バトルスピリッツ 7 -Guilt-   作:ブラスト

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第25話【龍鯱激突! 再来のオルガウェーブ】

ヘルを筆頭に荒野を歩く烈我達。人の気配がないその場所をただ無言で歩き進め、そして砂埃の舞う視界が晴れ始めると同時に、先頭を歩くヘルはそこで足を止める。

 

「着いたよ、あれが……奴等のアジトだ」

「「!!」」

 

彼等の目の前には砂漠広がる無人の荒野の中央で気付きあげられた巨大な王宮。その光景は一見、魔王の城に挑む勇者の様ではあるがこれは決してゲームやファンタジーの話ではない。

今実際に烈我達に目の前で現実として見えている光景であり、不安な空気が佇むその場所へ近付くだけで誰もが不用意な言葉を発せずに息を呑む。

 

「あれが、罪狩猟団の本拠地……息が詰まりそうだぜ」

「何だ烈我、怖いのかよ……って言いたいとこだが、生憎俺も気持ちは同じだ」

 

ミナトでさえも目の前の光景に普段の軽い発言はできる筈もなく、額には一滴の冷汗が零れる。

 

「グダグダ言っても始まらない。ここまで来たなら行くしかないだろ」

「光黄!?」

 

彼女が一番に先陣を進んだことに思わず動揺する烈我だったが、直ぐに彼女に同意するように「そうだよな」と笑って呟く。

 

「あぁ、今更引き返す訳には行かないし! 当然正面から乗り込むだけだ!!」

 

「全く、光黄ちゃんと言い烈我と言い、二人がそうなら俺も行くっきゃねーじゃん」

「そんな事言って引き返したいならそうすればいいだろ! お前が行こうが行かまいが私は行く! シュオンを助ける為に!」

「……冗談。言ったろ? お前の代わりにバトルするのは俺だって」

「だったら最初から素直に言えばいいんだ!」

「はいはい、俺が悪かったですよ」

 

絵瑠に対してミナトはやれやれと言いたげな様子だが、それも絵瑠と同じくミナトも覚悟はとっくに決まっている。

 

『星七、敵の本拠地何があるかは分からない。決して無理はするんじゃないぞ?』

「心配しすぎだよ。僕なら大丈夫!」

『……本当か』

「うん。それに烈我達、そしてエヴォルも一緒なんだ、怖い物なんてないよ!」

『そうか。すっかり逞しくなったのぉ』

 

『おい、爺これから敵地へ乗り込むって時に辛気臭い顔してんじゃねぇ。演技悪いだろ?』

『それは悪かった。じゃがお主ももう少し歯に衣着せた言い方をしてくれんか? 生まれはお主等と同じじゃ』

 

どぎついバジュラの言動にジト目を向けるエヴォルだが、行った所で無駄なのは承知しているのですぐに溜息を零す。

 

『フン、雑談すんのは勝手だがよ。くれぐれもシュオンみたいに負ける様なヘマすんじゃねぇぞ? 俺様の手間が増えちまうからな?』

『はぁ? キラー、貴方誰に物言ってんですか? 私と光黄様のタッグは最強なんですけど? 貴方こそ負けたりしないでくださいよね?』

『ほぉ、ライト……この俺様に対して喧嘩売ってんのか?』

『こらこらお主等、敵地を前に揉める奴があるか!』

 

「全く」

 

いつのものような口論を繰り広げる七罪竜達にヘルは大きく溜息。だが、それでもそんな様子を可笑しそうに眺める烈我達を見ながら。

 

「(まぁでもこんな他愛ないやり取りが、彼等にとって励みになるんだろうなぁ)」

 

これから敵地へ飛び込む、それは危険を伴い恐怖心だってある筈。けれでもバジュラ達を見ているとそんな気持ちをまるで感じさせる事はなかった。

 

「ともかく雑談はここまで! それより全員準備はいいね?」

「「『『当然!』』」」

 

烈我、それにバジュラ達も全員答えは変わらない。「それじゃあ行こうか!」とヘルの後に続き、全員罪狩猟団の本拠地へと向かって行く。

 

 

「それじゃ全員おじさんの後についてきてくれ!」

 

周囲を警戒する様に慎重に王宮内へと入る烈我達、だが周囲の警戒するものの警備する下っ端の姿もなく、突入自体は割とあっさり可能だった。

 

「意外だな。これだけ大きな組織なんだ、もっと警備や見張りの目があると思ってたが」

「人目もないし、案外拍子抜けだな」

 

光黄の言葉に対し、烈我はすっかり気が抜けた様子だったが、ヘルはどこか腑に落ちない様に辺りを見回す。

 

「…………まさか」

「ヘルさん?」

「……いや、今は考えるのは後だ。とにかく先に進もう!」

「はい!」

 

ヘルの様子を不思議に思いながらも、烈我は返事を返してさらに先へと進むが。

 

 

「おかしい」

 

暫く進んだ先でヘルは足を止め、一言。

 

「どうもにも警備がざる過ぎる。かなり奥まで来たのにまるで誰とも会わない」

「まさか、罠!?」

 

『正解』

「「「!!?」」」

 

光黄の言葉に答える声、聞き覚えのあるその声の主は紛れもなく組織首領であるルディアによるものだった。

 

『お久しぶりですね。ヘルさん?』

 

アナウンスの様に響く声、こちらが見えているのかヘルの名を呼びながら語り掛けるルディア。

 

「まさか、全部気付いて!!」

『気付いていたというよりは確信ですよ。貴方の事は僕が誰よりも知ってる、この場所の事も掴んでるだろうし、来るタイミングがあるとすれば必ずシュオンを捕えたこのタイミングだってね!」

「!」

『でも、これ以上好きに動かれるのは流石に僕も困るからね。悪いけど、ヘルさん……ここから先は退場してもらえるかな?』

「ッ!!!」

 

不吉な言葉と共に、突如ヘルの足元の床の底が抜け、そのまま真っ逆様に落ちて行ってしまう。

 

「ヘルさんッ!?」

『次は君達だね、君達は特別の舞台へ案内するよ?」

「なっ!?」

 

不敵に笑うルディアの一言、そして次に烈我達の足元の床底が抜けてしまい。

 

「「「うわああああああああッ!!!」」」

 

 

***

 

 

『烈我……! 烈我!!』

「う、うぅっ……!」

 

呼びかけるバジュラの声、その声に烈我は魘されるような声を上げながらも目を開く。

 

「よぉ、ようやく起きたか」

「ミナト! それにキラーも、二人も無事だったのか」

 

『ハッ、当然だ。俺様を誰だと思ってやがる!』

 

お互いに怪我もなく無事な様子だが、先程の一瞬の出来事、まだ状況把握ができていないように訳が分からずに辺りを見回す。

 

「一体何が、それにここって?」

「どうやらルディアって奴にここに落とされたみたいだ。完全にしてやられたって所だな」

「……そう言えば、ヘルさんは? それに光黄や他の皆は!!?」

 

今この場にいるのは烈我とミナトだけで、ヘル達の姿はなく烈我の質問に対し、ミナトは首を横に振る。

 

