赤月の雷霆   作:狼ルプス

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今話から原作に突入します

やっと炭治郎を出す事ができる。
何かおかしいところがあったら遠慮なくご指摘お願いします。

それでは第二十四話をどうぞ!



第二十三話

一人の青年が夜の街で、刀の柄を握り、佇んでいた。両耳には黒の蝶に赤い月模様のある耳飾りをつけており、明かりのない闇夜の中で瞳は赤く光り、その瞳の模様は異質だった。

 

瞳は赤く瞳孔の周りにできた輪の上に黒の勾玉模様が三つあった。

 

 

 

 

青年は一歩も動かず、周囲に意識を集中させる。

 

「その肉もらったぞ!鬼狩りの柱!」

 

青年の背後に現れたのは異形の存在、鬼である。血塗れの着物に口周りには血痕が付着しており、手の爪は刃物の様に鋭く、青年の背後に迫っている。

 

 

「…甘いな」

青年は一瞬にして鬼の視界から消え鬼の背後に回る。

 

 

「雷の呼吸・漆ノ型」

 

 シィィィィ、という甲高い呼吸音、既に抜刀している雷が

 

「――雷切り」

 

鬼に雷の斬撃を繰り出し鬼の四肢を切り裂きながら頸を斬り落とす。

 

 

しばらく嘆いていたが、次第に声は消え、鬼は跡形もなく消えさってしまった。

 

「ふぅ、此処らへんの鬼はこいつで最後か」

 

青年は周囲を見渡し、鬼の気配がないのを確認した後、納刀する

 

「(大分技の精度が上がった気がするな……しかし、灰の呼吸は元々カグラ様が使っていた剣術…鬼化しないと使えないのが痛手だな)」

 

カグラから教わった剣技は鬼の力を解放している間しか使えず、通常の状態で使うと咳き込んでしまう。

 

「カァ~カァ~!緊急伝令~緊急伝令~‼北北東、"那田蜘蛛山"ヘ救援要請!沢山ノ隊士ガヤラレテイルトノコト!十二鬼月の可能性アリ!燐!至急那田蜘蛛山へ急行セヨ!」

 

 

「(那田蜘蛛山…此処からだと急げばすぐに着く距離か)…了解、すぐに向かう」

 

 

 

青年の名は桐生 燐、鬼殺隊・鳴柱にして、鬼からも恐れられる“赤月の雷霆”の異名を持つ剣士だ。

 

 

 

そして今宵、鬼殺隊に新たな風が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹き荒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇那田蜘蛛山

那田蜘蛛山に到着し、俺は森の中へと進んでいた。気配を探らずとも外からでもわかるぐらい、禍々しい雰囲気が伝わってきた。

 

森の中にはいくつもの蜘蛛の巣が張ってあり、邪魔をする。

 

 

「酷い臭いだ……」

 

辺りは異臭が酷く鼻をつまみたいくらいの匂いだが、燐は何度も人の屍を見ておりある程度の耐性は身についている。

 

白が言うには、先に隊士も数人きているようで、隊士を救援する為、燐は奥へと歩みを進めた。

 

 

俺が木々を掻い潜りながら進んでいると、猪頭の被り物を被った鬼殺隊士が約一間(二メートル)を超える鬼に首を掴まれている所を発見した。

 

 

「雷の呼吸 壱ノ型・霹靂一閃」

 

燐は首を締めていた鬼の腕を斬り落とすと、猪頭の少年は斬りかかった。

 

 

 

  

 

 

 

(何だ?斬ったのかアイツ?)

 

 

「……」

 

 

──雷の呼吸 漆ノ型・雷切り

 

 俺は抜刀したついでに踏み込み、雷の斬撃を描き鬼の体を一刀両断すると、頸や手足を斬り落とされた鬼は力尽きたように消滅する。

 

 

それを見た猪頭の隊員は目を輝かせながら燐を見つめる。

 

 

「(視線が痛いな…あの猪頭、取り敢えず声をかけるか)」

 

 

だが、猪頭の鬼殺隊士はこう宣言した。

 

 

 

「俺と戦え、三角羽織!」

 

「……は?」

 

俺は思わず首を傾げてしまう。この状況でどうしてそうなったのか理解出来なかった。

 

「お前はあの十二鬼月を倒した!そのお前を倒せば俺が一番強い!」

 

 

「馬鹿なのか……お前」

 

「なにぃぃ!?」

 

 

