「後悔しないでね」
ふぅ……とため息をつき、頬杖をしてアサはつぶやいた。
「初めてWIZ娘に会ったのは……もう1年以上前になるのね……」
思い出すように話し始めた。
「ギルドが出来て……1ヶ月位した頃かな?メンバーが5人だったか……まだみんな1次職だった頃……」
「結構前だな」
あのギルマスが剣士だった頃、か……想像もつかないな。まぁ、このアサがシーフだった頃、ってのも想像しにくいが。
「ギルマスが『遠足に行こう』ってフローラ山に行ったの」
「まだアルゴスとフローラばっかりの頃?」
「うん」
最近は別のモンスターも出るらしいが……
「さすがに駆け出しばかりだから結構大変なんだけど、あれはあれで面白いものね」
「へぇ」
「今さらだけど、ギルマスのイベント企画はなかなかだと思うわ」
「あ、それは言えてるな」
どこでどう思いつくのかはわからないが、妙にそう言うのを考えつくのがうまい。
「みんなで、ガスガス攻撃くらいながらクモやフローラを狩りながら頂上を目指すって言うのは今じゃ出来ないものね……」
「そうだな」
「で、頂上について『輝く草を探そう』ってなったの」
輝く草……コンスタントにレアの出る草で、一番人気がある草だ。
「みんなで手分けして探し始めたらね、ギルマスがみんなを呼んだの『大変だ、来てくれ』って」
「枝でも折った残りがいたのか?」
たまにいるらしいからな。
「ううん。私たちがそこで見たものは……想像を絶するものだったわ」「な、何だ?」
「それはね……CMのあとで♪」
(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
(・∀・) あなたの手元に+10ダブルソリッドアークワンド! (・∀・)
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(・∀・) 何があっても壊れない武器はあなたにとって心強い味方となるでしょう! (・∀・)
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(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
「私たちが見たものは……輝く草ではなく、輝くフローラだったの」
( д ) ゜ ゜
(・∀・)アサちゃんの回想シーン(・∀・)
「どうする?」
さすがにギルマスもこれには驚いた……というより全員が何と言っていいのかわからない状態。
そりゃそうね、今まで見たことも聞いたこともないんだから。
「とりあえず……狩るか?」
「そうね」
叩き始めるのだが……
「か、固い!」
「草と同じか!」
与えられるダメージは1のみ。皆が必死に叩く……そうフローラのHP分。(注:2000以上)
ザシュッ……ドサッ
「お、終わった……」
「長かったぁ……」
全員が大の字に転がり、肩で息をしている。当然と言えば当然だけどね。
「ん?おいみんな、見ろ」
ギルマスが何か見つけたようだ。
「どうした?」
何とか起きあがって、集まる。
「これ……なんだ?」
倒れたく木の根本。少し土が盛り上がって……何かが見える……?
「掘り起こそう!」
「おー」
(・∀・)回想シーンおしまいっ(・∀・)
「で、その根っこを掘り起こしたらね……」
「うん」
「根っこにくっついていたのがまだマジシャンだった頃のWIZ娘だったの」
「な!なにー!」
何てこった。大抵のことは覚悟していたが……こういうのは……
「落ち着け、俺」
「そうね」
「問題ない。予想の斜め上をキリモミ飛行しながらヒヨコの雄雌鑑別するくらいは予測の範囲内だ」
「ま、そう言う話だったら面白かったんだけどね」
「待てこら」
「ん?」
「どういう意味だ?」
「あ、全部私の作り話」
「何だって?!」
腹を抱えて笑い出すアサ。くっそ、思いっきり殴りてえ!