「分からねぇ。俺もここでさっき目を覚ましたとこだ。光黄ちゃん、それに絵瑠も……どこにいるのか」

「そんな……!!」

 

敵地で分断されてしまい状況は最悪。「直ぐに皆を探しに行かねぇと!」と逸る烈我だが、「落ち着け」とすぐにミナトが諭す。

 

「でも!」

「心配したって状況が変わる訳じゃねぇ。光黄ちゃんが心配なのはわかるけど、今は無事だと信じるしかねぇ」

「……」

 

ミナトの言う通りだった。不安に身を任せて焦るだけでは状況は決して良くならない。今は無事であることを祈り、自分達は今できる最善の行動をするしかない。

 

「ともかく先へ進もうぜ。なぁにヘルさんも冷静な大人の人だし、光黄ちゃん達もみんな強いから大丈夫だ。俺達は前に進むしかねぇ」

「……あぁ」

 

『生憎だが、先へ進ませる訳には行かねぇな!』

「「!!」」

 

 

二人の前に立つ人物、その人物に真っ先にミナトは表情を険しくさせながらその人物を見る。

 

「……ガイト!」

 

 

帝騎の一人にして、ミナトの元親友である男、黒海ガイト。烈我も警戒する様に構える。

 

「揃いも揃ってまんまとルディア様にしてやられてたな! 此処がどこかまるで訳が分かってないんじゃないか?」

「教えてくれんのか?」

「ケッ、誰が教えるか……って言いたい所だが、特別に教えてやるよ」

「!」

 

口角を上げながら、何を想うのかガイトは「よーく聞け」と得意げに語り始める。

 

「まずここの地下は全体が複雑な迷路になってる。無闇に彷徨うだけじゃ前に進めない。下手すりゃ永遠に彷徨っちまう。まぁ、組織の人間なら迷わねぇよう、ここの地下のマップは頭に叩き込んでるけどな」

「じゃあルディアが特別の舞台って言ったのは?」

「決まってんだろ? テメェ等を逃がさねぇ為だ! テメェ等の持つ七罪竜をここで狩り尽くす! それだけだ」

「……ッ!」

「とまぁ、ここまでは脅し文句。一つ提案があるんだがどうだ?」

「何?」

「大人しくお前ら二人の持つ七罪竜を差し出せ、そうすりゃテメェ等とテメェ等のお仲間全員を安全な場所まで送り返してやる。どうだ?」

「ふざけんな! そんな条件呑める訳ないだろ!!」

 

真っ先にガイトからの提案に否定したのは烈我、当然と言えば当然の反応だが、ガイトの言葉にミナトは少しだけ引っ掛かりを感じていた。

 

「お前から提案だなんて、随分意外だな?」

「フン、まぁ知った顔だしな、俺なりの気遣いってだけだ」

「へぇー、前は縁を切るって言われたけど、今回は気遣ってくれる何てどういう心境の変化だ?」

「ッ! 黙れ!!」

 

ミナトからの言葉に、失言だったと後悔するように舌打ちし、気に入らない様に二人を睨む。

 

「フン、聞き入れる気がないなら話はこれで終わりだ! 後は腕づくだな?」

「待てよ、戦う前に……お前等のボスの目的が世界を滅ぼすって事、お前は知ってんのか?」

「何ッ!?」

 

驚くようなガイトの反応、その反応を見る限り恐らくそれはガイトにとって初耳であることは充分察せた。

 

「どこからそんなデマを!」

「嘘なんかじゃない! ヘルさんが言ってた。彼奴は七罪竜集めて、その力で世界を滅ぼす気だって!」

「あの男が!?」

 

ミナトに続けて烈我もまた訴える様に叫び、ヘルについてガイトはあまり知ってはいないが、ボスであるルディアとは面識があり、それは先程のルディアの会話を聞いていればよく分かる。そしてルディアを知っている者からの証言であれば十分信憑性は低くはない筈だが。

 

「……俺には関係ねぇ」

「「!!?」」

「何がどうなろうが知った事か! 世界がどうなろうが、どの道、俺の居場所はここしかねぇ!!」

「ガイトッ!!」

 

説得の余地はない、声を荒げながら構えるガイトにもはや戦う以外の選択肢等ない。

 

「仕方ない。彼奴とは前にもやってる、此処は俺が!」

「嫌、ミナト、ここは俺にやらせしてくれ!」

「!」

 

ミナトよりも一歩前を出て、ガイトからの挑戦に対して受けて立つ様にデッキを構える烈我。

 

「おい本気か?」

『あぁ。テメェ等はまだあのハイドカードって奴とは戦った事は無い。いきなりは荷が重いんじゃないのか?』

 

「だからだよ!」

『!』

「此処まで来た以上、いずれハイドカードとは戦う事になる。だったらここで選り好みはしてられねぇだろ!」

 

キラーに対して強く言葉を返すと、烈我からの返答にキラーは面白そうに『ならお手並み拝見だな』と身を引く。

 

『見てなキラー! ハイドカードって奴が相手でも俺は勝つ! 怒りをぶつけられるいい相手だ!』

 

「ふん、誰が相手でも構わねぇ。やるなら始めるぞ!」

「あぁ、行くぜバジュラ!!」

 

烈我の言葉にバジュラはカードの状態へ切り替わるとそのカードをデッキへと加え、ガイトは一方でキューブを取り出し、自分と烈我の間に投げ込んで舞台の準備を整えていく。

 

「始めるぞ! ゲートオープン!」

「「界放ッ!!」」

 

幕を開ける烈我とガイトによるバトル、バトルフィールドへと転送され、互いに息を呑み、ガイトからの先行で戦いの火蓋が落とされる。

 

 

────第1ターン、ガイトside。

 

[Reserve]4個。

[Hand]5枚。

 

「俺のターン、創界神ヘファイストスを配置だ」

 

開始早々に配置される創界神のカード。ヘファイストスが幻影の様にガイトの後方に出現し、その腕を翳して神託の効果を発揮させると、デッキの上から3枚トラッシュに送られていく。

 

「トラッシュに置かれたのは「機動要塞キャッスルゴレム」、「神造巨兵オリハルコンゴレム」、「クリソコラゴレム」の3枚

 

 

「これで神託対象は三枚でヘファイストスに3コア追加!」

「ッ! ドンピシャかよ!」

「これだけじゃねぇ。クリソコラゴレムはヘファイストスの神託でトラッシュに置かれる場合、ノーコストで召喚できる! よってクリソコラゴレム召喚!」

 

ヘファイストスの幻影は腕を翳すと、青いシンボルが砕けるとともに姿を現す造兵スピリット、クリソコラゴレム。

 

「ターン終了」

 

 

───第2ターン、烈我side。

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

 

「行くぜ! 俺はレイニードルを召喚!」

 

赤のシンボルが砕けると共に出現する蒼龍、宙に浮かぶその体をうねらせ、吠えながら腕を構える。

 

「レイニードルの効果! メインステップで「ヴルム」を持つスピリットを召喚する時、このスピリットに赤のシンボルを追加! 2コストで煌星竜コメットヴルムを召喚だ!」

 

