずか。お主等といつか戦うと思うと、少し儂も楽しみになってきたのぅ』

『テメェまで宣戦布告かよ、いいぜ、いつでも相手になってやる』

『まっ、いつかな。それより』

 

エヴォルの視線の先にはヴァンの姿があり、バトルの影響か気を失っているように倒れている。

 

「烈我さん、あの人」

「……」

 

罪狩猟団の帝騎、自分たちを狙う組織の幹部で自分たちの敵には違いない。しかしそれでも烈我にとっては敵だとしても意識なく倒れ伏す彼をこのまま放っておく訳にはいかなかった。

 

「烈我、そいつを助けるつもりか」

「……あぁ」

「いいのか? そいつは」

「別に恨みがある相手でもないし、それに光黄だって結局は俺と同じ事するだろ?」

「それは……!」

笑顔を向ける烈我に対し、返す言葉がなかった。溜息をつく彼女に対し、烈我は「悪い」と一言返しながらそのままヴァンに歩み寄る。

 

「あいつはホントにお人良しすぎる」

「まぁまぁ。あれが烈我の良いとこなんだって」

 

「それに」と付け足しながらミナトは。

 

「烈我のあぁいう所に、光黄ちゃんだって好きになったんだろ?」

「なっ!? お前!」

「まっ、ただの勘だけどね」

 

小声での一言に思わず光黄の顔が赤く染まる。否定しようと口を開こうとするが、瞬間、何かの気配を感じ二人の顔色が変わる。

そして次の瞬間、まるで忍びの如く真上から飛び降り、現れる一人の人物。

 

「誰だ、お前!?」

「…………」

 

桃色の髪の女性の姿、烈我も警戒するように構え、咄嗟にバジュラ達も駆け寄るが、その女性は烈我やバジュラ達の姿をまるで気にする事無く隣に倒れているヴァンに視線を向ける。

 

「おい! 質問に答えろよ!! 誰なんだよお前!」

「……アタシが誰か答えた所で、得でもあるの?」

「はぁ!? 何言って!?」

「得も何もなければ話す事は無いね。アタシが用があるのはこいつだけさ」

 

倒れているヴァンに肩を貸して立ち上がると、そのまま彼を運ぼうとするが当然黙って見過ごせない。

 

「待てよ! そいつをどうするつもりだ!!」

「どうするつもりって、アンタ等こそ、ウチの顧客をどうするつもり?」

「顧客?」

「そ、ヴァンはアタシの大事なお客さん。だから失う訳には行かないって事」

「お客さんって、罪狩猟団の仲間じゃないのか?」

「さぁね。アタシが扱うのはカードと情報。ウチの店に来るならある程度の事は話してあげてもいいよ。それも縁があれば、だけどね」

 

そのままヴァンを担いだまま走り去って行き、追いかけようとするが二人の姿は森の中へと消えてゆき、完全に見失ってしまう。

 

「何だったんだ? 今のは」

『分かりません。ですが……とても美しい方でしたね』

『そればっかりじゃねぇか、この色欲魔』

 

バジュラとライトの口論だが今はそれに構ってる時ではない。突然事の連続で整理が追い付かず今は唯その場を立ち尽くすだけだった。

 

「烈我!」

「!」

 

そんな呆然とする烈我の肩を叩き、光黄の言葉に目が覚めたように落ち着きを取り戻す。

 

「ごめん、何が何だか訳が分からなくて」

「今は戻ろう。これ以上は考えても仕方ない」

「……そうだな」

 

彼女の言葉通り今はどうする事もできない。そのまま全員その場を後にして行くが、光黄にとっても先程女性が言っていた言葉が気になっている様子だった。

 

「(情報……思えば俺達はまだ何も知らない、七罪竜についても奴らの組織についても、知ってることは全部ヘルさんからの情報でしかない)」

 

今までヘルから聞いている情報についてはまだ正確でない部分も多く、ヘル本人もそれ程事情に詳しい訳ではない。だからこそ、より詳しい情報が必要だと考えるのは必然。

 

「(何が起こるか分からないか。嫌な予感がする)」

 

分からない何か、その何かが起きた時はもう取り返しがつかない。そんな予感が彼女の頭から離れなかった。




樹進超龍エヴォルグランド、コスト8(3)、緑。
系統:樹魔、罪竜
Lv.1(1)BP9000、Lv.2(2)BP10000、Lv.3(4)BP15000。
Lv.1、Lv.2、Lv.3【進化(エヴォリューション)
このスピリットが相手の効果の対象になる場合、その効果適用前に次の効果を使用する。
・このスピリットを、スピリットではなくアルティメットとして扱う。
・このスピリットのBPを+10000する。
・このスピリットのコストを20にする。
Lv.2、Lv.3『自分のメインステップ開始時』
系統を一つ指定し、このターンの間、このスピリットに指定した系統を追加する。


以上がエヴォルの効果です。エヴォリューションは断じてデジモンのパクリじゃないです。断じてパクリじゃないです!(大事な事なので二回目w


四体目の七罪竜とそしてついに今回で帝騎メンバーが全員集合。一人まだ名前未公開の者がいますが、まぁそのうち公開されるでしょう←適当
新しくエヴォルに選ばれた新キャラの星七ですが、あまり目立ってないような気がするので今後どこかでまたスポットライト当てていきたい。

もう一人、最後に出た新キャラにも!
今後が物語がどのように動いていくのか、またご期待いただければ幸いです。


これからもよろしくお願いします!

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