赤月の雷霆   作:狼ルプス

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第十四話

「はい…あーん」

 

「いや、あの…カナエ、食べさせてくれるのは有難いんだが…もう少し冷ましてから食べさせてくれないか⁈」

現在、俺はしのぶが作ってくれた雑炊を食べているが、まだ腕を動かせないので、カナエに食べさせてもらっている。これが熱いのなんの火傷してしまいそうだ。しのぶはそれを呆れた様子で見ていた。

 

あの時、まさかの展開でカナエから異性として告白されたが、突然の事で頭が真っ白になった。

 

———————–––––

 

————————

 

—————

 

 

「燐くん…あの、返事を…聞きたい…かな?」

 

「え、あっ…ええっ⁉︎好きって、カナエが……俺を?」

我に返り、聞き間違いかもしれないので一応確認をする。

 

「うん……私、燐くんの事が好き」

 

カナエの気配からして嘘は言っていない。顔と耳を赤くし恥ずかしながらも伝えてくる。

 

ど、どうする…、俺?こう言った事は教えてもらってない。確かに俺は、カナエに魅力を感じている。成り行きで数週間一緒に鍛練や生活を共にして、意識するようにはなっていた。

どうするどうするどうするどうする!?早く答えないと、勇気を出して告げてくれたカナエに申し訳ない!

 

 

『燐……迷った時は、行動して伝えるのも大事よ』

ふと、母さんの声が聞こえた気がした。

 

迷った時は……行動で示して伝える……。

 

「(ありがとう母さん、そうだよな、そんな難しく考えなくてもいいんだ。時には行動で示して、伝わることもある)」

燐は落ち着きを取り戻し冷静になる。そして俺はカナエをじっと見つめる。

 

「……カナエ」

 

「…っ!な、何」

カナエの瞳は少し潤んでいる、この感じは不安と恐怖な入り乱れている気配だ。だったら答えて安心させてやらないと。

燐はカナエに再度近づくように手招きをする。カナエは少し躊躇していたが俺に近づいてくれた。

 

燐はカナエの頭に手を回し、見つめ合うようにさせ、カナエの額に燐の唇が触れる。

 

「……っ⁉︎」

突然の燐の行動にカナエは先程よりも顔を真っ赤にさせもはやトマトのように赤い。

 

「俺も…カナエが好きだ。どんな相手にも優しい心を持っていて、花が咲くような愛らしい笑顔が、俺は…大好きだ」

 

「ッ……!!」

彼は矢継ぎ早に私への想いを語り続ける。もう既に心臓が煩いくらいドキドキしてる。これ以上何か言われたら、私……もう、もう無理ッ!

 

「ありがとう…カナエ。俺の事、好きになってくれて」

 

「ッ!?うううううっ……」

本当は抱きしめてあげたかったが、今は無理だ。カナエの頭に手を回した腕を動かせたのが不思議なくらいだ。

するとカナエはそれを察したのか、燐の背中に手を回す。先程とは違い優しくぎゅ~っと、燐を抱き締めた。

 

「カ、カナエ?」

先程とは違い体に痛みはなく、むしろ温かい。この感覚……懐かしい感じだ。

 

「ありがとう…燐くん。それから……おかえりなさい」

 

「ああ……ただいま、カナエ」

 

俺はカナエが言ったことを察し、言葉を返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁ、そんな感じでカナエと俺は恋仲になった。その後、しのぶが凄く複雑そうな雰囲気で入ってきた。あの気配だと何があったのかは大体は察したのだろう。

しのぶが作って持ってきた雑炊をカナエが食べさせてくれているが、相手に食べさせた事がないのかちょっと強引に食べさせようとしている。

 

「もう……見てられない!姉さん!私が燐さんに食べさせるから!なくなった水を汲みに行って!」

その様子を見守っていたしのぶはついに我慢できなくなり強引に皿を取り上げてカナエを退室させる。

 

「燐さん、ごめんなさい。姉さん、こう言ったことには不器用で」

 

「いや、大丈夫だ…。それより食事の続きを」

 

「あ、はい、わかりました。」

しのぶはスプーンを雑炊に入れ、掬いあげ少し冷ましてから燐の口に運ぶ

 

「はい、口を開けてください」

俺はそれを食べる。味もしっかりして美味しい。目覚めたばかりの体には優しい食事だ。

 

「(あれ?私…何気に燐さんと二人っきりに………まさか!)」

しのぶの脳内にカナエがにやにやと笑みを浮かべている姿が見えている。カナエから「しのぶ、頑張れ!」と言われているような気がした。

 

「(謀ったわね!姉さん!)」

しのぶはまんまとカナエの策に乗せられてしまい、青筋を浮かべ内心激怒している。燐に熱いまま雑炊を食べさせたのも、この為の演技だと気付いた。

 

 