「ホントのところは?!」
ダン!とテーブルを叩いて迫る。
「お、落ち着いて……怒っちゃイヤ♪」
「あのな……」
「あの子は……ギルマスがゲフェンでポリン叩いてるところに声をかけて拾ったの」
「それだけ?」
「ギルマスは『いろいろ素質があると見込んで拾った』って言ってたよ」
「素質?」
「笑いが取れるって」
そう言う観点で拾ったのか……
「じゃあ、それ以前は?」
「知らない」
「え?」
「聞いたことないし、話してくれたこともないもん。あの子、聞かれない限り話さないタイプだし」
話しづらいとか話せないって訳じゃなくて、話したことがないってだけか。
「で、今度はこっちから聞いていい?」「なんだ?」
「そんなこと聞いてどうするつもりだったの?」「え?」
「あ、まさか……
『お義父さん、WIZ娘と僕の結婚を認めてください』『プ、プリ男くん……(*・∀・)』
『き、貴様のようなどこの馬の骨とも知れん若造に娘はやらん!』『か、必ず幸せにします』
『うるさい、帰れ!』『パ、パパ……ひどい!』
って、展開がお望み?」
「違うよ……」
つぶやいて席を立ち、部屋へ戻る。
俺もどうして知りたいのかはよくわからん。
翌日……俺は図書館にいた。
別に調べものとかそう言うんじゃなく、今読んでいる小説の続きを借りに来たのだ。
ま、たいしたものじゃない。 プロンテラの成り立ち、グラストヘイム古城の謂われなどを小説にしたもので、時代考証もいい加減だし、登場人物は人間離れした連中だが、娯楽小説としてはおもしろい。
王室のスキャンダルまで乗せているあたりが、作者の趣味、と言ったものを如実に表しているが。
「えっと……こっちだったか」
本棚の間を進んでいく。
結構な蔵書数のため、勉強熱心な魔法職やアコライト達の他、アルケミスト達が新たな製薬方を求めて書を探している。
俺の目指す小説は……この角、魔法に関する書物の並ぶ棚の向こうだ。
歩いていくと、一人の女性ウィザードが脚立の上で本を探している。
……WIZ娘じゃないのであしからず(´・ω・`)
「ん……4大魔法概論第3巻と……魔力編成論論文集第4巻……」
指で背表紙をなぞりながらいろいろ探しているようだが……難しそうな本だな……俺には絶対無理だ。
「それから……あ、これも」
いろいろ大変なんだなぁ……
よく考えると、ウィザードやセージはこうした書物にもなっているような理論をもとにして魔法を使っている。
信仰によって行う俺たちとは大違いだ。
「あ!危ない!」
え?
声のする方を向いたとき、俺が見たものは……いい感じに角を下にして俺めがけて降ってくる分厚い本だった。
「ん……」頭がズキズキする……
「……?……か?」何か話しかけてくる声が聞こえる。
額が少しひんやりする。
柔らかな感触……何となくいい香り……耳に心地よい響き……もう少しこのままで……って……
目を開けると……目の前に見覚えのない顔が心配そうにのぞき込んでいた。
「あ、気がつきましたね。大丈夫ですか?」
えーと、この状況は……濡れたハンカチを額に乗せて膝枕してもらってたりする?
「!!!」
「わわっ」
唐突に殺意を感じて跳ね起きる。
「え、えーと……」
「あ、あの私が落としてしまった本があなたに当たってしまって、気を失ってしまったものですから」
「か、介抱してくれてたんですか……ありがとうございます」
「いえ……私の方が悪いんですから」
うわー丁寧だ。
「あ、これ返します」ハンカチを手渡す。
「あの、大丈夫ですか?」
「え、ええ……」
__
i<´ }\ , - 、
ヽ.._\./ .ンく r-兮、 __
∠`ヽ.! / ヾニEヲぐ ,ゝ-> 「ゴッグだから、なんともないです」
/_`シ'K-───‐-、l∠ イ
l´__,/l\、_ ̄0¨0)゙@Yヘ, -┤
l'___|⌒ヾ''ー==、ーr='イ i二|
/ .」 i /./7r‐く lー!
f. ヽ‐i人.∠'< _i. l,.-ゝ.
