ナチスの生物兵器で斬るっ!   作:YJSN

4 / 5
権限拡大に首切りザンク編

あの後、ナイトレイドの夜襲がやはりあったと言うか、事件として報じられた。

 

アリアは彼女の家族で唯一の生き残りであり、彼女が資産を相続することとなった

 

もちろん、彼女の両親はこの帝国の全権代表とも言えるとある大臣の派閥についていたそうなので、アリアももれなくそちら側に今は付いている

 

その、なんとか大臣...名は忘れたが、そいつから形として援助金などが出ており、その金で邸宅を購入した

 

絶賛、アリアはその邸宅に居を移し、貴族としての仕事をしてもらっている

 

本人曰く、『貿易に関する関税』によって儲ける副業のようなものだとか

 

なるほど、将来は外務省貿易課にでも配属しようかと考えておく

 

そして今、ぼくは彼女に雇われた護衛、と言うことになっている

 

彼女が権力基盤だ 彼女が貿易関連の経済体制から食い込み、勢力を伸ばせばぼくはただの護衛ではなく、

元ある親衛隊として帝国の全土の防衛を行うつもりだ

 

そのために、今は彼女の邸宅の裏庭で...

 

《血肉を取り戻せ...骨を大地から集めるのだ!!》

 

古代エジプト語での詠唱を行い、自らの壺を

 

《主人が帰ってきたぞ!!!!》

 

サァァァァァァ...

 

『『『Cy...Cy...Cy...。』』』

 

壺の蓋を勢いよく開け、遺灰を形にし、彼らを呼び戻す。

 

そして、僕の目の前には総勢、75名の親衛隊生物兵器化学大隊の我が戦友達が揃った

 

皆、ミイラのように身体は痩せ細り、顔面はもはや見せられないほどグロいので、ガスマスクを被ってもらっている

 

「...この見た目の割に、身体能力は半端ないんだよな、彼ら...。」

 

心底外見と似つかわない強さに驚く。

 

彼らには今後、帝都の情勢や経済的重要区間などの諜報活動にでてもらうつもりだ。

 

そしてぼくと少数がこの邸宅に残って護衛という名目上の仕事を果たす。

 

「ここらの情報が欲しい。経済区域、この帝都における情勢やあらゆる有益な情報を諜報してほしい。急いでくれ。」

 

そういうと、彼らは了解の意を示し、

 

ガンっ

 

と地面を強く蹴り、ぼくほどではないがだいぶ高いところまで跳躍しながら、邸宅の外側へと走り去っていった

 

そして残りの数名がぼくの背後に回る形で護衛についた

 

「お仕事が終わりましたので、昼食にしませんか...ヘルガ大佐どの...?一体なにをなされて...?」

 

「あ、あぁいや、なんでもない。ぼくの部下を呼んでただけさ。」

 

「なるほど...了解です。」

 

肩をすくめて彼女、邸宅から出てきたアリアに説明する。

 

ぼくの背後にいる親衛隊員を一瞬怪しんだが、ぼくの話を聞いて納得したように頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで数ヶ月が経過、帝都での生活も安定してきた

 

何よりアリアが割と事務処理で使えるのだ

 

流石は元貴族...いや今も貴族か

 

現場に出向いて品々の仕入れ値や利益率などを常に計算している

 

その度に護衛であるぼくが付いていくハメになる

 

その上彼女は買い物好きで、バカスカ物を買ってくるからうちの親衛隊員でも荷物運びがギリギリなくらいだ

 

そして、だ 各経済区域担当官をぬっ殺して、うちの管轄下に置いた

 

連中は調べた所、凄まじい汚職や書類改竄だらけで、まぁ死んでも仕方ないと思われるような奴らばかりだ

 

そのかわり、大臣の派閥に属している者達の一味であったため、

ナイトレイドの夜襲で亡くなったという事になってはいるものの、毎週連続で殺されていくからにはあの大臣、相当頭にきている模様

 

まあアリアの経済圏が広まってそれはそれでいいんだけどね

 