「し、しのぶ…どうした、大丈夫か?」

 

「は、はい…大丈夫で……り、燐さん、両眼が」

しのぶは持っていたスプーンを手放し皿の上に落ちる、床に落ちなかったのは奇跡だが。燐の瞳が写輪眼に変化していたのだ。

 

 

「え……ああ、これか?この眼は……その「綺麗な眼」え?」

燐は無意識に変化させていた眼をどう説明するか考えていたが、突然しのぶが燐の眼前に迫り、赤い瞳…写輪眼をジッと見つめる。燐がしのぶの発言に驚いたのも無理はない。

 

しかしずっと見つめられるのも恥ずかしいのでしのぶに声をかける。

 

「あ、あの……しのぶ?」

 

「あっ……ご、ごめんなさい、物語にあった赤い月みたいな瞳だったから、つい……あの、燐さん、その眼は一体?」

 

「……そうだな、お前とカナエには話していたほうがいいかもしれないな…カナエが戻ってきたら話すよ」

カナエが来るまでの間、燐はしっかり雑炊を食べ終えた。

 

「お待たせ〜、遅くなってごめんね」

暫くして水を持って、笑顔で戻ってきたカナエは、先程と雰囲気が変わっていることにすぐに気づき、戸惑う。

 

「ど、どうしたのかしら?」

 

「カナエ、お前達に話しておく事がある。確認だが、屋敷内に俺達以外に人はいるか?」

一応内密にして欲しい内容なので蝶屋敷に鬼殺隊関係者がいないかだけは確認する。

 

「えっと、今蝶屋敷にいる人は私達だけよ。ニヶ月前燐と一緒に運ばれてきた隊士さんは復帰してるから……」

 

「わかった。今から説明『代われ、燐…私が説明した方がいいじゃろう』えっ、この声…」

カグラの声がした途端、燐は急に体をだらんと力が抜けたかのように顔を俯く。

 

「り……燐くん、どうしたの?」

 

「燐さん?」

 

「うむ…成る程、今世の宿主はこんな事ができるみたいじゃのう。やはりこの子は今までの者とは違うみたいじゃ」

顔を上げると調子を確かめるかのように手を握ったり開いたりする。

そして瞳は写輪眼、しかし勾玉模様ではなく六芒星の形だった。

 

「あなた……誰?燐くんじゃない!」

突然声も雰囲気も変わった燐に対し、二人は距離を取り警戒態勢に入る。それだけではない、今のカナエ達には、燐から鬼の気配を感じたのだ。

 

「安心しろ……とは言えぬか。信じられんかもしれぬが、敵対するつもりはない。我が名は“カグラ”、お主らの察しの通り、私は鬼だ。今は此奴の人格と交代しておる。此奴が産まれた時からずっと中にいたんじゃぞ?」

カナエはカグラから敵意を感じないため警戒はとくが、しのぶは警戒し続ける。

 

『ちょっとご先祖さま!急に何するんですか!?』

 

『すまんが、我慢してくりゃれ。話が終わったら元に戻す』

 

精神世界で燐はカグラに怒鳴っている。どうやら現実では燐の声は聞こえていないようだ。

 

「わかりました、貴女を信じます。ですが不審な行動をとった時は覚悟しておいてください」

 

「ね、姉さん…大丈夫なの⁉︎燐さん、鬼に乗っ取られているのよ!」

 

「しのぶ、カグラさんの話聞いた?この人は燐くんが産まれた時から中にいたって」

 

「ほぉ、お主、中々冷静な奴じゃのお。流石燐が認めた女だけはある」

燐(カグラ)はニヤニヤと笑みを浮かべ揶揄うように言う。

 

「うふふっ、褒め言葉として受け取っておくわ。それから、カグラさんは鬼と言ってましたね。どうして燐くんの中に?」

カナエは努めて冷静にカグラへ質問をする。見た目は燐だが、カナエは鬼と会話していることに内心心を躍らせているのだ。

 

「私は数百年前…鬼の首魁である鬼舞辻 無惨に敗れ、気づいたら魂の霊体となって、此奴の先祖から宿って来たんじゃ。私は桐生家の先祖でもある。この瞳がその証拠じゃ。…胡蝶カナエ、お主は燐が任務に行く前に見ているはずじゃ、この瞳を」

 

「ちょ、ちょっと待って、あんた今、鬼舞辻子 無惨と戦ったって……なんで鬼のアンタが鬼舞辻と戦ったの?」

 

「私を他の鬼共と一緒にするな……確かに私は鬼だが…心は人間だ。覚えておれ」

カグラから今にも押しつぶされそうな威圧を放ち、しのぶは冷や汗をかき息を飲む。無闇に手を出せば返り討ちに遭うのを本能で察したからだ。

 

「カグラさん、あなたは既に死んでいて、半分は幽霊みたいな存在ってこと?」

 

