バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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第12話【龍獣激突! 魔界幻龍降臨】

1回戦を終え、その後の試合も順調に烈我達を始め、光黄やミナト達も勝ち進めていた。

 

『決まったぁーーッ! 烈我&ドレイクチーム、これで準決勝進出だぁッ!!』

「やったな! ドレイク!!」

 

ハイタッチしようと手を掲げながらドレイクを見るが、当の本人はそっぽを向けて、先にステージから降りて行く。

 

「相変わらず取り付くシマもねぇ」

 

観客席に戻り溜息を零す中、そんな烈我に「お疲れ」と声を掛けるミナトや星七。

 

「よぉー、お前等も準決勝進出したんだって?」

「ミナト達もだろ?」

「まぁな。ついでに光黄ちゃん達のチームもな」

 

「って事は、次の準決勝で確実に僕等の中で誰かが戦う事ってなりますね」

 

ミナトと星七チーム、烈我とドレイクチーム、光黄とマチアチーム。次の準決勝は何れかの二チームが確実に戦う事になる。

 

「烈我、悪いが俺だってこれでもカードバトラーの端くれだ。キラーにも期待されちまってるし、負ける気はねぇ。勿論光黄ちゃんにもな」

「何言ってんだか、そんなのここに居る全員同じだろ? 今更手加減とか言われなくても分かってる。なっ、星七?」

「はい、それに僕、前に烈我に負けてるし、今回はリベンジのつもりでいるよ」

「望むところだ! まっ、次で当たるかどうかは分からねぇけど」

「おいおい、フラグっぽいぜ」

 

烈我にツッコミを入れつつ、ステージ上で動きがあり、どうやら次の対戦カードが発表される様子だった。

 

『さぁ次の準決勝! 対戦カードを発表するぞ!!!』

 

モニターに映るのスロットの様な画面。回転が止まり、対戦カードが決定される。

 

『準決勝第一試合! ミナト&星七チームVS烈我&ドレイクチームだぁッ!!!』

「おぉー、フラグ回収お疲れ様」

 

発表される対戦カードにミナトは揶揄うように呟くが、烈我はミナトとはまた別の意味で、期待するような意味を込めて烈我もまた笑って見せた。

 

「上等! お前等が相手なら申し分ねぇ!! 全力でバトルして、勝つだけだ」

「僕等も烈我と戦えるのは嬉しいです!」

 

星七もまた嬉しそうに笑みを浮かべるが、少しだけ気掛かりがあるように「でも」と俯いて言い辛そうに。

 

「タッグの方は、大丈夫なんですか?」

「そうだぜ。さっきはあぁ言ったが、タッグバトルっていう大会で一番不安要素があるのは間違いなくお前等のチームなんだからな。そもそも彼奴の目的は何だ?」

 

心配する二人に、何と返せばいいか迷う様に頭を掻く素振りを取りながらも、一息つき。

 

「お前等の心配は分かる。目的も確かに知らねぇ、そもそも俺に話してくれる訳ないし」

「そもそもドレイクからすりゃ俺達は敵って訳だからな、俺達も警戒しなきゃならねぇは確かだろ」

「……」

 

忠告するようなミナト、当然と言えば当然の言葉だが。

 

「でも何だかんだ言ってもここまで勝ち進められた訳だし、それにドレイクも俺も勝ちたいって気持ちは同じだからな」

「ハハ、ほんとにお前は相変わらずのバトル馬鹿だな」

 

烈我に対し、呆れながらも揶揄う様な笑みを浮かべて、そんなミナトに「あぁ!?」と怒り気味に返事を返す。

 

「馬鹿は余計なんだよ!!」

「今更だろ? まっ、けどお前がそんな調子なら少し安心したかな」

「えっ?」

「だってお前がその調子なら、断然遠慮は無用だろ?」

「当たり前だ! 手加減はいらないって言ってんだろ!」

「だな」

 

バトル準備の為、一旦その場を離れる烈我達。そして暫くして準備を整え、バトルする面々はそれぞれステージへと上がって行く。

 

『さぁ準決勝第一試合、別ステージで第二試合を行うぞ!! こちらのステージでは烈我&ドレイクチームvsミナト&星七チームでのバトルを行ってもらう!!』

 

ステージに立つ4名のカードバトラー、それぞれデッキを構えて間もなく始まるバトルに備える。

 

『それでは各々! コールの程をお願いします!!』

「「「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」」」

 

 

***

 

 

コールと共にバトルフィールドへと転送される烈我達。試合はミナトからのスタートで試合は幕を開けた。

 

第1ターン、ミナトはネクサス、「海底国の秘宝」を配置したのみでターンエンド。

第2ターン、ドレイクもネクサス、「恐竜同盟本拠地」をLv.2で配置してターンを終了。

第3ターン、星七はダンデラビットを召喚しコアブースト。Lv.2にアップさせてアタックはせずに終了。

第4ターン、烈我はさまよう甲冑を召喚し1枚ドロー。同じくアタックはせずにターンは終了し、ここまでお互いに動きはない。

 

 

────第5ターン、ミナトside。

 

[Reserve]4個。

[Hand]5枚。

[Field]ダンデラビットLv.2(3)BP3000、海底国の秘宝Lv.1(0)。

 

「さて、そろそろ仕掛けるか! メインステップ!! 海魔神、召喚だ!」

 

海底より水飛沫を上げながら飛び出す魔神の姿────海魔神。

 

「海魔神召喚時の効果、手札にある「異合」と「殻人」を持つスピリットをノーコスト召喚可能、「殻人」を持つカードは生憎ねぇが、此奴は召喚できるぜ!」

 

海魔神が水面に向かって手を翳すと、何かを呼び出す様に逆巻く激流。

 

