「WIZ娘、知り合いか?」
念のため聞いてみる。
「あの人、とっても強いね(・∀・)」
なんか、飲み物を吹いたような音が聞こえたが、気のせいか?
そりゃそうか。ウィザードが行くような狩り場にほとんど行かず、独自路線を突き進んでいるWIZ娘に他のウィザードの知り合いがいるとはちょっと考えづらい。
いろいろ知り合いは多いようだが。
「休憩したら行くか」
「おう、さすがに疲れた」
近くのベンチで座ろうと、歩き出したとき、あのウィザードが騎士と一緒にこちらへ歩いてくるのが見えた。
……なんだろう?ま、俺たちに用事、と言うわけではないだろう。他にも大勢の人がいるんだし。
そう思っていたのだが
「やっぱり、図書館で会ったゴッグなプリーストさん」
俺たちのところに来たのか……
「どうも……でも、そう言う記憶の仕方はやめてください」
「あら、ごめんなさい。そして、WIZ娘ちゃん、お久しぶり」
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)ど、どういう事?
WIZ娘は……?(・∀・)?……という感じ。こいつ、向こうは覚えているのに覚えてないのか?
「あ、髪型変えちゃったから、違って見えるのかな?」
「あ、先生!」
「はい、正解(`・ω・´)b」
( д) ゜ ゜
せ、先生?どういう事だ?
あ、魔術師ギルドの人か……って、そう言うふうには見えないしなぁ。
「WIZ娘ちゃん、元気に頑張ってる?」
「うん、先生は?」
「先生も頑張ってますよ」
「俺もな」
三人で勝手に盛り上がってしまった。
……BSを見る……こちらも呆気にとられている。そりゃそうだな。
「なぁ、プリ男」
「ん?」
「ひとついいか?」
「なんだ?」
「お前、ゴッグって名前だったんだな」
そっちかよ!ヽ(`д´)ノ
ま、細かいつっこみはさておくか。
「あの……」
三人がなにやら盛り上がっているところにおそるおそる声をかけてみる。
「あ、すみません。勝手に話し込んでしまって」
「あ、いえお構いなく」
「そうそう、挨拶が遅れました。私、WIZ娘ちゃんに魔法の使い方とか選び方を教えていた者です」
「魔法の使い方を教えていた(・∀・)?」
よくわからん。
「私の兄……こちらの騎士ですが……が、ミミズ砂漠に2週間いるマジシャンがいる、と言うので行ってみたらこの子が延々とミミズを狩っているのを見つけまして」
「2週間……ですか」
「はい」
「最初に見たときは俺も目を疑いましたがね……」
長いと言えば長いが……こいつ、1ヶ月狸狩りしていたこともあったらしいしな……
「で、話を聞いてみると縦FWもよくわからない、と言うのでいろいろと教えたんです」「……何となくわかりました」
「確か……ジョブレベルが48で、FWが8だったかしら。ミミズ以外でもなかなか面白い狩り方する子ですし、教え甲斐がありました」
……そう言えばこいつ、FWがまともに10になったのはウィザード転職直前だったって言ってたような……
「WIZ娘ちゃんもずいぶん強くなったじゃない」
「見違えたよ」
「えへへ、そんなこと無いよ(・∀・)」
「ちゃんと私の魔法に合わせて魔法使えてたじゃない。立派立派」
言いながら、WIZ娘の頭をなでる。WIZ娘は……はち切れんばかりの笑顔だ。
なるほどね……こういう人に魔法の使い方ってのを教わったのか。
見たところ、オーラこそ吹いていないが、さっきの様子からして相当な腕前らしい。
「おっと、あんまり長話しても、ご迷惑でしょうし、そろそろ行きますね」
「先生、元気でね」
「うん、WIZ娘ちゃんも」
そう言って、二人は去っていった。
似たもの同士のようであり、全く相容れないようでもあり。