彗星の名を持つヴルム、翠に輝く眼光を向けながらフィールドへコメットヴルムは舞い降りる。

 

「アタックステップ! 行け、コメットヴルム! アタック時効果発揮、デッキの上から3枚オープンして、その中に「星竜」を持つスピリットがあれば俺の手札に加える!」

 

オープンされたカードは「ライジングフレイム」、「ゴッドシーカーアルファレジオン」、「太陽神龍アポロヴルム」の3枚。

 

「アポロヴルムを俺の手札に! そのままメインのアタック!」

「ライフだ!」

 

コメットヴルムは至近距離まで接近するとそのまま火炎放射を浴びせ付け、灼熱の炎がバリアを焼き尽くしライフが破壊される。

 

「ぐッ!!」

「ターンエンド!」

 

 

────第3ターン、ガイトside。

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

[Field]クリソコラゴレムLv.1(1)BP3000、創界神ヘファイストスLv.1

 

「先手取ったからっていい気になるんじゃねぇぞ! 俺はクリソコラゴレムをLv.2にアップ! さらにアマゾナイトゴレムを召喚し、此奴のメインステップ時の効果を使用!」

「!」

「アマゾナイトゴレムを疲労させ、その後手札から2枚ドローして2枚破棄だ!」

 

引いたカードを確認しながら、手札から破棄する対象を選ぶと、破棄されたカードは「海の主を祭る島」と「深淵の巨剣アビスアポカリプス」の2枚。

 

「ここでクリソコラゴレムLv.2の効果を発揮! 俺のターン中、造兵の効果で破棄された青一色の神話ブレイヴをトラッシュに置く代わりに1コスト支払う事で召喚できる!」

「何ッ!?」

「そのままアビスアポカリプスをヘファイストスに直接合体!」

 

激流を纏いながら天より降り落ちるアビスアポカリプス、ヘファイストスはそっと腕を伸ばし、降り注ぐ巨大なアビスアポカリプスの持ち手を掴み取る。

 

「神話の系統を持つブレイヴが召喚された事で神託並びにアマゾナイトゴレムの効果発揮! ボイドからコア1個、それぞれアマゾナイトゴレムとヘファイストスにコア追加。ヘファイストスのコアはこれで4個となり、俺のスピリットは常に最高レベルだ!」

「(ッ! 此奴……的確にカードの効果を使いこなしてる!)」

「こんなんで終わりじゃねぇぞ! クリソコラゴレムとアマゾナイトゴレムならそれぞれコア1つずつリザーブに戻し、宇宙ロボットキングジョーブラックを召喚!」

「!!」

 

ガイトがそのカードを呼び出した途端、突如後方から何かが近づく様に飛行音が聞こえたかと思うと、ガイトの後方より飛来する黒い四機の円盤。

 

「な、何だあれ!?」

 

驚く烈我にガイトは静かに笑みを浮かべると、四機の円盤は空中で合体を始め、一つの巨大な人型ロボットとして地面へ降り立ち、胸盤に怪しげな光を灯し、ガシャンと重量の金属音を鳴らしながら攻撃準備に入るように構えを取る。

 

「キングジョー、ミナトの時に使ってた奴とはちょっと違うのか?」

「キングジョーブラック、似てはいるがその存在は別種だ! さぁ行くぞ! アタックステップ!」

「!」

「さっきのお返しをしてやれ、キングジョーブラック! アタック!!」

 

銃と一体となった片腕を烈我へと向け、そのままガトリング砲のような轟音を響かせながら弾丸を撃ち放き、バリアとその一帯に火花を散らしながら激しい衝撃と共にライフを砕かれる。

 

「がぁッ!!」

「ターンエンド」

 

 

────第4ターン、烈我side。

 

[Reserve]5個。

[Hand]5枚。

[Field]レイニードルLv.1(1)BP1000、煌星竜コメットヴルムLv.1(1)BP3000。

 

「バーストセット! さらに創界神アポローン配置!」

「ほぉ、そっちも来たか!」

「あぁ、神託の効果でデッキから3枚破棄!」

 

破棄されたカードは上から「煌星の第五使徒テティス」、「煌星龍王メビウスドラゴン」、「煌星竜マントルドラゴン」。

 

「コア3個をアポローンに追加! さらに行くぜ!! コメットヴルムを太陽神星龍アポロヴルムに煌臨!」

「ッ!?」

 

メインステップ中に煌臨、灼熱の炎がコメットヴルムを包み込み、その体を紅蓮に染めながらコメットヴルムはアポロヴルムへと進化を遂げる。

 

「煌臨した事でアポローンにコアを追加! さらにアポロヴルムをLv.2にアップ! アタックステップだ!」

 

アポロヴルムは咆哮を上げ、ガイトを睨む。

 

「行けぇッ! アポロヴルムでアタック! さらにアタック時効果で【界放】! アポローンのコア2個をアポロヴルムに移す事で回復!」

 

コア2個がアポロヴルムの上に乗せられた事で自動的にLv.3へとレベルアップし、アポロヴルムはより滾るように自身の炎を燃え上がらせて行く。

 

「これだけじゃない! アポロヴルムの効果、相手の最もBPの高いスピリットを破壊! キングジョーブラック、破壊だぜ!」

「おのれぇッ!!」

 

アポロヴルムはそのまま巨大な火球を作り出すと、そのままキングジョーブラックへ向け撃ち放って行く。だが……。

 

「……なーんてな!」

「!?」

 

キングジョーブラックは腕を振り上げると、放たれる火球に腕を振り下ろし、火球を弾き飛ばすと、弾かれた火球は隣のアマゾナイトゴレムへと直撃し破壊されてしまう。

 

「な、何で!?」

「馬鹿が。キングジョーブラックは【超装甲:赤/紫】を持つスピリット! アポロヴルムの効果は通用しねぇ!」

「……それでも、まだアポロヴルムのメインアタックは継続中だ!」

「生憎それの対策も抜かりはねぇよ! さらに相手によるスピリットのアタック後でバースト! 宇宙ロボットキングジョー!」

「何ッ!?」

 

本家キングジョー、そのバースト効果は自分のスピリット1体をBP+10000し、さらにそのスピリットを回復させる。

 

「効果発揮後、キングジョーをバースト召喚!」

 

今度はフィールドに飛来する金色の円盤、キングジョーブラックの時と同様人型へと合体し地面へと降り立つ。

 

「!……アポローンの【神技】発揮! コア2個をボイドに送って、クリソコラゴレムを破壊!」

「無駄だッ! アポロヴルムの攻撃はキングジョーブラックでブロックだ!」

 

アポローンの矢がクリソコラゴレムを撃ち抜き、炎に焼かれながら破壊され1枚ドローするが、それではキングジョーたちは止められない。並び立つ二体のキングジョーとブラックは迎え撃つように前進しアポロヴルムは真っ直ぐ向かってくるキングジョーブラックに対し、再度火球を吐き付け、今度は避ける素振りはなく、正面から火球の直撃を受け大爆発が起こるが。

 

「!!?」

 