「異合を持つカード! 激流の海で敵を流し、刺し貫く水の槍と化せ! 三叉神海獣トリアイナをLv.2で召喚!」

 

激流を引き裂き、飛び出すトリアイナ。フィールドに降り立ち、トリアイナは咆哮を上げて海面を大きく揺らす。

 

「さらにトリアイナの召喚時効果でさまよう甲冑破壊! その後、海魔神と合体だ!」

「!!」

 

トリアイナが巻き起こす激流がさまよう甲冑を飲み込み、フィールドから消失させるとそのまま海魔神は波動を撃ち込んで、トリアイナと己をリンクさせる。

 

「トリアイナでアタック!! アタック時効果でデッキ破棄、Lv.2の効果で破棄枚数をプラスして、合計10枚破棄できる! 破棄対象は……ドレイクだ!」

「ッ!!」

 

ターゲットをドレイクに向けると、デッキの上から10枚のカードが吹き飛ばされ、破棄された中にあるスピリットカードは計6枚。

 

「この瞬間トリアイナの効果だ! 破棄したスピリットカード3枚につき、1コアブースト! よって2コアをトリアイナに追加! さぁ、行けッ!」

 

激流を身に纏い突っ込む、だが自分のデッキが破棄された事に当然ドレイクも黙ったままでいる訳がない。

 

「……調子に乗るんじゃねぇ! 相手のBP8000以上のスピリットがアタックした時、このスピリットを召喚できる! 出てきな、ブラックウォーグレイモン!!」

 

呼び出したるは黒き炎を身に纏う龍、影の如くフィールドに現れ、トリアイナの行く手を阻むように両爪を構える。

 

「召喚時の効果! ダンデラビット、失せろ!」

 

構えた両爪を振るい斬撃波を起こすと、トリアイナを通り過ぎて後方に待機するダンデラビットへ放たれ、斬撃が身を切り刻み破壊する。

 

「海魔神と合体してるトリアイナのBPは今17000だぜ! それじゃあ止められねぇだろ!」

「……ライフで受けてやるよ」

 

ダンデラビットを破壊されたところで勢いは止まらない。そのまま槍の如く、激流を纏うトリアイナの一撃がバリアを貫くと、ライフを2つ破壊する。

 

「「ぐあああぁぁぁッ!!」」

 

 

────第6ターン、ドレイクside。

 

[Reserve]7個。

[Hand]4枚。

[Field]ブラックウォーグレイモンLv.1(1)BP7000、恐竜同盟本拠地Lv.2(1)。

 

「メインステップ、創界神スサノオを配置だ。神託効果で3枚破棄」

 

破棄されたカードは「大凶龍ギガノマガツカミ」、「恐龍武神ムラクモレックス」、「草薙ノ轟炎」。

 

「スサノオにコア3個追加、「草薙ノ轟炎」は手札に加えられる! さらに手札の恐竜銃ダイノロックガンをブラックウォーグレイモンに直接合体させるッ!」

 

地中を突き破り飛び出るダイノロックガン、恐竜銃を抱えてその銃口を星七やミナトに向けながらブラックウォーグレイモンは唸りを上げる。

 

「俺に吹っ掛けてきた事、後悔させてやるよ!! ブラックウォーグレイモンをLv.3にアップ、ブラックウォーグレイモン! アタックしろ!! アタック時効果で、トリアイナに指定アタック!」

「!!」

「ブラックウォーグレイモンは効果で回復!」

 

トリアイナに狙いを定めて一気に突っ込み、担いだダイノロックガンをトリアイナに向けて撃ち放ち、トリアイナは海面を叩きつけ、水飛沫を起こして水の壁が銃弾を防ぎ、それだけに留まらず水を激流と化して身に纏い反撃と言わんばかりにブラックウォーグレイモンへと特攻。

空いた片腕で攻撃を受け止めるが、流石に威力は大きいのか後退り始める。

 

「敵を砕け! 壊せ!! ぶっ潰せッ!!! 本能のままに蹂躙し尽くせッ!!!! 暴双恐竜スーパーディラノス、ブラックウォーグレイモンに煌臨ッ!」

 

ブラックウォーグレイモンの体を包み込む様に纏う業火の炎、灼熱の業火はトリアイナに纏う激流を蒸発させ、そして受け止めた手は強大な腕へと変わり始めたかと思うと、ブラックウォーグレイモンは完全にスーパーディラノスへとその姿を変える。

 

「来たか、キースピリット」

「スーパーディラノス、殺れ!」

 

無慈悲なまでの指示。トリアイナをそのまま掴み、まるで抄うかのように腕を振り上げてトリアイナを空中に跳ね上げる。

 

「ダイノロックガンのフラッシュ効果、ターンに一度トラッシュの「地竜」をスーパーディラノスの煌臨元として追加できる! 大凶龍ギガノマガツカミを追加だ!」

 

弾薬を装填するが如く煌臨元を追加し、照準を合わせ担いだダイノロックガンのトリガーを引き、轟音を轟かせながら放たれる一撃がトリアイナを貫き、大爆発を起こす。

 

「バトル終了時、スーパーディラノスの煌臨元一枚につき相手ライフをトラッシュに送る! 煌臨元は2枚、ライフ2つを破壊だッ!」

 

ミナト達へ突っ込み、恐龍銃に携えた刀身を振り下ろしての一刀。バリアを破壊しライフを砕いていく。

 

「「ぐあっ!!!」」

「まだだ、スーパーディラノスで再アタック!! さらにスサノオの効果! 創界神上のコア3個をボイドに送り、海魔神を破壊!」

 

