ナチスの生物兵器で斬るっ!   作:YJSN

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深夜テンションの結晶




アリア一家とアリアのアーリア化(ギャグじゃないよ)

あれから5時間が過ぎ去り...

 

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!持ち逃げされたぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

「だから言ったのに...。」

 

酒場を出た瞬間、タツミの地獄の雄叫びが聞こえた...

 

どうやら、ぼくが案じていた通りにタツミは騙されて、金だけ持ち逃げされたらしい

 

辺りは真っ暗な上、彼の資金はあの酒場でメシ代を払ったら底をついてしまった

 

「...ヘルガさん...申し訳、ないですっ!!」

 

ガクンっ

 

「ぇ、えええええっ!?」

 

なぜか、なぜかいきなり土下座を食らわされる

 

「ぼくが、ぼくが甘かったばかりにっ!!ヘルガさんまで騙してしまって!!」

 

どこまで優しい少年なんだと気が重くなる。

 

「あ、頭をあげてくださいよタツミ殿...。それに、付き合うと言ったのはぼくの方ですし...気になさらないでくださいね。」

 

ニコッ

 

破壊力100の男の子...娘...?笑顔で対応してやると、

 

「は、はいぃぃぃッ!!」

 

ズッキュゥゥゥンッ

 

(ちょろいちょろい...。)

 

そう内心腐った笑顔を見せる。

 

残念ながら自分の身体は例の黒い寄生命体に入り込まれてから老化が14才で止まってるんだな...

 

若さ故の過ち...何度でも繰り返せるわ!!

 

そう意気揚々と思いまくっていたが...

 

「えーと...じゃぁ、ぼくらは今晩、野宿ですね...。」

 

「あー...そうなりますよね...。」

 

互いに金銭は所持していない。

 

ぼくは持っているには持ってるが、マルク紙幣なのでドイツ通貨は何一つ意味をなさない。

 

この世界の、特にここの通貨は別のもんらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、絶賛路上で男の子2人で身を寄せ合って野宿中...

 

ガクガク...

 

「ヘルガさん...寒い?」

 

「ぇ...まぁ少し...ヘァックションッ!!」

 

ズルルルっ...

 

「あんま近寄らないでくださいね...。」

 

「何っ!ぼくのこと引いてるのかお前っ!

寒さには弱いんだぞ!くっ付き合わなきゃあったまれないぞ!」

 

「いや、いやぁ、遠慮します、あはは...。」

 

鼻水をすすりながらくしゃみを必死に堪えてタツミに寄り添う。

 

ちなみにその気はナイ♂ぼくはGから始まりYで終わる異常性壁者ではない

 

それにしてもこの寒さは一体何なのだろうか。まだ帝都の暦上秋だってのに...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラガラガラ...

 

パタンっ

 

スタっスタっスタっスタっ

 

だいぶ眠気が僕らを襲い始めた頃...ぼくらの近くで物音がした

 

「あらまぁ...なんてかわいそうなの。」

 

ビクンッ

 

いきなり声をかけられてビビる

 

うたた寝をしていたところを起こされ、瞼を無理やり開くと、そこには...

 

「...どなたですか。」

 

そこそこ可愛い美少女が立っていた。

 

残念ながら可愛いだけの美少女だ。

 

「ん...んんん?ヘルガさん、どうかした...の...って、え?」

 

いきなりの女の子の登場に驚いているのか、タツミも静止する。

 

「もし、泊まるあてがないなら、私の家に来ない?」

 

何か...ありそうな目をしながら少女は優しい笑顔で僕らにその手を差し伸べてくる。

 

「ぇ...い、いいんですか?ここで野宿するよりかはだいぶマシですけど...。」

 

そうタツミが不安そうに聞き返すと、後ろにいる2人の彼女の護衛らしき男のうちの1人が口を開く。

 

「アリアお嬢様は、お前達のような者を放って置けないのだ。お言葉に甘えて置け。」

 

そうどこか冷徹な言葉をかけてくる。

 

(...放って置けない...救済ではなく...破壊か。)

 

さっきのそのマリアお嬢様とかいう貴族のお嬢様...彼女の目をまっすぐに見据えると、彼女はすぐに僕から視線を離した。

 

その理由は覗かれたくないものでもあるのだろうか?