アポロヴルムの火球を受けてなおキングジョーブラックには傷一つ受けておらず、反撃と言わんばかりに銃手を前に突き出し、アポロヴルムに向けて制圧射撃。

アポロヴルムの周囲を吹き飛ばす程に放たれる弾丸は、激しい火花を散らし、アポロヴルムの体にも何発の物銃弾が撃ち込まれ、数秒後に激しい銃音がようやく鳴り止むと、アポロヴルムは力尽きるようにその場で倒れ伏し、大爆発を起こす。

 

「た、ターンエンド」

 

 

────第5ターン、ガイトside。

 

[Reserve]6個。

[Hand]3枚。

[Field]宇宙ロボットキングジョーLv.3(1)BP10000、宇宙ロボットキングジョーブラックLv.3(1)BP7000、創界神ヘファイストス×深淵の巨剣アビスアポカリプスLv.1

 

「次はお前の出番だ! 神が作りし最高の破壊王! 殲滅の弾甲を撃ち尽くせッ!! 蒼造炉神ヴァルカンゴレム召喚ッ!」

 

地響きと共に地面より飛び出す巨大な格納庫、ハッチを開き姿を見せたのはキングジョーを超えるほど巨大な兵器、ヘファイストスが作りせし化神──ヴァルカンゴレム。

 

「アタックステップ! キングジョー、キングジョーブラック! やれッ!!」

「!」

「キングジョーのアタック時効果発揮、レイニードルを手札に戻す!」

 

キングジョーは腕を振り上げると、衝撃波を起こしてレイニードルを手札へと吹き飛ばし、さらに進撃する二体のキングジョー、キングジョーブラックは烈我を射程距離に捕えると、その場で立ち止まって銃弾を撃ち込んでライフを破壊。

もう一体のキングジョーは追撃を掛けるかの如く、怪力を活かし大岩を持ち上げるとそのまま烈我へ向けて投げつけ岩の直撃を喰らってライフがまた破壊される。

 

「がぁッ!!!」

 

衝撃の連続は流石に堪えきれない様に思わず片膝を突く。

 

 

「……ガイトの奴、前に俺とやりやった時よりさらに強くなってやがる」

 

バトルフィールドの様子を見守るミナト、此処までのガイトのバトルを見ながら前以上の実力に動揺を隠せず、その声が届いているようにガイトは「当然だ!」と声を荒げる。

 

「もう俺に後はねぇんだ。だからこそ、俺は絶対負ける訳には行かねぇんだよ!! ミナトは勿論、テメェにもな!」

「……へへっ」

「ッ! テメェ……何笑ってやがる!!」

 

追い詰められた状況にもかかわらず烈我には笑みが浮かんでおり、それがガイトに癪に障ったのか、気に入らない様に表情を歪める。

 

「嫌、流石ミナトの親友だと思ってさ」

「あぁ?」

「前も思ってたけど、やっぱ強いよ! ミナトが認めるのも納得だぜ」

「何言ってやがる! 俺はミナトをとっくに切り捨てた! 奴とはもうダチでも何でもねぇ、そう言った筈だろうが!!」

「……でも、ミナトはそう思ってない」

「何?」

「あいつはお前とまた昔みたいにバトルが出来たらって言ってた。彼奴はお前がまた帰ってきてくれることを望んでんだよ! お前は自分の居場所はここしかないって言ってたけど、本当にそうなのかよ?」

「……ッ!」

「お前だって本当は──!」

「黙れぇッ!!!」

 

先の言葉を続ける前に、制止させるように一喝。

 

「言った筈だ! 俺が望む居場所はテメェ等の所じゃねぇ!! ルディア様がくれたこの場所だけが俺にとって一番居心地がいい場所なんだよ!!」

「!!」

「話は終わりだ、グダグダ言った所でお前はどの道これで終わりだ! ヴァルカンゴレムッ!!」

 

攻撃合図を下す様にその名を呼ぶと、ヴァルカンゴレムはゆっくりと進撃しながら体に搭載された全兵器の銃口を烈我へと向ける。

 

「アタック時効果で【界放】! 相手デッキを1枚オープンし、さらにヘファイストスのコア2個をヴァルカンゴレムに移す事で、オープンする枚数を俺の神話ブレイヴ1枚につき、1枚プラス! よって2枚オープンだ!」

 

烈我のデッキからカードがオープンされ、開かれたカードは「アドベントドロー」、「煌星竜スピキュールドラゴン」。

 

 

「オープンしたカードの内、アドベントドローはデッキ上、スピキュールドラゴンはデッキ下に戻す。そしてオープンされた中にスピリットカードがあったな! よってヴァルカンゴレムに青のシンボル追加だ!!」

「ダブルシンボルッ!」

「あぁ、これで終わりだよッ!! 止めを刺せ! ヴァルカンゴレム!」

 

まるで巨人の様な唸りを上げて全砲門を向けての一斉射撃。止めの一撃となるその攻撃が烈我へと向け放たれるが。

 

「相手スピリットのアタック後でバースト発動!」

「何!?」

「今度はこっちの番だぜ! マジック、天下烈刀斬!!」

「!」

 

意趣返しの様に発動するバースト、そのカードを手に持つと同時に巨大な炎の刀剣がフィールドへと出現する。

 

「バースト効果でデッキから1枚ドロー! さらにソウルコアをコストにフラッシュ効果を発揮! 相手ネクサスを破壊する効果とは別に、ソウルコアをコストにしていれば相手のダブルシンボル以上のスピリットを破壊できる!!」

「何だとォッ!?」

「ヴァルカンゴレムを破壊だッ!!」

 

放たれる一斉射撃による攻撃を炎の刀剣が全て斬り払い、刀剣はそのままヴァルカンゴレムに向けて突き出され、炎の剣がヴァルカンゴレムを貫き、全身を炎に包まれながらヴァルカンゴレムはその巨大な体を爆発四散させる。

 

「ッ!!」

「よっしゃぁ! これでそっちのキースピリットは倒したぜッ!!」

 

ヴァルカンゴレムを失った事はガイトにも相当応えているのか、歯噛みしながらも「ターンエンド」とコールし、続く烈我のターン。

 

 

────第6ターン、烈我side。

 

[Reserve]12個。

[Hand]5枚。

[Field]創界神アポローンLv.1

 

「俺のターン! レイニードルをLv.3で再召喚、さらにマジック、アドベントドロー!」

 

デッキから2枚ドローした後、デッキからオープンされる3枚、そのカードは「龍星の射手リュキオース」、「ライトブレイドラ」、「魔界幻龍ジークフリードネクロ」の3枚。

 

「アドベントドローの効果で、【煌臨】を持つネクロを俺の手札に加える! さらに行くぜ! レイニードルの効果で「ヴルム」の名を持つスピリットを召喚する時、このスピリットに赤のシンボルを追加!」

「またコメットヴルムを呼び出す気か?」

「いいや、レイニードルの効果とは別に今から呼び出す此奴はブレイヴが場にある時、そのコストを4に変更する!」

「俺の場にはアビスアポカリプス……って事はまさか!」

「あぁ! 黒炎を纏う暗き闇夜の超新星!! 滅神星龍ダークヴルムノヴァ(Rv)をLv.3で召喚だッ!!」

 