後方で仁王立ちで立ち尽くすスサノオが、腕の構えを解き、そのまま手を海魔神に向けて振り下ろすと、天より降り注ぐ落雷。

海魔神を直撃し、雷撃に体は黒く焼き焦げ爆発四散する。

 

「メインのアタックだ! バトル終了時効果と合わせて、ライフを4つ貰うぞ!」

 

さらに追撃を掛ける様に恐竜銃をバリアに突き刺し、その状態のまま引き金を引くと超至近距離による攻撃にバリアは爆発。計4つものライフを破壊してしまう。

 

「うわああああっ!!」

「がぁっ!!!」

 

強すぎる衝撃に後方に突き飛ばされる星七とミナト。攻撃を終えターン終了を宣言するが、このターンで破壊したライフは全部で6つ。一気に追い詰めた事で勢い付いたのか、スーパーディラノスは天に向かって猛々しく吠え上がる。

 

「やっぱえげつねぇなお前」

「何だ、知り合いだから手加減しろとでもいう気か?」

「……嫌、勝つつもりに決まってる! それに、寧ろアイツ等相手に手加減なんかできる訳ねぇよ」

「フン、誰が相手だろうが関係ねぇよ。このまま俺一人で決めきってやる」

「おい、今はタッグバトルなんだから俺もいる事忘れんなよ!」

「お前の手助けなんざ不要だ!」

「お前まだそれ言う気か!!」

 

観戦席で懸念していたようにやはり未だ烈我とドレイクの相性は最悪のまま。タッグにも関わらずお互いに敵意を剥き出しながら睨み合う。

 

「やれやれ、アイツ等本当にこれがタッグバトルだってこと分かってんのかね?」

「……でもドレイクのスーパーディラノス、あれは脅威ですよ?」

「分かってる。けど手ならある。ドレイクの方は俺が何とかする、だから烈我の方はお前に任せるぜ?」

「はい!」

 

 

────第7ターン、星七side。

 

[Reserve]16個。

[Hand]5枚。

[Field]海底国の秘宝Lv.1(0)。

 

「僕のターン! バーストセットし、さらに五線獣バッファロースコアを召喚!」

 

水辺となった大地を駆け抜けながら現れるバッファロースコア。このスピリットは召喚時効果で相手スピリット一体をデッキの下に戻せる効果を持っているが。

 

「恐竜同盟本拠地の効果、俺の地竜が疲労状態なら相手のスピリット、ブレイヴの効果は一切受けねぇ」

「分かってます。だからもう一体! 女神より生み出されし蒼白の獣! 美麗なるその姿をいざ現せッ! 神聖天獣ガーヤトリーフォックス、Lv.3で召喚!」

 

呼び出すは星七のキースピリット、後方から歩み寄り姿を見せ、天から指す日差しに身を輝かせる獣、ガーヤトリーフォックス。

 

「アタックステップ! ガーヤトリーフォックスとバッファロースコアで連続アタック!!」

「ライフだ!」

 

身を守るブロッカーはいない。当然受けるしかなく烈我の宣言と同時にバリアが展開され、二体のスピリットはバリアに激突し、ライフを砕いていく。

 

「「ッ!!」」

「ターン終了」

 

 

────第8ターン、烈我side。

 

[Reserve]7個。

[Hand]6枚。

[Field]恐竜銃ダイノロックガン×暴双恐龍スーパーディラノスLv.2(3)BP25000、恐竜同盟本拠地Lv.1(0)、創界神スサノオLv.1(0)。

 

「行くぜ! バーストセットし、ソウルホース、ジークヴルムレガリアを召喚! レガリアの召喚時効果発揮、コア1個の相手スピリットを全て破壊するぜ!」

 

バフォロースコアを睨みつける様に眼光を輝かせると、バッファロースコアを紫炎が焼き尽くし、破壊する。

 

「破壊したスピリット1体につき1枚ドロー!」

「その召喚時効果発揮後でバースト貰います!」

「!」

「風翼刀ドウジキリ! コスト合計12になるまで相手スピリットを疲労させられる!!」

 

天より降り落ちる一本の刀、円を描くように回るたびに強風を巻き起こし、吹き荒れる風にソウルホースとレガリアの2体は項垂れる。

 

「これでアタックもブロックもできませんね!」

「ぐっ! やってくれんじゃねぇか!!」

 

星七の言葉通り今居る場のスピリットだけでは打つ手がない、歯噛みしながらもそのターンを終える。

 

 

────第9ターン、ミナトside。

 

[Reserve]11個。

[Hand]4枚。

[Field]ガーヤトリーフォックスLv.3(5)BP13000、風翼刀ドウジキリLv.1(1)BP4000、海底国の秘宝Lv.1(0)。

 

「そろそろ、俺の見せ場と行くか! このキースピリットでな!」

「!」

 

構える一枚は宣言通り、ミナトのキースピリットであるカード。

 

「三つ首の獣、本能のままに叫び! 敵を威圧する咆哮を! 勝利への雄叫びを上げろッ!! 戌の十二神皇グリードッグ、召喚ッ!」

 

フィールドの中央より出現する煉獄の門、青き炎を灯しながら門が開き、影の中には鎖に繋がれた三つ首の獣。開いた門の外の景色に獣はより大きく咆哮を轟かせ、鎖を引き千切りって煉獄の門を飛び出し、グリードッグはフィールドへ駆け抜けていく。

 

『出た出た出たッ!! ミナト選手のキースピリット、グリードッグのお出ましッ!!! フィールドに君臨する暴双恐龍、神聖天獣、そして十二神皇!! 絶対王者級のスピリットが出揃い、益々苛烈な予感だぁーーッ!!!』

「随分盛り上げてくれるな。だったらご期待通り、目に物見せてやるか!! ドウジキリをグリードッグに合体させる!」

 