 

...ともかく、連中を利用できるのであれば利用できるだけしよう。

 

反旗を翻すなら、一歩も下がるな。

 

一歩も下がるなというのはソビエト人民委員による有名な命令であり、撤退を禁ずる悪魔の命令だったそうだ。

 

...どうでもいいか、ソ連兵の捕虜から聞いた話だ。もう彼は死んだが...。

 

「タツミ...いこうよ!」

 

表情を読み取られないようにしてタツミに勧める。

 

(もちろん推奨したからには、彼は守るよ、最低限ね...。)

 

心の中で小さな誓いをしながら、彼女の家にまで行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の家は想像した通りの貴族邸であり、豪華で高額な美術品や絵画、家具などが並べられている。

 

どれも実用性のない不必要なものばかりだ。

 

金持ちのやることはよくわからん。

 

それで、だ。僕ら2人は取り調べを受けてる最中...それも彼らのお茶の時間に。

 

「おぉ、アリアがまた誰か連れてきたようだ。」

 

「あら、癖よねぇ。これで何人目かしら。」

 

彼女の両親が談話している。

 

隣のタツミは周りを見渡してその屋敷の景観に圧倒されている。

 

そういえば彼は貧困の村からの出身と言っていたな。こんなところは初めてか。

 

(...これで何人目かしらってことは、連れてこられた他の連中は見当たらないなぁ...クロっぽいね。)

 

そう冷静に思案する。

 

「拾っていただき、ありがとうございます!!」

 

タツミが歓喜に満ちた笑顔で礼をする。

 

僕も右手を高く掲げ、敬礼を行う。

 

「Danke Unser Feindesland...。」

(ありがとう、我が敵地よ...。)

 

タツミが何か怪訝そうにこちらを横目で見て、

 

(機嫌を悪くしたらマズイだろ!普通に礼をしろ普通に!)

 

と合図を送ってくるが、

 

「はっはっはっ!それは何かの挨拶かい?」

 

気前よくアリアという少女の父親は聞いてくる。

 

「はい!僕の故郷で相手に敬意を払う特別な挨拶です!!」

 

意気揚々と答えると、

 

「そうかそうか!ははは!変わったところもあるもんだな、アリア。」

 

「えぇ、お父様!」

 

(...笑いはイライラの真反対ってね。)

 

彼ら、笑ってこそいるものの僕の一つ一つの挙動にイライラしてるのが丸わかりだ。

 

特にマリアの目をしばらく見てるだけで自己の欲望が見えてくる。

 

こりゃ危険だな...。

 

警戒しつつも話を進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど...軍で出世して故郷の村を救いたいか...。」

 

「はい!」

 

絶賛タツミが何をしに帝都にやってきたのかを尋問されているところだ。

 

色々とタツミと話したが、内容はほぼ一致している。

 

嘘はついてないようだ。そもそもあれだけの男の子が嘘をつくとは思ってもいないけど。

 

 

 

話は進んでいき、タツミの友人であるイエヤス、そしてサヨという少女2人が帝都に来る途中別れてしまい、

帝都で落ち合う予定だったが未だに会えていない現状をタツミが伝えると、

 

「よかろう!軍の者に口添えをしておこう。あとその二人の捜索もな。」

 

アリアの父親の異常な気前の良さにぼくの警戒心はマックスだ。

 

「アリアの勘ってよく当たるんだけどね、きっと近いうちに二人とも会えると思うよ?」

 

ニコッ

 

貴族のお嬢様 アリアは明らかに意味ありげな発言をする。

 

(...会える...これで何人目かしら...異常な援助...。)

 

よくある手口だな...はぁ。

 

確信に迫ったが、どうせなら演技をし続けて幻をタツミにもう少しだけ見させてやるかと思う。

 

どのみち、ぼくはここが『帝政国家』であることを知った時点で、目的ができたから、タツミとは別れるつもりだった

 

全てをライヒに またいつか総統に出会う日まで

 

(...ハイル・ヒトラー...!!)

 

心の内側で静かにかの人を敬う。

 

「それで、あなたは一体どちらからいらしたのかしら?えーと... 」

 

「ヘルガです!ヘルガ・シュタイナーです!

北方の方から来た、裕福とは言えない出稼ぎ人です!」

 

急に話を振られて、ついフルネームが出る

 

「あらあら、それじゃぁタツミ君とはどこで知り合ったの?」

 

この母親...グィグイ聞いてくるな...もしかして性癖的にぼくが対象なのか...?

