月の綺麗な夜だった。
昔の友人に出会ってなんだかんだで話し込んでしまい、こんな時間になってしまった。
満月に照らされた街はいつもと違うちょっと幻想的な顔を見せている。
プロンテラ中央の噴水のあたりに来たとき、話し声が聞こえた。見るとWIZ娘と女性のハイプリーストだった。
WIZ娘はこの前転生し、ハイウィザードになったんだっけ。と言っても、雰囲気は相変わらず。ヒマワリも相変わらず。
「じゃ、準備してくる」
「うん」
ハイプリーストがどこかへ駆けていく。
「あ、プリ男くん」
「よう」
「……夢遊病?」
「誰がだ!」
思わず頭を小突く。
「痛いよぉ(´・ω・`)」
「そう言うお前こそ、何をやっている」
「あ、あのね、ちょっとお出かけするの」
「ふーん」
そこへハイプリーストが戻ってきた。
「お待たせ~って、こちらは?」
「同じギルドのプリ男くん」
「ふ~ん、いいの?」
「うん」
何が「いいの?」なんだ?
「じゃ、行くよ」
「うん」
「アスムプティオ!!」
二人が光に包まれる。
「じゃ、先に行くね」
「うん、向こうで」
「テレポート!!」
ハイプリーストの姿が虚空に消える。
「プリ男くん、ばいばい」
WIZ娘がそう言うと……光り輝くヒマワリが真上の月を見上げる。
どどどどどどど……
地響きが聞こえる……?
見ると、座ったままのWIZ娘が少しずつ宙に浮いている。下から何かを噴き出しながら。
「元気でね~」
その言葉を残し、WIZ娘はどんどん高度を上げていく。
航空力学に基づき設計されたそのフォルムは垂直上昇時の姿勢を安定させるとともにロケットエンジンのの振動を最小限に押さえ安定した軌道を巡るための最適な流線型を描き……
がばっと跳ね起きた。何つー夢だ。
WIZ娘が転生?無理だろ?昨日はデスペナ5回とか言ってたぞ……俺も無理だが。
朝飯を食い終えるとBSがアマツでひなあられと菱餅を作ろう、と言ってきた。
WIZ娘とアサも交えて材料収集の相談開始。
「見ての通り、大して苦労するものじゃないが、数が必要だから手分けをしよう」
「いいね」
「誰がどれを?」
「ある程度短時間で集めることを考えて割り振っておいた」
言って、紙を配る。
「じゃ、各自頑張ろう」
「プリ男、ポタを頼む」
「了解」
それぞれ、装備をチェックして……
「じゃ、WIZ娘から行こうか」
「あ、あのね」
「なんだ?」
「倉庫に行きたいの」
「装備、一通りあるだろ?」
「それはそうなんだけど」
「じゃ、いいじゃないか。クモの糸、集めてきてくれ」
「それはそうなんだけど」
「じゃ、頼む。そんなに難しくないだろ」
「そうだけど」
「ちょいと行って、ぱぱっと狩ってくる。簡単だろ?」
「だ、だからぁ」
要領を得ないのでカプラ前まで行ってみた。
「はい、クモの糸。100個あればいい?」
「ちょっと待て」
「何?」
「何でそんなものが倉庫にある?」
「何でって、倉庫に入れたから(・∀・)」
「だから何で、倉庫に入れる?」
「何でって、ずっと持ってたら重たいから(・∀・)」
「だからって、何で倉庫に入れたんだ?」
「だって、捨てたらもったいないから(・∀・)」
∩∩
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( ゚ω゚) <へいこうせん、ここまで
。ノДヽ。
bb
「えっと、赤ハーブ1244個、緑ハーブ2561個……」
「それから?」
WIZ娘が倉庫の中身を確認し、それをメモしているのだが……
「ゼロピーが24672個、やわらかな毛が2674個……」
正直あきれる個数だな。
「サイファーが1841個、ブリガンが2114個……」
「「「売れよ!」」」
全員がハモった。
結局のところ、WIZ娘は今まで、自分で収集品類を売ってお金に換えたことが無いという事がわかった。
昔から臨公に行くことが多かったのと、マジシャン系自体、それほど買い込むものもないので、臨公で配られるzenyだけでも結構稼げて困らないというわけ。
「合計すると、だ」
「うむ」
「約5M」
「何!」
「一部レアもあるし、合成アイテムの材料もあるから、露店で売ればもっと行くかな」
俺らの想像超えてるな……
そしてひなあられと菱餅の材料はすべて揃っていたりする。
「それにしても、俺の企画って、いつもWIZ娘にかき回されるのな……」
BSの背中がちょっと寂しそうだ。
「さ、アマツ行くぞ」
BSがミスアマツに「お姉さ~ん!」と飛びつこうとしたところを全員で昏倒させるなんて事もあったが、全員にひなあられと菱餅が行き渡った。
ぽりぽり……とひなあられを口にする。
「不思議な食感だな」
「おいしいね」
「菱餅ってどうやって食うんだ?」
「焼いたり、おぞうににするらしいよ」
「じゃ、今晩やってみるか」
「料理法覚えてる?」
「えっと、フェンをMSで直火焼きして(・∀・)」
「「「違う!」」」