前足で地面に刺さるドウジキリを空中に蹴り上げ、そのまま飛び上がってドウジキリを咥え、地面に降り立って唸りを上げる。

 

「アタックステップ、合体スピリットでアタック! グリードッグのアタック時効果で【封印】、ソウルコアを俺のライフに!」

 

ソウルコアの赤い輝きがライフへと灯るが、グリードッグの効果はそれに留まらない。

 

「封印時の効果【強奪】! お前等のどちらかの手札を確認し、マジックカードがあれば使う事ができる! さて、俺が選ぶのは!」

 

ドレイクと烈我を一瞥しながらも、最初から狙いを決めていたようにドレイクの方に視線を向け、グリードッグもまたドレイクを睨む。

 

「俺が今欲しいのは、お前が抱えてるマジックだ! だからそれ、寄越してもらうぜ!!」

「!!」

「グリードッグの【強奪】! ドレイク、お前の手札を見せてもらおうか!」

 

オープンされるドレイクのカード、手札の内一枚はソウルドロー、そしてもう一枚はスサノオの神託によって手札に咥えられた草薙ノ轟炎。

 

「テメェ!!」

「「草薙ノ轟炎」を奪って、その効果を俺が使用させてもらう! グリードッグ!!」

 

ドウジキリを一度空中に放り投げ、代わりにオープンされたマジックカードを咥えて奪い取ると、奪ったそのカードを粉々に噛み砕く。

 

「草薙ノ轟炎の効果! BP30000以下の相手スピリットを破壊できる! スーパーディラノスを破壊だッ!!」

 

三つ首共大きく口を開きそれぞれに炎を込めると、三つ首から放つ轟炎の炎がスパーディラノスへと放たれ、両手で炎を受けるが、あまりに強大で高温の炎は受けきれず、炎に焼き尽くされて破壊される。

 

「!!!」

「グリードッグのLv.3効果、アタックステップ中に相手の手札が減ったとき、ターンに3回まで回復。それとまだこんなもんで終わらないぜ! さらにフラッシュでスプラッシュザッパー! 残りのスピリットもまとめて一掃だ!」

 

次に発動されるマジック、スプラッシュザッパー。爆風から飛び出るダイノロックガンだが、マジックにより水の斬撃波が雨のように降り注ぎ、ダイノロックガンと後方にいる烈我のスピリットであるソウルホースとジークヴルムレガリアをまとめて切り裂き、破壊する。

 

「メインのアタックはどうする!」

「……ライフだ!」

 

宙に放り投げたドウジキリを再び咥えてキャッチすると、そのまま咥えたドウジキリを振り下ろしてバリアを両断して破壊する。

 

「ぐっ! ライフ減少時でバースト発動!」

 

発動されたバーストは絶甲氷盾。失ったライフの1つに再び光が灯り、さらにその後コストを支払い、氷の盾が行く手を阻む。

 

「へっ! 回復しようがアタックステップ終了させれば再アタックはないだろ!」

「流石にお前には対策もされてるか。いいだろう、ターンエンドだ」

 

 

────第10ターン、ドレイクside。

 

[Reserve]15個。

[Hand]2枚。

[Filed]恐竜同盟本拠地Lv.1(0)、創界神スサノオLv.1。

 

「俺のターン! マジック、ソウルドロー!! ソウルコアを使って3枚ドローする!」

「ハッ、当然そう来るよな!」

「黙ってろッ!!」

 

キースピリットであるスーパーディラノスを失い、さらにソウルドローも手札に持っていた事はミナト達にも把握されている。それ以外に手はないとはいえ、相手の読まれた通りに動く事はドレイクにとって腹正しい事この上ない。

 

「さらにステゴラールをLv.2で召喚! アタックステップだ!」

「おい、ドレイク! いいから落ち着けって!」

「煩ぇッ! ステゴラール、アタックしろ!! 効果でデッキから1枚ドロー、このスピリットにBP+3000!」

 

烈我の忠告も無視し、声を荒げて呼び出したステゴラールをそのまま突撃させるが、それは完全にミナト達の思う壺。

 

「フラッシュ! 仁王壁を使用!」

「なっ!!?」

「ガーヤトリーフォックスを指定し、このターンの間、指定された緑のスピリットは疲労状態でブロックできる! ガーヤトリーフォックスでそのままブロック!」

 

頭に血が上ったせいで警戒できていなかったのか怒りに任せたままの指示、そんな隙を星七が見逃す訳がない。予想外の手にドレイクの顔色も変わる。

 

ガーヤトリーフォックスはステゴラールを睨み付けて眼光を輝かせると、念動力によってステゴラールを宙に持ち上げ、そのまま真っ逆様に地面へと叩き落し、地面に叩きつけられて破壊される。

 

「だから言ったろ、アイツ等は今まで奴等と違うんだって!!」

「うるせぇ、うるせぇッ!!!」

「ドレイク!!」

「黙ってろつってんだろうがッ!!!」

 

呼び掛ける烈我の言葉も完全に切り捨てる様な怒声。苛立ちの感情を込めるように強く睨む。

 

「言った筈だ、俺とお前は敵同士なんだよ! 今までも、これからもな!!」

「お前……ッ!!」

 

タッグの相性も、今の状況は全て絶望的。今は敵として戦っているとはいえ、烈我達の様子にミナトも星七も心配そうに顔を見合わせる。

 

「……烈我」

「星七、分かってんな? あくまでこれはバトル。情けは無用だ」

「分かってます。バトルである以上、手加減する訳にはいかない!」

 

 

 

 

────第11ターン、星七side。

 