空に昇る太陽が沈み、一瞬にして闇夜へと切り替わると、暗い瘴気の中紫電と霊魂の光に照らされし闇の龍──ダークヴルムノヴァがフィールドへと降臨する。

 

「!!」

「アタックステップだ! ダークヴルムノヴァ、行けぇッ! アタック時効果、疲労状態の相手スピリットを破壊! キングジョーブラックを指定だ!」

「馬鹿か! キングジョーブラックには超装甲が──!」

 

迫るダークヴルムノヴァにキングジョーブラックは銃口を構えて撃ち抜いていくが、ダークヴルムノヴァは片腕に紫炎を纏わせて全ての銃弾を切り裂き、そのままキングジョーブラックへと振りかぶり、キングジョーブラックは攻撃を受け止めるべく自慢の装甲を構えるが、ダークヴルムノヴァの黒爪はキングジョーブラックの装甲をいとも簡単に貫いてしまう。

 

「なんだとッ!!?」

「ダークヴルムノヴァの効果、このスピリットは色のない物として扱う! 【超装甲】も怖くないぜ!」

「ぐっ! なら、ヘファイストスの【神技】! コア3個をボイドにキングジョーを回復だ!」

 

再起動するかのように起き上がると、腕を構えながら前線へと進軍して行く。

 

「攻撃はキングジョーでブロックだ!」

 

立ち塞がるキングジョーに、ダークヴルムノヴァは黒炎のブレスを吐き付けるが、キングジョーは四機の円盤へと分離してその攻撃を避けると、四機の円盤はそれそれ円を描く様に浮遊しながら、溜め込んだプラズマエネルギーをビームの様にダークヴルムノヴァへと撃ち放つ。

ダークヴルムノヴァは防御姿勢を取るように両腕を交差させ攻撃を受け止めるとそのままビームを弾き返し、先程以上に力を込めて再度ブレスを吐き付けると、迎撃するようにキングジョーもビームを放つが、最大限の力が込められたブレスはビームの威力を遥かに凌駕し、そのままビームごと四機の円盤はブレスに飲み込まれ破壊される。

 

「ぐッ!」

「これで俺はターンエンド!」

 

ガイトのスピリットはこれで全滅、ライフはガイトが上だがフィールドの状況を見る限り、今は烈我が優勢だろう、しかし。

 

 

────第7ターン、ガイトside。

 

[Reserve]9個。

[Hand]3枚。

[Field]創界神ヘファイストスLv.1×深淵の巨剣アビスアポカリプス。

 

「!」

 

自軍にスピリットがいない状況だが、このターン引いたカードにガイトの表情が変わる。

 

「確か烈我って言ったな、少々追い詰められはしたが良い気になるなよ? 俺にもまだいくらでも手の打ち用はあるんだからな!」

 

ハッタリではない、自信満々な様に手札を構えながらターンシークエンスを進めていくガイト。

 

「まずはメインステップ、巨顔石の森を配置!」

「そのネクサスって!!」

「当然ネクロの対策だよ!」

 

巨顔石の森は配置された瞬間から、トラッシュにあるカードは一切の効果を受けず、それは烈我が今手札持つネクロの煌臨によるスピリットの蘇生効果が封じられた事を意味する。

 

「トラッシュからの蘇生と回収、さらにヘファイストスによる召喚時効果の無効。星竜デッキの強みがこれでほぼ消えたな」

「くッ!!」

「それと、忘れてねぇよな? 俺にはまだ此奴がある!」

「(……来るッ!)」

 

一度それを目にしている烈我達も忘れる訳がない。今のガイトにとって最大の切り札であるハイドカードの一種、即ちオルガウェーブのカードを構えて見せながら豪胆にそのカードを呼び出す。

 

「全てを呑み尽くす絶望の大波ッ! 海帝の名の下、弱者に生きる未来はねぇッ!! 召喚、海帝獣オルガウェーブッ!!」

 

フィールド全てを呑み尽くしかねない程の巨大な津波、荒れ狂う激しい波の中にギラリと輝く眼光、そして次の瞬間、大波の中を突き破って姿を現したるスピリット────オルガウェーブ。

 

"ギュラアアアアアアアアァァァァァァッ!!"

 

荒れ狂う海帝の雄叫び、その一声は豪雨を降らせ、雷鳴を届かせる程に強大だった。

 

 

『来やがったか、ハイドカード!』

 

バトルの光景を静かに見守るミナトとキラー、依然戦ったオルガウェーブの姿にキラーは静かに呟き、ミナトもまた何かを強く感じるように「あぁ」とオルガウェーブに視線を向けたまま返事を返す。

 

「(あの時ガイトと戦った時、勝ちはしたが結局俺はオルガウェーブは倒せなかった。かなりの強敵……どう対応する? 烈我)」

 

一方でオルガウェーブの姿に正面から向き合う烈我、烈我にとってハイドカードと戦うのはこれが始めだが、決して油断できない様に静かに息を呑む。

 

「……これがハイドカード!」

『(烈我、ビビってんじゃねぇぞ。何が相手だろうが俺達は勝つだけだ!)』

「分かってるよ! ビビってなんかられねぇっての!」

 

強大なオルガウェーブを前にしてもまだ戦意は健在、それを示すように脳内に語り掛けるバジュラの声に返事を返し、「いつでも来い!」と言わんばかりに構える。

 

「……さて、このままブレイヴを付けて一気に決めてやりてぇが、ダークヴルムノヴァの効果がちと厄介か」

 

今は創界神と合体していることによりアビスアポカリプスはダークヴルムノヴァの効果を受ける事は無いが、合体を解除すれば、その瞬間に効果を受け、アビスアポカリプスがトラッシュに送られる事は目に見えている。

 

「ここはこのままターン終了だ」

「(攻めてこない、チャンスだぜ!)」

 

 

────第8ターン、烈我side。

 

[Reserve]7個。

[Hand]6枚。

[Field]滅神星龍ダークヴルムノヴァ(Rv)Lv.3(5)BP10000、レイニードルLv.3(3)BP4000、創界神アポローンLv.1

 

ヘファイストスに既にコアは4つ以上無い為、合体しているアビスアポカリプスは現在その効果が発揮されていない状態。そしてオルガウェーブのBPは現在Lv.1、BP6000。

BPを比べればダークヴルムノヴァが大きく上回ってはいるが。

 

「俺のターン、メインステップは何もしない。そのままアタックステップ!」

「ならこの瞬間、オルガウェーブの効果を発揮!」

「!」

「オルガウェーブが回復状態の場合、相手のコスト5以下のスピリットはアタックできない!」

 

海面から飛び出すオルガウェーブ、そのまま自身に巻き付いた鎖をレイニードルへと飛ばし、鎖に締め上げられその動きを封じ込められる。

 

「!!」

「レイニードルはコスト1、アタックはできねえぞ?」

「ぐッ!!」

 

ガイトの言う通りスピリットの攻撃その物を封じられれば、対処しようがない。ダークヴルムノヴァは唯一攻撃が可能とはいえ、それだけでは決めきれない。歯噛みしながらも、守りを固めるためにも今はターンエンドをコールするしかなかった。

