1週間ほど、カプラサービスの倉庫がガラクタであふれていたので適当に処分したり、露店をぼけーっと見て回ったりして過ごした。
WIZ娘は、最近新しい狩り場を見つけたらしく、毎朝うれしそうに出掛けていく。どこに行っているのか聞いてみたが
「内緒だよぉ d(゚ヮ^*」
と教えてくれなかった。
まぁ、あいつのことだから、どうせまたWIZが普通行かないようなところに行っているんだろう。
普通、WIZが行くところと言ったら赤芋・時計・窓手だが、赤芋・時計の本格デビューがWIZになってからで、あまり行っていないようだし、窓手は行ったことがないと、どこで狩りしているのか全く不明だ。
そろそろ狩りにでも……と思った日の朝、ギルメンの♀アサに声をかけられた。「ファラオ、狩りに行かない?」
こいつ、結構ボス狩り好きだからな。MVPボスかぁ……最近姿すら見てないし……行ってみるか!
スフィンクスダンジョン。2階には虚ろな目をした連中がいるので、速やかに通り抜けることが推奨されている。
そして、迷路状になっているため、ハエの羽・テレポートでの移動も推奨されている。慣れていれば徒歩でもいいが。
「じゃ、3Fへの入り口で」
そう言ってアサはハエの羽を握りつぶし、虚空へ消えた。俺もテレポで一気に飛ぶ。
浮揚感とともに周りの景色が一瞬消え、視界が戻ると2F入り口が目の前だった。
「先に行くぜ」
とアサに伝えて2Fへ入る。
2F……改めて呆然とする。多いとは聞いていたが、これほどとは……虚ろな目をして、機械的に敵を倒し、無言で消える連中……
「癌、仕事しろ」
意味はわからないが、ここではこう唱えるのが決まりらしい。
さて、気を取り直して……「テレポート!!」数回のテレポの後、3F入り口の近くまで来た。ここからなら歩いて行った方が早い。
「今度は先に付いた ( ´_>`)」
なんか悔しい……
「近くまで来たから、すぐ行く」
そう伝えて歩き出す。
曲がり角の向こうからなにやら派手な音がする。何だろう?と思ってのぞき込むと……
「ファイヤーボルト!!ヽ(´ヮ`*)ノ」え?
「あ、プリ男くん、やっほ~(・∀・)ノシ」
∩ ∩
~| ∪ | (´´
ヘノ ノ (´⌒(´
((つ ノ⊃≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;;
何でここに……と言いかけてやめた。どうせ返ってくる答えは「面白いから」か「楽しいから」に決まっている。
「MHでもあった?」
となかなか来ないのでアサが心配している様子。
「目の前にWIZ娘がいるんだ」
「へぇ」
こちらに歩いてくるようだ。
しかし、こいつは本当に……と思っていたらWIZ娘の横にゼロムが現れた。ま、あの程度ならWIZの試験に出てくるらしいから何とかなるだろう……と思っていたら、
「ファイヤーボルト!!」
「ファイヤーボルト!!」
( д ) ゜ ゜
「アホかーーーー!!」
パーン
アサ↓ _, ,_ Y ↓WIZ娘
( ‘д‘)彡☆))Д´)
>彡
……どこからそのハリセン出したんだ?と突っ込みたかった。
「痛いなぁ……アサちゃん、どうしていきなり叩くのぉ?(´・ω・`)」
その答えを言え、と……?
「ま、言いたいことはわかった」
「予想通りだったな」
簡単な理由だった。
「ここ、青い箱が出るんだよヽ(´・∀・`)ノ」
聞いた俺たちが馬鹿だったのか、WIZ娘が馬鹿なのか……でも、馬鹿って言うとこいつ怒るんだよなぁ……
しかし、火属性のゼロムをFBで狩るとは……ロングボルト恐るべし。
「そうだ、WIZ娘。一緒に来ない?」
「ふぇ?(´・ω・`)?」
「これからファラオ探しに行くんだ」
「ファラオ……って何?」
「強い敵。MVP付いちゃってるボス」
「うーん(-_-)」
悩んでいるようだ。まぁ、WIZ娘なりにこのダンジョンはこれ以上深いところに苦手意識があるんだろうし、もともとボスに興味がないらしい……一押ししておくか。
「ファラオ、紫色の箱落とすらしいぞ」
もちろん嘘だ。
「ホント?(゚∀゚)」
「ああ、確か持ってるよな」
「知り合いが出したって言ってたっけ」
ナイスフォロー。
「行く行く~行っちゃう~ヽ(´∀`)ノ」
「あ、あのな、WIZ娘」
「なに?」
「そ、そう言うセリフは、あまり言わない方がいいぞ」
「どうして?(´・ω・`)」
「どうしても」
いろいろな意味でな。アサが硬直しているが、気にしない。
3人で3Fへ入っていく。それなりに敵が出るのだが……
「グロリア!!」
「◎め!いくぞー(`・∀・)]≡>」
「ファイヤーボルト!!」
r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、