[Reserve]6個。

[Hand]2枚。

[Field]風翼刀ドウジキリ×戌の十二神皇グリードッグLv.3(4)BP25000、神聖天獣ガーヤトリーフォックスLv.3(5)BP13000、海底国の秘宝Lv.1(0)。

 

「メインステップはこのままでアタックステップ! ガーヤトリーフォックスでアタック!」

「おまけだ! ドウジキリのフラッシュ効果! グリードッグから、ガーヤトリーフォックスに合体チェンジさせる!」

 

グリードッグはドウジキリをガーヤトリーフォックスへ放り投げ、ガーヤトリーフォックスがそれを咥え、合体スピリットとなって力を上昇させる。

 

「メインアタック! ガーヤトリーフォックスのシンボルは今ダブルシンボル!」

「「ライフで受ける!!」」

 

ドウジキリの刃をバリアに突き立て、ライフを破壊。

 

「うああああああッ!!!」

「ぐっ! っぅぅぅぅッ!!」

 

「これで僕のターン、エンド」

『烈我&ドレイクチーム残りライフ1つ。いよいよ追い込まれたーーッ!!』

 

残る烈我達のライフは1つ。完全に形勢逆転され、誰が見ても絶体絶命の状況。続く烈我のターン、どうにか状況変えたい所。

 

 

────第12ターン、烈我side。

 

[Reserve]10個。

[Hand]5枚。

[Field]恐竜同盟本拠地Lv.2(1)、創界神スサノオLv.1

 

「(今の俺ができる事……!)」

 

場と手札を見合わせながら状況を見る。残るライフ1つ、追い込まれた状況で迂闊な行動は敗北必須。

 

「俺のターン! マジック、シャドウエリクサー! リザーブのコア1つを俺のライフに追加する」

「ふーん、ソウルコアの使用はいいのか?」

「あぁ、最後にバーストセットしてターン終了するぜ」

 

 

「ドレイク達、ここまでかもしれないね」

 

観戦室でバトルの状況を観戦しているマチアと光黄、準決勝は同時進行で行われていたが二人は既に準決勝を勝ち抜いて決勝への進出が決定している。高みの見物を決め込みながら、モニターを眺め、先の状況を見据えたように呟くマチア。

 

「まだバトルは終わってないだろ?」

「けど、どう見ても劣勢だよ? 残念だけどどうやら、アンタのお気に入りも勝ち残れそうにないね」

「……何が起こるか最後まで分からないのがバトスピだ」

「へぇー、言うじゃん。よっぽどあいつに期待してるみたいだね」

「そんなんじゃない。ただ、一つ言えるのは」

 

モニターに映る烈我の表情に、何かを確信するように彼女は口を開くと。

 

「あいつは勝負を絶対に諦めない。それだけは確かだ」

 

光黄の言葉を興味深そうに耳を傾けながら、引き続き二人はバトルの行方を見守る。

 

 

 

 

────第13ターン、ミナトside。

 

[Reserve]8個。

[Hand]3枚。

[Field]戌の十二神皇グリードッグLv.3(4)BP21000、風翼刀ドウジキリ×ガーヤトリーフォックスLv.3(5)BP17000、海底国の秘宝Lv.2(1)。

 

「ホオジロタイガー、Lv.2で来い!」

 

フィールドに広がる海面と、海面に突き出す鮫の背鰭、そして次の瞬間、弾丸のような勢いで海面を飛び出しホオジロタイガーが姿を現す。

 

「さらに派手に散らせ! 豪快に暴れ狂えッ! 召喚、轟魔神ッ!!」

 

海面から飛び出るはホオジロタイガーだけではない、さらに海面を飛び出し、水飛沫を浴びながら出現する轟魔神。

 

「轟魔神、グリードッグとホオジロタイガーに合体しろ!!」

 

両腕を翳してホオジロタイガーとグリードッグに波動を撃ち込んでリンク。二体と合体した事で轟魔神の体は実体化する。

 

「アタックステップ! グリードッグでアタック!! アタック時効果で【強奪】、また手札を取らせてもらう! 今度は烈我、お前だッ!」

「!!」

 

グリードッグが咆哮を上げた途端、烈我の手札が強制的にオープンされ、オープンされた3枚は「白晶防壁」、「デルタバリア(Rv)」、「滅神星龍ダークヴルムノヴァ(Rv)」。

 

「ソウルコアを温存してるから何かあると思ってたが案の定だったな!」

「やっぱ読まれてたか! けど、俺の手はそれだけじゃねぇ!!」

「それは仕方ねぇ。けど一枚は確実に貰う! 白晶防壁を破棄!!」

 

奪い取ったカードを噛み砕き、手札が減った事でグリードッグは再び回復する。

 

「轟魔神の追撃効果も発揮だ! 左右に合体しているスピリットが「異合」か「剣獣」なら相手手札のスピリットカードを破棄できる!! ダークヴルムノヴァも破棄する!」

 

オープンされたダークヴルムノヴァのカードを目掛けて、轟魔神は光弾を撃ち込むと、カードは弾き飛ばされ、そのまま破棄される。

 

「フラッシュ! デルタバリアだ! このターン、コスト4以上のスピリット、アルティメットのアタックじゃ俺達のライフは0にならない!」

 

グリードッグはバリアへと喰らい付き牙を突き立てて破壊するが、ライフはまだ全て破壊されてはおらず、未だライフは1つ残る。

 

「ライフ減少時でバースト発動! 妖華吸血爪!! デッキから2枚ドローし、さらにフラッシュ効果! 手札からミストヴルムを破棄して、グリードッグのコア1個をトラッシュに送る!」

「!」

 

コアを取り除かれた事でグリードッグは項垂れ力を減少させられしまい、攻撃事態は可能だがデルタバリアが発動している以上、ミナトのスピリットでは決める事はできない。

 