だが、何となくWIZ娘の強さの本質ってのが見えたような気がした。
「そろそろ行くか」
「おう」
BSが歩き出し、そのあとに続く。WIZ娘が後ろからとてとてっとついてくる。
「ね、ね、プリ男くん」
「ん?何?」
「ゴッグって何?」
(○) さすがゴッグだ。何でもないぜ
__ ヽ|〃
r<´ }\ , - 、
ヽ.._\./ .ンく r-兮、 __
∠`ヽ.! / ヾニEヲぐ ,ゝ->
/_`シ'K-───‐-、l∠ イ
l´__,/l\、_ ̄0¨0)゙@Yヘ, -┤
l'___|⌒ヾ''ー==、ーr='イ i二|
監獄2F。フェンダークというタフな化け物とリビオが多く生息する魔の領域。
俺たちの場合、ウィザードのQMなしでは危険この上なく、できればSGで凍らせて戦いたい……
が
「メテオストーム!!」
「はっはぁ!俺らに立ち向かおうなど3年と2ヶ月半早い!」
BSのテンションはあがりっぱなしだ。微妙に数字が細かいが、気にしちゃいけないぜ。
そう、WIZ娘と行く場合、
「凍らせるなんてまどろっこしいことは抜き!ガンガン落とせ!」
「らじゃー(・∀・)ゝ」
となるのでBSに限らず前衛のテンションはどんどんあがる。
ドゴォォォン……
魔力により呼び出された隕石の直撃でモンスターの大群が一掃される。
「ふぅ……一息入れるか」
「そうしよう」
さすがに少し厳しい戦いだが……
「ユピテルサンダー!!」「ユピテルサンダー!!」「ユピテルサンダー!!」
あっさりリビオ倒してるし……条件さえ揃えばWIZ娘だけでも十分戦えるようだな、強くなったもんだ。
「それにしても」
BSが真剣な表情で話しかけてくる。
「さっきのウィザード、先生だっけ?綺麗だったなぁ」
「そっちかよ」
「何て言うか、大人の雰囲気を醸し出しているというか、WIZ娘をちゃんと理解しているという余裕が見えるというか」
「それは言えてるな」
「だろ?」
「どっちもいいなぁ(・∀・)ジュル」
「ち、ちょっと待て!今のよだれは何だ!?」
「細かいことを気にするな」
「そう言う事じゃなくて」
「わかった、落ち着け」
「な、何だ?」
「WIZ娘はお前に譲るから、俺は先生、な?」
「『な?』じゃねぇぇぇ!」
「何だよ、じゃ、お前が先生か?」
「そう言う問題じゃないだろ!ヽ(`д´)ノ」
狩りを終え、部屋に戻り、ベッドに倒れ込む。プリってのは職業柄疲れるもの。常にメンバーの状況を把握し続けなければならないからな。
WIZ娘と行く狩りは、楽しくて爽快感があって、にこやかに「疲れた~」と言えるような感じがあるし、今日のような狩りは、それはそれで充実。心地よい疲れ、と言う奴だ。
「それにしても……」
独り言をつぶやく。
WIZ娘に魔法の使い方や選び方を教えていた、か。魔法を状況に合わせてとっさに切り替えるというのはなかなか出来るものじゃない。
とっさの判断力、他のメンバーの戦力、次の一手をどうするかの見極め……そして自分を守るメンバーへの信頼も重要なハズだ。
俺たちのことを信じているんだろうな……俺たちが「WIZ娘ならこの状況でもきっと何とかしてくれる」と信じているのと同じように。
――夜
外が明るいな、と思ったら月が綺麗だった。
月明かりの中、窓辺で月を眺め、そろそろ寝ようかと思ったら、外へ出掛けていく人影があった。
まぁ、夜出掛けちゃダメ、という決まりはないからいいのだが……あれ……WIZ娘?
どこへ行くんだ?
解説
ミミズ砂漠
モロクの南のさらに南にあるマップ。昔はミミズだらけ&低レベルキャラの育成が盛んな場所だった。街から近く、マップも一直線なので補給や復帰もしやすいのだ。
狸狩り
猫耳のヘアバンド狙いでずっと狩ってみたが、いまだに1個も出ないあたり、作者のドロップ運はひどいんだろう。