 

 

────第9ターン、ガイトside。

 

[Reserve]9個。

[Hand]2枚。

[Field]海帝獣オルガウェーブLv.1(1)BP6000、巨顔石の森Lv.1(0)、創界神ヘファイストス×深淵の巨剣アビスアポカリプスLv.1

 

「ふん、どうやらこの勝負も見えて来たな!」

「何を! まだ勝負は分かんねぇだろうが!!」

「分かるだろうが、何ならもっと分かる様にしてやるよ!」

「!」

「メインステップ! もう一枚ネクサス、海の主を祭る島を配置! さらに巨顔石の森をLv.2に、オルガウェーブをLv.3にアップ! アタックステップ、オルガウェーブ、やれッ!!」

 

オルガウェーブは腕を海面へと叩き付けると衝撃が巨大な津波を引き起こし、津波はそのままダークヴルムノヴァを飲み込んで破壊する。

 

「ノヴァ!?」

「オルガウェーブのアタック時効果でこのスピリットのコスト以下の相手を破壊! さらにコスト5以下のスピリットじゃオルガウェーブのブロックはできねぇッ! 弱者はすっ込んでろッ!」

「!」

 

オルガウェーブはその巨大な眼光でレイニードルを睨み付けると、圧倒的なオルガウェーブに恐怖を感じるように、レイニードルは体を硬直させてしまう。

 

「オルガウェーブ、メインアタック!!」

「ライフだッ!!」

 

展開されたバリアにオルガウェーブは大きく口を開けてその牙を突き立てると、バリアを噛み砕き、そのままライフを破壊する。

 

「がああああああッ!!!」

『(烈我ッ!!)』

 

これまで以上の強い衝撃が烈我へと襲い掛かり、痛みによる悲鳴に思わずバジュラは呼びかけるが、その声に答える余裕はなく倒れないように踏みとどまるのが精一杯だった。

 

「ハァ……ハァ……!」

「どうだ? 今の状況、大分わかりやすくなったろ? 駄目押しだ、オルガウェーブ、エンドステップ時の効果発揮!」

「!」

「俺のネクサス一つを破壊する事でオルガウェーブは回復、破壊に選ぶ対象は海の主を祭る島だ!」

 

オルガウェーブはガイトの後方に視線を向けて、鎖を飛ばすと指定したネクサスをその鎖で刺し貫き、鎖が引き抜かれると同時にネクサスは音を立てて崩れ始める。

 

「さらにここで海の主を祭る島の破壊時効果、俺のトラッシュにあるコスト4以下のネクサスを配置可能、そして俺のトラッシュにはもう一枚、海の主を祭る島がある」

「って、事は!?」

「あぁ。エンドステップの度に海の主を祭る島2枚の破壊と再配置を繰り返せれば、オルガウェーブの効果で破壊するネクサスに際限はねぇって事だ!」

 

再生される様に再びフィールドに出現するネクサス、さらにはオルガウェーブも効果の発揮により回復と共に咆哮を上げ、ガイトのフィールドは正に圧倒的だった。

 

「最後に巨顔石の森の効果で2枚ドロー、3枚以下の為破棄はなし。さぁこれでチェックメイト、だろ?」

「!」

 

諦めろと言わんばかりの言葉、確かに状況は圧倒的に不利。だが、それでも。

 

「諦められっかよ!!」

「!」

「こんな所で負けてられねぇんだ! 必ず、嫌、絶対に勝つ!!」

 

まだ烈我の目は諦めてはいない、その様子に怯まされるように思わずガイトは後ろに下がってしまう。

 

「(ッ!! この状況で、こいつ……まだ!!)」

 

 

────第10ターン、烈我side。

 

「最後まで諦めねぇぜ! カード、ドロー!」

 

ターンを迎えカードを引き抜いて、引いたカードに笑うと。

 

『漸く俺の番らしいな、待たせやがって!』

「悪かったな。でもこっからだ! 行こうぜ、バジュラ!」

『おぉッ!!』

 

[Reserve]12個。

[Hand]7枚。

[Field]レイニードルLv.3(3)BP4000、創界神アポローンLv.1

 

「……まずは創界神ブラフマーを配置!」

「新しい創界神だと!?」

 

これまでの烈我のデッキなかった新しい一枚、アポローンに並ぶ様に烈我の後方に出現するブラフマー。

 

「配置時の神託だ! デッキから3枚破棄!」

 

破棄対象に選ばれたカードは「ファルクロスドラゴン」、「吟遊詩竜オルフェスタードラゴン」、「超弩級星艦シュバルツシルトドラゴン」

 

「系統「界渡」を対象にブラフマーにコア3個を追加! さらに神話ブレイヴ、聖蓮真剣リグヴェーダを召喚! 神話ブレイヴの召喚で、ブラフマーにもう1つコアを追加!」

「(何をするつもりだ?」)」

 

着々と何かの準備を進めていく烈我、それが喰えない様に今は静かに攻撃に備えるガイトだが、一方でバジュラはそれが待ちきれない様子で。

 

『おい烈我!! 俺の出番はまだなのか!』

「焦るなって! これで最後の準備だ! ネクサス、堕ちる煌星を配置! そしてレイニードルをLv.1にダウン」

 

烈我の後方に出現するは真っ赤な太陽に様に輝く天球、それを配置すると準備を整え終えたように、「待たせたな!」と一言。

 

『随分待たせやがったな!』

「悪かったって! でも、こっから勝ちに行くぞ!! バジュラ!」

『あぁ、さっさと呼び出しなァッ!!』

 

闘志に滾る様なバジュラの声、その声に頷くと共に手札に加えたバジュラのカードを掲げ、そして叫ぶ。

 

「罪を背負いし怒りの竜! 憤怒の炎、烈火で地獄さえも焼き尽くせ! 爆我炎龍バジュラブレイズ、召喚ッ!!」

 

一気に紅蓮へと染まる空、そして暁の空より降り注ぐ流星群が大地へと降り注ぎ、中央の地面を残して周囲に巨大なクレーターを作り上げ、最後に残った地面へと降り注がれる一際巨大な火球が降り注ぎ、炎の中に蠢く龍の影。

そして炎の中で眼光を輝かせると、拳で炎を振り消しながらバジュラブレイズがその姿を見せる。

 

「古竜を持つバジュラの召喚で、さらにブラフマーにコアを追加!」

『ハッハァッ! 滾るぜぇッ!!』

 

拳を打ち付けながら相対するオルガウェーブと睨み合い、オルガウェーブもまた海面から身を乗り出し、対抗意識を燃やす様にバジュラに向けて牙を向ける。

 

『ハッ、鯱野郎。威嚇のつもりか? 悪いがその程度の迫力で俺の怒りは止められねぇぞ!!』

「バジュラ、準備はいいか?」

『あぁ? んなもん端から出来てるよ!』

 

烈我の言葉に相変わらず乱暴な物言いだがその表情は笑っており、烈我もまた同じ気持ちであるように口角を上げて見せた。

 

「なら行くぜ! 聖蓮神剣リグヴェーダをバジュラに合体(ブレイヴ)! さらにLv.3にアップだ!」

 