「簡単に言えばその通りじゃ。おそらく鬼舞辻が死なん限りこれは続くのかもしれんな」

燐(カグラ)はそう告げる。確証はないがカグラはそう思っていたのだ、鬼舞辻が死ぬまでこの連鎖は続いていくと。

 

「そろそろ本題に入るか。お主ら……この目について知りたいのじゃろ?」

燐(カグラ)は自身の目を指差し姉妹に問う。そして二人は頷く。

 

「よし、では話すが、あまりいい内容ではないぞ、無論、燐からは許しはもらっている。まずこの瞳の名はーーーー」

 

 

 

 

 

それから燐(カグラ)は写輪眼、万華鏡写輪眼などの自身がわかる限りで説明する。姉妹は写輪眼や万華鏡写輪眼の能力、燐がカグラの力を濃く継いでいること、開眼したきっかけなどを聞く。

 

「あの…その万華鏡写輪眼の開眼条件って……」

 

ふとしのぶが気になったことを質問をする。

 

「…自分の親しい者を、殺す事」

 

「「⁉︎」」

 

そして…万華鏡写輪眼の開眼を聞いた姉妹は驚愕した。

 

「じ、じゃあ…燐さんは…大切な人を殺した事が…」

しのぶは信じたくなかった。燐は万華鏡写輪眼を開眼をしていて、人を殺めたことに。

 

「…お主らは知らぬと思うが、燐にも親友と呼べるような友がいた。そやつは任務の際、厄介な鬼と遭遇し相討ちとなった。意識はあったものの、血が傷口に入り込み鬼と化してしまった。そうなってしまっては…もう分かるはずじゃろ」

姉妹は燐(カグラ)の話を聞いて納得せざる得なかった。鬼化してしまえば人肉や血に対して激しい飢餓を覚える。そうなってしまってはもう手遅れである。

 

「現状で鬼を人間に戻す方法はない。燐は選んだのじゃ、親友を人喰い鬼にしないために、人間として殺めることを──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇数ヶ月前

 

ある森の中に二人は対峙している。一人は白色の羽織を羽織った燐であり、もう一人は、同じ鬼殺隊の隊服を着ており、人の形は残っているものの“異形の形”に変わり果てていた。

 

「………雄一」

燐は手に持っている日輪刀を震わせながら相手に構えをとる。目の前には変わり果てた友の姿だった。

 

「グァー!!」

そして、雄一は燐に襲い掛かって来た。

 

「くっ!やめろ雄一!俺がわからないのか⁉︎」

 

燐は攻撃を躱すが、止まる気配はない。立て続けに襲い掛かり、燐を捕食しようと迫る。

 

「お前は鬼の心に負けるような奴じゃないだろ‼︎鬼なんかになるな!!しっかりしろ!」

 

「グオォォォォォォ!!!」

しかし声は届かず咆哮を上げながら襲い掛かる。鋭利な爪による攻撃を燐は刀で受け流す。しかしその攻撃が隊服の布を切り裂く。

 

「……っ、くそっ…くそっ!…くそっ!!もう…やるしかないのかよ‼︎」

 

燐は涙を流しながら両手を強く握る。刀を持っていない手は爪が食い込んだのか血を流している。

 

『…ったく、お前は少し表情が硬ぇんだよ!こう言う時は笑うのが一番なんだ!』

 

『いひゃいいひぁい!!はひひゅりゅんだ⁉︎(痛い痛い!何するんだ⁉︎)」

雄一と行動を共にした時間が鮮明と流れてくる。雄一は燐の頬を引っ張ら無理に笑顔を作らせる。暫くして雄一は頬を摘んでいた手を離す。

 

『確かにお前は強いかもしれんが、一人でやってくうちにいずれ一つや二つポキっと心折れちまうぞ。いいか燐、俺にとって柱ってのは…なった者が認められるんじゃない。仲間達から認められた者が柱になれるんだよ。いいな燐…仲間を忘れんなよ。俺は、お前を認めてるんだからな!』

雄一は笑顔でそう告げる。燐はその言葉に少し照れ顔を背ける。

 

『おお、なんだ燐、照れてんのか?』

悪戯のこもったような喋り方でニヤつきながら燐に問う

 

『……ほっといてくれ』

燐は否定する様子はなく雄一の言っていたことは素直に認めていた様子だった。

 

『はははっ!お前はホント素直だな!』

 

バシ!バシ!と背中を数回叩かれる。しかし悪い気はしなかった。

 

 

 

 

 

 

「グァーーーッ!!」

 

 

「(今の俺にはもう……これしか出来ない、今の雄一を)」

刀をしっかり握り脚に力を込め、瞳は変化し、その場から蒼い稲妻が迸り、一瞬にしてその場から消える。

 

 

 

 

グサッ!

 

 

 

 

 

──人間として…楽にさせてやることだ!