「(グリードッグはLv.3じゃなきゃ手札を破棄しても回復できない。ライフも削れねぇし、これ以上の攻撃は無駄か)」

 

そのままターンエンドを宣言し、続くドレイクのターン。

 

 

────第14ターン、ドレイクside。

 

[Reserve]16個。

[Hand]5枚。

[Field]恐竜同盟本拠地Lv.2(1)、創界神スサノオLv.1。

 

「なぁ、ドレイク」

「あぁ?」

 

ターンをプレイする前に声を掛ける烈我、苛立ち混じりに返事を返しながらも、烈我は表情を変えず。

 

「お前、さっき言ったよな? 俺とお前は敵同士だって」

「……それが今更どうした?」

「それ、ミナト達にも言われた。敵同士だから当然警戒するのは当たり前だって」

「テメェは何が言いたい?」

「俺が言いたい事は一つだけだよ。だから言わしてもらうぞ」

 

大きく息を吸い込み、腹に力を込めて。

 

「関係ねぇんだよッ!!! 俺とお前が敵同士だとか、警戒しろだとか!!!」

 

怒鳴る様な一喝、その声はフィールド中に響き渡り、ミナトや星七達も思わず耳を塞ぐ程の声量。

 

「か、関係ねぇだと!?」

「あぁそうさ。俺達がやってんのはバトスピで、今はタッグバトルなんだよ! 他の事情なんか関係ねぇ!! だったらカードバトラーが考える事は勝つだけ、それ以外の考えなんか捨てちまえ!」

「何を馬鹿なッ!! 俺は!」

「だったらここで負ける気かよ!」

「!!」

「俺は嫌だぜ。確かにお前にムカつく事はあるけど、んな事ばっか考えてたらこのバトルは絶対勝てねぇ。だったら勝つ為にどうするかだろ!」

「……テメェ」

 

ドレイクにとって烈我は敵、それは事実でありこれからも変わらない、だがそれを関係ないと切り捨てる烈我の言葉に、ドレイクは静かに拳を握り締める。

 

「勝つ為にどうするかだと、偉そうに指図するんじゃねぇよ!」

「ドレイク!!」

「お前に言われなくても分かってんだよ!」

「!」

「負けてらんねぇだよ。俺は、こんな所で立ち止まってられねぇ。先へ進むためにも勝ち続けるしかねぇんだよ!」

 

自身の想いを込めて叫ぶが、あまりに感情的になってしまっていたのか、失言だったように口を塞ぐ素振りを見せるが、そんなドレイクの様子に烈我は静かに笑う。

 

「どんな事情があるかは知らねぇけど、今は気にしねぇ。とにかく勝つって事だけだ!」

「……お前」

「今はお前のターンだ、やりたい様にやれよ。それが勝つ為の最善の手だって信じるからな!」

「……」

 

暫く黙り込んだままだが、先程まで力強く握り締めていた手を解き、憤怒に満ちた表情は今はなかった。

 

「黙って見てろ! メインステップ。噴火恐竜ステゴイラプトをLv.2で召喚!」

 

大地を突き破って飛び出すステゴイラプト、グリードッグ達に向けて咆哮する。

 

「スサノオにコア1個をマジック、ダイノパワー! ステゴイラプトをこのターン、BP+3000! さらにマジックでリバイヴドロー! 効果で手札のスーパーディラノスを手札に戻す!」

「!」

 

トラッシュへ舞い戻るキースピリット、スーパーディラノスのカードを再び手に取ると、アタックステップの開始を宣言する。

 

「ステゴイラプト、グリードッグに指定アタックしろッ!」

 

牙を剥き出しにグリードッグへと向かって行くが、グリードッグもまた雄叫びを上げながらステゴイラプトを迎え撃つように構える。

 

「グリードッグの【強奪】はブロック時でも発揮される! ドレイク、もう一度お前の手札をもらうぜ!」

 

ドレイクの手札にあるのは回収したスーパーディラノスの他に、ソウルドローと恐竜同盟鎧角のドレッドロサウルスの2枚。

 

「ソウルドロー、下手にドローして余計なマジックが加わるのを止めたか。けど失策だぜ? グリードッグ、ソウルドローを奪え!」

 

オープンされたカードに飛び掛かり、ソウルドローを奪い取って即座に噛み砕く。

 

「俺のやる事は変わらねぇよ! ステゴイラプトをスーパーディラノスに煌臨!!」

 

紅蓮の炎がステゴイラプトの体を変化させスーパーディラノスへと生まれ変わり、そのままグリードッグへとぶち当たり、グリードッグも抑え込む様にスーパーディラノスと組み合う。

現在のグリードッグのBPは轟魔神とソウルドローの効果を合わせ、22000。対するスーパーディラノスはダイノパワーの効果を合わせてBP23000。わずかばかりグリードッグを上回り、そのまま押し込んで行く。

 

「打つ手なら僕にだってある! フラッシュ! ワイルドライド! グリードッグのBP+3000、これで合計25000!!」

 

グリードッグに集う緑の光が力を上昇させ、今度はグリードッグがスーパーディラノスを押し返していき、突き飛ばす。

 

「!」

「これで終わりだな!」

 

「まだだ!! フラッシュ!!」

 

ドレイクに対し、勝ちを確信するミナトだがそれに割り込む様に手札を構えて叫ぶ烈我。

だがグリードッグは構う事無くそれぞれの口にエネルギーを収束させてそのまま光線をスーパーディラノスへ撃ち放ち、攻撃に怒る爆発が起こり、獲物を仕留めた事を確信するように爆風を見据えるが、暫くして爆風の中に蠢く影。

 