大地に突き刺さったリグヴェーダは宙に飛び上がると、そのまま円を描きながらバジュラへと落ちて、その剣を掴み取りバジュラはさらに力を高めるように耳を塞ぐほどの咆哮を轟かせる。

 

「アタックステップ、行くぜ!! アタックステップ開始時、ブラフマーの【転神】発揮! コア2個をボイドに送って、ブラフマーをこのターン、スピリットとして扱う!」

「チィッ! こっちの効果も忘れんなよ! オルガウェーブ!!」

 

オルガウェーブは凍り付くほどの殺気を込めてバジュラ達を睨み付け、レイニードルは蛇に睨まれた蛙の如くまた体を硬直させるが、バジュラとブラフマーはまるで平気な様に笑って見せた。

 

『往生際が悪ぃな! 言った筈だぞ、そんなんじゃ俺の怒りは止められねぇ! いい加減覚悟しやがれ、この鯱野郎が!』

「行けぇッ! バジュラ! アタック時効果、【火力推進(ヒートアップ)】! BP+5000し、手札を1枚捨てる事で相手に強制ブロック!」

「オルガウェーブ、喰い止めろぉッ!!」

 

睨み合うオルガウェーブとバジュラブレイズ、闘争心のままに滾る二体にはもう後退の文字などはなく、そのまま本能を剥き出しに正面から互いに突っ込み、振り下ろすリグヴェーダに、オルガウェーブは喰らい付いてその一撃を受け止める。

 

「勝つのは俺だ!! フラッシュタイミング! マジック! 絶甲氷盾ッ!!」

「!!」

「効果でアタックステップ終了、最後に笑うのは俺だァ!!」

 

荒れ狂う猛吹雪、戦うオルガウェーブとバジュラを他所にガイトへの行く手を阻む様に築き上げられる氷の壁。

バトルでは、そのままリグヴェーダを咥えたままバジュラを放り投げ、後方に投げられながらも剣を杖代わりに地面へと突き立て態勢を立て直す。

 

『烈我ァッ!!』

「分かってる!!」

 

目の前を塞ぐ巨大な壁、だがそれでも二人には諦めるという言葉はなく、まだ抗う様に烈我は手札を構える。

 

「こっちもフラッシュだ! 紫電と紅蓮を纏いし魔界の龍! 闘志に震える魂をもう一度呼び起こせッ! 魔界幻龍ジークフリードネクロ、レイニードルに煌臨ッ!!」

「!!?」

 

黒き炎に包まれるレイニードル、炎と紫電を纏いながらその身を赤き炎から紫の雷光へと切り替え、 身を包む炎を振り払ってジークフリードネクロが現れる。

 

「レイニードルに煌臨、ネクサスの効果か!」

「あぁ! 堕ちる煌星は「星竜」を持つスピリットの煌臨条件を「星竜」に変更できる! 驚いたか!!」

「……少し、な」

 

だが例え煌臨した所で自分の優勢は変わらない、肯定しつつも依然余裕があるように笑って見せる。

 

「何をしようとアタックステップはこれで終了。煌臨した所で今更無駄だ! それに、忘れたか? 巨顔石の森の効果でお前のトラッシュは一切効果を受けない、ネクロの煌臨時効果も無意味だ!」

「確かにネクロの煌臨時効果は使えない、けど無駄なんかじゃない!」

「何?」

「古竜を持つジークフリードネクロに煌臨した事で、ブラフマーにさらにコアを追加! これでLv.2だ!」

「まだ何かするつもりか!!」

「あぁ、これが勝ちの一手だ! ブラフマー、Lv.2の【神域】発揮!」

「!!」

「自分の合体スピリットのアタック中、相手は効果でアタックステップを終了できない!!」

「な、何ぃぃぃッ!!?」

 

今アタックしているバジュラは合体スピリット、そしてバトルは未だ継続中。それが意味する事は唯一つ。

 

「ま、まさか!!」

「そうだ、絶甲氷盾の効果を無効にする!!」

「ッ!!!」

 

バジュラは両腕でリグヴェーダを握りしめ、渾身の力を込めて横一閃に振り切ると、赤の斬撃波を正面へと撃ち飛ばし、オルガウェーブは飛び上がってその斬撃波を避けるが、斬撃波はそのままガイトの前に出現した氷の壁へと直撃し、赤き斬撃が壁に亀裂を穿つ。

 

「あ、あり得ねぇ! こんな事が!!」

 

オルガウェーブは鎖をバジュラに向けて飛ばすが、手に持つリグヴェーダを捨てると、そのまま素手で飛ばされた鎖を掴んで見せる。

 

『フィニッシュだッ!! 俺の怒り、その身に味わいなッ!』

 

そのまま鎖を力一杯に引っ張り、オルガウェーブを引き寄せると海面から引きずり出され、宙に吊り上げられたオルガウェーブに向けてバジュラは勢い良く振りかぶり、炎の拳をオルガウェーブへとぶち込む。

 

"ギュラアアアアアッ!!!”

 

断末魔の様に叫ぶオルガウェーブ、そのまま氷の壁まで吹き飛ばされてその身を叩きつけられオルガウェーブは大爆破を起こすと、爆発の衝撃に氷の壁は完全に跡形もなく砕け散ってしまう。

 

「ば、馬鹿な! 俺のオルガウェーブが……!!」

「【火力推進】の効果でバジュラは回復! これで決める! ネクロ、ブラフマーでアタック!」

「ら、ライフ!!」

 

ジークフリードネクロは杖を掲げて放つ雷撃を、ブラフマーは片腕に作り出す光弾を合わせてガイトに向けて撃ち飛ばし、バリアへ直撃し二つのライフを破壊する。

 

「ぐあッ!! そ、そんな……この俺が!」

「決めるぜ! バジュラで、アタックッ!!」

 

正真正銘最後の一撃、バジュラの拳がバリアへと打ち込まれ、バリアと共にガイトの残るライフ2つは木っ端みじんに破壊され、決着となる。

 

「があああああああああッ!!!」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「よっしゃああああッ!! 俺の勝ちだぜ!」

『あぁ、俺も怒りをぶつけられてスッキリしたぜ!』

 

勝利に喜ぶ烈我とバジュラ、二人の勝利にひとまず安心するようにミナトは「お疲れ」と声を掛ける。

 

「冷や冷やしたけど、無事勝てたようで何より」

 

『まぁ俺様なら、もっと余裕に勝てたがな!』

『あぁ? んだとこの鮫野郎! テメェより俺の方がよっぽど余裕だったろうが!!』

 

「はいはい、バジュラもキラーも、今は喧嘩してる場合じゃないだろ!」

「全く持ってその通り。グダグダしてる暇はない、けどそれよりも……!」

 

そう言ったミナトの視線の先には倒れているガイトの姿が映り、起き上がる気力もないのか仰向けで地面に倒れたままだった。

 

「(……ははっ、負けちまった。とうとう、ルディア様からの期待に応える事ができなかった)」

 