 

 

 

 

 

 

燐の日輪刀の刀身は、雄一の胸を貫いた。その為か、動きが止まり血を大量に口から吐く。

 

「……ッ、すまない…雄一」

涙を流し続けていると山影から日が昇り始める。雄一の身体は少しずつ消滅し始める。

 

 

「…ゴハァッ!……り……ん」

 

「…っ!雄一……?」

雄一から自分の名を呼ぶ声が聞こえた。今の雄一には鬼の気配が薄れている。雄一本人だ。

 

「燐……前に言ったよな?この先戦う時………絶対にしちゃいけねえことがある……それは……一人で死ぬことだ。心はどこへ行く?心はな…仲間にあずけていくんだよ」

 

雄一は燐の背中に手を回し感謝の言葉をかける。

 

「ありがとな…燐、お前のおかげで人として… 心は、ここに…置いていける」

雄一は日の光により消滅する。最後に見た彼の顔は……とても穏やかだった。

 

「……っ…ううっ」

燐は刀を手放し膝と腕を地面につく。燐の瞳は勾玉模様から別の模様に変化し、瞳からは先程とは比べ物にならないくらい涙が溢れ出てくる。

 

 

「う、ぁ、ぁ、うぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁあぁぁああぁぁああああああっ!! 」

 

 

赤き瞳を持つ少年の哭き声が、日の下に響いた。

 

 

 

 

 

 

———————–––––

 

————————

 

—————

 

 

 

「これが…燐が万華鏡写輪眼を開眼したきっかけの出来事じゃ…」

 

「「……」」

姉妹は黙り込んでしまう。鬼化した友を、自分の手で殺した。鬼だからといって割り切れることじゃない。つい先程までは人間だった者が鬼化する。鬼殺隊である限り無いわけではない。

 

「お主達はそれでも、此奴のそばで支える覚悟はあるか?此奴は基本そういったことを表に出すような奴ではない」

 

カナエは顔を上げ自身の気持ちと覚悟を伝える。

 

「私は……燐くんが好きです!この気持ちに嘘はありません。燐くんを…ひとりぼっちになんて絶対にさせない!」

カナエの言葉に燐(カグラ)は納得したように笑みを浮かべる。

 

「そうか……お主はどうなんじゃ、胡蝶 しのぶ」

 

「私は……」

しのぶは考えこんだ。しのぶは燐の事を好いている。一緒に鍛練をしていくうちに彼に惹かれた。

 

頸を斬ることの出来ない私を満足いくまで指導してくれた。悪い時はしっかり指摘してくれる。私が後ろ向きなことを言っていた時にこんな事も言ってくれた。

 

『しのぶ……前にも言ったと思うけど、お前のやってる事、凄いと思う。だからお前は…自分の道を信じて突っ走ればいい。俺が背中を預けられるくらいの強い剣士になれ。何か困ったことがあればいつでも相談してくれ、愚痴でも構わんからな』

 

燐さんは笑顔で私の頭を撫でながら背中を押すように伝えてくれた。この時、燐さんの手はとても温かかった。

 

 

「私は…燐さんが……好きです。最初は尊敬してたけど、いつの間にか燐さんを好きになってた。私がやっている事を姉さん以外で初めて認めてくれた。だから私は、好きな人の前で情けない所は見せられない…!いつか燐さんの隣で、一緒に同じ歩幅で歩きたいから」

 

 

──確かにカグラ、君は人間ではないかもしれない。けど俺は…君の隣で同じ歩幅で一緒に歩く事はできる。

 

 

 

「ふふっ、そうか、それがお主の答えか、同じ歩幅を歩きたい……か、あいつと似たような事を言うな、お主」

燐(カグラ)の表情はどこか懐かしむような様子だった。姉妹はそれを不思議そうに見ていた。

 

「そう言うことじゃ燐、後の事は任せるぞ」

燐(カグラ)は瞳は黒色に戻り、先程から感じられた鬼の気配は消えた。

 

「………」

 

「えっと、燐くん…よね?」

 

「ああ……」

 

「良かった…元の燐さんに戻った」

二人は安堵した様子だったが燐は違った。

 

「あの…しのぶ、さっきの事なんだが……」

 

「え?さっきの事…ああ、あの事ですか…私は本気ですよ…そうでしょ、姉さん」

 

「ええ、しのぶの言う通りよ」

 

「お前ら…」

気配からして嘘は無い、二人とも本気で俺のことを……いいのだろうか、俺は、幸せになって

 

 

 

ーー良いんだよ……とっとと幸せになれや馬鹿野郎

 

ふとバシッと、雄一から背中を叩かれた感覚がした。

 

そうだよな、ありがとう雄一…覚悟を決めたよ

 

 

「こんな俺だが…よろしく頼むな、カナエ、しのぶ」

 

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