「(倒してきれなかった!? 嫌、こいつは……!)」

 

爆風が晴れて視界に映ったのは、倒れたスーパーディラノスではなく攻撃を受け止めていた様に片手を翳すダークヴルムノヴァの姿だった。

 

「!?」

「俺が使ったフラッシュは式神オブザデッド! 効果でさっきお前にトラッシュに送られたダークヴルムノヴァを再召喚させてもらったぜ!」

「ブレイヴがいる事で召喚コストも問題無しって訳か!」

「あぁ、ネクサスだけレベルダウンさせてもらったけどな! ダークヴルムノヴァ、効果発揮だぁッ!!」

 

自身に纏う紫のオーラを周囲へ解き放つと、そのオーラに触れた瞬間、轟魔神の体とドウジキリの刀身に亀裂が走って行く。

 

「ダークヴルムノヴァは相手のブレイヴを強制分離させて破壊する! それが例え、異魔神ブレイヴだろうがな!」

 

亀裂が全身に広がると、そのまま轟魔神とドウジキリはその場から消滅。

 

「(不味い! ブレイヴを失ったグリードッグのBPは!!)」

「今だぜ! ドレイク!!」

 

合図を送るようにそのままダークヴルムノヴァはその場から飛び上がると、その背後に位置していたスーパーディラノスはダークヴルムノヴァが退くと同時に飛び出し、グリードッグに掴み掛かって行く。

 

「スーパーディラノス! 決めろぉぉぉッ!!!」

 

掴まれてなおグリードッグは咄嗟に光線を放つが、それを上から掻き消す様にスーパーディラノスが放つ轟炎。灼熱の炎は光線を打ち破り、そのままグリードッグを焼き尽くす。

 

「スサノオの効果でホオジロタイガーを破壊! さらに バトル終了時でライフも貰うぞ!」

 

スサノオの放つ轟炎がホオジロタイガーを焼き払い、グリードッグとホオジロタイガーはほぼ同時に力尽きて爆発四散を起こして破壊され、そのままスーパーディラノスは爆風を突っ切り、バリアを剛腕で殴り飛ばしてライフを粉砕する。

 

「屈辱の借りはこれで返した、後はテメェで決めな!」

 

もう自分にできる事は無い、そう言いたげに烈我に言葉をかけ、ターンを終了させる。

 

 

 

 

────第15ターン、星七side。

 

[Reserve]15個。

[Hand]2枚。

[Field]ガーヤトリーフォックスLv.3(5)BP13000、海底国の秘宝Lv.1(0)。

 

「(残りライフは2つ。迂闊には動けない!)」

 

追い詰められたのはミナトや星七達も同じ。動く訳にはいかずそのままアタックステップは動かない。

 

「エンドステップ! トラッシュのワイルドライドを手札に戻す!」

「!!」

「(これがあれば守りも万全。それに烈我達のライフは残り1つ。次のターンまで回ってくれば決められる!)」

 

星七の言葉通り、今は手が足りないが次の自分たちの番で勝負を決められると確信していた。だがそれも、決め切るにはあくまで次の自分たちのターンが回ればの話だが。

 

 

────第16ターン、烈我side。

 

[Reserve]15個。

[Hand]2枚。

[Field]滅神星龍ダークヴルムノヴァLv.1(1)BP5000、暴双恐龍スーパーディラノスLv.2(3)BP20000、恐竜同盟本拠地Lv.1(0)、創界神スサノオLv.1

 

「俺のターン! シキツルをLv.2で召喚! 召喚時効果で1枚ドロー! さらに滅神星龍ダークヴルムノヴァをLv.3にアップ!」

 

今かと今かと攻撃の時が待ち遠しい様に方向を上げるダークヴルムノヴァ、その思いにこたえるように笑いながら、「アタックステップ!」と叫ぶ。

 

「行くぜ! ダークヴルムノヴァ、アタックだ!!」

 

そのまま一直線に星七達へと突っ込むダークヴルムノヴァに対し、ガーヤトリーフォックスも尾を突き立てながら構える。

 

「星七、烈我のトラッシュに何があるかは把握してるよな!」

「ミストヴルムですよね?」

「あぁ。手札を2枚捨てればトラッシュから再召喚できるカード! 普通に受けた所で防げねぇぞ?」

 

残るブロッカーはガーヤトリーフォックスのみ。ダークヴルムノヴァをブロックした所で、再召喚したミストヴルムと残るシキツルで攻撃すれば敗北は避けられない。

忠告するようなミナト、だがその言葉に対し星七は笑って見せた。

 

「普通に受ければ、ですよね?」

 

意味深に言葉を吐き捨てながらそのまま前を見据える、

 

「ガーヤトリーフォックスでブロック! さらにマジックでワイルドライド!」

「!」

「効果でBP+3000! さらにバトルに勝利すればガーヤトリーフォックスは回復できる!!」

 

ダークヴルムノヴァの力を大きく上回り飛び掛かって行くが、烈我もまた素直に負ける気はない。

 

「まだ俺の手は尽きてねぇ! アイツから託されたカード! 今こそ初陣と行くぜ!!」

 

以前受け取ったカードの一枚、それを突き出して叫ぶ。

 

「紫電と紅蓮を纏いし魔界の龍! 闘志に震える魂をもう一度呼び起こせッ! 魔界幻龍ジークフリードネクロ! ダークヴルムノヴァに煌臨ッ!」

 

黒き炎がダークヴルムノヴァを身を包み、紫電を帯びながら炎を振り払うはジークの名を持つ紫龍──ジークフリードネクロ。

 

「煌臨時の効果、コスト0、1、3、6、9のスピリットを1体ずつ召喚できる! 俺が選ぶのは、ソウルホース、さまよう甲冑、ジークヴルムレガリアの3体だ!」

 