これでもう自分に居場所はない、笑い台詞を口にしながらもそれがとても虚しい様に、今の彼に残る心は空虚なものだけであった。だが、そんな彼に向けて。

 

「いいバトルだったぜ、ガイト」

「!!?」

 

目の前の光景に一瞬目を疑った。彼の目に映ったのは倒れる自分を労う様に手を差し伸べるミナトの姿だった。

 

「お、お前……!」

「何だよ? 友達だと思ってる奴に、手を差し伸べちゃ駄目だったか?」

「……何でだよ、ミナト」

「ん?」

 

目線を隠す様に腕を手で顔を覆いながらも、隙間から静かに涙が零れる。

 

「俺はテメェと縁を切ってお前を裏切ったんだぞ? それにお前はムカついてた筈だろ? なのに、何で……まだ俺を見捨てようとしねぇんだよ」

「えっ……?」

 

ミナトと会う前、ガイトにも他に親しい間柄の友人は何人もいた。だが、バトルの実力が未熟で次第に見下されるようになり、存在を忘れられるように友人達は皆、自分を残し立ち去って行ってしまった。

またそれを繰り返されるのが辛くて、大会で負けたあの日、ミナトもまた自分の前からいなくなると思っていた。だから捨てられる前に自分から縁を切った、そして自分はルディアと出会い、本当に自分が望む居場所手に入れられた筈だった。

 

「そうだ、俺は望んでルディア様に従うことを選んだ。此処だけが俺の居場所だとそう思ってたんだ、なのに……テメェに負けてからずっと……ずっと、何故か頭に浮かぶのはテメェとつるんでた時の事ばっかだ」

「ガイト……!」

「見捨てりゃ良かったんだ。俺の事、なんか、綺麗さっぱり……そうしてくれりゃ、俺の気持ちもスッキリするってのによぉ」

 

止め処なく溢れる涙、必死にそれを見せまいと腕で目を抑えるがそれでも涙は止まらない。そんなガイトに足してミナトは。

 

「何でだろうなぁ。自分でも分かんねぇや、ただ……俺もお前と一緒なのかもしれない」

「はぁ?」

「お前と縁を切られた時、俺はこの先もう二度と人を信じる事無いと思ってた。けどな、そうじゃなかったよ」

「?」

「吐く台詞はどこまでも真っ直ぐで、嘘もまともにつけない馬鹿正直すぎる男。人を疑う事なんて微塵も知らなさそうな超甘ちゃん、唯一欠点があるとすれば女心に気付かない鈍い奴」

 

ちらっと烈我の方に視線を向け、向けられた本人は訳が分かっていない様に首を傾げ、バジュラとキラーは気付いているのか少しだけ可笑しそうに笑い、ミナトもまた笑いながら言葉を続ける。

 

「まぁとにかくそんな奴に会っちまったんだ。だから、そいつを見てたらもう二度と人を信用しねぇなんて考えが何故だか全く起きなくてさ」

「…………」

「笑っちまうと思うけどさ、お前をまた信じたいって思えるようになったんだ。俺もお前と同じ様に、お前とつるんでた時のことをよく思い返す。昔のようにただ純粋にバトルして楽しかったって事。それをずっと夢に思って、またお前と楽しくバトルできたら……今度は、俺達二人だけじゃない、皆で」

「ッ!」

「だからさ、居場所がもうないなんて言わないでくれよ……もう一度俺達の元に、帰ってきてはくれねぇか」

 

ミナトからの言葉、その言葉がまるで胸に沁みる様なそんな感覚だった。それでもまだ、簡単に受け入れづらいの歯を喰いしばりながら、顔を覆う腕をのけてミナトに視線を向ける。

 

「無理だよ、お前みたいに……人を信じるとか、簡単にできはしねぇ。少なくとも、俺には」

「…………」

 

しばらく無言の様子だったが、数秒間を置いた後、「それならさ」とミナトは何かを思いついたように。

 

「お前が俺を信じないって言うならそれでも構わない。けど、それなら代わりに、彼奴を……烈我を信用してやって欲しい」

「!?……何を言って?」

「早い話に友達になれって事だよ。仮にお前が俺を信用できなくても、烈我なら……信じられるって思うから。保証したって構わない」

 

何を言っているんだ此奴はと動揺するガイト、それは烈我も同じ様子でミナトの言葉に混乱する様子だが、ミナトは構う事無く「烈我も構わないだろ?」と言葉を掛ける。

 

「イヤイヤ、俺も全く何が何だ訳が分かってねぇんだけど!」

「いいからいいから!」

「良くねぇだろ!!」

 

ミナトに対し思わずツッコミを入れつつ、烈我もまたガイトへと視線を向け。

 

「まぁでも確かに強いし、お前みたいな奴とはまたバトルしたいと思ってる。敵とか味方とかじゃなくて、友達としてバトルしたいって思うのは俺もミナトと一緒かな」

「お前等!!」

 

暖かく感じてしまう程の言葉、烈我もまたガイトに向けて手を差し伸べ二人に対しガイトは動揺を隠せていなかったが、心を整理するように目を瞑り。

 

「(ルディア様……すみません、俺には無理です。帝騎としてもう俺は此奴等と戦えない、戦いたくない……此奴らの元に居たいと思ってしまう自分がいます。だから、俺はもう此奴等を……ミナトを裏切りたくねぇ)」

 

心の中で自分に帝騎としての地位を与えてくれたルディアにも恩を感じながらも、戦えないと詫びを入れると、整理が着いたようにまた目を開く。

 

「……俺の負けだ」

「「!」」

 

二人の手を取ってガイトは立ち上がり、帝騎を辞める決意を心に決めるのだった。

 

 

***

 

 

「ガイトからの連絡は?」

「いえ、通信が途絶えている為、何の報告もありません」

「そっか」

 

王宮の間にて部下からの報告に静かに頷くルディア。

 

「残念だよガイト、僕の期待にとうとう応えてはくれなかったね」

 

既にガイトの心が自分から離れていることを察しているように呟くが、その表情は悲哀でも怒りでもなく、ただ何時の様な純粋な笑みを浮かべ、まるで物怖じていない様に王座に腰掛ける。

 

「まぁ僕の目的に支障はない、必ず七罪竜は全て手に入れる。そして世界を終わらせる! 僕のやる事は何一つ、変わる事なんてないのだからね」

 

不敵な笑みを見せるルディア、これから烈我達に待ち受けるのは何か、七罪竜を巡る戦いはついに最終局面を迎える。

 

 




どうも皆さまブラストです。
この度第25話、ようやく更新できました!

暫く空きがありましてすみません。
本当はコラボを進める予定だったのですが、思うように執筆が進まず先に本編を進めさせていただきました。


今回は烈我VSガイトのバトル。
再び猛威を振るうオルガウェーブとの対決。

前回書いた時、結局オルガウェーブはフィールドに健在だったので、今回でキッチリ決着を付けたいなと思っておりました。それと本編で最近、主人公なのに烈我のバトルが少ない事に気付き、今回無事バトルさせられてよかったです(笑)


ガイトと無事和解するが、まだまだ組織の戦いはこれから!
次回も波瀾の予感なので、是非とも見ていただければ幸いです。

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