ヽ__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ ⊂(。Д。)つ
ダメだ、こいつ全っ然学習してねえ。
「箱、出たよ」
「ホント?(・∀・)」
「ほら」
「これは死者の遺品ヽ(`д´)ノ」
ホント、見てて飽きないなぁ。
そしていよいよ5F。
ぐるぐると回る構造で、索敵はハエにするか?とも考えたが、ここでは下手をするとWIZ娘が即死するのでやめた。
歩いて探そう。オーラ吹いてる連中もチラホラいる。ファラオがそろそろ出る時間か?俺たちのレベルでは先に見つけておかない限り、持って行かれる可能性大。自然に早足で探す。
「いた」
比較的早く、アサが見つけた。が、既に他の連中が狩っていたのでおとなしく眺めていることにしよう。
「グロリア!!」ズガガガガ……「グロリア!!」ズガガガガ……「グロリア!!」ズガガガガ……
クリアサの本領発揮だな……
「すごいな……」
アサにとってはあこがれなんだろうな。
「ああ、すごい。WIZ娘もそう思うだろ?」
「そうだね、ファラオって、すごく長いね(´・∀・`)」
そっちかよ。( ゜д゜)
やがてファラオが片づくと、周りのギャラリーも散っていく。
「帰ろうか?」
「そうしよう」
家に戻り、中に入ろうとすると「砂はらってくる」とWIZ娘が裏へ回っていった。
あのマントではモロクに行くとかなり砂が付くんだろう。俺も軽く砂を落として中に入る。
よく考えたら、この服、だいぶ洗濯してなかったな……いい加減洗うか。いや、プリの正装のことだぜ?普段来ているのはちゃんと洗ってる……信じろよ。
家の裏に回ると、WIZ娘も洗濯するつもりだったらしく、タライに服を入れて井戸のポンプの栓をガチャガチャやっていた
でかいレバーをガチャガチャ上下すると水がくみ上げられる、まぁ、一般的なポンプだ。
そう言えば、ポンプの調子が悪い、と誰かが言っていたな……
「WIZ娘、ポンプの調子悪いらしいぞ」
「うん、知ってる」
「そっか」
WIZ娘がタライをポンプの近くへ置き、レバーを上下させ始める
「んしょ、んしょ(`・ω・´)」
……やがて水が出てきてタライに注がれるのだが……
あれ?水の勢いが鈍い?
何だかイヤな予感が……
「WIZ娘、水が……!」
「え?」
手遅れだった。
どこかが詰まっていたのか、ひびが入っていたのか、くみ上げられてきた水は壊れたポンプから一気に噴き出し……勢いが収まったそこにはずぶ濡れになって硬直したWIZ娘がいた。
「大丈夫か?」
「うん(´・ω・`)」
「そのままだと風邪引くぞ」
「うん」
頭を2,3度振り、髪の水をとばし「着替えてくる……(´・ω・)」とてとてっと、こちらへ歩いてくる。
全身水をかぶってしっとりとした髪がちょっと大人っぽく見えるとか、目のあたりがちょっとうるうるしてるとか、もともと大きめの服がずれかかって肩がチラチラ見えているとか、体のラインがくっきり出ているとか、なるほどよく見ると……だあああ!俺は!聖職者だ!
結局俺は復帰したばかりだというのに、大聖堂で徹夜して聖書を5回も読み返すハメになった。
ちなみに、WIZ娘がゼロムにFB撃つのはMY WIZ娘(ヒマワリ装備)で実験済み。WIZの転職試験ではSS使って倒したけどな。
ついでに言うとSG1も同じ。
WIZ娘のネタがちゃんとRO内で成立するよう、こっそり検証しています。
解説
カプラサービス
街から街への瞬間移動や倉庫等の各種サービスを提供している謎の大企業。他社が類似のサービスを始めるときにもここと提携しないと商売にならない、と言うほどの巨大企業。なお、カプラサービスを開いたままでしばらく放置し、何もサービスを使わずに閉じると、しばらく一緒に歩いてくれるという謎のサービスもある。
赤芋
プロンテラ北部に大量に生息しているアルギオペのこと。赤い芋虫なので赤芋と呼ばれる。マジシャン系ならFWだけで楽に狩れるので一次職追い込みの定番だった。
窓手
グラストヘイム地下によくいる、スティングのこと。動きが遅いという意味で、赤芋同様、マジシャン系がよく狩る、らしいが作者はほとんど狩ったことがないのでよくわからん。
虚ろな目をした連中
言わずと知れた、あれのこと。ある時期、ROのプログラムに大きく手が入れられたこともあり、最近はほとんど見かけない。もっと早くやっておけよ、と思う。
ゼロム
なんか、箱を抱えて歩くモンスター。ぶっちゃけ雑魚。火属性なので火魔法を使うのは悪手だが、火属性1なので、一応火魔法が通る。露店に並べるときにネタにしかならないブリーフを落とす。
ファラオ
WIZ娘の感想通り、細長いボス。
◎
マルドゥークというモンスター。火属性であるが、ゼロム同様火属性1なので火魔法でも倒せないことは無い。
死者の遺品
ただのドロップ品だが、どう見ても箱。開けるべきだと思う。