 

彼らがやっているぼくの寄生物よりクロっぽい趣味の性癖対象に選ばれるとは不運だ。

 

「あー、たまたま酒場で道もわからず出会ったタツミ君に色々と話を聞いて、成り行きで...ね!タツミ!」

 

「あ、はい、そうです!」

 

「なるほどなるほど...所でその服装はあまり見かけないね。

若いのに勲章らしいものをジャラジャラと...どこかの有力な軍人さんかな?」

 

アリアの父親が自分の服装について聞いてくる。

 

「いぇいえ!これはただの私服に過ぎません!

故郷ではこう言った服装が当たり前でしたので...。」

 

「そうかそうか!やはり君の故郷は珍しいものばかりだな!一度訪ねてみたいよ!」

 

こちらに探りを入れようとしたのか、まぁ真の情報など誰にも渡さないつもりだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、彼らとの談話も終わり、タツミとぼくは各部屋別々のところが割り当てられて、好きに使っていいと言われた。

 

(...この状態で寝るのは危険だな...。)

 

カーテンを閉め、部屋を真っ暗にし、ドアには鍵がついていなかったのでぼくの手からドアノブに黒い例の生命体を纏わりつかし、開けれないようにした。

 

更にぼくは

 

タンっ

 

地面を音が響かないように蹴って、天井に手をついた。

 

そしてついた手から体を横転させて、すっかり重力に争い天井にまるでコウモリのようにぶら下がって眠気を誘っていく。

 

ぼくの足からは常にドス黒いモヤのかかった物体が天井との接着剤の役割を果たしている。

 

「では...おやすみ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スヤァ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ...ガチャガチャ...

 

夜中にドアノブを回してぼくの部屋に侵入しようとする者たちがいるということを、ぼくは知りながらそのままにしておいた

 

どうせ入ったとしても天井で寝てるとは思わんだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が経つのは早い 特に睡眠時間中は

 

もう朝になり、そして貴族らしいアリアお嬢様の無駄遣いの買い物に付き合わさせられる

 

ぼくらはお屋敷にいる間は彼女のお供としているということになっている...らしい?

 

んでまぁ、そのお嬢様が異常なほどの量を購入するもので...

 

「なんか量がおかしくなっちゃってますけど...。」

 

タツミがそう引く程の積み上げられた荷物が目の前にあった。

 

「女ってのは、貴族に限らず大抵こんなもんだ。」

 

護衛のうちの一人がタツミとぼくに話しかける。

 

「えっ、そうなんですか?ウチはすぐに着るものは選びますけど。」

 

「それは着るものがないからじゃ...。」

 

タツミがなんか意味深なことを言い、ぼくがなんとなく予想をつける

 

「それよりタツミ、ヘルガ。あそこをみてみろ。あの中央の建物、あれがこの街の中心部 帝都だ。」

 

「おおおおぉ!!でっけえええええ!!」

 

タツミが興奮状態に陥る。

 

「あれが、国を動かす皇帝様のいるところですか!」

 

タツミが意気揚々と聞くが、しかし

 

「いや...少し違う...。」

 

そう言ってその護衛はそっとぼくらの耳に近づいて、小さな声で

 

「皇帝はいるが、まだ子供だ...。

そしてその皇帝を操る大臣こそが、この国を腐らせる元凶だ...。」

 

「えッ...!」

 

タツミは驚きで声も出ないと言う様子だった。

 

ぼく自身、タツミが知らなかった情報はぼくも知らないので、新情報として脳内にインプットしておいた。

 

「じ、じゃぁ、俺の村が重税で苦しんでいるのも...。」

 

「帝都の常識だ。」

 

「くっ...!!」

 

タツミはこの事実に男の子らしく、村を思ってか怒りを抱く。

 

「...ヘルガ、お前はあまり驚かないんだな。」

 

そうぼくのことを少し疑問に思う護衛だが、

 

「いえ...そういうことには慣れていますので...。」

 

「そうか...他にも、あんな連中もいるぞ。」

 

護衛が更にぼくらに向けて指差したのは

 

「...ナイト...レイド?」

 

と、書かれた四人程の指名手配犯の張り紙が見えた。

 

「帝都を震え上がらせる殺し屋だ。その名の通り、夜襲を仕掛けてくる。

帝都の重役・富裕層が連中のターゲットだ...。一応、覚悟はしておけよ...。」

 

なにか意味ありげな発言だったが、タツミはなりふり構わず、

 

「はい!」

 

と元気で答える。

 

「あと、とりあえず...お前ら、あれなんとかしてこい。」

 

そう護衛が更に指を指す方向を見ると

 

アリアお嬢様がこちらに走ってきており、その背後には...