「あんなのが十二鬼月なわけないだろう…それにお前、聞いていないのか?十二鬼月には眼球に数字が刻まれている。さっきの鬼に数字はあったか?」

 

 

「わかってるわ、そんなこと!俺だってそんな雑魚、十二鬼月だなんて思ってねぇよ!」

 

「(吐血するくらい首しめられてたのにそんな大声出して大丈夫なのか、ん?この気配は、しのぶと義勇か?なんで柱の二人が……それ程厄介な鬼がいるのか、この山は)」

 

「聞いてんのか、三角羽織!十二鬼月を相手にしているのは炭治郎だ!」

 

「はいはい、大人しくしてろ、猪君」

 

燐は紐を取り出し瞬時に縛り上げて木に吊るす。猪頭の隊員はその早い動きを捉える事はおろか縛られた事さえ気づかなかった。

 

 

「(ななな、何だこれ?ハエー、こいつかなり早いぜ!)」

 

 

「後で隠が来るからそこで大人しく待ってろ」

 

 

「んだと!こんなもんどうってことねぇわ!つか、縄解け!」

 

 

「あまり大声出すと喉潰れるぞ〜」

 

そう言い残し、小走りで去って行く。猪頭の声が辺りに響いたがしばらくして声は聞こえなくなった。

 

 

「(あいつの気配、急に静かになったな。忠告を無視するからだ)」

 

 

 

森の中が騒めいている。先程なかった大きな鬼の気配を感じる。

感じるからに十二鬼月で間違いないが、気配は上弦とは程遠い。

 

 

もう少しで対面出来る距離まで近づいて行く。

 

 

 

すると、1人の少年と鬼を見つけた。少年は切り傷だらけで倒れている。

 

そして近くにいた鬼が糸のようなもので少年を攻撃し囲んでいた。

 

 

俺は全速力で駆け抜け、刀を鞘から抜く。

 

 

「雷の呼吸 捌ノ型・千鳥」

 

 

少年を囲おうとしていた糸を全て斬る。そして、俺は少年の前に立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雷の呼吸 捌ノ型・千鳥」

 

 

チチチ!

 

 

 

 

「(な、何だ‥‥鳥のさえずり?誰か来たのか‥‥もしかして、善逸か‥?)」

 

 

俺はそう考え、顔を上げる。

すると、そこには白の羽織に、黒の三角模様のある羽織の剣士がいた。刀は黒く、その刀身には蒼い稲妻模様があり、両耳には赤い月と黒い蝶が載った絵の耳飾りを付けていた。

 

 

「少年、無事か?」

 

 

「は、はい、あ、貴方は‥‥」

 

 

「俺は桐生 燐。応援に来た」

 

「お、応援‥‥」

目の前の剣士はさっきの糸を容易く斬り裂いた。それに、余り感じ取れないけど、この人の匂い、不思議な感じだ。

 

 

 

 

「次から次へと僕の邪魔ばかり‥!」

 

 

「………」

 

「ッ⁉︎その光る赤い眼、お前まさか…赤月の雷霆⁉︎」

 

 

「(赤い眼?さっき見た時は黒の瞳だった筈!?それにあいつから凄く動揺してる臭いがする!)」

先程の人が振り向いた時、少年が見た瞳の色は黒曜石のような黒い瞳だった。

 

 

「……」

 

 

 

「赤月の雷霆が何だって言うんだ!僕に勝てるはずがない!血鬼術 ・刻糸輪転!」

 

ま、まずい。あの硬さの糸を切るのは‥‥。

 

 

 

「雷の呼吸 壱ノ型・霹靂一閃」

 

 

 

瞬きした途端、目の前にいた人は消え、下弦の鬼が放った血鬼術は目の前の剣士の一閃により全て容易く斬られた。

 

 

「……え?」

 

少年は驚愕するほかなかった。自身でも斬る事が出来なかった糸を容易く斬るだけではなく、一瞬にして音を消し去り消えたのだ。

 

 

 

「なっ!?何処だ!どこに行った!」

 

燐は下弦の鬼の背後に降り立っていた。

 

 

「(いつの間に!それに、あの速度の糸を斬ったとでも言うのか?)」

 

燐は刀を払うように振るい、納刀を始める。

 

「そんな筈ない!もう一度!」

 

累はもう一度血鬼術を放とうとするが、燐が刀身を鞘に納刀した途端、落雷の音が鳴り響き、累の頸が地面に落ちた。

 

「(え、なんで?僕の頸が切られた?)」

 