「ふへへぇ...。」

 

で、ニヤニヤしながらぼくは目の前の先ほど届いた書類を見ている

 

「それ...取るのに何週間もかかったんだから、無くさないでよ。」

 

アリアから忠告を受ける

 

「わかってるってぇ。」

 

こんな紙切れ一枚に嬉しがる理由は、書かれている内容だった。

 

「貴公、オルトア・アリアの護衛部隊である『親衛隊』は、管轄下の経済区域における国家保安権限を認めるものとする、かぁ。」

 

そう、ぼくらが管轄下に置いた経済区域...まぁまだ今は3つしかないが、その管轄下での治安維持活動が可能となった。

 

大臣が認証を渋ったせいで中々出なかった許可だが、ようやく降りたようだ

 

それもそのはず、今帝国では辻斬りザンクと呼ばれる帝具使いの犯罪者が出回ってると言う

 

最近、うちの近くでも何名か警備隊が殺害されたそうだ

 

警備隊の数合わせのために、僕らにも国家保安権限を委譲したのだろう

 

そんなこんなで時は流れるように過ぎていき、ぼくはこれから出かけるアリアの護衛を務める身支度をする

 

何やら今日の夕ご飯のおかずを買いに行くついでに現場の価格調整をしたいという。

 

彼女が管轄下に置いている区域では、親衛隊の目もあってか不正取引を成立させたものは容赦なく見せしめの首吊りかその場で銃殺刑に処している。

 

親衛隊員は各地に見えないところから彼らを監視している...それだけでもその区域の民からすれば恐怖だったらしい

 

近頃犯罪率は低下している

 

まぁザンクが狩りまくってるからってのもあるかもしれないが

 

ザンクについての情報はそこそこ得ておいた

 

どうやら帝国随一の刑務所での首切り役人だったが、その後帝国の指揮を離反

 

国宝である帝具を盗み出し逃走したものが帝都に流れ着いたと

 

「もしもの事があったら良くないし、アリアにはこれからつきっきりでいるよ。」

 

「...好きにして。」

 

「冷たいなぁ。」

 

不愛想な彼女は前とは大違いだ。

 

「じゃ、いくとするか。用意はできたでしょ?」

 

「...えぇ。」

 

4名の親衛隊員が背後に回って僕ら二人の護衛を務めてくれる。

 

大抵のことは彼らがこなすから、ぼくはただ見てるだけさ。

 

ただ...今は日が暮れてしまいそうな夕暮れ時...アリアが外出するにはちょっと危ない時間かな...

 

「そもそもお店開いてんのか...?」

 

少し疑問に思いつつも、彼女と足を進めていくのであった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふふんふふーん♬」

 

「お前買い物の時だけは嬉しそうだな...。」

 

後ろの荷物大量の親衛隊員が苦しそうに見える

 

彼らの筋力なら耐えられるだろうが...

 

「...ョ...サヨ!!」

 

(...?)

 

鍛錬された聴覚から、僅かに声が聞こえた。それに走る音も...。

 

「どうかしましたか?ヘルガ大佐殿。」

 

アリアにはぼくの本職などについても色々と語ってある。

 

故に大佐呼ばわりしてくる。ヘルガでいいと言ったのに...。

 

「いや...なんか聞こえなかったか?そこの路地裏から。こう、サヨって。」

 

「サヨ...前の亡きご両親の拷問施設にそのような女がいたような...。」

 

「生きてたのか?」

 

「いえ...死亡が確認されています。私のお母様によって。」

 

「そうか...だが、サヨって呼んだということは...その名前を呼ぶのは一人しかいないな...。」

 

「?」

 

アリアはよくわからないと言った顔だが、ぼくはよく覚えている。

 

最初に出会い、あのアリアの屋敷でのナイトレイドの夜襲後、彼は行方不明になっていることを...