手に持つ杖を振り下ろすと、フィールドに出現する紫の渦、その渦より再び指定された三体のスピリット達は渦よりフィールドへと舞い戻る。

 

「ジークフリードネクロ! それが、烈我の新しいキースピリット!」

「あぁ、大切な奴から貰った俺の新しい仲間だ! 頼んだぜ! ネクロォッ!!」

 

煌臨した事で今のジークフリードネクロのBPは17000、パワーアップしたガーヤトリーフォックスのBPさえも上回る。

ガーヤトリーフォックスは眼光を輝かせ、緑の旋風を巻き起こして一点に集中させると、それを巨大な竜巻としてジークフリードネクロへと飛ばすが、竜巻を受ける直前、手に持つ杖を掲げ、もう片手に持つ魔術書に刻まれた文字を読み上げると、竜巻はジークフリードの目の前で止まってしまう。

 

「行っけぇーーッ!!」

 

竜巻は緑から紫へ切り替わり、色の変化はコントールの指揮権が移った事を指し示す事に他ならない。ジークフリードネクロが杖を振るうと、今度は逆に竜巻がガーヤトリーフォックスへと向かい、紫の竜巻がガーヤトリーフォックスを飲み込み、天へと吹き飛ばす。

そのまま宙に吹き飛ばされた獲物を追う様に翼を広げて上昇し、魔術書に書かれた別項目を読み上げると、手に持った杖は剣へと形状を変え、そのまま本を投げ捨てて変化した剣を両手に握り締めると、宙に浮かぶガーヤトリーフォックスに渾身の力を込めての一刀、その一撃にガーヤトリーフォックスは大爆発を起こす。

 

「ガーヤトリーフォックス!!」

「さぁ行くぜ!! ソウルホースでアタック!」

 

烈我の指示にソウルホースは即座にバリアに突進し、ライフを破壊。残るライフはあと1つ。

 

「決めるぜ!! ジークヴルムレガリアッ!!!」

 

天を舞い、星七やミナトを見定めると共に残るライフを破壊するべく一気に急降下。迫り来るレガリアを前に星七は黙ったままミナトの表情を見るが、その視線にミナトは首を横に振って堪えた。

 

「もう打つ手はねぇな」

「僕も同じです。アタックは、ライフで受けます」

 

万策尽きた事を示すと、レガリアの攻撃に黙って受け入れそのままレガリアは紫炎の業火をバリアへと吐き付け、最後のライフを破壊する。

 

 

***

 

 

『決まったーーッ!! 烈我&ドレイクチーム、決勝進出!! これでついに決勝進出のチームが揃いましたぁ!!』

 

実況の言葉にこれまでにない歓声の嵐が飛び交う。一方でバトルを終えたミナト達は「おめでとう」と素直に勝者となった烈我達を祝福していた。

 

「まさかお前等のチームに負けちまうとはな。久々に全力でやったってのに」

「僕もリベンジが叶わなくて残念。けど、また次、今度こそリベンジを果たしますからね!」

 

「いいバトルだったぜ、星七! ミナト! 本当にすっげぇ楽しいバトルだった!!」

 

興奮冷めやらぬ様子の烈我、二人と握手を交わすその後ろで相変わらずドレイクはふんぞり返った様子で、輪に加わろうとはしないが。

 

「なぁ、ドレイク」

「!」

 

ドレイクの方へ振り返り、何を思い立ったのか烈我はそのままドレイクに向かって手を差し伸べる。

 

「何の真似だ!?」

「さぁな。けどお前の力があって勝てたんだ。だから、これは今の俺の気持ちだ」

「意味わからねぇんだよ」

 

差し伸べられた手を振り張ろうとするが、烈我に対しドレイクもまた思う所があるのか、振り払おうとした手を止めて、そのままその手を下ろす。

 

「……お前が俺をどう思ってようが関係ねぇ。お前が俺を仲間と思うのは勝手だ。けどな、俺は絶対お前と馴れ合うつもりはない! お前との友情ごっこは死んでも御免だ! 分ったかよ……烈我」

「お前、今俺の名前!!」

 

初めて烈我の名前を呼び、その事が余程衝撃だったのか烈我だけでなく、星七もミナトも驚いたように顔を見合わせるが、ドレイク本人は「ただの言い間違いだ」と冷淡に言葉を吐き捨て、先にその場を後にしていく。

 

「……ほんと、素直じゃねぇ奴」

「だな。まっ、残るは決勝、いよいよ光黄ちゃんとのバトルか」

「烈我、頑張って!!」

「おぉ、決勝の舞台で光黄とのバトル! 考えただけでも燃えるぜ! 必ずアイツに勝つ!! 俺の想いはそれだけだ!!」

 

応援するミナトや星七の言葉に自信満々にピースサインを掲げながら答える。残るは決勝、その相手はマチアと光黄。準決勝を終えたばかりにも拘らず、その闘志は未だ尽きず、より熱く燃え上がっていた。

決勝の舞台、果たして勝つのはどちらのチームなのか、その行方は誰も予想できない。




いかがでしたでしょうか?第12話!
再び烈我とドレイクのタッグチームによるバトル!

ようやく活躍させたかった一枚であるジークフリードネクロを登場させることができて歓喜であります!何気にミナトのバトルも書くの久々だったので、かなり力が入りました。

今回のバトル、楽しんでいただけたなら幸いです。
今回は準決勝、そして次回は決勝……!

いよいよドレイクとマチアの狙いも判明する、筈←


次回のサブタイトルは
『栄光の決勝戦! 烈我vs光黄』です!!
是非ともご期待ください!!!それでは、次回もよろしくお願いします!
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