 

 

蜘蛛鬼は身体を死滅しながら、残った体を動かし必死で手を伸ばしている。

 

 

「(小さな体から抱えきれない程、大きな悲しみの気配‥‥あ)」

 

少年は鬼の背に優しく手を添えた。

 

そして鬼は完全に消滅した。

 

 

 

 

俺はそれを見届けた後、少年に近づく。

 

 

「お前は‥‥鬼に情けをかけるんだな。‥‥お前は鬼が醜いとは思わないのか?鬼は大切なものを容赦なく奪う奴らだぞ」

 

 

「鬼は‥‥人間だったから。俺達同じ人間だったんだから、鬼は醜い化け物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ」

 

 

「そうか‥‥。お前、俺の嫁さんに似てるな‥‥」

 

 

「えっ‥‥‥」

 

 

「だが、気になることが一つ」

 

 

気になること、それは駆けつける前から感じたもう一つ気配だ。

 

 

「その下にいる鬼はどういうことだ?」

 

 

「い、いえ!違うくて!あ、違うくは無いんですが‥‥こいつは、俺の妹なんです!」

 

 

「そうか‥‥それは可哀想にな」

 

しかし、鬼がいる以上、即斬らなければいけない。

 

「だったら早く解放してやらないとな」

 

 

「くっ‥‥‥‥」

 

少年は妹を庇うように覆い被さり、鬼に刀を振るう、その途端燐の刀を持つ腕が突如止まった。

 

「(な、なんだ、動きが止まった?)」

少年が燐を見ると、片目は赤く六芒星の模様に変化していた。

 

「(この匂い、鬼の匂い⁉︎なんでこの人から突然鬼の臭いが…)」

 

 

 

 

 

「(なんのつもりですか?)」

 

『こ、この小僧の耳飾り……見間違えるわけがない、縁壱さんの耳飾り!』

カグラは動揺したかの様に言葉を荒げる。燐はカグラの珍しい反応に一瞬戸惑ったがすぐに切り替える。

 

 

「(今はそんな事関係ないでしょう!早くその子を楽にしてやらないと……っ!)」

 

 

突如誰かが接近し燐は攻撃を後方へ飛び上がる様に回避する。

 

 

どうしてこいつが‥‥?しかも‥‥この二人。いや、鬼を庇っている?

 

どう言う事だ?

 

 

 

「‥‥遅かったじゃないか、義勇‥‥というのはまず良い。何故鬼をかばう?」

 

 

燐は義勇に刀を向け、威嚇するように言葉をかける。

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

「‥‥いつものだんまりか。これは立派な隊律違反だ。鬼殺の妨害だからな」

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

やはり喋らないか。

 

本当に口下手というか‥‥。それを直す気がないからか、周りからは誤解されやすいんだ。

 

 

「まあ良い。お前が鬼殺の邪魔をしようが俺はそこの鬼を……斬る!」

 

 

「‥‥…」

 

 

「正気か?柱同士の殺し合いもご法度だぞ!」

 

 

 

 

「‥‥‥?っ‥‥!」

 

空中から少年が庇っている鬼を狙うかの様に迫り、義勇は攻撃を受け流す。

襲撃者は空中でくるりと体勢を立て直すと、少年を見る。その女性は蝶を彷彿とさせる羽織を纏い、蝶の髪飾りを付けた小柄な女性だった。

 

「あら?」

 

「(だ、誰だ‥‥?)」

 

 

「冨岡さんと桐生さんが鬼の目の前で何をしているかと思えば、これはどういうことですか?冨岡さん?そんなんだからみんなに嫌われるんですよ?」

 

 

ゆったりとした口調で喋るこの女性──

 

そう、俺の嫁の一人、胡蝶 しのぶだ。

 

鬼殺隊を引退した時に『桐生』の名字を名乗るつもりらしい。

 

その為、しのぶの名字はまだ『胡蝶』だ。

 

 

 

 

 

「胡蝶か‥‥」

 

 

 

「冨岡さん、鬼を庇うとはどういう事ですか?しかも、見た感じ、桐生さんの邪魔をしているようですし?」

 

 

「(しのぶ……怒ってるな、今は何も言わない方が身のためか)」

 

 

「動けるか? 動けなくとも根性で走れ。そして妹を連れて逃げろ。この二人を相手に足止めは長くは保たない」

 

 

「は、はいっ!ありがとうございます。冨岡さん」

 

少年は竹を加えた鬼の少女を抱えその場から全速力で駆け出す。

 

 

「しのぶ、お前はあの二人を追ってくれ。義勇は俺が相手をする」

 

「わかりました。冨岡さんは任せます」

 

 

「‥‥行かせない」

 

 

ヒュン!