 

そして今聞こえた声は...彼だということを

 

彼はいないはずのサヨをみたのか...?確実に走って追いかけていたのが路地裏の陰から見えた

 

「アリア、先にそこの親衛隊員とともに帰ってろ。」

 

このまま彼女を戦場に連れていくには少し危険だ

 

留守番でもしておいてもらおう。

 

「...あまり無茶はなさらないでください。」

 

ぼくに少し忠告をしてから、彼女は踵を返して帰路につく

 

「...タツミ...待っててね。」

 

ガンッ

 

そう言いながら、時速何十キロもありそうな速度でぼくは地面を蹴り、跳躍を開始して、彼を追いかける...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィンッ

 

ガンッガンッ

 

ギギギィッ

 

金属同士の激しいぶつかり合いが聞こえてくる...

 

方向は大広場の方だ...

 

ヒュゥゥゥッ

 

跳躍による風切りの音が心地よい

 

真っ暗な日がくれた暗闇を飛んで回る

 

 

 

 

ぼくの背後からも、また複数の風切りの音がする

 

親衛隊員だ 急遽諜報任務から外して8名程を隷下に割り当てた

 

首切りザンクのいる場所を一人でウロつくのは流石に抵抗がある

 

「ッ、間に合ったぁ!!」

 

ある建物の影を抜け、広場が目の前の視界にバッと広がる。

 

跳躍しながら、地面へと重力に従って落ちていく。

 

ズザザザザァァッ!

 

丁度タツミの真横に降りれた

 

「タツミ!!タツミ!!大丈夫か!?」

 

だいぶ傷を負っているタツミに近寄り、心配する。

 

「...ッ、あんたは...ヘルガ...さん?」

 

「どうしてこんな傷...を...って...。」

 

ぼくは彼がじっと見つめている方向を振り返る。

 

そしてそこには...

 

「...指名手配中の...アカメ...!?ナイトレイドかッ!!」

 

そう一瞬後ずさり、こいつがタツミをやったのかと思うが...

 

彼女と対峙しているもう一人の男の方を見て、納得する

 

「なんだぁ、おめぇはぁ?」

 

ぶっきら棒にその男は突然の侵入者に目を細める。

 

「...首切りザンクだったか?確か名前は。」

 

「そうだ!!俺の名前を知っていてくれたとは光栄だよ!!愉快愉快!!」

 

変な口調なやつだな...。

 

そしてアカメもこちら側を振り返り、

 

「...誰...。」

 

と不思議そうに首をかしげる。

 

「あー...お楽しみのところ邪魔してすまないが、やり合うならさっさとやりあってくれ...。ぼくはこの子に用があるだけだしな。」

 

「...。」

 

タツミに用があるというと、ぼくにも殺気を向けてくるアカメだが

 

「勘違いしないでよ、ただの治療だ。」

 

「...タツミに何かしたら、お前も斬るッ...!!」

 

鬼のような目でこちらをみてから、ザンクとの戦いに戻る。

 

「ヘルガ...どうして...ッいって...!」

 

「たまたま路地裏から走っていく君の姿が見えて、少し心配になっちゃってね。

 

ところでタツミは今までどこにいたんだ?

消息不明になってから少し心配してたんだよ?」

 

「いやぁ、まぁ、色々とあってね...あはは。」

 

「...まぁその話は後で、じゃぁ...。」

 

ぼくは腕の襟を捲り、小さな細い腕を外気に晒す。

 

そして、親衛隊の短剣を取り出し、

 

シュッ...

 

「んっ...飲んで...。」

 

「...えっ?こ、これを!?」

 

...常人からしたら訳がわからない行動にタツミは困惑している。

 

ぼくの短剣で切った傷口から、血...若干黒く染まった血が流れ出る。

 

「そう!いいから!!」

 

ガバッ

 

「おわっ...!」

 

タツミをぼくの腕に引き寄せて、無理やり飲ませる

 

ゴクン...ゴクンっ...