トiヘヘ「ト〈 `X トレi7__|
〉ト:トハj`! i. / トー┤lルj,リ
/‐+----+‐l iー--i---ヾ'〃
l_i____i__| |___i,__i_|
「まあ……すごいんですね」
「それじゃ、これで」と立ち去ることにする。
「あ、あの……」
何か声をかけてきていたが、そのままに。
全体的に知的で品のある感じのウィザードだったなぁ……どっかのウィザードとは大違いだ。
……そのギャップで吹き出しそうだったので、退散したんだが……名前聞くの忘れたな(´・ω・`)
戻ってみると、BSがWIZ娘と監獄に行こう、と誘ってきたので乗ることにした。
「弁当、変なの入れてないだろうな?」
「大丈夫だよ(・∀・)」
あの笑顔がちょっと不安だが……
「じゃ、いくぞ」
「おー」
ポタを出す。行き先はゲフェン。歩けばGHまではすぐだ。
ポタの光の中に二人が消えたのを確認し、俺も乗り込む。
ふわり、と言う浮揚感とともに視界が一瞬暗転し……すぐに明るくなる。
そこにはゲフェンの町並みと、鎌を振り下ろそうとしているバフォメットが……っておい!( ゜д゜)
あわてて転がるように逃げる。俺の立っていた場所をすさまじい早さで鎌が通り過ぎる……死ぬところだった。
「プリ男、こっちだ!」
「こっちこっち~」
二人の声の方へ駆け出す。後ろでLoVの派手な音が響く。
「はぁ、はぁ……一体、何なんだ?」
WIZ娘の立てたFWの中に入り、一息つく。
「枝テロだな。最近多いらしい」
WIZ娘は……適当に魔法を撃って近寄ってくるモンスターを撃退している。雑魚は任せておけばいい。
収まるのを待つしかないか……と腰を下ろしたとき、
「おーい」
3人が声のした方を振り向く。遠くで騎士がこっちを呼んでいる。
「そっち、ウィザードいるよな?」
「ああ、いるぞ」
BSが声を張り上げる……こいつ、声でかいから頭にガンガン響くなぁ(´・ω・`)
「共同戦線と行こう!俺が突っ込むから援護してくれ」
「了解」
向こうもウィザードがいるようだが、一人より二人、だな。
「行くぜ!」
一通りの支援魔法をかけ、BSが気合いを入れ、WIZ娘がヒマワリの位置を直して戦闘態勢。
約一名違う動作に見えるが気にしない。
「うぉりゃああああぁぁぁ!」
BSが気合い一発駆け出す。
そのあとから相変わらずとてとてとした走り方でついていくWIZ娘。
俺も遅れまいと駆け出す。なんとしてもテロは鎮圧する!
「ストームガスト!!」
「ロードオブヴァーミリオン!!」
向こうのウィザードの魔法にきっちりあわせて魔法を落とす。
「クァグマイヤ!!」
「メテオストーム!!」
防御に徹した騎士とクルセイダーを中心におき、BSとハンターが二人のウィザード周りの露払い。
総勢4名のプリーストにより全員を支援。
他からも続々と鎮圧部隊がやってきて、少しずつだが、テロの規模が小さくなっていく。
「もう少しだ」
「おう」
と目を離した隙に……
ブモォォォン!
「!!」
巨大なミノタウロスがWIZ娘にハンマーを振り下ろそうと襲いかかる!
「ストームガスト!!」
「ユピテルサンダー!!」
向こうのウィザードとの完全な連携。WIZ娘は誰かとの連携が結構うまいんだよな。
テロは10分ほどで鎮圧された。
「お疲れ~」
そう言いながら全員が散っていく。
最初に声をかけてきた連中も去っていく。ロクに挨拶もしなかったが、まぁそういうものか。
向こうのウィザードは……あ……図書館で会った人だ……
「あ……」
WIZ娘もそのウィザードを見つめている……見覚えがあるのか、知り合いなのか……
解説
フローラ山
出現モンスターが少し変わったが、今でもフローラだらけの山。装飾用ヒマワリがほしい人はここへ行こう。
笑いが取れる
作者が一番最初に入ったギルドも、ギルマスが「笑いが取れそうだったから」という理由で誘われた。解せぬ。