 

バカでかい荷物が二人がかりの護衛で運ばれてきていた

 

「「なんの修行ですか!」」

 

盛大なツッコミを入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は素早く立ち去り、今日もまた夜中が来た...

 

コツ...コツ...コツ...

 

そしてぼくは、ある部屋に向かおうとしている

 

それは...

 

バタンッ

 

勢いよく開かれる扉、そして

 

ビクンッ

 

開かれた部屋の中にいる、一人の少女が一瞬震えるが、すぐに何かをしまって彼女の背中に隠す

 

「アーリアお嬢様〜!」

 

少し演技的な甘い声も交えて呼んでみる、そうすると、

 

「あら?ヘルガ君、何の用かしら?

それにこんな夜中に勢いよく扉を開けたらご両親に叱られるわよ、もお!」

 

と、いつも通りのテンションでぼくに接する

 

だがぼくはもう彼女の状態に気づいている

 

なにをぼくから隠し、何を遠ざけようとしたのかを...

 

「アリアお嬢様〜、背中にあるものってなぁに?」

 

わざとらしそうに聞いてみる。

 

そうすると彼女は慌てたように身動いで、

 

「あ、え、えぇ、それ?ただの本よ!さっきまで読書してたの、つい夜更かししてしまったわ。」

 

ぼくに常に笑顔で接するが、その顔にも汗が流れ、次第に焦った顔に変わっていく

 

その様子を見て、ぼくは

 

(...こりゃ、さっさとしたほうがいいな。)

 

別の誰かがこの屋敷に侵入してきたことをぼくの体内にいる寄生物が知らせてくれる。

 

ぼくは少しため息をついた後...

 

ボゥンッ...

 

黒い砂塵と共にぼくは彼女の目の前から消えた...

 

「っ!?ヘルガ!?...どこにいったの!?」

 

そう驚く彼女だが、

 

「ここだよ...。」

 

彼女の耳を舐めながら囁いてあげると

 

「ッ!!!」

 

彼女はぼくから距離を離そうと後ろに一気に下がるが、ぼくの思い通りに彼女はベッドの段差に足を取られ、ベッドの上に寝転がるようになった

 

「ッ...へ、ヘルガ君?悪ふざけはもうやめてちょうだい?ね?」

 

そうなんとか平常を保とうと語りかけてくるが、気にも留めずに彼女の上に馬乗りになる

 

そして彼女の顔の目の前にぼくの顔を持っていく。

 

それと同時にアリアお嬢様の両腕を掴んで封じる。

 

「...犯す...つもりなのかしらね?」

 

彼女の目の色が少しだけ変わった。

 

「H目的ならとっくに強姦だのなんだのしてるよ。そうじゃないさ。」

 

ぼくは言ってやると、彼女は怪訝な顔をする。

 

「じゃぁ、なによ。あなた知ってるんでしょ?

私が家族の拷問に手を貸してること...何かする以外考えられないわよ...。」

 

彼女 勘がいいのか ぼくの態度や日頃の会話から察していたようだった。

 

「そこにあるのも拷問器具なんだろ。両親に言われてお前が手入れ役として毎晩磨いてる...。」

 

ゴツンッ かパッ

 

左足で地面に置いてある物々しい工具箱を蹴り、蓋を開けてみると中には大量のメスやら針、ナイフ・ハンマー・ノコギリなどが入っていた。

 

「お前はもうじき死ぬさ。なんといったかな...ナイト・レイドか?連中がこの屋敷に来てる。」

 

「っ...やっぱり...やりすぎたんだよ、私達。」

 

「...。」

 

ぼくは彼女の目をまっすぐ見据えて、根っからの腐れ野郎ってわけではないことを確信した。

 

「生まれたとこがこんなとこじゃ、しょうがないとも言えなくはないな...拷問への直接加担は?」

 

「...嘘はついても無駄よね。最初の、最初の一回だけ、女の人の皮膚に傷を、ほんの小さな傷をつけた...。

お母様に誘われて離れの小屋に呼ばれた時、私の初めての時よ...そんなこと聞いてどうするの?」

 

「しっ...黙って答えるんだ。...お前はなにに忠誠を誓う?」

 

「...?いきなりなにをっ...!」

 

「忠誠だよ...単純なことだ、なにが欲しかった?...拷問か?それ系統の破壊か?