 

吸血...いや、本来なら血液は流れていないが、ぼくに寄生する物体の血液との結合物が、タツミの体内に取られていく。

 

これらのぼくの血液...?は、タツミのザンクに切り刻まれた鋭利な傷口の細胞を活性化し、ぼくから与えた血液によって大半の傷口の細胞が補われて動けるようになる...。

 

もちろん、一時的な細胞への措置であり、数日経つとその細胞は消え去り、元の傷口へと戻る

 

がしかし、その頃にはタツミ自身が治療に成功してるだろう

 

「ぷはぁっ...ほんのりと甘いけど、ヘルガの血はどうなってんだ...。」

 

怪訝に思いながらも味のレポートをしてくるタツミ。

 

「ほんと?」

 

ぺろっ

 

自分でも舐めてみる

 

「...たしかに、りんごの一歩手前の甘さだな...。」

 

どういうわけか、ぼくの血液には砂糖でも入ってるのか?

 

「よくわからないけど...体が動けるようになってきた気がする...ありがとう、ヘルガ。」

 

「うん...ところで、彼女らは...。」

 

ガァンッ

 

ギリギリギリリリッ

 

キィンッ!!

 

未だぼくらのそばで熾烈な戦闘を繰り広げている彼女 アカメと首切りザンク

 

「あぁ...俺をたったいまさっき助けてくれた、アカメだよ...街の指名手配書にもあっただろ?」

 

「あいつが...アカメ...。」

 

帝都では有名な殺し屋と聞いている。

 

更に帝具使いであるらしく、彼女が持っている刀...あれに少しでも触れるとアウトらしい

 

現状のところ、アカメ優勢の状況だったが...

 

ピトっ...

 

急にアカメが止まった

 

そしてザンクが何やらニヤニヤとした顔でアカメを見据えている

 

「ッ!?アカメ!どうしたんだ!アカメ!!」

 

タツミがそう叫ぶが、彼女には聞こえていないらしい。

 

「ムダだ少年よ。これは俺の帝具の能力、幻視ッ!相手にこれまで出会ってきた中で最愛の者を映し出す、催眠効果のようなものだ...。

 

今頃こいつは、最も大切な人間に出会っているのだろうさ。」

 

そうザンクがご丁寧に解説してくれる。

 

現にアカメは瞳孔が開き、目の前のザンクへの態度を一新させた。

 

「アカメ!!お前がみてるのは幻覚だ!!アカメ!!」

 

「むだだ...一人にしか効かないが効果は絶大ッ!愛しきものを見ながら死ね!!アカメェ!!!」

 

ザンクが二刀流の剣を武器に、アカメに急速に接近していく。

 

そしていま間近にもザンクの剣が振るわれようとしたその時...

 

 

 

 

 

 

世界は暗転した

 

いや、ザンクの世界だけ、という事だろうか

 

ぼくが地面から這わせていた黒いナニカは、彼の足元にまで到達していたのだ。

 

「...ッッ!?」

 

その瞬間、この時が止まったような世界で、ぼくとザンク以外は何も見えない暗闇へと移る

 

「...な、何をしたぁ!!??」

 

意味がわからないというように、ザンクは目の前のぼくに対して問いかけてくる。

 

「...少し夢を見てもらうだけだよ。」

 

「なんだとッ!」

 

「たのしんで...くださいね。」

 

そう言ってぼくもその暗闇の場から消える...。

 

「ど、どこ行きやがった!!」

 

ザンクは帝具を使って必死に探すが、見当たらない。

 

 

 

 

ゴゥンッ

 

 

 

 

更に周囲の風景が広がる

 

「ちっ、なんだよ...。」

 

ザンクはようやくこの謎の幻覚か...それとも異なる世界なのか、その場所から出れたことに安堵するが...

 

彼は出てなどいなかった

 

彼が次に立つ場所は、白い壁面に覆われた一本通路だった

 

上からは蛍光灯によって僅かに光が出ているのみの...

 

その先に扉があった

 

「...何かのギミックらしいな...。」

 

ザンクは冷静に何かを考えながら扉の方へと進む。

 

そして扉を開けようと近づくと...