 

 

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

「お前の相手は俺だ義勇」

 

 

「……俺は、嫌われていない」

 

 

「…………」

 

俺は気配でなんとなく言いたいことはわかるため、義勇との仲はそんなに悪くない。しかし、言葉が足りずよく不死川が突っかかり問題を起こす。

 

「それを胡蝶にはっきりと言うべきだったな……」

 

悪いやつではないが、しのぶが腹を立てるのもわかる気がする。 

 

 

「まぁいい、お前には聞きたいことがあるからな。少しばかり強引に行かせてもらうぞ」

燐は瞳を写輪眼に変化させると、それを見た義勇は珍しく驚いた顔をしていた。

 

「その眼は…!」

 

「雷の呼吸 壱ノ型・霹靂一閃」

 

勿論本気で斬り合うつもりはない。あくまで時間稼ぎだ。

 

「水の呼吸 拾壱ノ型・凪」

 

揺らぎのない水面のようになり、無拍子で剣を振る。普通なら太刀筋を目視するのは難しいが、燐は写輪眼の状態のため攻撃を受け流した後、後方へ回避する。

 

「拾壱ノ型?お前、いつの間にそんな型を」

 

「……今のは俺が自分で編み出した。本来の水の呼吸には存在しない型だ」

 

 

「へぇ、お前もただ鬼を斬っているだけじゃないみたいで安心したよ」

 

燐は刀を両手で構え、義勇も刀を構える。

 

義勇は駆け出し、燐を突破し、しのぶを追いかけようとするが、燐はそれを許さず、義勇の前に立ちはだかる

 

 

「水の呼吸 壱ノ型・水面斬り」

交差した両腕から勢い良く水平に刀を振るう。

 

 「(丁度いい。驚いた顔を拝めさせてもらおうか)」

 

燐はどう対応すべきか結論付けた。燐はさっそく行動に移る。

 

 

 

「水の呼吸 壱ノ型・水面斬り」

 

 

「な…!?」

 

その光景に義勇は目を見開く。

 

 「(…これは…水の壱ノ型、何故桐生が…!?)」

 

 二つの水がぶつかり合い、義勇は後ろへと下がり、ぎりぎりと手足を震わせながら心の中で言葉を紡ぐ。無表情だった義勇に驚愕の表情が浮かぶ。

 

「何故お前が…水の呼吸を?」

 

 

「伊達や酔狂でこんな目をしてないってことさ。お次はこいつだ」

燐は写輪眼を使い、義勇の使った水の呼吸を模したのだ。

 

 

「水の呼吸 漆ノ型・雫波紋突き」

 

 

「……っ⁉︎」

 

 

自分の太刀筋故、その動きを理解していた義勇はギリギリのところで躱し、上着を少し斬るぐらいに抑えたが、動揺はさらに大きくなる。

 しかも自身の勘違いでなければ一つ目の技の時よりもさらに、模倣にかかる時間が少なくなっている。

 

「(まるでもう一人の俺と戦っている感覚だ…)」

 

 相手はまるで鏡のように自身の動きを模倣してくる。

 

 「(今の俺では桐生に勝つのは不可能…)」

 

義勇は柱同士の稽古の時、燐には一度も勝てていない。ましてや十二鬼月最強格である上弦の鬼の単機討伐、そして最強の壱とも戦い、生還した実績を誇っている。

 

 

 

「伝令!伝令!伝令アリ!炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子!拘束シ本部ヘ連レ帰レ!炭治郎、額ニ傷アリ!鬼禰豆子、竹ヲ噛ンデイル!」

 

上空を飛んでいた鎹鴉がそう叫んだ。

 

「そう言う事だ義勇、話は本部にもどってからだ。相応な罰は覚悟はしておかないとな」

 

 

「………」

 

 

二人は日輪刀に鞘に納刀し、本部に向かうため那田蜘蛛山を下る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、お前はあの兄妹とはどう言う関係だ?お前が鬼を庇うなんて正直信じられない」

 

 

 

 

 

「あれは丁度二年前・・・」

 

「簡潔に頼む」

 

義勇の長くなりそうな説明を燐に突っ込まれ、義勇はどうするか考え込む。

 

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