己の欲望に忠を尽くすか?両親のように...。」

 

彼女の真意が知りたい。彼女はせっかくの美少女というのもあるが、容姿がとにかく北方アーリア系民族だった。

 

金髪、そこそこのショートヘアにカットされ、頭蓋骨もちょうど良い形だった。

 

まさにぼくと瓜二つの、双子と言われても信じてしまうような少女だったのだ。

 

彼女は欲しい...我がアーリア民族に必要不可欠な人材だ

 

この国でアーリア系の民を見つけるのはこれから先異常なほど大変だろうし、今のうちに見つけておきたかった

 

だが中身がゴミでは使いようにならん

 

だから彼女がなにに忠を尽くすのかが知りたかった

 

「私に...何か欲があることは無いわ...ただなんとなく生きているだけよ...。」

 

どこか寂しげに、拷問の手伝いや自らの意志では無いことをやることへの忌避感や倦怠感をぼくに訴えていた。

 

「...そう...じゃ、一つ提案なんだけど。」

 

「なによ...どうせ私はもう終わりよ。」

 

ローテンションなことばかり言うなこの女...

 

「私、私うるさいぞ。そんなに自分が大切かメス犬。」

 

「...いいえ。」

 

「そう、それでいいんだ。どうせこの先やる事がないなら、ぼくと一緒に行かない?」

 

「...どこへよ...。」

 

無気力な女とはまるでマグロのようだ。

 

強姦されてるわけでもないのに強姦されてる無抵抗な状態だ。

 

おっと、言葉が汚すぎたかな。

 

「ライヒだ...いずれこの帝国はわがドイツ民族のものとなる...。」

 

「ふっ...いい空想物語ね...。」

 

「まあまて、まだ話の続きがあるんだ...今話すと長いがな。

ま、肝要な所だけ聞くって事だ。よく聞け小娘。

 

お前には私と、我が民族の為にカラダも意志も捧げてほしい。

 

お前自身の意志によって、民族の一部となるのだ。」

 

「なによそれ、バッカみたい...。」

 

「つまりは、ぼくの為に尽くせということだ。嫌ならまだ共に生きれるお前が、無駄死にするぞ?

 

こんなところでな...お前の遺伝子は劣ったものとして、お前という種は絶滅するのだ。」

 

ビクッ...

 

その言葉に何か思い上がったのか、彼女は一瞬震える。

 

「...土日...。」

 

「ん?」

 

何か言いたそうに口をぼくの耳に近づけてきて...

 

「...土日は休ませろ...っ!!!」

 

強くぼくに言ってきた。

 

「...もちろんだよ、我が妹...。お前は今からぼくの妹だ...。ようこそ、ライヒへ。」

 

ベッドに押し倒しておいて言うようなセリフではないがな。

 

「じゃぁ、ひとまず逃げるか。」

 

「でも...どうやって逃げるの?ここはやつらに囲まれてるはずよ...。」

 

「そうだな...じゃ、目瞑ってて?」

 

「...なにする気?」

 

「ただの移動だよ。なんだ、ビッチにでも目覚めたか?」

 

「...好きにしてッ!!」

 

何か怒ったような口調で言われるが、無視してぼくは意識を集中させる。

 

彼女を抱きかかえて、ベッドから引き離す。

 

いわゆるお姫様抱っこだ。

 

そして周囲の空間との調和...ぼくの中にいる寄生物による空間との共同体を形成する。

 

空間との共同体は、ぼくの細胞が寄生物によって別の空間へと空気循環のように移動させられる状態を指す

 

側から見れば瞬間移動や、空を飛んでるように見ることもできるのだろう

 

「引き裂かれないように、ぼくに掴まってて。」

 

コクっ

 

この意志なき少女だったアリアがぼくの隷下に入り、意志ある民族の一部へと変わった

 

ぼくは嬉しくてたまらなかった

 

そしてその夜、ナイトレイドの連中はターゲットの一人を排除できず、どこに行ったのか捜索も困難なまま依頼未達成のまま帰還することになった...

 

 

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