 

ゴゥンッ

 

その一瞬で扉と自分との距離が飛躍的に伸びた

 

「...?なんだこりゃぁ...。」

 

ザンクはその後も、後も後も後も何回も扉へ近づこうとして走り、跳躍しながら扉へとグイグイと近寄ろうとするが、一向に距離が開いたままで何一つ進展がない

 

「はぁ...はぁ...はぁ...なんなんだよここはッ!!」

 

怒号を喚き散らし、ついに限界点に達したのか、この作られた精神世界の脱出を試みるが、壁を破壊しようとしても壊せず

 

後ろに戻ろうとするとまた同じように扉があり、無限へと通じる扉の距離が近づくごとに離れる現象に遭遇する...

 

「ハァッ...ハァッ...出せッッ!!早くッッ!!出してくれッッ!!

頼むぅぅぅうううあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ガァンッ

 

ドゴッガンッガンッ

 

ついに発狂し始めたのか、彼はがむしゃらに壁や天井を破壊しようと暴れ回る。

 

が、それは一切が叶えられることがなく、永遠と同じことの無限ループが続く

 

「出せえええええええ!!!!早く俺を出してくれえええええええ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、あの暗い世界から戻ったぼくは...

 

 

 

「...ルガ...ガ...ヘルガッ!!ヘルガッ!!」

 

「...ッ...はぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 

スゥゥゥゥゥゥゥ...

 

と、息を吹き返した

 

「ゲホッ...ゲホッ...カハッ...!!」

 

吐血を吐きながら、ぼくはなんとかこの世に戻ってこれたようだった...。

 

ぼくに寄生するこの生命体とぼくの脳の融合によって作り出されたあの精神世界は、あらゆる者を幽閉する...永遠に

 

彼らは同じことしか出来ず餓死か自殺の二択しか取れなくなるだろう

 

死への恐怖こそが最大のダメージである...

 

そのかわり、ぼくの脳への負担もかなり高く、現にこうして意識不明の重体でぶっ倒れている

 

「よかったッ...ヘルガ...!!」

 

タツミがそう言ってぼくを抱き起す。

 

「...ザンクは...どうなったの...。」

 

「それが...。」

 

 

 

どうやら、ザンクはあのアカメを斬る直前から謎の言葉を発し、発狂して何もないはずの空中を剣でなぎ払っていたという。

 

アカメは彼の帝具能力の一つ、幻視から解放され...いや、解放される前から彼を斬る為に跳躍し、急接近した

 

そして未だなお気がおかしくなったザンクの首元を斬りきざみ、死へと至らせたという

 

「そう...なのか...。」

 

「あぁ...ところで驚いたよ、ヘルガがいきなり倒れるなんて...何があったんだ?」

 

「...。」

 

色々と聞いてくるタツミとぼくにアカメが振り返った。

 

そして、ぼくの方に目線を向け、

 

「...お前...何をした...。」

 

冷たく言い放つ

 

「...バレてたの?」

 

そう、未だ意識がはっきりしない脳を働かせて聞き返す。

 

「バレてたって...なんのことだよ、アカメ?」

 

タツミはよくわからないと言った風にアカメに問う。

 

「...ザンクがアカメに斬りつける直前に、奴の能力 幻視が打ち消された...。

奴の足元に忍び寄ったナニカによってな...お前の方向から来ていたあれは一体なんだ。答えろ。」

 

どう見ても不審がられている

 

「ッ、教えるかよ、このロリが...ッゔぉぇッ...!」

 

想像以上に使い慣れていなかったせいか、先ほどのザンクを精神世界にぶち込んだ影響で脳震盪が収まらない。

 

そして意識が遠のいていくうちに、周りの陰から静かに近寄ってきていた周囲に潜伏させていた親衛隊員に...

 

「...帰ってアリアの子守でもしてろ...ッ...。」

 

そう言い残して、ぼくはこの意識を手放した...。

 

あのザンクの精神世界での行動は、現実にも同じように反映される

 

壁を破壊するときは空中を破壊しようとし、扉に近づこうと跳躍するときはその場で足踏みをしていた...

 

彼は見ているものが異なる、肉体と視覚のズレが生じていたのだった...

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。