ヒマワリWIZ娘のぼうけんにっき   作:151

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こだわり

「いい?わかった?」

「うん(・∀・)」

「絶っっっっっっ対に!一人で行っちゃダメだよ!」

「うん(・∀・)」

「じゃ、お昼には戻るから、それまでちゃんと待ってるのよ!」

「うん(・∀・)」

 

 朝っぱらからアサとWIZ娘の声が聞こえる。

 そう言えば、夕べ言ってたっけ。明日は朝からいろいろ取引があるから留守にするって。

 

 そんなことを思い出しながら玄関まで行くとちょうどアサが出掛けるところだった。

 

「あ、ちょうどいいところに」

「ん?」

 

 アサがこちらへやってきて小声で話してくる。

「WIZ娘、アユタヤに行きたいらしいのよ」

「へぇ」

「結構危険な場所らしいから、あんたが一緒でも危ないから。ちゃんと見張っててよ?」

「わかった」

 

 俺もアユタヤがどういう場所かは聞いている。俺らのレベルじゃ、下手すりゃ即死しかねない相手がいることも。ついでに他のWIZに聞いても

「イマイチ」

 と言う返事しかかえってこない。WIZ向きじゃない場所なんだろう。

 

 ま、WIZ娘は通常のWIZ向きじゃない狩り場でも平気で行くから余計に気になるが……

 

「って!WIZ娘!どこ!?」

「え?」

 

 気づいたときには既にWIZ娘はそこにいなかった。

 

 靴も。

 

 

 

 目撃情報は予想通り。仕方がないのでBSと共にアユタヤへ渡る。

「今日は露店でいろいろ売ろうと思ってたんだがな……」

「我慢してくれ」

「つーか、大丈夫だろ?一応アレでも古代アクセ付けられるくらいに上達してるんだし」

「本当にそう思うか?」

「……すまん」

 だよなぁ……

 

「さて、いよいよアユタヤダンジョンか」

「敵についての情報は?」

「一応、1階は楽勝レベル」

「2階は?」

「タムランというのがひたすらヤバイ」

「どうヤバイ?」

「闇属性で魔法防御が強い」

「プリ男」

「なんだ?」

 

 

「今度からWIZ娘に首輪付けて繋いでおいてくれ」

 

 

「ギルマスにかけあってみるよ」

 ギルド資金で出るとは思えないが。

 

 ぼやきながらダンジョンへ入る。

 薄暗く、足下がようやく見えるかどうか……目が慣れてくるとそれほどでもないが。

 

「おい、これ」

「ん?」

 BSが手招きする。

 

「これ、井戸だよな?」

「らしいな」

「落ちるとヤバイ。ハエもテレポもやめておこう」

「了解。地道に行こう」

 

 しかし、深いな……そう思ってのぞき込んでみる。

 

 

 

「わっ」

「うがぁぁぁぁ」

 

 あわてて井戸の縁にあった手すりに掴まる。お、落ちるところだった。

 

「驚いた?(´∀`)」

「WIZ娘!お前!危ないだろ!」

「危なくないよ、落ちるとカプラさんの前に出るだけだよ」

「そ、そうか?」

 

「プリ男、論点はそこじゃない」

「え……あ!」

 何でここにWIZ娘が?!

 

「私、先に行くね(・∀・)ノ」

 言うなりテレポートクリップを軽く弾き、虚空に消える。

 

「……やっぱりいたか」

「さて……追うか」

 

 あの様子では2階へ向かっているはずだが、こちらはまず2階へ行くための許可をもらう必要がある。

 ひたすら駆け回り、何とか許可を取り付けた。

 

 ひとつわかったのは、1階程度ならWIZでも普通に進めると言うこと。

 余計に2階が不安だ。

 

「行くぜ!」

「おう」

 フル支援をかけて2階へ乗り込む。

 WIZ娘……無事でいてくれよ……お前が無事じゃないと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺らがアサに殺されるんだからなヽ(`д´)ノ

 

 

 

 

 2階へ入り、とりあえずマップを確認する。WIZ娘は……いた。

「東方向」

「了解。アスペを」

「OK」

 

 早速タムランが来た。

 BSが殴りかかり、俺は全力支援……勝てない相手ではないが、魔法で勝てるのか?

 ひょっとしてWIZ娘、力つきて倒れているんじゃないのか?

 

「プリ男、急ごう」

「ああ」

 BSも同じ思いのようだ。

 

 なんだかんだ言っても俺らのギルドの中でWIZ娘は誰もがかわいがっている存在。あいつが笑ってさえいれば皆が幸せだし、いつも笑っていて欲しいと願っている。

 こういう無茶をするのはいつものことだが、その都度叱っても

「ごめんなさい(´・ω・`)」

 のあとにまた同じ事をするのも、別にどうでもいい。

 ただ、あいつがいつも笑っていれば……

 

「後ろ!」

「ぬわぁ!」

 数が増えるとさすがにきつい。

 タムラン自身、何とか勝っているレベルだからきついか。

 

「だぁぁぁ!カートレボリューション!」

 ま、1対多数でも何とかなるが。

 

 WIZ娘の位置は……動いていない。

 ギルチャで呼びかけても応答がない。

 

 くそっ

 

 

「いた、あそこだ」

 BSが足を速める。

 WIZ娘が木の下にしゃがみ込んでいる。こちらに背を向け、首をうなだれて。

 

 まさか……!?

 

 

 

 

「WIZ娘!」

 あわてて駆け寄る。

 

「大丈夫か?」

「ん?(・∀・)」

 なんでもない、と言った感じで振り返る。

 

 よかった。

 

「お前な、アサに言われただろ?一人で行くなって」

「そうだっけ?」

 

 

 ダメだこいつ。

 

 

「何やってたんだ?」

「これがね、開かないの」

 そう言って青箱を見せる。どうやらここで見つけたらしいが、開かないのだという。

 

「あのな、WIZ娘」

「うん」

 

 

「それは持って帰るんだ!」

 

 

 なんとかWIZ娘をなだめて街へ戻り、シャーマンのところへ。

 シャーマンは箱を受け取り、中から手紙をとりだし、礼を述べる。

 

「これは持って行きなさい」

 そう言うシャーマンから青箱を受け取ったWIZ娘。

 

「あの……」

 

「なんだね?」

 

「開けた青箱の閉め方、教えてください!」

 

r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、  

ヽ__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ ⊂(。Д。)つ

 




井戸
アユタヤダンジョン1階にある、見た目通りの場所。ROでは珍しく、落ちたら即死するので注意。テレポート等で移動してきた場合、一歩も動かなければ死なないらしい。
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